BOSS 魔女エレナ・ブラン・ヒート
『遙か底の魔女の秘境』の最深部にいるBOSS、
『魔女エレナ・ブラン・ヒート』、
人だった者の集合体なのか、謎の魔女。
龍人も、フレデリカ・アラーノもかつて倒したことのある言葉を喋らぬ、
魔法を使うBOSS、
かつての名は『魔法使いブラン』。
龍人と旭の目の前にいるは、
『表記』されるは『魔女エレナ・ブラン・ヒート』、
『改名』、進化の結果。ろくに倒されぬがゆえに、
周囲のアニマを貯めこみ、進化し続けた果て、
魔女と改めたBOSS。
魔女アリデリーナ・アルフレードの『極致』に辿り着かなかったのかは
実際のところはわからないが、
やろうとすれば恐らく辿り着けるというか
もうとっくに辿り着いているが、
伝承する気がなかっただけの『最長の魔女』フレデリカ・アラーノ、
魔法に長けている彼女すら過去に匙を投げたBOSS。
『遙か底の魔女の秘境』BOSSの間、
そこは黒きススキ、僅かに雪が敷かれた地面、
黒と白の相尅、壁は氷で無色、天井は無い、
蒼い空、白い雲、壁の向こうは海だろうか、
命を感じない赤い海。混沌が入り交じる場所。
龍人の武器は、愛刀ヴォルファング、
左手には盾も武器もない、
旭の武器は、強化済みの使い慣れた ただのロングソード、
左手には鉄でできた小盾、
敵は未知なる敵『魔女エレナ・ブラン・ヒート』その威圧感は、異常。
「わた、し、エレナ、ぶ らん ヒート、あ、あそ、び、ましょ。」
「驚いたしゃべりやがる、散った魂の誰かが、
核にでも成り得たか、エレナか、ヒートか、まあいい、やることはかわらん」
「うん、でも、」
旭は冷や汗をかく、彼女の『勘』が警告する、
それは囁きを超える、一刻もはやく立ち去れと、
だがその『勘』は身を守る『勘』、
転生への道標の『勘』ではない、故に退く訳にはいかない、
「ああ、嫌な予感しかしない、これは疑うまでもない、やばいな。」
龍人も同様なのだろう、冷や汗が一つ、
長寿と言って過言ではない最強の脳筋ですらこれ、
魔女エレナ・ブラン・ヒート、
その風体は黒の魔女っぽい帽子、
先端にポンポンがついている、金髪、
肩を少し越える髪、顔はのっぺらぼう、
服は白いローマンカラー、カトリックの司祭の服に用いられるあれ、
簡単に言うなら両肩から胸の上部当たりの楕円のやつ、
その下は薄黒い修道服のようなもの、
同じ色の手首を超える白い大きめの手袋、
体の中心の薄黒い服の下から仄暗く光る蒼き光、
股から先は幽霊のイメージのように波打っていて足はない。
全長4メートルはある幽霊魔女。
「あそあそびまま。しょ」
「どうする龍人、なんもしてこないけど、私は斬るよっ」
「ああ、一発やらにゃ動かんらしい、いくぞっ」
「「ッッッ」」
大剣ヴォルファングと、ロングソードの一撃がBOSS、
エレナ・ブラン・ヒートにダメージを与える、
しかし感触は鈍い、通常の三分の一、
いや四分の一の感触しか無い、二人はそう感じ取る、
その刹那、ダメージに反応する、エレナ・ブラン・ヒート、
「痛っ痛っ痛っはじまりっあたえるっ魔法ッッ」
何かを発動するBOSS、
「これはっ」
「アリデリーナさんのっ」
第6の魔法 雷 思考を許さぬ雷鎚の拘束、左手は拘束、
右手は同じく第6魔法、
氷 灼熱の熱さすら感じる氷の侵食
与えられるダメージの半減、
その意味は物理攻撃八分の一を意味する。
「流石にもう1個はやってこねぇか、『遊んで』やがるっ」
第6の魔法、炎 容赦なき蒼黒の結界、
それを放てるのに放ちはしない、遊びだから。
「おも、おもしろ、くな、る、これで、もっと、」
「第7ま、ほ、」
「ッッッ」
その瞬間、訪れる、第7魔法、それは領域、炎の領域、
そして、同時に雷、雷槌の領域、発動、
「おもしれぇ…なんだ、名前、もう覚えたぞ、
エレナ・ブラン・ヒート、名前の通り熱いねーちゃんじゃねぇか」
「パリーなしか…まぁなんでもいいけど」
「余裕だな、いや、」
「うん、わかんない」
ところどころ雷槌が鳴る、炎は熱気を、
黒いススキが焼ける熱さを、痛みを与える、
腕にも思考を遮る電流、利き腕は氷、
二人は汗をかく、その汗は、もう、何かを思考する余裕すらない、
魔女『エレナ・ブラン・ヒート』初手、軽く、三つ同時魔法攻撃、
第2魔法 炎、鎮座する炎の宝玉、
第3魔法 雷 局所的な雷の爆弾、
第4魔法 氷 生えゆく氷石の大いなる連鎖、
「ッッッ」
「ッッッ」
「なるほど、通常の魔法でこれかよっ」
第4魔法、氷 生えゆく氷石の大いなる連鎖、
左右に避けた龍人と旭『両方』に分かれそれは二人を追尾した。
そして、通常の『生えゆく氷石の大いなる連鎖』より一つ一つの氷が大きく、
追尾もよりも長い連鎖、通常1度2度躱せば済む魔法、
4度躱すことでようやく魔法は切れる。
床の炎、ランダムで降り注ぐ雷槌、各所に配置された炎と、雷玉、
近づけば起動する配置型魔法。状況は最悪、
半分ほど炎を纏う黒いススキ、配置され続けている炎と雷玉、追
尾する氷柱、移動せざる得ない状況、
立ち尽くすことは出来ない、
移動するだけでススキを焼いている炎でHP、体力は減る、
不意に頭上からの雷槌、自身攻撃力は半減、
相手は物理耐性がある、そして、『遊んでいる』という事実、
『遊ばれている』、という現状。
「旭ッ」
「わかってるッ」
二人は、走る、疾走る、選択肢はない、二人の結論は同じ、
『攻撃するしか無い』、
時間の経過は体力をただ悪戯に消費させるだけ、
攻撃をしつつ手札を出させるしか無い、
たとえ攻撃を喰らおうと、
左腕を封じる雷槌が思考を遮ろうとも、結論は同じ。
一定数の炎と雷の玉を配置しきった
魔女『エレナ・ブラン・ヒート』は
第4魔法『生えゆく氷石の大いなる連鎖』を放つ、
「ッッッ」
二人は躱しつつ近づく、魔法の効果が切れる前、最後の氷攻撃を躱す。
「らぁぁぁッッ」
「やッッッ」
攻撃は入る、しかし二人の表情に余裕はない、『感触』を改めて感じ直す。
「痛っああぁぁぁぁ、で、も、た、のしいぃぃぃぃ」
痛みを訴えながらも楽しいと称した
魔女『エレナ・ブラン・ヒート』は次の攻撃に移る、それは炎、第5魔法。
「まじかよっ」
第5魔法 『全てを灼き尽くす渦巻く蒼黒の炎』、
不死鳥のような形の青い黒炎を放つ一撃、通常なら自動追尾、
2度ほど躱すことで消失する攻撃、
しかし、2度避けても、存在し続けている。
二人を狙い続ける鳥として、存在し続けている。
「本物の、『魔法使い』らしいな。いや魔女か。」
魔女アリデリーナ・アルフレードすら本当に魔法を放っていたわけではない、
この世界のシステムが許していただけである。
このBOSS、魔女エレナ・ブラン・ヒートは龍人が脳筋を活かした独自モーションの連撃のように、本当にその巨大な魔法力で魔法を放っている、そういうことである。
「それでもっ」
旭は間合いに居続ける、
「シッッッッ」
旭のロングソード攻撃は着実にダメージを与える。
微々たるものだが確実に討伐に向いている。
「ずっと、ち、か、く、だめ、ぇ」
第2魔法 すべての罪に突き刺さる氷の雨、
術者から3メートル降り注ぐ氷の雨、
しかし、これもまた、通常ではない、
3メートルに降り注いだ後の更に2メートルの追加の氷の雨、
3回のシステム回避行動の果て、ようやく回避できる。
「ガッッッッ」
旭はダメージを追う、それは降ってきた氷のダメージではない、
蒼炎の鳥でもない、配置された炎の玉に近づきすぎた。
それは爆発、旭は避けきれず吹き飛びダメージを追う、
炎の玉は黒いススキで見づらい、
ある種これは酷い、
「チッ」
その旭を右視野で薄っすらと現状を把握しつつも、
視線はやらず前を、魔女エレナ・ブラン・ヒートを真正面に捉え続ける。
そして間合い、右手に持つ大剣『ヴォルファング』で攻撃、それは成される。
「ッッッ」
蒼炎の鳥が攻撃を終えたばかりの龍人を襲う、間一髪躱す、
しかし、躱した先に、旭が貰った炎の玉。爆発。
しかし、龍人はこれも躱す、爆発の瞬間のシステム回避行動、
無敵時間が彼を助ける。しかしその先は雷の玉、発動。
雷槌の柱を作る、
龍人はこれは躱す、しかし、その後、
その雷槌の柱はあろうことか八方に散らばる、それをもらう、
そこまでの余裕はなかった。
「ッッッッ」
魔女『エレナ・ブラン・ヒート』はその時、
『生えゆく氷石の大いなる連鎖』を龍人に向け放つ、
これは分岐しない威力の込められた一撃、
雷槌を貰った龍人は空中に吹き飛んでいる。
飛んでいる間はまだその攻撃は有効、多段ヒットをこの世界は認める。
「ガッッッ」
龍人は最初に吹き飛ばされっる方向ではない方向に更に吹き飛ばされる、
「…ふふふふ、ふふふひひひ」
龍人は起き上がりながら不気味な笑いをあげる。
「旭、俺はもうブチ切れたぞ、こいつ もう殺す、」
「奇遇、私もそう言いたかった」
龍人は砕く、アニマのかけらを砕く、
アニマの雫、回復アイテム。
徐々にHPが回復する、アイテム。龍人はこれを連続で砕く、旭も続く、
「もうブチ切れた、こんなの無理じゃない、あっったまきたぁぁッッッ」
「なに? イって。る」
龍人と旭はただ直進する、
魔女エレナ・ブラン・ヒートにただ近づく、
そして間合い、攻撃、ダメージは入る、
魔女エレナ・ブラン・ヒートは間合いにいる居続ける二人に対し
氷魔法『すべての罪に突き刺さる氷の雨』を放つ、しかし、
「なっ、ん、デ」
その攻撃を、龍人も旭も躱そうともしない、
氷の雨を喰らい続ける、しかし、吹き飛ばない、
ただ一心不乱に右手に持つそれぞれの武器で攻撃し続ける。
「イた、いたい、いタい、ど、どう、しテ」
「「死ねッッ死ねッッ」」
二人の息のあった死ねコール、その後に旭は付け加える、
「どうしてじゃないわよっふざけんなっっアニマの雫代、お金返しなさいよッッ」
彼らは怒っていた。思考した結果、攻略法はゴリ押し、
回復し続け、間合いに居続け、ただ攻撃し続ける、痛みに耐え、
攻撃に吹き飛ばされるという人としての『所作』、
イメージが起こす意味システム的現象、
それを無視することに注視し、意志力でのゴリ押し、
それしかない。
それが彼らの結論、BOSSとしての攻略法がない、
くそ面白くない糞BOSS、
調整していないデバッグしてないクソゲー、
遊ぶ側が遊ばれる苛立ち、当然のモンスターペアレント化、
運営批判、突撃、それは簡単に人のクズ性を露わにさせる。
人は所詮、根源的に全員クズである(多分)。
争いは同じレベルでしか発生しないという
低レベルの言い訳のために誤解されがちだが
根源的に人類皆同レベルなのである。もちろん異論は認める。
「せめてパリーくらい許しなさいよッッこの糞ボスッッ」
「本当に遊んでんじゃねぇッッ本当に遊ぶってならなぁッ、真剣にやりやがれッッッッッ」
龍人と旭は文句を訴えながら時折アニマの雫を砕き、攻撃し続ける、
蒼炎の炎の鳥が自身を通りすぎようと、お構いなしに攻撃し続ける、
「な、ど、どうスれ、ばっイい」
「知るかッッテメェで考えやがれッッ
ちょっと考えりゃすぐ出来ることだろうがッッ
お前が放棄していることをなんで俺が考えなきゃいけねぇんだよッッッッ」
「だッッからッッ左手開放させて、
パリー可能にしてッッギリギリ私達が選択肢間違えなければッッ
いや少し間違ってもクリアできる調整しなさいよッッ
さいっこうにさいってぇの熱いスリリングな戦いがしたいのッッ
全部あんたのさじ加減なんだからッッッッ
それくらい考えないの?
馬鹿なのッッアホなのッッあたまおかしいの?
ッッアンリミテッドソシャゲの◯ソ運営なのッッッ???」
「エ、あ、じゃ、かん、が、える、」
魔女『エレナ・ブラン・ヒート』はやや縮こまり、
思考し始める。龍人と旭は攻撃をやめやや距離を取り、
二人仲良く貧乏揺すりをしながら立っている。
龍人はヴォルファングを地面に突き刺し、
右肘を剣に預け右手に頬をあて、
左手は腰にあて左足のつま先を上下させている。
旭はただのロングソードを地面に突き刺し
左手でロングソードでぐりぐり空中で円を描きながら地面をえぐり
黒いススキが刈り取られる、右手は腰に、二人とも苛つきながらもただ待つ。
「あーこのメンテ延長からのからのメンテ、みたいな感じ、ほんと苛立つわ~」
「お前まさか…、まぁ俺もやってたが、
しかしなんだよアンリミテッドソシャゲの◯ソ運営って、(タイトルは察するが)」
「あれはキャラクターが良いじゃない、英雄、いいわー、
今の旭ちゃんレベルならきっとセイバークラスとして華麗に召喚されるはずっ当然☆5」
「お前はどっちかって言うとバーサーカークラスで
斧持ちヒャッハーがお似合…いや、旭さん、冗談だよ、」
「龍人だってバーサーカーかセイバーじゃない、
『おっぱいを求めることにしか興味が無い脳筋セイバー』、
格好いいイラストなのにフレイバーテキストで台無し、笑える、
そして☆3、脳筋ピックアップで
かぶりすぎてマ◯プリに変えられるかわいそうな龍人…(笑)」
「あっこのやろっおまえのフレイバーテキストだって、
『白き痴女、おっぱいが敏感アスリートセイバー』☆3だろうがッッ」
「なっちょっ酷くないっなにそのエロゲーみたいなタイトルのフレイバーテキストッッ」
「そもそももともとあれはエロゲーだろうがッッ」
「あ、ノ、」
「「なにっ」」
「「なんだっ」」
二人は息ぴったりにBOSS魔女エレナ・ブランヒートに食い掛かる、
「そ、の、かんガえテ、ちょ、う、せ、イ、しタ、た、タた、カう、」
「糞だったらまたゴリ押し回復攻略するからなわかってるなッッ」
「は、イ」
「よし、いいぞ、いくぞ『エロき乳の痴女』ッッ」
「わかってるわよ『脳筋直立勃起おじさん』ッッ」
仕切り直し、
魔女『エレナ・ブラン・ヒート』は『思考を許さぬ雷鎚の拘束』解除する、
旭が言ったように、パリーを可能にする、
そして、一旦消失させていた『全てを灼き尽くす渦巻く蒼黒の炎』を再び放つ、
そしてもう一つ『絶望し昇天する果てしなき黄金の雷』を放つ、
それは雷槌の黄金の竜、
その二つの魔法生物は二人を常時狙い続ける。
炎と雷の第七魔法、フィールド魔法のうち、時々降り注ぐ雷を解除する、
フィールド魔法は部分的に炎ダメージを受ける地面、
というか一部燃える黒いススキのみになる。
「ぜ、ンりょクで、イく、しんケんのアソぶたタかい」
「いいね、悪くない調整だ」
龍人は前進しながら新たに装備した鉄の小盾で
蒼黒の炎の魔法生物をパリーし、逸らす、
旭もまた、雷槌の竜をパリーする、
それなりの速度で迫る強力な唸りを上げながら迫る魔法生物のパリー、
それは言うほど易くはない。
魔女『エレナ・ブラン・ヒート』は魔法を放つ、
第二魔法、誘導される雷の矢、通常3本の矢の追尾型の攻撃、
魔女『エレナ・ブラン・ヒート』のそれは、8本、4本づつ、
龍人と旭に向けて順々に放たれる。
回避することなく前3本は横に移動することで回避する。
4本目の追尾は強力、それだけは回避行動を取り、回避する。
魔女『エレナ・ブラン・ヒート』はさらに攻撃を繰り出す、
『局所的な雷の爆弾』を前方に3つ放つ、
そしてそれに向けて二つの
『魔法を放つ灼熱たる炎の火柱』
『生えゆく氷石の大いなる連鎖』、
炎は旭に、氷は龍人に向かって火柱と、
氷石は地面から幾つも沸き起こり近づく、
それは『局所的な雷の爆弾』を爆発させ、
雷槌の柱を発生させ、8方に地面を這う雷を飛散させる、
龍人と旭は躱す、炎の柱も氷の石も飛散した雷も躱す。
「シッッッッ」
間合いに入った龍人と旭は攻撃を繰り出す、
しかし、その独自のモーションで出された二つの攻撃達は寸前で止まる。
「ダメだな、」
「…うん」
何かが違う、違和感混じりの顔で龍人と旭はこの調整に不満を漏らす、
「だ、メ、か、」
「普通の生者ならコレで良いんだろうけど、」
「極限状態で来いよ、そこまで考えてあるんだろ?」
「わ、か、っタ」
魔女『エレナ・ブラン・ヒート』は声を上げる、
「だ、いは、ちまホう」
第8魔法、魔女はそう言った、
それは創りだされる、第8魔法、
『雷鳴轟き燃え盛る氷牙の獣』
身体は黄金の雷、牙は氷、纏うは紅き炎、
意思を持つ魔法でできた獣、
BOSSが創りだしたBOSS、
魔法の果て、極致の魔法。虎を何回りも大きくした怪物。
「こりゃすげぇ、いいぞ、いい感じだ」
「ちガう、」
魔女エレナ・ブラン・ヒートは否定する、このまま使用しない、そう言う声音。
「!!?」
それは、形を変える、二つに分かたれ、その造形はまさに彼ら自身、
雷と炎と氷は、やがてなくなりその姿を見紛うことはない
相対する白と白、黒と黒になる。
「なにこれっ」
「なにをしたっ」
「み、ま、もル、おま、た、ち、が、ノぞ、む、た、タ、か、い」
龍人の世界は黒く、旭の世界は白くなる、
もう魔女『エレナ・ブラン・ヒート』の姿はない。
二人はそれぞれ別の領域に飲み込まれる。巻き込まれる。
相対すは、自分自身、見紛うことはない、鏡合わせの自分、
〈よう、吾妻龍人、俺は吾妻龍人だ〉
〈私は朝凪 旭、戦いましょう、朝凪、旭〉
「…おもしれぇ、何処まで高性能かしらんが模造品と戦えってか、わかりやすいな。」
「自分自身、か、いいわ、やりましょう、もうひとりの朝凪 旭、」
〈いくぞッッ〉
〈行くよッッ〉
本物の龍人と旭は掛け声とともに間合いを詰めるコピーである自分自身に、
いや自分に向けて言う、
「燃えるぜッ」
「燃えるじゃないッッ」




