第38話 覚悟の想い!
20XX年。全国の高校において、能力解放という科目が選択できるようになり、五人に一人という割合で能力を使えるものが現れるようになったのだが…
その能力自体を悪用し心奏たちが住む世界をひっくり返そうとする組織が現れる。
そして、その組織に立ち向かう心に誓い決心した。心奏と心湊とその仲間たちとの世界平和と存亡を賭けた大きな戦いが今、幕を開けようとしていた。
全盛期の力で心奏を相手取る烏丸。
だがその烏丸を打破すべく魔力を全力で溜めている神翔とレン。
そして、自分たちもひと役立ちたいと思い駆られた妹の心湊たち。
一方間違えば、世界の運命はおろか我が身を滅ぼしかねない一か八かの賭け事が始まる。
妹の心湊たちは、気配を悟られぬ様に、行動しなければならない状況である為に、烏丸の館から外へは出ずに地下道を利用して神翔とレンの近くまで移動する事にしたのであった。
妹の心湊が偶然にも、烏丸の館で謎に風を感じると思い軽く館の中を探索して、地下へ続く階段を発見しその階段を下り何処まで繋がっているのか定かではない程に、長く遠く伸びた地下道に辿り着く。
「もしかしたら、ここを進めば辿り着けるかもしれない。」
妹の心湊は、一切の迷い無く決断を下した。
そして、自分たちは気配を消しながら相手に悟られる事ない安全地帯から、神翔とレンの気配察知しながら入り組んでいる地下道を進み始めた。
「何故、奴の館の地下にこんな場所があるのだろう?」
カトレアは疑問に思いながらもボソッとひとり呟く。
だがしかし、妹の心湊は複雑な気持ちを抱えたままであった。
勿論の事、理由は明確であった為である。
それは一度烏丸の手中に堕ちてしまったという後悔の念と世界の運命を著しく変えてしまったという事であったからだ。
既に後悔しても遅いと悟っている妹の心湊は、烏丸の館にいる時に教えこまれた記憶の断片を思い出していた。
それは・・・烏丸の館の地下に広がる地下道は、館の主である烏丸が地下から世界を支配する為に、永い年月を掛けて開拓した言わば…地下帝国へ繋がる道であった。
そして、妹の心湊は偶然にも頭の中に館から半径二十㎞の範囲内の枝分かれした地下道の地図を暗記しており、その記憶を頼りに最短ルートで神翔とレンの近くに地上に出る場所があると思い出して取り急ぎその場所まで向かうのであった。
地下道を進むこと約十五分後・・・
妹の心湊たちは、気配察知をしながら無事に神翔とレンがいるであろう場所の近くに辿り着いていた。
「此処ね。」
妹の心湊がボソッと呟き、地下道の壁に埋め込まれたスイッチらしき煉瓦を押すと"ゴゴゴゴゴ"と音を立てて近くの壁が動き外へ繋がる階段が現れる。
そして、階段を上ると少し離れたところに神翔とレンの姿を捉えテレパシーで情報を送る妹の心湊。
(今、着いたわ。気配察知されないように此処から、魔力を供給するね。)
心湊は、テレパシーで神翔とレンに情報を送り姉のカトレアらに自身の背中に触れてと小さな声で伝えて、姉のカトレアたちが心湊の背中に手を当てる。
心湊は、両手を神翔とレンに向けて伸ばして両手に皆の魔力を集中させて神翔とレンに向けて、音もなく解き放つ。
すると神翔とレンは、背中に暖かみを感じたのと同時に今までにない程の魔力を一瞬にして受け取る事に成功して溜めていた魔力が一気に増幅したことを実感する。
(すまない。この魔力無駄にはしない!ありがとう)
神翔は、テレパシーで心湊へ感謝を伝えて気持ちを現実へ向ける。
「これでイケる!やるぞレン君。」
「了解!”かな"の父ちゃん!」
神翔とレンは予想以上に早く必要な魔力を確保することに成功して、遂に奥義を発動させる。
『奥義!!天冥ノ扉!』
神翔とレンは息を合わせて、互いに向き合い両手に膨大な魔力を集中させ二人の間に無理矢理異次元空間を生成する。
勿論の事、この異次元空間が生成されたと同時に戦っている烏丸と心奏が気が付き、異次元空間の方に視線を向ける。
「”かな"!悪いがこの状態は五分しか持たない。急いでくれ!!」
神翔が心奏に向けて叫ぶ。
心奏は深呼吸して気持ちを落ち着けてから、烏丸へ向けて魂の叫びをぶつける。
「烏丸!終わらせましょう。この戦いを…そして、混沌とした世界を…。私は変える!」
心奏の魂の叫びが心奏の能力に共鳴して、包み込むオーラに激しさが増す。
「面白い。やれるものならやってみるが良い!さぁ、やつがれを満足させてみよ!御堂心奏よ!!!」
烏丸も全盛期の力に掛かっていた封印を解き放ち十割の力を解放する。
そして、二人は両手に魔力を溜めて一気に解き放つ。
果たして、勝利の女神はどちらに微笑むのであろうか・・・
何時になれば、差別や奇怪な眼差しを向けられずに過ごせるのだろうか...否定ばかりの人生じゃ何も楽しくない。何事も快く受け入れられた時こそが。。。人間としての成長なのかもしれない。




