第二話 戦いのキホン
自分の思う世界観を共有するって楽しいですよね!
顔は知らないけど、心は知ってもらえるって感じがして!
読んでもらえると私も文字も嬉しいです。
今から苦手な事をする事がわかっていながらも、
アルスに急かされるように歩かされる。
「何で俺がこんな事…」
「サカイ様は見るからに社交的では無いからです。」
―聞いたか、俺を馬鹿にした発言が。俺には聞こえなかった。いーや聞きたくない!あのアルちゃんがこんな酷い事を言うなんて!
「私が急かさないと貴方は話しかける事さえ、しないですよね?私と出会う前はどうやって友達など……あっ…」
―おい今、(あっ…)って言ったぞ…同情されてんのか俺は…悪意のない気遣いは返って傷つけすぎるんだぞ…
「無駄に察さないでくれ!惨めでお嫁にも行けない…」
「お嫁に行けなーい!」
馬鹿にされたようなやまびこにモニターを細目で睨んだが
すぐに目を開かざる終えなかった。目的地に着いたのだ。
「って…よりによってここかよ!」
気前の良さそうな顔をしているが、明らかに体の作りが俺とは違う屈強すぎる店主が立っていた。
「アルちゃん…普通はさ、ほら話しかけやすい人とかさ、怖そうじゃない人を選ばない?俺会話苦手人だよ??」
「甘いですねサカイ様。最初から楽してどうするんですか
最初から高い壁を登る事こそ力を付けれるってもんです。」
「アルちゃんってやつは…本当ついてねぇぜ…」
店の前で立ちすくんでいると、壁は迫ってきた。
「よぉ!どうした坊主!顔が沈んじまってるぜい!」
「い、、、いや、、大丈夫で、す、、」
―怖えぇ…帰りてぇよ…そういや帰る場所はねぇか…
あまりの声量に立っているのも辛いがアルちゃんの言う高い壁って奴を登るしかないと思った。ここで逃げたら後悔だらけの自分に戻ってしまうのだから。
「ならよかったぜい!お前さん、なんか買っていくかい?」
次の問いには恐れる事なく会話を聞くことはできた。
「お、、おう、そうだな、じゃあおすすめのやつをくれ。」
一度はバーとかでやってみたかったやつだ。
「そうだな…じゃあこのナイジャとかどうだ?」
―果物…なのか?何にしても食べ物で間違いなさそうだ。
あまりにも不思議そうに見るものだからたまらず店主が口を開く。
「お前さんもしかして初めて見んのか?こりゃまぁなんだ、ちと変わってる果物なんだが、食うとうめぇんだぞ!」
「ナイジャか…よし、それ一つくれ!」
「まいど!」
財布を取り出そうとポッケに手を突っ込んだ。
――ない…財布がない…あっ、あの時落としたのか…
思い出したのは世界最後のアスファルトへの飛び込みだった。あの時落としたのかもしれない。
「やっぱついてねぇ…」
「どうしたお前さん…まさか金がねーのか!?」
(怒られる…あーこれ絶対一発もらうやつだよ…)
「あぁ…どうやら財布を忘れてしまったみたいで…」
歯を食いしばった。手を強く握りしめた。
「何だ…金がねぇのか!まぁそんな落ち込んだ顔するなよ坊主!これ代金いらねぇから、食って元気だしな!」
手に力が入らなくなった。
何故見ず知らずの俺に優しくしてくれたのか、
少なくとも今の俺には理解できなかった。
「ありがとう…」
かぶり付いた瞬間少し目元が緩くなった。
美味しい。
いや、暖かい。
それに近い味がした。
「お前さん、金に困ってんのか?だったら、これやるよ!」
渡されたのはギルドへの道を記した地図だった。
「ここらじゃ見ねぇ顔だしよ、初めてこの街に来たんじゃないか?ここに行けばお金なんかも稼げるぜい!」
戸惑いを隠さなかった。
紙を取る事が出来なかった。
顔を見てポカンとしてたと思う。
「ほら、遠慮すんな!俺の店は初めてこの街に訪れた奴も大勢くるから、この地図は常備してるんだ、ほら、迷わず受け取れ!な!」
「あ、、、ありがとう、、行ってくるよ、、」
「おうよ!また来いよな!」
暖かさに押される事を知った。
だが、それが嫌になることなどできないことも知った。
「よし、アルちゃん。ギルドへ向かおうか。」
地図を頼りに街を散策しながらギルドを目指す。
「secondレベル上昇。おめでとうございます。サカイ様
second レベル5、5secoud になりました!」
「5セカンド!?」
「サカイ様が店主と関わったことで、店主の想いが貴方を強くしたのです。」
「なるほどな…てか本当に強くなったのか?」
「はい、少しではありますが。試しにそのナイジャにスキルを発動してみますか?」
「えっ?あ、うん。」
(遂にスキル発動か、、!俺がこの異世界で、英雄、ヒーローになり、ハーレムを、、、ははは!!今伝説の第一歩を踏み出す時が訪れた!)
「おっしゃ!!スキル、発動ぉぉ!!!」
――スキル消命を発動しました――
ナイジャをしばらく見続けた。
「アルちゃん、、、ねぇねぇアルちゃんちゃん。見た感じ何も変わってないんだけど…」
「試しに食べてみては?」
「お、おう。そうだな!」
さっきと同じようにかぶり付く。
―ゴリッという音が響いてしまった―
「痛ってぇ!…めちゃ硬すぎんだろ!食べ物じゃ絶対なっちゃいけない音したろ!…あぁ歯が…大人の歯って生え変わねぇんだからな…!くぅ…!」
「うふふ、これはここから南部、ラットウ砂漠で取れるナイジャという果物です。過酷な環境に耐えるため、鮮度が落ちると強烈に固くなります。サカイ様は今ナイジャに毎秒5倍長い時間の負荷を与えたので、カッチカチでございます。」
「アル!知っててやらせたな!」
「ナイジャは鮮度を戻すとまた食べれる事から保存食としてラットウ砂漠に住むものたちに好まれています。」
「んなもん聞いてねぇわ!…痛すぎるぞ…」
顎を抑えながらふと街並みを見る。
自分でもわからないが意味もなく建物に挟まれた暗闇、路地裏ってやつに目を引かれた。
あまりの暗さに何も見えなかったが、
確かに見た。誰か、誰かがいる。
影に引き込まれるように俺は入る。
「なんか入っちゃったよ…怖いけど、好奇心ってやつ?
襲われてる美少女を助けて、ヒーローになっちゃったり?」
「オイ、何見てんだ?」
「ん?」
(美少女ってこんな声低かったっけ…?こんなに威圧感ある声してたっけ…?いやいや、まさかまさか、)
「あ、アルちゃん…あそこにいるのって…」
「はい…間違いなくヤンチャな男でしょう!」
―途端、急に手が出現し、俺の胸ぐらを掴んだ。
「何見てんだって聞いてんだよ!!」
「ま、、魔物が出たぁぁ!!!」
親が買った安物のジャージは悲鳴をあげている。
目が慣れ、顔が見えてきた。
俺の捨てきれなかった美少女という夢は散った。
「ははは!ま、ある意味魔物だな!、おら!!」
右頬に急激な痛みが走った。
気がついたら、地面に這いつくばっていた。
「こんなとこに来ちゃダメだろぉ?、ひよっこのガキがよぉ!」
横たわった俺の腹を蹴り飛ばす。
「がはぁ!……くっっ…!、、マジで、、、つい、てねぇ…」
(マジで…マジで死んじまう…コイツは…俺を殺す気だ…!)
「何休憩してんだ、、立てよオラ!!」
再び腹を蹴られる。
「ぐはぁ…!」
(視界が遠のいていく…異世界行っても結局何も変わらなかったのか…結局ついてねぇのかよ……、!?)
―「イ、様、、、カ、、様、、、、サカイ様!!」―
聞こえたのはアルスの声だった。
「サカイ様!、、second レベル上昇!20secoud になりました!」
(20セカンド!?、何故、、いや考えてる暇はねぇ!)
「アルちゃん!、、スキル発動だぁぁ!!」
「了解であります!!」
――スキル消命を発動しました――
「、、!?何だ!?」
少し動きが鈍くなった。
そのうちに上手く距離を離すことに成功した。
「サカイ様!いい動きですね!」
「あぁ悲しい産物だが、ここで役立つとはなぁ!」
巨大な体ごとこちらに向く。
「小細工をしよって!!ふざけるな!殺す、絶対殺してやる!おらぁぁ!!」
凄まじい衝撃波を放ち、筋肉の量が凄まじく増加し続ける。
「凄まじいパワーです…!!」
「あぁ、分かってる!」
怖えぇ…いつだって逃げてきたさ!、、繋がり、、絆、、
そして責任から!、、でも、、、それでも!!
「やるしかねぇんだ!俺は、、ここで変わらなくちゃいけないんだ!!」
「いくぞ!!クソガキが!!」
凄まじいスピードと共に拳が飛んでくる。
何とか避けるも、壁には大きなヒビが入っていた。
「くっ!…」
(パワーが桁違いだ…無理だなんて考えるな!目を逸らすな!サカイ•リョウジ!瞬きなんかすんじゃねぇ、!サカイ•リョウジ!今いる現実を見つめろ!サカイ•リョウジ!)
「サカイ様!second レベル30上昇!」
「!?」
「さらに強力な消命が使えます。想いを消費して使いますか?」
「Yesだ!」
――スキル滅命――
「次で終わりだクソガキぃ!!!」
(なんだ!?拳が少し遅く見える!、これなら!)
もう片方の繰り出された拳をしゃがみながら避け背後に周る、それに気づきすかさず奴の裏拳が飛んでくるが体を前進しながら更に避け、壁を蹴りながら空中を舞い、奴の首に回し蹴りを当てる。
「何だぁぁ、、??」
(意外とまだ動けるじゃん俺、、でもそりゃあの太っとい首を蹴ったところで効くわけねぇか、、)
「はは、ははは!お前最高におもしれぇよ!はやく、はやく殺させろ!早く俺の殺害記録にお前を載せてぇよ…!お前の血で俺の筋肉を喜ばせろ!!」
殺気が増した。次の一撃が運命を分けようとしていた。
「サカイ様、、second レベル上昇、、second レベル50になりました。」
「ok、アルちゃん。」
「歯ぁ!食いしばれよなぁ!!」
巨大な肉が降りかかろうとしたとき、
―ブチンっ!!―
と、音と同時に全身の筋肉が破裂した。
「ぐはぁぁ!!ぐぅぅ…!!何を、、何をしたガキ!…」
「なんて事もない。ただ、お前にはいつもより50倍の負荷をかけただけだ、いい筋トレになったか?ゴリ野郎」
「ふざけるな、、、ふざけるなよ!!」
「70second上昇、新スキル一途を発動しますか?」
「Yes。」
ポッケに入っていたナイジャを一口噛み締め、
空中に投げる。
「命ってのは奪い奪われるものらしい。
今日それがお前だったって話だ。」
―運命別革命弾―
落下する弾丸を指で弾き、
奴の胸を貫いた。
最後の唸り声すらやつは上げず、
壁に弾かれそれまま動かなかった。
「はぁはぁ……助、、かった、、。」
「サカイ様…!、、本当、、無事で何より、、です…!」
「あぁ、ありがとなアルちゃん…」
俺も倒れた。路地裏からは、
制限された空が抗おうと一直線に伸びていた。
「そういやさ、何でsecond レベルがあんな急上昇したんだ?」
「想い、というのは必ずしも正の感情だけではありません。今回は相手の殺意などの負の感情が想いに変換されたのでしょう。想いは人、それぞれですから。」
「なるほどなぁ……」
「second レベルが下落しました。」
「えっ…どうしてだ、、?」
「負の感情は激しく燃える分すぐ消えてしまうものです。」
second レベルは以前通りの5レベルに戻ってしまった。
だがついてねぇとは言わなかった。
「しばらくこのままでいいか?」
「えぇ、私はいつでもそばに居ますよ。」
その言葉を聞き、少し気持ちが楽になった。
一直線の青空に一つ、時間が流れるように出てきた光は俺たちを照らし続けた。
読んでいただきありがとうございました。
リョウジの能力どうだったでしょうか。
異世界一ついてねぇ男の行方を見届けてくれると感激です。




