第31話 はじめまして?
「メア様。お初にお目にかかります。私は――」
一体、今で何人目だ!
どっかの貴族が自己紹介している。が、まったく頭に入ってこない(覚える気ないもんね~)
「この子は――」
貴族が自分の息子を紹介しようと、お辞儀を促している。
お辞儀をした貴族の息子が、俺の母さんを見ると顔を赤らめた(お母さんって魔性だよね)子供限定でな。
「こんごともよろしくおねがいします」
定型文で返事をして、カーテシーをする。そして、クソガキを思いっきりにらんだ。俺の母さんに群らがる野郎はどんな奴でも敵。次の貴族に向かい直してご退場願う。
クソガキが親に連れられて、名残惜しそうに顧みている。シッシと手を振って、あっかんべーだ!
「いけませんよ。そのようなことをしてわ」
婆ちゃんが注意してきたので、俺は、は~いと生返事をした。
「まったく、誰に似てしまったのやら、うふふ」
……
…………
「はあ~、つかれた~」
残り十分の一まできた。しかし、なんで女の子が少ないんだぁああ!(ショタばっかりだけど、みんなかわいいじゃない)いや、まあ、このくらいの年齢層だと男と女の違いなんて、服装や髪の長さの違いだけかもしれないが。
ちがうんだよぉ! もっとロリと戯れると思ったのに、キャッキャウフフしたい『メアちゃんもロリだもんね~、女の子同士がいいよね~』俺、男だから、女の子同士ではない(あ~、はいはい、次の人が来たわよ)
「エイルル帝国から来ました――」
(メアちゃん! メアちゃん!)見ればわかる。あれは(『【運命の子】~!』!!!)……俺のセリフを取らないでくれ。
「エイルル帝国第一皇女カホシー エイルルです。よろしくね♪メア姫♪」
悪魔っ娘来たーー! 紫髪で、俺と同じ碧眼だ。頭に白い角が生えていて、横笛と太鼓の髪飾りをしている(お人形さんみたい、ぐへへ~)カーテシーも俺より上手だ。かわいい!『(猫被ってる~)』
「メア ラブピースです。よろしくね♪」
さっさとカーテシーをして、カホシーちゃんの手を握って握手だ(この世界でも、握手は友好の証だと教わったもんね~)やっぱり背が高いな、同年代の子と比べても俺低すぎ『(中身を知ったら~、驚くだろうな~)』
「最近の子は、発達が異常に早いのか!? まさかあの子も――」
爺ちゃんがぶつぶつ独り言を言っている。
「ア、カホシー、次の人が待っている。さあいこう」
「あぁ~、いっちゃう~」
なんて短いんだ。父親に抱っこされていってしまう~。
「またね♪」
カホシーちゃんが父親からはみ出てバイバイしているので、俺もジャンプしてバイバイした。
「おわったら、すぐにいくからー! カホシーちゃん~」
なんだろう、カホシーちゃんと握手したら、力が湧いてきたぞ(はやく終わらせるわよメアちゃん。ユナちゃんとも、まともに話せてないんだから)
「男の子より、女の子の方がいいなんて」
後ろから声がする。
「男の子同士なら親しくなれると思いましたのに。未来の婿探しはダメですか、はぁ~、残念です」
婆ちゃんが小声で恐ろしいことを言っている。俺の視線に気づいたのかにっこり微笑むと、宝石のような瞳が俺をジッと見つめて――。
ん? 婆ちゃんが俺を見てにっこり微笑んでいる。
なんだろう、カホシーちゃんと握手したら、力が湧いてきたぞ(はやく終わらせるわよメアちゃん。ユナちゃんともまともに話せてないんだから)『(うわ~)』
「レーヌよ。ほどほどにな」
「わかっていますよ。あなた」
「……?」
……
「おわった~」
「おつかれ~、メアちゃんおなかすいていない? おっぱいのむ?」
母さんが人目を憚らずに上着を脱ごうとする。さきほど惚れたマセガキどもが一斉にこちらを向いた(その面覚えたから後で覚えときなさい!!)
「あなたは、それでも王家の人ですか!」
イラ叔母さんが乱暴に母さんを止めた。前よりでっぷりしている気がする。
「メアちゃんが、おなかすかしてるもん」
「そうだとしても、人前でするなんて、ありえませんわ! あなたは常識がなさすぎます!」
「メ、メアおなかすいてないよ!?」
ほら見なさいと言わん態度で、イラ叔母さんが母さんの上着を整えようとすると。
「イラはいーーっつも! 私のじゃまばっかり!」
「あなたが、おかしなことばかりするからですわ!」
「ドリドリ~」「チンチクリン」
母さんが口に手を入れてイッーだ!!している。イラ叔母さんはドリルヘアーをムチのようにして、母さんを縛り上げて、扇子を広げて高笑いしていた。
が、俺はそのおこちゃまなやりとりを無視して、ユナちゃんに挨拶をしに行った『精神年齢――』あ~あ~聞こえない。
「はじめまして? メア ラブピースです。よろしくね」
流れるような所作で、カーテシーをする。この為だけに俺は頑張ってカーテシーを練習してきたんだ。男を殺し来る日も、来る日も『1週間だけでしょ~』……以前の演技でしたなんちゃってカーテシーとは違う、婆ちゃん直伝の本物。
これで掴みは最高のはず。まさか中身が30歳のおっさんなんて思うまい(完璧レディよ!)
「ユナ ラブピースです」
ぎこちなくカーテシーをして答えてくれる。ユナちゃんも俺と同じくらいには、体が発達しているみたいだ。真っ赤なドレスに真っ赤な髪、そして真っ赤なヒ・ト・ミ(ユナちゃんはわたし達の太陽)
「あたし、おかあさまからあなたとなかよくしちゃダメ!っていいつけられているから。かかわらないで!!!」
ガーン! 開幕早々、痛烈な一撃。そんな~、【運命の子】同士なのに(ここで引いては、終わりよ。まかせなさい!)
「そんなこと、いはないで。メアかなしい、ひっく、いっしょにあそ、う゛~」
チノの必殺泣き脅しが発動しようとしたその時、
「あなた【転生者】でしょ。うそなきはやめて! ウ、ウザイのよ!」
慣れた手つきで顎クイをしてきて、俺にしか聞こえないように怒鳴った……。この格好少女漫画でよくあるシーンのような(メアちゃん、ユナちゃんの中身って)ストーップそれ以上いけない。顎クイなんてするような人種は俺の敵だから、なにかの間違いだ。いいね(なにもなかったわ)
「アッ! ……もうしわけ、ございません。メア、さま?」
俺との距離をとって謝る。――男式で。
ユナちゃんは顔を真っ赤にして、手を握りこぶしにして気まずさに耐えている。
作戦は大失敗だ!! ……嘘泣きじゃなくてガチで泣きそう(びえ゛ーーん゛わたし達の百合色の生活がTS×TSに)百合色? どうしてこうなった。
ユナちゃんはイラ叔母さん達のところに走って逃げる。あ~、待ってくれ~、俺はユナちゃん♀とキャッキャウフフするのを、本当に楽しみにしていたんだ~。
もう中身が、イタイ王子様気取りの野郎でもいいさ。……よくねーよ! BL趣味なんてない!(ロリロリパーティが崩壊した。TSTSパーティに絶望した!!!)
(……? そ~よ~! メアちゃんは男だったわ。ならユナちゃんも乙女だ。な~んだ)その発想はおかしい!!!
俺は膝をガックリと落とし、右手を伸ばすと、解放されてうれしそうな母さんが右手を握った。
母さんこれは新しい遊びではないから、イラ叔母さん達は敵ではないから。え? あんな奴と仲良くしちゃいけない。でも俺はロリに囲まれてキャッキャウフフしたいんだ!
そうだ!! 外面はかわいい女の子だ。中身が男だなんて聞かなければ、永遠に女の子だ。
(メアちゃんも、わたしに追いついたようね。見た目が女の子なら女の子なのよ!)チノ様。あなた様の発想は正しい。人は自分の見たいものだけを見ていればいいのですね『え~、なにこの状況~』
「誕生の儀の準備が整いました。皆様、こちらに」
ジエンさんの知らせを聞いて、アーディさんを加えた7人で誕生の間に移動することになった。その途中で、ユナちゃんが俺のことを見るたびに顔を真っ赤にして、恥ずかしがり目を背ける。ユナちゃんは女の子。女の子――。
あ! アーディさんグミありがとう。そんなに小さくしなくても、喉を詰めたりしないから(エイドさんが居ないからって、お母さん貰い放題ね)シーってわかってるよ母さん。エイドさんには、黙っておく(そんなに、なでなでしない――もっとして~♪)
よし! 俺の天使の笑顔と評される破壊力バツグンの技を使い、好感度UPを狙う。めざせキャッキャウフフ。ロリロリパーティ!『メアちゃん~?』なんだ?『わたしやチノちゃんは~、ロリロリパーティの一員~?』
……仲間っていうよりか親ゆ、あ~あ~! そうそう、一員だ!(ニヤニヤ)『ニヤニヤ~』
ユナちゃんがこちらを向いたので、天使の笑顔をプレゼントする(ニヤニヤ)『ニヤニヤ~』ふ、ふん!!!
ニッコリ
横で母さんが、あの子は敵よ。と、もごもご言って聞こえない『聞こえているじゃない~』え、なんだって?(鈍感系主人公のつもり?)『メアちゃんは~、天然系ボケボケ主人公だよ~』ひどくない。
ユナちゃんは俺を魅了されたようにみている。――はず。でもなんで? そのあと、ラス叔父さんとイラ叔母さんをポカポカ殴っているのだろう?
イラ叔母さんは、ずっと母さんのことを見て高笑いしているし、ラス叔父さんは俺の周りをぐるぐる回って護衛してくれている?
なんだかよくわからない家族だ。
イベントクリア報酬
ゲットスキル
【ちゃいるど+】 ⇒ 【ちゃいるど++】
言動行動すべてが子供 きっともうこの評価は覆らない
補正 抵抗力+1 TP+1 <new>ステータス成長速度+10%UP
【努力+】 ⇒ 【努力++】
俺、おっさんだから ユナちゃんにバレないように練習しないと
補正 ステータス成長速度+30%UP <new>全能力+1
【天然系ボケボケ主人公】
俺は31歳で7歳で1歳だからボケなんて始まってない え、違う?
補正 詠唱時間-10%
secret
【神の友達+】 ⇒ 【神の友達++】
神と親友 ふっふ~ん♪
補正 特定の対象に対して補助効果が???倍 <new>神気+10 神気回復1日+5
ユナ
【王子様】
トゥンク 周りに謎花や謎の輝きが見える 視えるぞ
補正 攻撃力+1 攻撃力+10%UP
レーヌ
【あくじょ(仮)++】 ⇒ 【あくじょ(仮)SP】
その能力で昔は色々と……今も、おちゃめに少し使っている
補正 魔法力+3 <new>魔法力+30%UP
創作日記:恐れていたことがおきた。
キャラ付けどうしよ~。ぼんやりしすぎだよな。
キャラシートの3行を見ながら。
ユナのキャラが行方不明、と言うかまず作者にしか理解できないよなこれ。
あ~~!!! 改稿時に修正するかも