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第6話 筋肉達の第一歩

戦いが終わった2人。

リョウジに待っていたのは歓迎ではなくあの悲劇!?

異世界一ついてねぇ男の第6話!

見守ってください!

「フレイヤ…,大丈夫か?」


リーラル平原を後にし、ギルドへ向かっているのだが


フレイヤは一言も言葉を発さなかった。


「えぇ大丈夫よ…。それよりもう着くわよ…,」


やっと開いた口もこの様だ。




――ドォォンッ!



平原での死闘を乗り越えた俺らは


ボロボロ体を引きずり、肩を組み合いながら何とかドアを押し開けた。


「皆んな…、、ただいま、、帰ってきたぜ、、。」


俺の声は完全に枯れていた。


それもそのはずだ。


元引きこもりの俺が主人公とはかけ離れたグロスキルを手に入れたり、貧弱な体には「死」でしかないムチで叩き潰されるところだったり、


加速しすぎたフレイヤをトラック並の衝撃に耐えながら受け止めたりと本当踏んだり蹴ったりの状況だったからか体の筋肉隅々までボロボロになっていたからである。


「情けない声ね、、、もっとハッキリ言いなさい、、!」


フレイヤもボロボロになりながら、髪にマビキ草を絡めていた。


だが俺を見つめた琥珀色はいつもとは何か違った。


「おい、お前らどうしたんだ!その格好…」


酒場のジョッキを持った筋肉がガタリと椅子を引き、立ち上がる。


もう夕暮れをすぎたというのに、ギルド内にはまだ昨晩の宴会の二日酔いムードが漂っている。


しかし、俺たちのあまりの惨状に、一気に空気が張り詰めた。


「貴方達…,どうしてそんな大怪我を…、、依頼したクエストはただのマビキ草の採取よ?、、どうしてそんな、、。」


奥から冷たい視線を送るギルドの受付嬢―ロル

しかし、視線とは裏腹に声は心配そうに話しかけた。


「まぁよく分かんねぇけどマビキ草が150倍成長しちまったら色々してこんな事になっちまった!」



「…アンタが成長させたんでしょうが…!?」


琥珀色の目はいつも通りになり、鋭く光る。


俺は気にせず、、と言うかいつも通りの安心さを感じ言葉を続ける。


「でもロルちゃん、安心して。ちゃんとクエストはこなしてきたからさー!」


そう言い、季節外れなクリスマスツリーの様にマビキ草で飾りつけられたフレイヤを指差す。


「あ、、、アンタってやつは…!!!」


またも鋭い目線で指し、頬を膨らます。


「ははは、本当可愛いやつだな、ロリー女!あ、あとな、ロルちゃんにお土産があるんだ。」



俺はポケットから、あの禍々しい、ドス黒い魔力が凝縮された結晶をカウンターへコト、と置いた。


「な……何よ、この悍ましい魔力……っ!」


 ロルが顔を青ざめさせ、結晶から飛びのくように距離を取る。


周りのベテラン筋トレマッチョたちも、見たこともない不気味な石にザワつき始めた。


「おい……これ、ただの石じゃねぇぞ。とんでもねぇ魔力回路が組み込まれてやがる……!」


「詳細を調べるには、同じ質の魔力を持った魔物をたくさん倒して、ギルドの魔導具で解析をかけるしかなさそうね……」


ロルたちのそんな会話を背に、



ただ一人、フレイヤだけは、その石を見つめたまま完全に凍りついていた。


(嘘……でしょ……。なんで、アイツの石がこんなところに……っ!)

 

フレイヤの脳裏に、かつてお兄様──【王下時輪十二刻(おうかじりんじゅうにこく)】の第七刻の兄から聞かされた警告が蘇る。


 ──『魔物を異常成長させて操る、最悪の奴の能力だ。もし見つけたら絶対に逃げろ』と。

 

声が出なかった。恐怖で喉が張り付き、これがその石だとは、どうしても周りに言い出せなかった。


「フレイヤ? どうしたんだよ、顔真っ青だぞ」




「え……? あ、ううん! なんでもないわ……っ!」

 

必死に誤魔化すフレイヤだったが、リョウジがこの街を救う大金星を挙げたことだけは間違いなかった。


「よし、お前ら! 結晶の解析のために、今日から平原の魔物討伐強化月間だぁぁ!」


「リョウジ達が、こんなヤベェ奴をぶっ潰してきたってことかよ……っ!!」


『サカイ様!ギルドの皆様からの規格外の驚愕、そしてフレイヤ様からの特大の信頼を得た事によりsecondレベルが過去最高を更新──常時200secondへ到達しました! おめでとうございます!』


(うおぉぉぉ常時200倍!! スゲェ、これなら何でもできるぞ!英雄ライフ最高──!!)

 

俺が脳内でガッツポーズを決めた、その時だった。

 酒場の奥から、ずしん、ずしんと地響きのような足音が近づいてくる。


 ──ハッと我に返った。

 思い出した。今朝の、あの最悪の悪夢を。


「……リョージ」


 そこに立っていたのは、昨晩俺と熱い添い寝(大誤解)を繰り広げた、例の強烈激怖ゴリラ先輩だった。

 先輩は、ボロボロに破けて肌が露出した俺のジャージをじっと見つめ、その巨体を小刻みに震わせている。


その目は、

なぜか熱い涙で潤んでいた。


「お前……そんなボロボロの身体になりながら……俺との『昨日の夜のことは忘れろ』って言葉のショックを隠すために、命がけで戦ってたのか……っ!?」


「は?????」


「すまねぇリョージ! 俺が意気地なしだった! 周りの目なんか気にするべきじゃなかったんだ! お前がそこまでボロボロになって俺への愛を証明してくれたなら……俺、もう自分の気持ちに嘘はつかねぇ!!」

 先輩が、太い丸太のような両腕を広げて、涙目で俺に突進してくる。


「寄るな──っ!! 違う、お前が思ってる1万倍くらい致命的な誤解だァァァ!!! 誰かこのゴリラを止めてくれぇぇぇ!!!」


 逃げ惑う俺の背後で、フレイヤがさっきまでの恐怖の顔をどこかへ放り投げ、生温かい笑顔で呟いた。


「リョウジ!あんなにはゴリラ先輩がお似合いよ!おめでとう新婦様ってね!」

「何で俺新婦側なんだよ!また確定コースコンボ決めやがって!!」

「サカイ様……ゴリラ先輩の[真重力(ローグラビティー)]な愛の負荷は、常時200secondを以てしても無効化不可能です!あきらめて、お幸せに!」

 

「スキルの意味をこんなところで回収するんじゃねぇぇぇよおぉぉぉ!!!」


 手に入れたのは、世界の危機に繋がる謎の石と、常時300倍のチートパワー。


 そして──絶対に引き剥がせない、筋肉からの強烈すぎる愛だった。



 俺の異世界生活は、別の意味で加速し始めている。

危うく新婦にされそうになってしまったリョウジ。

石を解明すべくフォーマンセルチームで魔物を倒す事になるのだがまたしても不運を呼び起こしてしまう!?

元引きこもりのチームプレイは上手くこなせるのか

是非見てくれると嬉しいです。



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