第一話 1秒を手に入れた!
文字を見てくれるのが嬉しいです。
僕の作品を見てってくれたら本当に感謝です。
変わり映えの無い世界、ここ数年俺は瞳にそう映された。
真っ暗な部屋に年中無休のエアコン。
いつも通りカップ麺を食べようとお湯を入れたが、飛び散った熱は俺の皮膚を襲う。
「熱っ!何なんだよもう、ついてねぇな。」
ついてない…そう今までの人生もそうだった。
何かと不運に巻き込まれては、ついてねぇなどと言い訳をした。
毎日がついてない事を知っているのに。
冷やすのもめんどくさいので手を振って自然の風で治そうとするが、次第に馬鹿馬鹿しくなったので、忘れかけられていたカップ麺に手をつける。
片方だけ鋭利になった割り箸で麺をつかむといつもより重さが増されていた。
「はぁ…」
食べる気も失せたが、食べないのも勿体無いので仕方なく食べることにする。いただきますは言わなかった。
麺を吸ってしばらくすると、急に胸が締め付けられた。
「うぐっ…!あぁ…!」
―― 呼吸が…息ができない…。苦…しい…!――
苦しさに耐えきれず、部屋を飛び出す。
苦しさから、辛さから逃げるように。
普段では進んで出ようとはしなかった玄関のドアを開け、一目散に走った。
自分でも何をしたいかわからなかった。
視界があまり見えず、がむしゃらに走っていたが
―突如体が宙を浮く感覚を得た。
「うわぁぁ!!」
その体はそのままアスファルトに飛び込んだ。
顔は地面と平行にあった。
「痛てぇ…何なんなんだよ…ほんと何なんだよ!」
感情のままに顔を上げると、そこは俺の知っている場所じゃなかった。
あまり家に出ていないからとかそういうんじゃ無い。
驚きのまま当たりも見渡すとそこには獣人だとか、異様にガタイのいい店主とかそういう人たちがいた。
目を擦っても何も変わらない、喉の詰まりなど当におさまっていた。
「…ついて…ねぇ…」
つまり何だ、その、何つーか。
…俺はどうやら異世界というやつに来てしまったらしい。
無様な姿はもう晒したく無いので即座に立ち上がる
見たことのない建造物、果物、人たち。
全てが目新しく、変わり映えの無い世界に退屈していた俺にとって一種のオアシスのように感じた。
「これが異世界なのか…」
世界を物色していたところそれを遮るように、モニターが急に出てくる。
「おぉ…!これがいわゆるステータスとか、スキルを覚えるとか、そんなやつか!」
だが少し違和感を覚えた。
「何だこれ?1セカンド?1だしレベルの事か!」
「違います。」
「え?」
一瞬誰かに話しかけられたかと思い、辺りを再度見渡すがそんな人はいない。
このモニターが話しているのだ。
「君って話せるんだ…」
「勿論でございます。わたくしこれから貴方のサポートを担うアルスと申します。」
少し驚いたが、異世界ではそういうこともあり得るなとすぐさま驚きは立ち直った。
「なるほどね、あっじゃあさこの1セカンドって何なのさ!」
「はい、この1secondは見たものをその数の分耐久値を下げるスキルの表記です。」
「え?ドユコトだ…」
「詳しく説明するなら、貴方様が3secondまで到達していただくとカップ麺を見ただけで人より3倍早くお湯を沸かせる事ができます。」
「なるほどぉ…分かりそうで分からなそうで。じゃあ今の1セカンドはどんな効果があるんだ?」
「今の1secondはここにいる皆様と同じ。つまり、効果が発揮されても意味がないのと一緒です。」
「おいおい…マジかよ!普通異世界に来たらさ、最初からチートスキルとかそういうやつとかあるんじゃないの!?」
異世界生活初日のスタートダッシュは切れなかった
「ついてねぇな…、じゃあさ…」
「何でございましょうか?」
「肝心のその、1セカンドの数字を上げる方法とかないの?あ、レベルが上がったらとか?」
「いいえ、貴方様にレベルの概念はございません。」
「おいまじかよ…!マジでついてねぇな本当よ…」
「数値を上げる方法はただ一つ。人に想われる時間分その数値は上がります。さらに耐久値を下げる事以外にもできる事が増えるようになります。つまり、人と深く関わり誰よりも多く想われる事で強くなるのです。」
「人との関わりを深くする!?」
この数年間人と関わりをせず家に引きこもっていた俺には酷過ぎる。
―あぁやっぱりついてねぇな…
「えぇ、絆が貴方を強くさせるのです。
貴方様。お近づきの印として、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
火傷して喉詰まらせて、異世界に行ったと思ったら、チートスキルなんかは持ってねぇし。強くなるには人と深く関わるしかないとか…
―本当ついてねぇ最悪な1日だ。
だがあと時、、扉を開いたあの時から決まってたのかもしれねぇな。
「あぁ、世界一、いーや異世界一ついてない男!
酒井亮治(サカイ•リョウジ)だ!よろしくなアルちゃん!」
「アルちゃんを認識。了解です。ではサカイ様、さっそく色んな人に話しかけてみましょう!」
「お、おい待てって!俺苦手なんだってそういうの!」
踏み出したくも無い一歩を歩かされ、
記念すべき異世界生活のスロースタートを切った。
見ていただきありがとうございました。
初の小説は見るに耐えていたら嬉しいです。
次回から本格的に入るので飽きずに見てくれると
喜びの舞です。




