第壱章 3話
ああ、さすがに気づくか…。
「あのねえ、フロラがぁ、つくったのぉ。
かってにぃ、つかっちゃったけどぉ、おぼえたかったのぉ…
えっとねぇ、『文字』。」
少し幼い言葉遣いで、お母さんに尋ねる。
私ってば頭キレる〜。ヒュ〜ッ!
「そうだったのね…。
それならいいわ、お母さんが暇なときに教えてあげましょう」
「やったー!ありがとー!」
基本ローマ字から大丈夫そう(ローマ字って何だっけ?)だけど、私は教わることにした。
そして…あれから一年経ちました。
お母さんに教えてもらって、簡単な文字の読み書きができるようになった
よ!キャー!フロラちゃん天才ー!
それに、この国の言語はあれだけだったから、十分(ちょっぴり。ていうかリアのほうが倍くらい)本を読めるようになった。
…「エマ、確か明後日はお前の誕生日だったよなぁ。でも、絶対家事とかさぼんじゃねえよ。分かってるよな?」
昨日、毒父が言ってた言葉である。
リアは、昨日物陰でこっそりと私に、
「おとーさんピリピリするこえ…
やさしくないから、リアきらぁ〜い」
って言ってきてたな。
いつもお世話になってるお母さん…誕生日なら何かあげたいな。
(本音を言うと、適当に好感度を上げときたいからだけど。)
何を渡したら喜ぶかなぁ…。
そうだ!せっかく字が書けるようになったから、手紙を書こう。
「でもナイフで書くのもなぁ…こわいなぁ…」
そこで私は…インクを作ることにした。
私すごすぎないか!?
インクを手を汚さないで(手を真っ黒にして)、
数分(数時間)で作れるなんて!
作り方はややこしいので省略する(めんどくさいだけ)が、
模様を彫ってデザインした木札に、インクでメッセージを書こうと思う。
さっそく実行しようとしたその時、どこからか視線を感じた。
…リアだ。
キャー!?
スーパーアイドルフロラちゃんの秘密の計画(?)を覗き見するなんてぇ、、
リアの変態〜!
『ママー。おねーちゃんが、へんなことしてるー』
リアのテレパシーを感じて、慌てて隠す。
「フロラ、何してるの〜?」
入ってきたお母さんに、私は慌てて道具を隠し、
「ナ、なにも、シ、してないヨ?」
と上手にごまかす。
「そう…?ならいいのだけど…。
リアが『変なことしてる』って言ってた気がしたのに…不思議ねぇ。」
そう呟くと、お母さんは部屋を出ていく。
…ふぅ、一安心。
私ってもしかして、ごまかしの天才?(^з^)-☆キラッ
「リア、つみきをあげるから、今からやることは秘密ね」
私はそう言い、リアに、この前作った木のつみきを渡す。
リアは素直にうなずいた。
「リアね、おかーさんのおたんじょうびに、おはなわたす〜」
「お花?そんなの渡すの?センス無さすぎでしょwバカなのw」
お姉ちゃんはね…お手紙かくんだ♡ いいでしょ?」
「おてがみ?じゃあ、いっしょにわたそうよ!」
「えー?特別だよ?」
その手紙の文面。※現代語訳
「おかあさんへ
いつもおせわとかしてくれてありがとう。これからも、いっしょにがんばってください」
これでいいかな!
(…まぁ、99%くらいリアに書いてもらったけど)。
そして、みんなからは見えない場所にこの板をおいた。
★★★
…さあ、誕生日当日…
「「お母さんいつもありがとう!」」
リアと一緒に渡すと、お母さんは一瞬驚いた後、
「とても嬉しいわ、ありがとう!」
と笑顔を返してくれた。
ふっふっふ、そうでしょぉ?
感謝しなさいよねー!
そう思っていると、ガチャリとドアが開く音がした。
「エマ、とっとと酒出せ!ってフロラとリアがいるのかよ。」
毒父…改める必要もないが、メルド・ブラン。父親だ。
っていうか、誕生日なら休ませてあげればいいのにな…。
あ、でも、お母さんが働こうが休もうが私としてはどうってことないし、いいか。
「お、おかえりなさい。」
「……」
「…えっと…あの、何か…」
「…その板、何だよ。」
低い声だった。お母さんは怯えながら説明をしようとするが、
「あのねおとーさん!
これ、ふたりでつくったんだよ!じをかいたのはリアだけど…。
あ、おねーちゃんも、1もじくらいは、かいたよ?
すごいでしょー!」
と、それより先に、リアがうれしそうに説明をした。
一言多かったので、頭をこづいたけど、リアはけっこう石頭だったので、私のかわいいかわいいおひじ(?)が痛くなっただけだった。
「…ふーん。あー、少し寒いな…」
不機嫌そうにそう言うと、メルドはお母さんから板をぶんどって暖炉へと投げ捨てた。
…え、まってありえないんだけど。え、だよね?ひどすぎない?
「な、なんで?なんでそんなひどいことするの?」
リアとおねえちゃんがいっしょうけんめいかいたおてがみ…
ざっけんな…
リアの瞳が一瞬変わったのにも気付かず、私は、
(手紙を燃やすなんて…。クレイジーだな!個性的で芸術的だな!
フロラ、そういうの好きヨ♡)
と、心の中でつぶやく。
そんなこと、知るよしもないメルドは、
「こんな奴らに木を与えたらゴミになるだけだ!
エマ、怠けんな、俺も忙しいんだから!もっと働いて俺に楽をさせろ!
そういや、酒をとっとと出しやがれ…」
言い終える前に、私の何かがプツリッと切れてしまった。
「ぶふっ、ふ、ふ、ふざけないで…www」
私は吹き出しながらそう言った。
「お前…何だと!?」
「だ、だって、ぶふふふ、お、お父さん面白すぎ…。
こ、こうでもしないと、お腹が破裂しそうだったんだもんっ!」
するとそれに便乗してか、リアは思いきり跳ぶと回し蹴りを腹に決めた。あれからすっかり伸びた金髪が、きれいに宙に舞う。
(あらぁ、なんて文章力があるんでしょう、私!)
「…なんでそんな事するの?何様のつもり?」
…あ、しょうがないか、知能がないからね…www」
正直に言おう。このときのリアはとても怖かった。
てかおしっこ漏らしそうだったんだよぉぉ(;ω;)
「…しつけが必要だな。」
そう言うと、メルドは書斎へと歩いていく。
その間に私は普段使ってるナイフをケースごと腰につけて、ポケットの食料を入れた。(リアにやってもらった。)
そんなことをしている間に、メルドはこっちへやってきた。
しかも、手にムチを持っている…!
「しつけ直してやるよ。」
ぎゃああああああっ!やめてぇえ!
やだやだやだ!こんなとこで死ぬとかやだ!
頑張るぞ!!
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