恐怖の大王戦
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さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
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『残り1分です。準備を』
遂に始まろうとしている。残り時間は1分。環境を吹雪に変えた。バフは出来る限りで盛り込んだ。デバフは開幕にぶっ放す。アドなんて幾らとっても良いからな。どんどんと取っていくべきだ。
『10秒。……5、4、3、2、1、封印解除』
「総攻撃開始! 弾幕を絶やすんじゃないぞ!」
敵はまだ見えていない。何処に居るのかも解らない。けど、封印は解除された。なら、全力で封印内に攻撃するのみ。……ではあったんだけど。
「やばいさ。想像以上のデカささ」
「見えないんじゃなくて、あれが足か? そもそも人型をしているとは限らないってか」
「人型っていう先入観があったのは確かさ。でも、あれは何さ?」
「典型的な宇宙人って言いたい所だけど、そうじゃないな。……球体? 何というか、何色かが解らないけどな」
何色とも表現しにくい何かが、そこにあった。いや、最初からあったんだろうが、封印されていたから見えなかったというか、なんなんだろうな? あれは一体なんだ?
「!? 何か来るのさ!」
「叩き落としてやれ! 全力の火力を出せ!」
「ハハハハハ! 魔殺しの王が相手をしてやろう!」
「気持ち悪いのさ! 何なのさ!」
「解らん。が、足は9本か? 奇数とか変な数字で存在しやがって。そもそも腕が無いし。なんだあの生き物。いや、生き物というか、何処から喋っているんだ?」
「何でも良いのさ! とにかく殺すのさ! 王と言う事は、恐怖の大王の眷属なのさ! 魔殺しって事は、魔法が効かないんじゃないのさ?」
「近接部隊! 突貫! ヨトゥンは巨神化! 質量で叩き潰せ!」
何かしらが走ってくる。魔殺しの王らしいが、暗闇の王とは違うみたいだな。見えるだけまだ有難い。が、どうにも魔法を無効化しているらしいな。それなら近接攻撃で叩き潰すだけだ。
「ハハハハハ! 効かん効かん! その程度の攻撃は効かん! ――ぐああああ!!」
「……なんだったのさ? なんか吹っ飛んでいったのさ」
「倒したかどうかはどうでもいい。とりあえず、恐怖の大王に攻撃を当て続けろ。眷属の王たちは、勝手に乱入してくるだろうから、その時はその時で対処する。とにかく攻撃だ。貧乏神はデバフを! 長期戦になることを考えて、どんどんとデバフを入れていけ!」
「魔石袋の中身を空にしてやるのさ! 盛りに盛ってやるのさ!」
デバフを景気よく入れていく。デバフが効かないなんて事はない。カリアッハベーラのスキルで無効化されている。まあ、誰か他のカードのスキルでも無効化はしているとは思うけどな。……色々と考えないといけないことがあるんだけど、どうしたものか。
「貧乏神。考察に付き合ってくれないか?」
「何さ? デバフで忙しいのさ」
「そういうな。とにかく、考察なしには勝てない。そんな感じがする」
「ふーん。ギミックか何かさ?」
「いや、そんな感じじゃないとは思う。というか、普通にやっても勝てないのは解り切っているからな」
「……なんでなのさ?」
「普通にやって勝てるのであれば、地球が勝っているだろうからな」
「ああー。なるほどさ。勝てなくて、封印した何かしらの原因があるってのさ?」
「だろう。そう考えるのが自然だ。例えば、そもそもこっちのルールと向こうのルールが違うとかな」
「……あり得ない事では無いのさ。けど頭脳戦は得意じゃないのさ。どうするのさ?」
「まずは手がかりを掴まないといけない。向こうのルールを把握しないといけないとは思う。こっちのルールは戦闘力がある。じゃあ、向こうは?」
「うーん。無い可能性はあるのさ。そうなると、眷属たちも殺せないのさ?」
「そんな気がする。さっきも魔殺しの王が来たが、殺したんじゃなくて、吹き飛んでいっただけだからな。何かしらのルールで縛られている可能性はないか?」
「不死ってのはあり得ないのさ。それは絶対に無いのさ」
「それはそうだろう。地球も生き物と仮定するのであれば、今は免疫がもの凄く働いている状態って事になるからな。俺たちが免疫細胞だとして、あれはなんだって話になってくる訳で」
「生き物である事には変わりないのさ。何故か同じ言語を使っているけどさ」
「そう聞こえるだけって可能性もあるんだけどな。世界が変わって、俺たち人間も変わった可能性は?」
「あるというか、変わったとは思うのさ。そもそも魂にあたしらが結びついているのさ」
そう言えばそうか。人間も変わってしまったって事ではあるんだろうな。……なら、恐怖の大王とは一体って感じになってくるよな。こっちのルールを叩きつけても良いのかどうか。戦闘力で何とかなるのかどうかだよなあ。それが出来ないのであれば、そもそもカードのランクが関係ないって事になってくるとは思うんだけど。
カードの戦闘力が関係ないのであれば、どうすればいい? 何をしたら、痛打を与えられるんだ? ……いや、まて。まだ焦るんじゃない。考えろ。考えれば答えは出てくるかもしれない。
そう言えば、俺が転生してきた原因は、こっちの地球の神様のエネルギー不足が問題だったわけだ。という事は、俺の前世の地球は、恐怖の大王に勝ったと言う事になる。何が決め手になったのか。それを理解しないといけない訳だ。勝てない訳ではない。ただ、アプローチが違うだけなのかもしれない。
「なあ、貧乏神」
「何さ?」
「もしもの話だ。地球のエネルギーを、人間が奪わなかったら、地球が勝っていたとして。決定的な差はなんだ?」
「うーん。難しい話さ。決め手はない訳ではないとは思うのさ。けど、人間の力を借りなくても、何とかなったとは思うのさ」
「その時と、今。何が違う?」
「何が違うと言われても、解らないとしか言いようが無いのさ。主神格が大量に作れたことは変わらないとは思うのさ」
「それだと違う気がするんだよな……。主神格じゃないと駄目だという訳では無いとは思うんだよな。何というか、何が違うのかは解らないけど、出来ない事じゃないとは思うんだよ」
「とは言うけどさ。何が違うかなんて解らないのさ」
「それはそうなんだよなあ。……そもそも、地球は何処にいるんだ?」
「地球ならそっちに居るのさ。見えないのさ?」
「ああ、あれが地球か。……こっちも球体なのか」
「その辺は恐怖の大王と何が違うのかが解らないのさ」
「……いや、待て。地球と恐怖の大王が、同じ生き物だとしたら、どうなると思う?」
「同じ生き物さ? そりゃあ、……弱点も同じなのさ?」
「じゃないのか? 俺の考察だと、そういう事になるとは思うんだけど……」
「地球の弱点って何さ?」
「それは貧乏神の方が知っているんじゃないのか?」
「流石にそんな事は知らないのさ。でも、聞く価値はあるのさ」
だな。恐怖の大王が地球と同じ生き物だったとして、弱点が同じだというのであれば、何をもってすれば、攻撃が通るのか。それを教えてもらわない事には話にならないんじゃないのか?
「なあ、地球にどうやって話しかければ良いんだ?」
「テレパシーで繋がるんじゃないのさ? そもそも地球と人間の魂は繋がっているとは思うのさ」
「……やってみる」
あーあー。テステス。聞こえますでしょうか? 聞こえていたら返事をください。地球の弱点はどこですか? それが恐怖の大王の弱点でもあるんじゃないですか? 効果的な攻撃が出来ていないと思うので、答えてくれると嬉しいです。出来れば、他の人間たちにも、何をすれば良いのかの指示をお願いします。多分ですけど、今のままだと、効果的な攻撃が出来ていないと思われます。
どうにか繋がって欲しい。テレパシーで交信が出来れば良いんだが。何処をどうやって攻撃すれば良いのかが解らないと、詰みでしかない。そんなのは許されない。発想力の勝負をするにしても、こっち側が不利になるじゃないか。教えてくれるのであれば、しっかりと教えて欲しい。何をすれば良いのかを、きっかり、はっきりと教えてくれないと、俺たちが何も出来なくて終わるとは思うんだよなあ。援軍に来た意味がない。
『全人類に通達。カードを使って、魂の解放を使いなさい。カードの戦闘力を、直接恐怖の大王に叩き込むのです。私は無防備になるため、その手段が使えません。皆さまなら出来るはず。カードを信じてください』
来た。回答が来た。……魂の解放か。どうすればいいんだ? 何をすれば良いんだろうか。単純に攻撃するのとは違うんだろうな。
「貧乏神、地球からの回答が来たぞ。魂の解放を行えと言われた。魂の解放ってなんだ?」
「あー。了解なのさ。そういう事さ? まあ、何というか、カードをそのまま恐怖の大王に突撃させるのさ。カードの状態で、カードをエネルギーにして飛ばすのさ。多分だけど、戦闘力はそのためにあるのさ」
「……あー。なんとなく理解は出来た。エネルギーそのものを飛ばすのか。……それってカードは復活するのか?」
「出来ないのさ。カードとして死ぬことになるのさ。でも、カードになった事は承知の上さ。戦闘力を上乗せして、魂の解放をしてしまって、恐怖の大王に突撃させるのさ」
……理解した。理解できてしまった。そういう事か。なるほど。エネルギー不足がどういう事になるのかという事がよく解った。純粋にエネルギーをぶつけるのは良いとして、前世の地球には足りていて、今世の地球には、圧倒的にエネルギーが不足していた訳だ。それが決定的な差になって現れてしまった。こんな世界になってしまった訳だ。
カードを失うのはデカい。こっちも守りが薄くなるからな。色々な王がその辺をうろうろとしているのであれば、それらも魂の開放で吹き飛ばすしか無いんだろう。ダンジョンを乗っ取った形で展開していた、暗闇の王は、完全に倒したわけではなく、乗っ取ったとか、現世に現れるとかの効果で来た場合、こちらのルールで対処が出来るようになっていたんだろう。……だから、カードと同じように復活する。恐怖の大王の元で。
「……どうすれば良いと思う?」
「魂の解放をするしかないのさ。……ただ、あたしは無理さ。やらない方が良いとは思うのさ」
「えっと、なんでだ?」
「あたしとあんたの魂は、強く結びつき過ぎているのさ。あたしを打ち出せば、あんたも一緒に打ち出されると思うのさ。それであんたが死んでも良いなら別さ。地球のために死ぬのであれば、それで良いさ。でも、生きたいのであれば、あたしの魂の解放はしない方がいいさ」
死ぬ、か。地球を救うために、まじもんの命を賭けるのかって事になってくるのか。全部打ち出して、足りないのであれば、吝かでもないが、全員が同じ行動を取れば、足りるとは思う。それでも足りない場合は、止む無しでするしかないとしてもだ。
「どうするのさ? 流石に全部を解放する訳にはいかないとは思うのさ」
「そうだな……。カリアッハベーラと、雪女、それと移動用のフェンリル1枚を残して、突撃させる。守りは大分薄くなるとは思うが、出し惜しみをしている場合でも無いだろうしな」
「そうなるのさ……。まあ、覚悟が決まったのであれば、打ち出すのさ」
オオオオオオオオ!!!!!!
「な、なんだ!?」
「恐怖の大王が苦しみ始めたのさ。他の人たちが魂の解放をしだしたのさ」
「なら、こっちも覚悟を決めないとな」
「……あたしとは違うけど、他のカードもあんたとの魂に結びついているのさ。あんたは自分の魂を削ってでも、やるのさ?」
「ああ、やる。他の人たちも、その覚悟でやっているんだろうしな」
「なら止めないのさ。男の覚悟を無駄にする程、あたしも無粋では無いのさ」
それなら、行くぞ。カードの魂を解放していく。魂の弾丸を、恐怖の大王目掛けて打ち出していく。……少しずつ、自分の中の何かが減っていく感じがする。でも、止めない。効果があるのであれば、止めない。小さな一撃かもしれないけど、やるなら徹底的にだ。
1枚ずつ、魂を打ち出していく。恐怖の大王も苦しみだしている。……効いているのは間違いない。偶に、何かしらが盾になるために、前に出てくるが、構わず打ち出す。何かしらの王なんだろうが、関係ない。王も滅ぼし、恐怖の大王も滅ぼす。それが、俺の出来る全力だ。
退路は残す。残弾は残す。足りなければ持っていけという感じではあるが、ある程度は戦えるようにしておかないといけない。全滅すると、俺の命が危ない。まあ、そもそもが命がけの攻撃ではあるんだけどな。魂を打ち出すだなんて、本気で何を考えているんだって話だし。
……もしかして、9割の人間が消えたのは、そういう事なのか? カードにするために、回収したのか? ……いや、考えるのは止そう。だとしたら、余りにも。でも、止める訳にはいかない。ここで滅ぼさないと、回復でもされたら面倒な事にしかならない。どんどんと攻撃をしていく。
ありったけのカードを打ち出す。初期の方に手に入れていて、ダブったからと配ったカードも持ってきて入れば、良かったのかもしれないが、そんな事は予想できるわけがない。カードの戦闘力で何とかするものだとばかり思っていたからな。それが、戦闘力は関係しても、まさか弾にして打ち出すなんて思ってもみなかったからな。カードゲームで殴り合うとばかり思っていた。
まさかまさかの展開だとは思う。でも、予想は出来たのかもしれない。考察は出来たのかもしれない。……まあ、今になって言うのもあれだけどな。こんな事なら、もっと他の人を巻き込むんだった。そうしたら、個人の魂の負荷も減っただろうに。
打ち出すだけ打ち出した。……最後のヨトゥンを打ち出した時には、恐怖の大王は虫の息のような感じを受けた。もう少しで勝てる。最後の一撃を、誰が入れるのかは知らないが、俺は、自分の守りをするためのカード以外は打ち出した。他の人もそうだろう。……足りなければ、まだ打ち出すが。
だが、それも終わりを迎える。恐怖の大王が、墜落してくる。……終わったのか? 止めは刺したのか? 疑問は尽きない。
『よくやりました。地上へと送ります。準備を』
ああ、終わったのか。……何というか、あっけなかったと言えば良いのか。足りてよかったと思えばいいのか。何とかなったと思うしかない。とりあえず、当面の脅威は去った訳だ。……多くのカードを失う事になったけど、また集めないといけないな。次があるかもしれないんだし。次の恐怖の大王が来ないとも限らない。その時までに準備をしておかなければならないだろう。
けど、魂の負担的に、今度は大勢の人を連れてきた方が良いんだろうな。……特に、若者の魂を燃やし過ぎた。大学生には未来がある。まだまだ生きて貰わないと困る。復興をさせないといけないんだからな。若者の命を燃やして、老人が生き残っても、出来ることは少ない。
出来れば、死にに行くのは老兵からでいい。若者の未来を摘んでしまうのは、勿体ないからな。次の襲撃にはそうしよう。今度は時間がたっぷりとあるんだろうし。……1年後なんて言わないよな? そんな頻度で攻撃をされても、こっちの身が持たない。




