第五話 初クエスト、出陣…!!
こんにちは数羅列の最後尾です!
フレイヤとリョウジの初クエスト!
2人の罵って罵られるコンビを楽しんでくださると嬉しいです。
俺たちはギルドを出て暫く歩いた。
太陽の日差しと共に、青々としたリーラル平原が広がっていた。
この風は麺より、朝っぱらの迎え酒より二日酔いに効いた。
「わぁ…!心が…心が浄化される…。さ!さっさとマビキ草とやらを取って、昨日の飯代稼ぎますか!」
「ちょっと、気安く言わないでよね。マビキ草はまとまって生えるから、傷つけず慎重に取らなきゃ行けないのよ!」
隣を歩くフレイヤが、腰のナイフを揺らしながらそっぽ向く
でも何だかんだ付いてきてくれるロリー女、やはり可愛いな
「サカイ様!ギルドの熱狂の余韻により、皆様の絆をバッチリ継続中です!常時150second を維持しています!」
(常に150倍の力を使えんなら、何があっても大丈夫だろ!ましてや採取なんて一瞬で終わるだろ!)
俺は自信満々なフレイヤについて行き、森に入る。
少し歩くと森を円にして切り取られたような平地に訪れる。
そこにあったマビキ草の大群を見つけることに成功した。
普通ならハサミやナイフで丁寧に採取するらしいが、
それじゃあつまらない、なんせ俺にはこの目がある。
ふと、悪知恵を思いついてしまった。
「なぁ、アルちゃん。このマビキ草に成長速度に150倍の負荷を掛けることって可能なのか?」
「負荷をかけた対象の時間を強制的に進める[消命]ですね。はい可能かと。」
ガッツポーズを上げた。
何故ならコイツらを一気に成長させれば一気に大量に収穫できると思ったからだ。
意図を察したのかアルスは続けて言う。
「しかし、サカイ様。貴方は今150second に達していますので、更に負荷をかけれる[滅命]を発動すればもっと収穫出来るかと…」
「それ最高じゃん!てか分かってるアルちゃん!」
(さぁ俺の無双劇の始まりだ!がっぽり稼いでギルドさんにお釣りたくさん貰えてお金たっぷり!?ははは!)
行くぞ!全速全進D…あぁ違う違う…。これでは世代がバレてしまうではないか…。とりあえず全力で行くぞ!
「アルちゃん!」
「了解です!」
―スキル[滅命]対象:マビキ草150second―
俺が視界に収めた瞬間。
――ズズズズズッ!!
「は、、、はぁ???」
大地の底から響くような地鳴り。
俺が見つめたマビキ草は広がるどころか、周囲の水分、土壌の栄養をバキュームの如き凄まじい勢いで吸い上げ始めた。
足首にも届かなかった葉は、一瞬で丸太のように太くなった。
急な日陰と地響きにフレイヤは思わず振り向く。
「ちょっと、、リョウジ!?アンタ何したのよ!!」
「知らねぇよ!成長速度に負荷かけて、大量生産で報酬ガッポリ作戦をしようとしただけだ!」
高く上がった木の葉っぱから黒い、、いかにもやばそうな闇の煙を放っていた。
「リョウジ知らないの!?マビキ草は、、成長するとあの黒い煙を出して魔物を呼び寄せるのよ!!だからあえて葉っぱの状態で収集してたのよ!」
フレイヤが絶叫していた最中
森の地平線から大量の魔物の群れが押し寄せてくる。
「サカイ様すみません。つい熱が入り、マビキ草の注意事項を伝え忘れていました。」
「元々は俺の発想だから気にすんな…。にしてもこの数はやべぇ……。本当ついてねぇよ…。」
「アンタ…危ない!」
フレイヤは襲いかかる魔物から俺を庇う。
「危なっかしいわね。ふん…見てなさいヘタレリョウジのヘタウジ!!」
そういうとフレイヤは空中を高く舞う。
――キィィィィィン!!
空中に広がる、鮮やかな円形の空気の波紋。それを足場にする様に、凝縮するように溜める。――
ナイフを構え、突如として炎の渦を纏った。
「雑魚魔獣ども、覚悟しなさい…!ハァァァァァ!!」
―スキル[空中弾波]―
――ドォォォンッッ!!――
一瞬にして加速したスピードは炎を纏ったナイフと渦と共に辺りにいた魔物を
舞のように、
炎龍の様な形をなし辺りを消し炭にした。
「ふぅぅ……こんなもんかしら!どうよリョウジ!あたし凄いでしょ!」
「あぁ、今の一言が無かったら凄かったな。流石エリート家系出身だな!」
少し顔を沈める。
「…は、はぁ?何よ偉そうに!救ってあげたんだから感謝しなさい!」
「それはありがとう。でも今の一言はなぁ!」
「コイツっ!!!」
誤魔化して言ったものの、実際救われたし凄かったのも事実だ。ほら、なんだ。コミュ障だから褒めんのが恥ずかしかったんだよ。
小学校の頃も強がって好きな子に意地悪して振られたったけ
そうこうしてる内に第二群が迫ってきた。
「クソ…まだ居んのかよ…まじついてねぇ…。」
「何、弱音吐くつもり?何諦めてんのよ!起きてしまった事は仕方ないわ。なんか癪だけどアンタの背中は守ってあげるわ。だから目の前の魔物達はどうにかしなさい。分かったわね!」
よっぽどあいつの方が大人じゃねぇか。みっともねぇ。
もう逃げないってあれほど誓ったのによ。
「ありがとよ、フレイヤ。背中は任せた。」
「えぇ、またここで会いましょ!」
「よし!行くぞアルちゃん!!」
「了解です!行きましょう!」
俺とフレイヤは心が繋がったかの如く一斉にして交わらない一直線へと走り出した。
「よっしゃ、、行くぞ、!!」
大勢の魔物が向かってくる。
「スキル、、、発動ぉぉ!!!」
―スキル[滅命]
(コイツと、、コイツと、、コイツと、、!!)
「対象となる魔獣達に150倍の負荷を与えます!」
勢いよく向かってくる魔獣達の動きが一気に止まる。
「よっしゃ成功だ!!、、でもどうやって攻撃したら…」
「サカイ様…朗報です!ただいま200secondに到達しました!」
(!?、、そうか、、魔獣達の殺気か!!)
「サカイ様!!新スキル、真重力を使用することが出来ます!!」
「あぁ!!じゃあ使ってみっか!!!真重力!!」
――ドゥゥゥゥンッッ!!――
硬直して魔物達を重力で押し潰していく。
「ぎゃあああ!!なんちゅうグロいスキル使わしてんだよ!!」
「サカイ様、、そんな事言ってられません!更に来ますよ!
」
「うぉぉ!!まじかよ!!仕方ねぇ!主人公とはかけ離れすぎてるが、、やってやんよぉ!!」
次々と向かってくる魔物を潰し続けた。
「はぁはぁ…、、、。」
膝を突き息切れをする。
前を見るとそこに魔獣は居なかった。
「や、、、やった、、やったぞ!!!フレイヤ!」
フレイヤも声か気づいたのか2人互いに走り戻ってきた。
「フレイヤ!!やったぞ!!、、お前も凄かったな!」
「と、、当然の事よ!アンタも少しはやるじゃない…」
「はは!素直じゃねぇな本当!」
「はぁ?バカにしないで!クソリョウジ!ヘンタイリョウジ!」
2人目の前にある木を見つめ上げた。
「アルちゃん!俺ら最強だな!」
返答は予想もできない回答だった。
「サカイ様…!この木にとてつもない魔力が溜まっています!な、、何かが来ます!」
フレイヤも異変に気づく。
「この魔力、、、まさか、、!?」
――ギシャァァァァァッ!!
突如として魔物に変化した大木は俺に目掛けてツタを振り下ろした。
――ドゴォォォン!!
間一髪で地面に転がって避ける。
さっきまで俺が居た地面が、文字通りの粉々に爆発していた。
「おいおい…アルちゃん、、今の食らってもスキルでどうにかなるか…?」
「今のサカイ様ではどうにも出来ません!引きこもり生活で鈍ったそのお身体では今の攻撃は掠っただけでも肉片になりますよ!」
「そんなの聞いてねぇよ!!」
「下がってなさいリョウジ…。ここは私の出番よ!」
「無茶だ!、、、やめろ!!」
「見てなさい!!―[空中弾波]―!!」
フレイヤは地面を蹴り上げ、空中へと舞い上がる。
さっきとはギアの違う速さ。
まるで透明な階段があるかの様な華麗なステップで「ドンッ!!」と激しく踏みつけた。
フレイヤの身体は更に加速し、空中を縦横無尽に駆け抜けていく!
「ハァァッ!!ヤッッ!!」
高速の立体機動から放たれる、炎の斬撃。
迫り来る魔獣のツタが、フレイヤの圧倒的なスピードによって次々と切り刻まれ、焼け焦げた植物の破片が舞い散る。
地上で見上げる俺はただ息を呑むしか無かった。
「ッッ!?」
突如としてフレイヤのリズムが崩れる。
そう俺を救ってくれた時の弊害が出てしまったのだ。
魔獣はその隙を見逃すはずも無かった。
空中を舞っていたフレイヤを捉える様に、残る全てのツタを広げて一斉に襲いかかったのだ。
「しまっ…!囲まれた……っ!?」
空中の塞がれてしまったフレイヤ。
体制を整えるため、更にスピードを上げて距離を取る。
――ドォォォォォォォン!!――
しかしそれは悪手であった。
加速しすぎた空気とツタが絡まり捕まってしまったのだ。
「きゃああ!!」
「フレイヤ!!!!」
拘束されたフレイヤに今か今かと、鋭利にツタを尖らせフレイヤに先端を向けた。
「くっ…!」
(こ、、、ここまでなのかしら…。お兄様。私は、、私はずっと貴方の妹で入られたのでしょうか。…、、もう遅いのね、)
鋭利なツタはスピードを上げ、フレイヤに向かう。
(あぁ…ここで、、、ここで全て終わるんだ…。何もかも…)
――ドゥゥゥゥゥンッ!!!!――
「!?、、、えっ??」
使ってきたツタは動きを止め、今にも崩れようとしている。
「フレイヤ!!!諦めんじゃねぇ!!お前が、、俺に教えてくれた事だろう!絶対、、、お前を死なせたりさせねぇ!!もっと負荷上げろ!![真重力]!!」
――ドォォォォ!!!!
「メキメキ…!!ドォキィィィィン!!」
凄まじい音を立て、
フレイヤに向けられたツタはついに崩れ落ちた。
魔獣は焦ったのかフレイヤを拘束していたツタが少し緩んだ。
それをフレイヤも見逃すはずが無かった!
「ハァァ!!」
「ブォォン!!」と炎を纏ったナイフで切り刻み何とか抜け出すが、
力が上手く入らず落ちてしまう。
「きゃあ、、!!」
「フレイヤー!!こっちだ!!」
「リョウジ!!私を、、私を受け取りなさい!!」
「オーケー!!どんと来い!!」
――ドスゥゥゥゥンッッ!!!
「がっ………くっ、、、どう、、だ、頼りになるだろ。」
「ふん、、まぁ及第点かしら…。でも何でそこまであたしにしてくれたの…?」
「何言ってんだ…。あの時俺の背中を守ってくれただろ?て事はお前は俺に背中を任せてくれたって事だ。最後までお前を絶対に守る。死なせねぇって心から思っただけだ!」
「飛んだ、自意識過剰ね…。でも、、、ありがと。」
「へへ、、可愛い返事出来んじゃねか!なぁフレイヤ、、、いけるか!?」
「愚問ね、、えぇいけるわよ!!」
「よし!じゃあいこーぜ!最後の復讐劇をよ!!行くぞ!」
「えぇ!!空中弾波!!」
「ドォォ!!」と地響きを鳴らし空中を一直線に駆け上がる。
「へへ、いい跳びっぷりだぜ!俺だってやってやるよ!!
[真重力]!!」
――ドゥゥゥゥン!!!!――
大木は押し潰される様な重力をかけられる。
「アンタだっていい重さしてるじゃない…。決めるわよ!」
――ブァァァァァ!!
炎の威力が増す。琥珀色に染め上がった炎がナイフに纏い更に強い渦でフレイヤを包む。
「終わりよ![炎刀両断]!!!」
――ジャキィィィン!!
龍が降りる様に木を文字通りの真っ二つに割れた。
「おぉ!こりゃ綺麗だな!はは!」
「どうよリョウジ!!」
「本当最高のロリー女だぜ!!」
「ロリー女って言うなリョウジ!!」
お互いボロボロのはずがなぜか笑顔に包まれた。
「はは、ははは!」
「ふふ、!」
お互いが少しずつ認め合う序章となった。
「サカイ様、、あの草の魔物が異常に進化した原因が発覚しました。」
口を開くと同時に、空からとてつもなく魔力の詰まった石が落ちてきた。
「な、何じゃこりゃ!!」
「う、、嘘、、これ、、、、」
フレイヤは何か知っている様な口調で顔を暗くする。
「どう言う事だアルちゃん?」
「詳細は緻密な魔力回路により不明ですが、何者かがここに魔力封印をし、通常ではあり得ない強さまで成長させたと言うことだけがわかります。」
「一体誰がそんな事…」
「お兄様が、、お兄様が抑えてるはずじゃ…?」
「お兄様?あの王下時輪十二刻の?」
フレイヤの返事は無かった。
多分それが事の重大さの答えだったんだと思う。
少し後味が悪いが、
詳しいことも兼ねてギルドに戻ることにしたんだ。
読んでくださりありがとうございました。
2人はこれから世界の闇に踏み出すことになります。
次回もお楽しみにしてくれると幸いです。




