魔女 フレデリカ・アラーノ
敵はオールスター、白い魔女と黒い魔女、魔法と魔術、
そして木のモンスター ツリーオクトパス、
蜘蛛のビックスパイダー 蜘蛛の糸が旭を襲う、
「ッッッ」
旭は回避する、回避モーションではなくスタミナ消費を抑える最小限のステップで、
「旭っ」
旭の背後に木の触手を持つツリーオクトパスが2匹、
触手攻撃、死角からの攻撃、龍人の声がそれを知らせる、
だが旭も気づいている、ようやくエンジンがかかったのか反応がいい、
「そう何度もっ」
旭はその木の触手を躱し その触手を斬りつけ切断する、
ツリーオクトパスを討ち果たす、だが乱戦、一息つく暇もない、
「ッッッ」
蜘蛛の糸が飛んでくる、旭はそれを着弾直前で走りながらパリーする、
走りながらのパリーも可能、
システム的モーションに含まれている、
そして3匹の蜘蛛をロングソードで丁寧に薙ぎ払い、絶命させる、
背後からは魔法と魔術、
第二の雷魔法『誘導される雷の矢』と、
第二の闇魔法『侵食する闇の矢』が二つずつが旭に襲いかかる、
「その程度の魔法ぐらいッッ」
旭は躱す、それらをギリギリで、
龍人も残すは目の前に居る4人の魔女を残すのみとなり合流する、
「龍人っ」
「わかってるよっ」
二人は残りの魔女を討伐し、このステージ、
『遙か底の魔女の秘境』をほぼ攻略する。
そして少し歩いた先、古びた白い球体状の建物、
屋根は茶色の木で出来ている煉瓦出できたも煙突も生えている。
ツタが壁や出入り口であろう茶色の木でできた扉にすら絡むいかにもな風体の建物である。
「さて、ようやく到着だ」
「ここなの? こんなところに一人でいるの?」
「変わり者でな、まぁ何年ぶりかは知らんが、悪いやつじゃない、おっぱい的にもな」
「ま~たおっぱい、龍人の脳みそは筋肉とおっぱいで構成されているんじゃないの?
脳みそだけなら私、おっぱいがしぼむ以外
ノーリスクで龍人の脳みそを人体錬成できそう」
「まぁ俺の脳みそが
おまえのおっぱいと等価交換で作り出せるかどうかは置いといて、入るぞ」
龍人はノックもせずにその茶色の扉を開ける、
そこはいかにも研究をしているという様相の部屋であった、
現世で言うところのビーカーやフラスコ、試験管、
様々なそれらに入っている多種多様な色彩豊かな液体のようなもの、
一部は火にかけられボコボコと沸騰しながらテンプレをかましている。
その奥、一人の物陰がある、
現世のような黒いオフィスチェアに座るその物陰はくるっと
龍人達がいる出入り口の方に回り、椅子から立ち机に寄り掛かる。
その机にあった黒く透明度のある水晶を手に取り話しかけてきた。
「少し手こずっていたわね、――久しぶりね、龍人」
「なんだ、また見てたのか、何処まで見れるんだよそれ、いい加減教えろよ」
「企業秘密。あなたはどうせ女の子のおっぱい見たいとか
盗み見ることにしか使わないでしょう?」
「うんなことするかよっ、俺はいつだって生なんだよ、
この二つの眼で
二つのおっぱいや二つに割れてる桃のようなつややかで
ボリューミーなお尻を眺めたいんだよッッ一緒にするなよっ」
「リアルタイムであるなら生なんでしょ?
あなたたち『現代人』で言うなら、
まぁ龍人の主義などどうでもいいわ、
ああ、そこのお嬢さんはお初だよね、
わたしはフレデリカ、フレデリカ・アラーノ、
まぁ平たく言うと魔女、適切に言うなら研究家、かな? よろしく朝凪 旭」
「はい よろしくお願いします、アラーノさん、でいいのかな」
「フレデリカでいいわ、旭、」
フレデリカ・アラーノ、
その風体は黒を基調とした帽子の根本に白いラインの入った魔女のような帽子と、
首元にタートルネックの首元部分だけ残ったものから生える
二本の黒い紐が胸元まで伸び、
薄いピンク色の生地上部のラインにある胸元から始まる赤い服を支えている、
デタッチドスリープで
両腕は上部が上着と同じ薄いピンク色の生地でそれから手首まで赤い布で覆われ、
その手首から黒い手袋をしている。
無論生者のベルトも右腰から斜めに装着されている、
一番上のゴム部分が白い、黒いスパッツを着用しており、
赤い生地に白で十字のデザインされたサイハイソックス、
膝下からは黒いブーツのような靴、
武器は基本何も装備していないようにみえる派手な魔女である。
「はい フレデリカさん、その どうして私の名前、知ってるんですか?
それで見えるんですか?」
『それ』、水晶のような物、占い師が使うような透明でない、
いや透明度はある真っ黒の石、
「そうね、わたしはさっきも言ったけど付け加えると魔術、魔法以外の『研究家』、
さらに適切に言うなら『探求者』というべきかな?、
あまり役立たないものから役立つものまで、
開発を生きがいにしているこの地獄『テラ・グラウンド』一の変人みたいなものなの、
わたしが知る限り生者としては最古参の一人よ、そこの図体のでかいのよりね」
「は、はぁ」
自身を変人だと呼称する変人に若干ついていけない様子の旭、
「これは黒鉄結晶のなかでも特殊な部位を集め再錬成したものでね、
魔法力と魔術力を使うことで任意の場所などを観察できる。
まぁ普通の生者には持っていても使えないものだよ、
とくに『白き無鉄砲な閃光の痴女』や、
『おっぱいを対価に脳みそを錬成できる可能が
微粒子レベルで存在するおじさん』などは、
人生一億回繰り返そうが使えるようになることはないから
記憶から除外することをおすすめするわ」
「なっ、ちょっ初対面でフレデリカさん毒づきすぎじゃないですか、
ていうか微粒子レベルってなんですか」
「いや知らないけど、この世界に漂うアニマの霊視が、
感じる現世の息吹が、集合的無意識がわたしに言わせた適当な言葉ね、
未来人が使ってた言葉じゃないの?
わたし自身も良く分かってない言葉だし気にされてもこまる。
わたしも意味はわかっていない。
まぁ0.1%くらい龍人の脳みそが
旭のおっぱいで錬成できる可能性が存在していると言う意味だよ(適当)」
「てきとーですね、」
「世界は『適当』、バランス、人もまた、虎徹のような鍛冶屋がいたのも、
神の代行者がいるのも、
目指す者などほぼいない『カオスアニマ』を求める者が実際にいるのも、
来てそうそう僅かでこの世界を去る者も、
わたしのような『探求者』がいるのも、
この世界のバランスだ。
たとえそこに空きができようと、また代わりの者か、
それともいないというのが前提の世界ができ、受け入れ、
皆そのバランスに傾倒するでしょ?」
「まぁ簡潔に言うなら馬鹿がいるなら、利口がいる、
利口な無鉄砲がいるなら、無鉄砲な利口が出てくる、そういうこと。
そしてそれはいてもいなくてもいい、だが、現れるし、現れないかもしれない、
適当とは適度に当然、と言う意味もある、しらんけど、まる。
ということだ。
世界は矛盾という名のバランスと適当で出来ている、
なんだったか、Aー、AED証明終了」
「QEDです、それだと心臓止まった人にAEDを使用すると
助かることを証明しちゃってます」
「そうそうそれだ、QED証明終了 (キリッ)」
Quod Erat Demonstrandum(なんて読むのかは知らない)、
が略された頭字語、ラテン語で『かく示された』、
証明の終わり、過去数学、哲学などで用いられていたが、
日本にはそう言うタイトルの漫画が存在するためネットスラングで使用されることが多い。
「まぁなんとなく伝わりましたけど」
「まぁその辺のバランスの話はそれはそれでいいんだけどよ、
俺達がここに来た理由、知ってんのか?」
「ふふふ、おまえはこの世界で一番の変わり種だからな、
最近まではたまに程度だったが最近は常時とは言わないけど
かなりの頻度でストーカとやらをしているわ、
今回の件ももちろん把握しちゃってるんだなぁ~」
そう立派な胸を張って主張する魔女フレデリカ、彼女は脳筋ストーカーらしい。
「それなら話が早いな、く――、」
「えっとその、話の腰を折るのは憚られるんですけど、フレデリカさん」
「なんだ旭、そんな赤面して」
龍人が要件を述べようとしたところに割って入ってきた旭を
龍人は怪訝そうな眼差しを旭に向けながら赤面理由を問う、
「その、わ、私、た、龍人に、この間、
お、おっぱい吸われたりっしたんですけどっ、
み、見られちゃったりしてるんですか(赤面)」
「…そうか、不可視の休息中そんなことをしているのか、
まったく『ばかっぷる』とかいうやつだな」
フレデリカは左手を口元に親指と人差し指でL字を作り
『ほほう』それは初耳と仕草を取る、
「えっじゃっ、ああぁぁぁぁぁぁぁッッッ」
旭は絶叫する、無理はない、聞かなくていいことを聞いた間抜けがそこに一人いるのだ。
「そこまでは見えんよ、少し考えればわかるだろう。
まぁ不可視の休息も使わず、
おっぱいちゅっぱちゅっぱしているのなら別だけど、
今度してみるといいわ、わたしの閉じている性欲が噴き出るやも知れないし、
性の探求か…なるほど、やることなくなったらそれもありかもしれないなぁ~」
「旭、お前はだから少しは考えてから行動しろよ…
まぁそれでもやっちまうのが人間だが、一事が万事だぞ」
「うっさいっ、龍人うっさいぃぃッッ」
「それで、どうなんだ、薬は、」
龍人は旭にポカスカ拳で横腹を殴られながら要件を口にする。
「…結論から言うと、そんなものは存在しない、
『現時点』ではね、
まーちょっとやってみようと思ったこともあったけどね?」
「含んだ言い方だな、可能性はいつだって否定出来ない、ってことか?」
「『人が想像できるものは実現可能である』、
とは間違っているとわたしは考えている。
目標としてはありだとは思うけどね。
実現不可能だが誰もが想像しそうな薬は『今現在』存在しない、
探求者の私が足がかりもない。」
「だけど要は『満足』してしまったのでしょう?
その『満足』を打ち消す、新たな『何か』、
それがあれば止めることはできる。
薬という物がいつも薬という形をなしているとは限らないってこと、OK?」
「そりゃそうだがよ」
未だに旭に殴られながら龍人はその通りだという。
「アリス・ユーキリス『満足』の理由と、
それを覆すほどの『理屈』『理由』、はたまた『目標』、
その先があなた達の、いえ、ユーキリス夫妻の、それも違うわね、
ジャック・ユーキリスの望む、提示すべき『桃源郷』、」
「…結局、アリスに直接聞いて、
満足を覆すほどの何かを提示するしか方法がないってことか」
「そうね、まぁアイテムとしての薬の可能性がほしいのなら、
ここの更なる奥、BOSSを討伐して見るのもありかも。
あのBOSSのアニマの結晶は魔力が凝縮していてわたしも欲しているのよねぇ。
しかしあれは相当に骨が折れて、最近は特になの。
だからわたしは久しくあいつと戦ってないし。
ついでにその辺で取れる鉱石と、
蜘蛛の糸とか適当に採ってきてもらえると助かる~。
そろそろまた旅に出なければいけない時期だし、
わたしもかの大魔女のように尽くしてくれる
『ぱーとなー』が欲しくなってきてるんだけどなぁ~、
チラッチラッ、どう?、龍人、
お使いが終わるごとにおっぱいちゅぱちゅぱしてかまわないから」
「な、なんだと…」
「なッッ」
突然の提案に龍人は若干の思考をする、
旭はいい加減龍人をポコスカ叩くのを止めた矢先、その提案に声を上げて驚く、
「ほらほら、そこの旭と変わらぬほどの乳だぞ~、
龍人が望むなら搾りたての乳が出るようになる薬を作ってもいいよ?
考えたこともないけど作れる予感すらすでにあるぞ~、
検討の余地はあるはずだぞ~」
自慢のおっぱいを龍人に向かって強調しながら歩み寄るフレデリカ・アラーノ、
「い、いやっだまされんぞ、
どうせ乳首の先っちょほんの一瞬舐めただけで次の素材集めに行かせるんだろっ、
わかってるんだからな、この吾妻龍人は断じてだまされんぞっ」
「ちっ」
フレデリカは舌打ちを一つ、図星だったのだろう、
矛を、胸を収める形で龍人から離れる。
「龍人あんた、少し検討したよね、検討しましたよね」
「う、うるせえっ」
旭は冷ややかな視線で龍人を見る、どうやら図星のようである。
「はぁぁぁぁぁ……、
『脳みその中おっぱい脳筋おじさん』に私の中で改名したからね…」
旭は息を吐き出しながら肩を落とし、
脳内の呼称を変更したことを告げる。
よほどの強い気持ちなら他の生者が周りにいない現状だと
近くの生者の認識が優先されシステム上の二つ名の名前が変わることもある。
「やめろぉぉぉぉ、俺のおっぱい吸っていいからッッ
『脳筋おじさん』にしておいてぇぇぇぇッッッッ」
「だ、だれが龍人のおっぱい吸うかぁぁぁぁッッ」
「そ、そりゃそういうプレイがあるのは、知ってるけど、
そんなまだ初めてだし、いきなりハードル高いっていうか、そのっ」
旭はモジモジしながら乳首を攻めながらのプレイを想像した。
何かを弄くりながら龍人の乳首を舌先で舐めるやつである、
「お前なぁ、なんで俺が爆発してるのにお前も一緒に爆発するんだよ。」
「イジったならイジり続けろよ、
なんですぐに同じ爆発に巻き込まれるんだよ、
あれか? 痴女特有の芸か? 花鳥風月的な?」
「なっなんで私が悪いみたいになってるのッッ痴女じゃないって、
健全なちょっとオタクな想像力豊かなお年頃の
おっぱい大きい女子高生旭ちゃんでしょっ」
「まぁもうなんでもいいがな、で、俺はあんまり戦ったこと無いが、
そんなにやばいやつだったか?
このルートのBOSSはみんな仲良くレベルアップしてるんか」
がなる旭を放って龍人は話を続ける。
「そうね、最近尋ね人も客もほとんどないわね」
「魔法力と魔術力があるお前が行きたくないって俺らからしたら相性最悪じゃねえか」
「そうね、わたしが記憶している限り最後に戦った時、
色々試したけど物理はあの時点で3分の1程度しか喰らわなかったし、
魔法も魔術もこの間の龍人たちが相対したアリデリーナ以上だったかなぁ~、
やってられなくなって帰還のアイテム『帰還する飛鳥の羽』を使って
久しぶりにアイテールに戻ったくらいだもの(遠い目)」
「……、最後っていつだよ」
「さぁ、百年以上前じゃないかなぁ、いやもっとかなぁ」
「お前雪原の門番とかはどうしてるんだよ、」
「その辺にある適当な素材で帰還アイテム作れるから
それでアイテールから雪原のルート以外の別ルートの素材集めとかしてる。
でもどのみち帰りは戦わないと行けないけど、
手強くなってからは開発してあった『不可視のBOSS戦』で素通りしてるから」
「なんだそりゃ、そんなの聞いたこと無いぞ」
「そりゃね、『探求者』の特権だよ吾妻龍人くん。
まぁ単純なことだわ、『不可視の休息』を大変高度な技術力と
魔法力と魔術力で改造した、というだけで、種も仕掛けもあるようでないわ」
フレデリカはそう言いながら実物の『不可視のBOSS戦』を取り出す、
なんてことはない、全く違いがわからないほどに同一のもの。
白い機械的なボタンの付いたなにか、
使用しないとわからないほどにクリソツ、そっくりである。
「創れるものが行使できる特権、
アリデリーナが二人に見せた第六の魔法のように、
虎徹が創りだした虎徹改のように、ね、
資格ないものばかりなのだからドロップもしない、この世界のルールだよん」
「…わかった、すると第六魔法も使い下手すりゃそれ以上もあり得る、か、」
「そのとおり、流石『最強の脳筋』、察しが良いわね、
まぁ無理して戦う必要はないと思うけど、だけど、問題は二人の『勘』だね。」
「ここまでの道中、積み重ねた過去という轍、これから、
この先の果ての、二人の『桃源郷《最果て》』のためにも、
君たちの『勘』、察するに今求めるのは『鉄火場』、
果たしてそこに無視するという『選択肢』はある?、
…答えはいかに? 吾妻龍人、朝凪 旭?」
二人に投げかけられる問いかけ、
ギリギリの『鉄火場』を求めるのなら、
この先のBOSSを避ける『選択肢』はない、
だが、それほどに龍人すら超える年数をこの大地、地獄、
『テラ・グラウンド』に住まう、
探求者・魔女フレデリカ・アラーノが無茶と感じる相手であると同時に警告する。
「私、やるよ」
「…ああ、こんどこそ、共同作業かもな。脳筋と痴女の力みせてやろうや」
「…そこは脳筋と閃光がよかったなぁ、せっかくカッコつけるところだったのに…」
「まぁわたしはなんでもいいわ、さっさと行って来ると良いわ、
わたしはここで見守ってるから。
薬に関しては思考錯誤してみるわ、出来るか出来ないかは置いといてね。」
「後、わかっているとは思うけど『勘』を疑うことは止めちゃいけないわ、
あれは気まぐれだからね」
フレデリカの忠告、勘は移り変わるもの、
状況がアップデートされれば勘もまた変更を余儀なくされる。
実力が上がれば、実力が上がったことによる勘の変動がかならずある。
疑うことは成長するための必須事項である。探求の基礎でもある。
「ああ、わかってる。」
「行ってきますフレデリカさん」
「いい返事ね、いってらっしゃい、旭」
龍人と旭はフレデリカに見送られ、BOSSの元へ向かった。




