↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/10

狙われたドパガキ

北門。


城壁の向こうから黒い煙が立ち上る。


兵士たちは必死に防衛線を張っていた。


「押し返せ!」


「市民を避難させろ!」


怒号と悲鳴が入り混じる。


そんな中、レオンだけは軽い足取りで歩いていた。


「おお、祭りみたいだな。」


「祭りじゃありません!」


ギルド職員が叫ぶ。


「相手は魔王軍ですよ!」


「そうなの?」


「だから面白そうなんだけど。」


「……。」


誰も返す言葉がなかった。


「おい、ガキ。」


低い声が響く。


振り向くと、そこには王国最強の冒険者と呼ばれる男が立っていた。


大剣を背負ったS級冒険者――ガロス。


「帰れ。」


「邪魔だ。」


レオンは首をかしげる。


「俺、邪魔?」


「戦争は遊びじゃねぇ。」


「お前みたいなガキが来る場所じゃない。」


レオンは笑った。


「そういうの嫌いなんだよな。」


「子どもだから弱いって決めつけるやつ。」


ガロスは鼻で笑う。


「なら証明してみろ。」


「俺を一発でも動かせたら認めてやる。」


周囲がざわつく。


「ガロスさん!」


「本気ですか!」


レオンは肩を回した。


「いいの?」


「泣いても知らねぇぞ。」


「その台詞、そのまま返す。」


二人は向かい合う。


一瞬の静寂。


レオンが地面を蹴った。


速い。


しかしガロスは片手で受け止める。


「軽い。」


「子どもの拳だ。」


レオンはニヤリと笑う。


「そう来ると思った。」


心臓が高鳴る。


強敵。


自分より圧倒的に強い相手。


その事実だけで胸が熱くなる。


《ドーパミン分泌 83%》


「……?」


ガロスの眉が動く。


レオンの力が一瞬で増した。


「お?」


「まだまだ!」


レオンは連続で拳を繰り出す。


ドン!


ドン!


ドン!


ガロスは受け流す。


しかし徐々に後ろへ下がっていた。


「なっ……。」


周囲の冒険者たちが息を呑む。


「押してる……?」


「S級を?」


ガロスの表情から余裕が消え始める。


(なんだ、この成長速度。)


(殴るたびに重くなっている。)


レオンは笑いが止まらない。


「すっげぇ!」


「アンタ強い!」


「最高だ!」


《ドーパミン分泌 86%》


「まだ上がるのか!」


ガロスが大剣を抜く。


「遊びは終わりだ。」


空気が変わる。


圧倒的な殺気。


普通なら足がすくむ。


しかしレオンは――。


「うわ!」


「それそれ!」


「そういう本気待ってた!」


《ドーパミン分泌 89%》


「ははは!」


笑いながら突っ込む。


その瞬間だった。


ズドォォォン!!


巨大な黒い槍が二人の間へ落ちた。


地面が爆発する。


「何だ!」


煙の向こうから、一人の男が歩いてくる。


黒い鎧。


銀色の長髪。


右目には赤い紋章。


その姿を見た兵士たちの顔色が変わる。


「まさか……。」


「魔王軍四天王!」


「《断罪》のヴァルグ!」


男はレオンだけを見て笑った。


「見つけたぞ。」


「四人目のドパガキ。」


レオンは親指で自分を指す。


「俺?」


「そうだ。」


「お前は知らないだろう。」


ヴァルグは静かに剣を抜く。


「歴代のドパガキは、全員――」


「魔王様が直々に討ち取った。」


レオンは数秒黙ったあと、ニヤリと笑う。


「へぇ。」


「じゃあ、俺は初めて生き残るドパガキになるか。」


その挑発的な笑みに、ヴァルグも口元を吊り上げる。


「面白い。」


「なら試してやろう。」


二人の視線が交わった瞬間、レオンの脳内に今までとは違う警告音が鳴り響いた。


《ドーパミン分泌 91%》


《危険域到達》


《100%到達時、制御不能の可能性あり》


レオンはその警告を見ても、不敵な笑みを消さなかった。


「制御不能?」


「そんなの……なってから考えればいいだろ。」


その言葉に、ガロスは思わず額を押さえる。


「本当に、とんでもないドパガキだな……。」


そして、王都を舞台にしたレオンと四天王ヴァルグの戦いが、ついに幕を開けた。

読んで頂きありがとうございます。

深夜テンションで書き始めましたので気が向いたら更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。