いんたーみっしょん04:『南風』
ム:初めましての人も、また会えたねの人もこんにちは~。うにシルフのマスコット兼アシスタント、ムラサキウニのムラリンで~す。改めましてどうぞよろしくっ☆
ガ:同じくガンガゼのガンちゃんです。今回もよろしくお願いします。
ム:今日紹介するのって模擬戦で翔子が乗ってた『南風』だよね。『ゼロ戦』をベースに『極東飛行機』って多国籍の合弁会社が作ったってのは分かったけど、『極東飛行機』なんてメーカは史実にはなかったし、「アジア共通フォーマット機」ってどういう意味? 『ゼロ戦』より強いのはなんとなく分かるけど(頭の上には『?』マークいっぱい状態)。
ガ:それを一から話すのがこの[いんたーみっしょん]じゃない。ホントにイチから話すからちゃんと付いてきてね。分からなかったら聞いていいのよ(何かお姉さん気取りだ)。
ム:そんなに子供扱いしなくても分かってるよぅ(こっちは頬を膨らませて怒っている)。
ガ:まず『南風』の開発・製造メーカである『極東飛行機』の事から話すわね。ムラリンが言う通り史実世界には『極東飛行機』なんてメーカはなかったわ。でも一応モデルはあるのよ。『満州飛行機』って知ってる? 旧満州国にあった会社で、満州国の空軍や日本陸軍向けの飛行機を作っていたメーカなんだけど。でも【ヨアケマエ】世界では少し世界情勢が違っていて、満州事変もしくは柳条湖事件ないし張作霖(注)爆殺事件以降戦闘状態(小競り合いから紛争レベル)にあった中華民国の内国民党との和平が成立していたり、朝鮮半島が住民投票の末独立し『新世朝鮮』と呼ばれているとかね。そして旧満州も数年後(日華事変から10年後の47年)に返還する事が和平の条件だったから、会社名とはいえ下手に「満州」と付ける訳にはいかなかったのよ。そこで選ばれた名前が『極東飛行機』。まあ顧客に中国国民党や新世朝鮮、美麗(台湾)自治州などだけでなく、元々親日国だったタイ王国なども含まれたから丁度良かったんじゃない?
※作者注:「張作霖爆殺事件」同様の事は起こったと思いますが、【ヨアケマエ】世界では実在する人物の名前をそのまま使用する事はほぼございません。故に張作霖氏をモデルにしたキャラクターは存在しますが別の名前で登場する事になりますので、事件の名前も変更されます。ただしまだ名前を決めておりませんので、その辺はご容赦下さい。
ム:【ヨアケマエ】世界ってそんなに史実と違った事になってるんだ。まあ日本があれだけ違っているのだから、他の国だってそうなるよね。
ガ:そうね。それより『極東飛行機』は『満州飛行機』同様満州国のハルピンに本社があるのだけど、作者本文中でその事を明記するのを忘れているわ。まあ単純なミスだとは思うけど(作者注:その通りです。申し訳ございません)……ただ各国の国や企業が出資した合弁企業である事は第二〇章Part2で書いてある通りね。だからそれらの国が顧客になる事ができたのだけど。これ以上詳しい事はもう少し詰める必要があるから『極東飛行機』自体の紹介は今後に期待してね。
ム:『極東飛行機』についてはだいたい分かった。頭が混乱してるけど(その他の事柄の説明でキャパを超えてしまったようです)……だけど「アジア共通フォーマット機」ってのは何?
ガ:それは極東諸国や友好国に輸出するために既存機を改造した機体ね。姑息かも知れないけど日本軍の主力機よりも若干性能を抑えて、たとえ敵対勢力に回ったとしても日本軍が有利に戦えるようにしてあるのだけど……でも性能を抑えたのはコストを抑える意味もあったのよ。1機あたりの価格が安ければその分数を揃えられるでしょ。
ム:確かに姑息かも……じゃあ『南風』の他にもそう呼ばれた機体はあったの? まさか1種類という事はないよね。
ガ:もちろん。『南風』の前には余剰した『95式戦闘機』をそのままリネームした『98式補助戦闘機』や『97式戦闘機』ベースの『東風』があったし、[零号震電]の頃(44年春)には『烈風』ベースの『西風』が製造を開始されたわ。これらの性能はまだ検討中だから今はまだ公表できないし、また爆撃機などはまだ考えてもないみたいだから、今後の作者の頑張りを待っていて頂戴。読者の皆様もそのようにお願いします。
ム:それは了解。あの作者の事だから作業が遅いのはいつもの事だしね。でも流石に『南風』のスペックは決まっているんでしょう? でなきゃお話の上とはいえ模擬戦なんてできないだろうし。
ガ:それは一応決まっているみたいよ。以下に諸元表を出すから、その他の細かい事はそれを見てから話すわね。
■『南風』諸元表
★『南風』11型(先行量産型)
全長:9.5m、全幅:12.0m、主翼面積:22.5㎡
自重:1.98t、全備重量:2.70t(正規)、燃料搭載量:480+330L
発動機:三菱「ハ33『金星』4x型」1080hp
最高速度:548㎞/h、巡航速度:300㎞/h(30%巡航)
航続距離:1482㎞(4.94h)~2500㎞(8.33h)
翼面荷重:120㎏/㎡、馬力荷重:2.500/hp
固定武装:12.7or13.2㎜×4
追加兵装:
★『南風』12型(初期型)
全長:9.5m、全幅:12.0m、主翼面積:22.5㎡
自重:1.98t、全備重量:2.70t(正規)、燃料搭載量:480+330L
発動機:三菱「ハ33『金星』5x型」1300hp
最高速度:563㎞/h、巡航速度:330㎞/h(30%巡航)
航続距離:1353㎞(4.10h)~2284㎞(6.92h)
翼面荷重:120㎏/㎡、馬力荷重:2.077㎏/hp
固定武装:12.7or13.2㎜×4
追加兵装:250㎏爆弾×1(増槽と排他装備)
★『南風』23型(後期型)
全長:9.5m、全幅:12.0m、主翼面積:22.5㎡
自重:2.07t、全備重量:2.88t(正規)、燃料搭載量:480+330L
発動機:三菱「ハ33『金星』6x型」1560hp
最高速度:582㎞/h、巡航速度:370㎞/h(30%巡航)
航続距離:1265㎞(3.42h)~2134㎞(5.77h)
翼面荷重:128㎏/㎡、馬力荷重:1.846㎏/hp
固定武装:12.7or13.2㎜×4(20㎜×4に換装化。ただし全備重量増)
追加兵装:250㎏爆弾×2、ロケット弾
★『南風』23型改(特別仕様機)
全長:9.5m、全幅:12.0m、主翼面積:22.5㎡
自重:2.16t、全備重量:2.97t(正規)、燃料搭載量:480+330L
発動機:三菱「ハ33『金星』7x型」1720hp
最高速度:623㎞/h、巡航速度:390㎞/h(30%巡航)
航続距離:1209㎞(3.10h)~2040㎞(5.23h)
翼面荷重:132㎏/㎡、馬力荷重:1.727㎏/hp
固定武装:訓練用閃光銃×4(20㎜×4に換装化。ただし全備重量増)
追加兵装:なし(30㎜塗料弾用機銃×4装備化)
ム:確かに『ゼロ戦』にそっくりなサイズだねぇ。ちょっとだけ全長が長くて、強度を増した分だけ自重が増加したって事がありありと分かる数値で……でもガンちゃん、ホントにこの数値で大丈夫?
ガ:? どういう事?
ム:だってぇ…800㎞/h超の急降下に耐えられる強度に加え、防弾も施してるんでしょ? にも関わらず初期型で300㎏しか自重が増えてないなんて、どこを削ったらその数値になるのかおかしくない? それこそ生産性まで考えれば『ゼロ戦』みたいな「肉抜き」なんてしてないだろうし。
ガ:ハハ、そこを突かれると痛いのよね(作者の代弁をするような困った顔で)。一応作者としては『零戦』と『飛燕』の中間の重量として決めた値みたいなの。史実の『飛燕』が『五式戦闘機』に改造された際、主にラジエータを撤去した分として300㎏程度自重が軽くなったらしいのだけど、それを見た作者が初期型『飛燕』から300㎏ちょっと軽くして初期型『南風』の自重としたのよ。それに『零戦』とほぼ同じ重量の搭載量を載せるとして『南風』の全備重量を決めたみたいなの。冷静に考えれば確かに少し軽いかもね。
ム:どーせ物語の方に先に「全備重量3tに満たない」なんて書いちゃったから、帳尻あわせで決めたんだろうけど(作者注:図星です)。私だったら「全備重量3tに満たない」のは初期型であって、後期型や特別仕様機はもう少し重いって誤魔化すけどなあ。そうすれば性能的にも問題がなくなるし、物語の方はうっかりミスで済ませられそうだし。
ガ:どのみち誤魔化すのね。別に誤魔化さなくても修正や訂正をすれば済む話なのに。特に上記の諸元表に書いたデータなんて「計算間違いでした」と正々堂々言えば、何の問題もなく訂正できてしまうのよ? それを誤魔化すなんて姑息よね、作者も。
ム:それじゃあ上の数値は?
ガ:当面はそのままでしょうね。でもやはりおかしいと思ったら訂正するでしょうけど。それまではこれが公式の数値だし、強度に関しては『飛燕』同様に厚板構造を採用して、桁や骨組み等を少なくして軽量化に成功したと考える事にしてね。それに翼内機銃が20㎜でないのも重要よ。反動が小さい分だけそれを支えるための構造も弱くて済むから。これに『飛燕』でオーバーと言われた分主翼強度を減らせば、ギリギリ現行の数値のままでも大丈夫ではないかしら。『南風』は一応『零戦』ベースの機体だけど、主翼の構造などは『飛燕』を参考にしたところも多いのよ。強度を増すためにね。
ム:ガンちゃんがそこまで言うなら今日のところは納得しまーす……それより『ゼロ戦』より燃料搭載量を少なくしたのは何故? おかげで初期型の最大航続距離と『ゼロ戦』の正規航続距離ってほとんど一緒じゃない。いくらヨーロッパ戦線みたいに大陸での運用がメインとはいえ、エンジン強化した分だけ燃費が悪くなるんだから。
ガ:それは燃料タンクを防弾のものにしたためね。外国に売り込むためには生残性はとても重要だから。構造や防弾を強化しておかなければ「日本人は自分達を殺すのか」なんて言われかねないし、少なくても買ってはもらえないわね。当時の日本人ならそれでも乗ったでしょうけど。でもそれらの強化を行った『南風』は原形の『零戦』より「戦える」機体に仕上がったわ。だからこそ『零戦』の設計者が「『零戦』はこう作るべきだった」などと言ってしまったのよね。
ム:設計者自身が言ったのだから重みがあるよねぇ。でもだったら日本軍が採用して積極的に運用すれば良かったんじゃない? 別に日本軍が使っちゃいけないなんて決まりはなかったんでしょう?(本当に不思議そうだ)
ガ:もちろん。だけど本家としてのプライドだったり航続距離の大幅な低下が影響したのか、本格的に運用した部隊はないわね。もっとも【ヨアケマエ】世界の『零戦』はかなり強化され、派生型の内後期型のいくつかは防弾等もしっかりしているわよ。ただその頃には『烈風』等が活躍しているから補助戦闘機扱いだったけどね。
ム:『ゼロ戦』が補助戦闘機なんて史実世界からしたら羨ましい話だよね……でも「補助戦闘機」って実際にはどういう事をしてたの? 脱線して悪いけど。
ガ:アメリカのように大型の正規空母には『F6F』、小さい護衛空母には『F4F』を積むといった感じかな。【ヨアケマエ】世界の『零戦』も戦争中期以降は軽空母への搭載が多くなったわね。【ヨアケマエ】世界では日本もカタパルトを実用化できたから、小型空母でも『烈風』やより重量機の『天山』等も運用できたのだけど、着艦時の安全性を考えて旧式機の搭載が多かったのよ……それで思い出した。『南風』って基本的には陸上機だからわざわざ導入する必要がないって事で、強力な機動部隊を持つ日本ではあまり用いられなかったのよ。こんな肝心な事を忘れていたなんて私も歳なのかしら…(遠い目)。
ム:私達に歳なんて関係あるのかな? 私達の原形はさほどでもないみたいだけど、ウニの中には200年以上生きるものもいるらしいし、100歳のウニの生殖能力が10歳のものと変わらないって資料に載ってたから、歳なんて気にする事ないんじゃない? それにこの姿(人型)なら「永遠の1x歳」で通用するし。
ガ:えらい脱線した話よね。でも何とか復活できた。ありがと、ムラリン。
ム:いえいえ(少し気持ちが良い)。でも元に戻ったところでもう一度確認。やっぱり航続距離が短すぎるんじゃない? 私だったら運動性能が多少落ちてももう少し航続距離が伸びるよう燃料タンクを大型化するけど。
ガ:確かに現場ではそう思うでしょうね。重量増に目をつぶれば防弾タンクでも大型化は可能だし、そうすれば航続距離及び滞空時間も大きくできるわ。実用性を考えればそうするでしょうね。という訳で、現在公表している数値は最低限のタンクしか積んでいない時の値と思ってください。そして後期型では燃料タンクを追加装備して航続距離を伸ばす事が可能となっている、という設定を含んでいると思ってください。タンクのサイズは今後検討しますので、いずれ『南風』が活躍する場面において語られると思います。なのでスペックの改変値はその時までお待ちいただく事になりますのでご了承ください。
ム:その時には強度面からの自重増なんかも検討してくれるのかなあ。
ガ:多分そうなると思うわ。などと曖昧な形での[いんたーみっしょん]になってしまいましたが、翔子が乗って活躍させた機体なので取り急ぎ紹介したいと作者が考えたために導かれた結果です。今後はもう少し熟考させた後に公表するよう私達も目を光らせますので、今回のところはこれで勘弁していただけると幸いです。
ム:みんなゴメンねー。でもムダにウニの生態とか知れて楽しかったでしょー☆
ガ:折角上手く収めようと努力したのに、アンタがふざけてどうするのーっ!(もはやこれが通常運行)
今回は機体の設定部分でかなりドタバタした事を改めてお詫びします。
でもあり得たかも知れない『零戦』の姿の一端は垣間見えた事でしょう(と思いたいです)。
必ず完全版の『南風』の紹介をいつか行いますので、[いんたーみっしょん]としてはこれで勘弁していただきたいと思います。




