第三話 ギルドへようこそ…
シリーズ第三話、ついにギルドへと向かう事になったリョウジ達。スキルを使いこなす成長ぶりを見てやってください!
しばらく日光浴をしていた。
そろそろかと立ちあがろうとした瞬間、影が俺たちを包んだ。
「随分派手にやったわね。」
「え?…、、、誰??」
気づいたら俺は見下されていた。
紅蓮の髪色をした短髪少女、腰にはナイフ、身軽な装備。
俗に言う盗賊ってやつか?
だが、すぐ気づいてしまった。
可愛い…、、可愛いぞこの子…、、遂に、、遂に現れたんだ!俺のヒロインがぁぁぁ!!!
「よっしゃぁぁ!!!」
思わず口に出してしまう。
「何コイツ…、、やはり、、、、珍しい獲物の予感!!!」
(今獲物とか言わなかったか?この美少女…)
「やっぱ私には分かるわ!この目の輝き…、!お宝よ!!」
そう言い、颯爽とナイフを取り出す。
「おい待った!、それナイフで、、何する気だ!!」
「ん〜、、ふふっ、!!」
「サカイ様!70second まで上昇しました!!」
「おい、、おま、、!」
「アンタの目、、!!頂くわよ!!」
刃の先端は俺の方に向き、、止まることを知らないようだ。
「くっ、、アルちゃん!!早く、、スキル発動だ!!」
「了解です!」
―スキル滅命を発動しました―
ナイフを持った右腕を見続ける。
「あ、、、あれ、、、」
振り翳したナイフは地面に落ちていた。
「はぁ、、、、間に合ったぁ、、。」
紅蓮の少女は、呆気に取られただ手のひらを見ていた。
「あ、、、アンタ、、、何したの??」
「君の腕の筋肉にいつもの70倍の負荷をかけたんだ、、
出会ってすぐ殺しに来るとかイカレ野郎のロリー女だぜ、」
「誰がロリー女よ!!私には名誉ある、グルスラット家の次女、フレイヤ•グルスラットと言う名前があるのよ!!」
「グルスラット家?」
「まさか知らないとでも言うの?本当、無礼な男ね!
グルスラット家はね!代々、王下時輪十二刻の1人に選ばれているエリート一族なのよ!今はお兄様が第七刻に選ばれているの!!」
自分語りのごとく家族自慢が続く。
(大体よ…何が無礼だ。急に?、、、獲物だとか、お宝だとか、、ナイフで殺そうとするわ、そっちが無礼だろ!、王下なんちゃら?とかやばいインフレしてるし…、)
「アルちゃん、一応グルスラット家について調べれるか?」
「はい!グルスラット家は、200年以上続く超エリート一族です。さっきフレイヤ様が仰っていた、王下時輪十二刻と言う選ばれし人類最高峰の12人の1人に代々選ばれている、とてつもなく優秀な一族です!」
(なるほど、、、どうやら、、敵に回したらダメなやつだったようだな、ついてねぇな…、、、ん、、、待てよ?)
「おいロリー女!」
「なっ!、誰がロリー女よ!私には誇り高きフレイヤ•グルスラットという名前が、、」
「もういい!一族がなーんか凄いのは分かった!
でもお前自身はどうなんだ。」
一瞬、表情の時間が止まる。
「う、、うるさいわね!あんなには関係ないでしょ!」
強気な顔が崩れた瞬間でもあった。
ロリー女も綺麗な顔をするもんだ。
「おい、フレイヤロリー女!」
「ロリー女じゃない!!」
「まぁ聞けよ。さっき行った行為、、無抵抗な弱者を、、それもか弱い男の子を殺そうとした罪は重いぞ!」
「、なっ、、!何がか弱い男よ!殺そうとしたけど、殺してはないわよ!」
「そんな事言っても、良いのかなぁ??この事を高貴ある、そして名誉あるグルスラット家様の方々に報告しても、、もしそんな事がしてたら、一族の品が落ちてしまうかもなぁ?、フレイヤ君」
「この、、、ゲス野郎、、、!何が目的よ、、」
「よし偉い子だ!、まずもう俺を殺そうとしない事!
そして、もう一つは、、、」
「あ、、アンタマジで言ってるの、?いや、いやよぁ!」
「着いてきてもらおうか、、、、ギルドに、、」
こうして不本意ながらも王下時輪刻に選ばれる一族の娘フレイヤを従え、夢にまで見たギルドの扉を開いた。
――ガララッ!!
「ここがギルドかぁ!やっと始まった感じがするな!」
見渡すといろんな人がいた。
ムキムキな人や、ゴリゴリの筋肉の人、
筋肉、、、筋肉筋肉、、、
「おいアルちゃん。」
「はい、何でしょうか?」
「帰っても良いか?今すぐ出たいんだけど」
「ダメでございます。」
俺が夢を見ていたギルド、そこは可愛らしい魔法使いや、頼りになるイケおじ騎士、個性豊かなメンバーを望んでいた。
しかし、どうした事か…右見ても左見てもプロテインムンムンの筋肉野郎しかいねぇじゃねぇかぁよぉぉぉ!!
「おいおい、なんだぁ?見ねぇヒョロガキが入ってたぞ」
「おい!ヒョロガキの後ろ見ろ!あの美少女、グルスラット家のフレイヤお嬢様じゃねぇかよ!?」
「グルスラット家って王下時輪刻の!?、マジかよ…、」
案の定、地獄のようなアウェイロードを歩く事になった。
(あぁ最悪だよぉ、だって、、だってよぉ、、、!)
「サカイ様、second レベル上昇!100second になりました!」
(さっきからレベルが上がり続けてるからだ…!)
筋肉の圧迫感に吐き気を覚えながらも、
俺は何とか受付へと進む。
そこにいたのは、野蛮な筋肉達を冷たい目線であしらう、
クールなお姉さんだった。
(これこれ…!これだよ、これが俺が求めていたギルド!)
だが夢を引き裂くように、1人の屈強な巨漢が俺の前に立ち塞がった。
「おい、ガキ。フレイヤお嬢様をそんな面で連れ回すんじゃねぇぞ!」
野次馬が騒ぎ出す。
「兄貴!!いつものやってあげてくださいよぉ!」
「毎回恒例の新人潰し!」
「うおぉぉぉ!!」
「ふん、そうだな。おい、お前男らしく、腕相撲で勝負しやがれ。お前なら何しても良いぜ?2本の腕使ったら何でも。まぁその筋肉、、男らしくねぇから、逃げても良いいけどよ!!」
「わはは!!兄貴最高っすね!」
罵声が、ギルド中を包み込む。
「アンタらやめなさいよ!1人相手にみっともないわよ!」
「良いんだフレイヤ、ありがとな!」
「ちょ、、ちょっとアンタ!!」
もう逃げないって、あの日決めただろ。
どんな状況でも諦めねぇ。
それがこの異世界に来て初めて教わった事だ。
「あぁ。乗ってやるよ。ただし俺が勝ったら二度と文句言うなよ、ゴリラ先輩。」
ギルド場の酒場テーブル。
同じ人間とは思えない2本の腕が並ぶ。
周りの筋肉どもは「おいおい、ギャグかよ!」と笑いつつける。
「お前何金貨かける?、、俺は兄貴に銀貨10枚だ。」
「お前はアホか!、、俺は兄貴に金貨5枚だ!」
笑い声が絶えない中、ただ1人。
フレイヤだけは、真剣な眼差しでリョウジだけを見た。
「レディー、、、、ゴー!!!」
漢はニヤリと口角を上げ、一瞬で俺の腕を叩き割ろうと力を込めた。
「アルちゃん、仕掛けるぞ。スキル、、発動!」
―スキル滅命発動。対象:相手の右腕。負荷:100second ―
―新スキル「一途」常時発動。自身の受ける反動•負荷を全て無効化―
「ぬ、、おおおおおっ!?」
漢の顔が突如として変わる。
俺の腕はピクリとも動かない。それどころか筋肉を通常の筋トレの100倍の速度でやり続けたかのように、腕が震え始めた。
どれだけ100倍の重さの怪力で押し込まれようと、新スキル「一途」のおかげで相手から受ける衝撃を無効化している。
つまり、俺にとってはただ勝手に震えた貧弱な腕。いや、蚊に刺されているのと変わらない。
「なんて事ない。ただいつもより100倍の負荷をかけただけだ。良い筋トレにはなったか?」
「が…、、、は、、腕、、が、動か、、、ねぇ、、!?」
ドゴォォォン!!!
地響きのような音を立て、負荷に耐えられなかった貧弱な腕はテーブルと共に崩れ落ちた。
「な、何が起きたんだ!!」
「あ、、兄貴、、しっかりしてくれ!」
さっきまでの宴会とは打って変わったギルドの空気。
唖然と、だが、安心したようにも思えたフレイヤ。
俺は何事もなかったかのように受付にいく。
「すみません、冒険者の登録をお願いします。」
お姉さんも、俺を人間かと疑うほどの目で凝視してきたが動揺しながらも登録用の水晶を出した。
「あなた、、一体何をしたの、、、?取り敢えず、その水晶に手をかざして、、、。」
言われた通り手をかざすと、水晶は輝き出した。
お姉さんの目はまたも固まっている。
「リョウジ・サカイ様、、なに、、このスキル、、、?レベル表記なし、、!?こんな事ギルド史上一度も見た事がありません、、!」
再度ギルドに驚愕が起きる。
「す、、、、すげぇ!!!」
「なんなんだコイツは!?」
ギルドに暖かい空気が戻ってくる。
「リョウジ!、、リョウジ!、、、リョウジ!!、リョウジ!」
手のひら返しもたまには悪くないと思った。
俺とアルちゃんだけはただこの空気に浸った。
だが、この時の俺はまだ気づいていなかったんだ。
この手のひら返しの大歓迎会が、翌朝、俺の男としての尊厳を粉々に打ち砕く最悪のトラウマへと繋がることを。
イチカラ語句
グルスラット家:200年続く剣士一族。代々、王下時輪刻の一員として選ばれるエリート一家。
王下時輪十二刻:王様を守るため、世界各地から集められた。人類最強の12人。
見てくださり、本当ありがとうございました!
これから色んな事が不運なリョウジ達に降りかかります。
次回も見てくださいね!




