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アポカリプスデイ  作者: ルケア


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異変

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 ダンジョンを攻略していて、これほど異常さを感じたことはない。何が起きているのかが解らない。けど、これは明らかにおかしい。


「また出てきたのさ! ちょろちょろとうざいのさ!」


「また変な虫か。……カードもドロップも、魔石すら落ちないんだからな。一体何が起きているんだ?」


「1体1体は強くも無いのさ。けど、大体Dランクの上位層かCランクの弱い奴くらいの戦闘力があるのさ。それが1層目からずっとなのさ。今は何層目さ?」


「今は26階層だな。ずっと同じ虫ばかりを相手にしているが、マジで解らん。こんな魔物は知らないし、そもそも虫がこんなに強いか? そもそも、虫で妖怪とか神話系って言われても、解らないんだけど……」


「……まあ、幾つか民話はあるのさ。代表的なのは蜘蛛さ。けど、そもそも見た事がない虫さ。まあ、まずは魔石が落ちないことが一番の問題事さ。ルールに合わないのさ」


「だよな。今までのルールには合わないよな。魔物を倒したら必ず魔石が落ちる。そうだったはずだ。それの例外と……」


「ん? どうかしたのさ?」


「ある。魔石もカードもドロップも落ちなかった事はある」


「……そんな事あったのさ?」


「ああ、あった。ティル・ナ・ノーグとの戦いの時だ。ティル・ナ・ノーグとオベロンとティターニア、それらが出したキャバリシーは何も落とさなかった」


「なるほどさ。となると、こいつらは眷属召喚で出てきた奴らって事になるのさ。……虫を眷属とするのはいいさ。でも、どの虫とも言えないのさ。こんな虫居るのさ?」


「いや、知らん。そもそも虫オタクって訳でもないし。でも、知らない虫だな。居てもおかしくないのかって言われたら、ジャングルとかにはいるかもしれないって程度だな。……そうすると、知名度的におかしいんだよな」


「そうなのさ。おかしいのさ。こいつら、下手すればCランクくらいの強さはあるのさ。明らかに強いのさ。ある程度の知名度はあるはずなのさ」


 そうだ。それがおかしい。ここまで強いんだ。この、何というか、何? 虫は虫なんだけど、形容しがたいんだよなあ。まあ、そもそも虫の定義から外れているとは思うんだけど。


 虫ってあれだろ? 蜘蛛は分類的には虫じゃない的な? 6本足なのが虫だよな? あいつは、9本っぽいんだよなあ。何故に奇数? 普通は偶数じゃないのか? そもそも虫なのかって話ではあるんだけど、なんだろうな。この気味の悪さは。


 本能的にやばいと思うんだよ。何がどうして、虫としているのかが解らないくらいには、変なんだ。生き物として、バランスがおかしい様な? 何というか、今は日本ではあるけど、インドネシアとか、マレーシアの当たりの虫なのかね? その辺は森とかあるだろう? そこで出てくるんじゃないのか? ただ、圧倒的に知名度がなあ。それを眷属召喚できるとなると、それなりに知られている魔物か妖怪か神の筈なんだけど。


 見ただけで不安になってくる虫なんだよ。何がなんだか解らない。どうすればいいんだ? 何かしらあるんだろうけど、そもそも、眷属ってダンジョンの階層を越えられるのか?


「なあ、貧乏神」


「何さ?」


「眷属召喚するだろ? そいつらって、ダンジョンの階層を移動できるのか?」


「……出来ないのさ」


「……だったら、こいつらはなんだ?」


「解らないとしか言えないのさ。ただ、悪寒は増したさ」


「奇遇だな。俺もやばいんじゃないかって思い直したところだ」


「ただ事じゃないのさ。何が起きているのさ? そもそもこの虫、存在していていいのさ?」


「存在していてって、どういうことだ?」


「日本は広くなったさ。昔の事を思えば大きくなったのさ。色んな神々が日本の宗教の仲間入りを果たしたのさ。でも、この虫は知らないのさ」


「外国の虫って事か?」


「少なくとも、日本には居ない虫さ。でも、普通の虫は、ある程度の互換性というか、似たような形ではあるのさ。蜘蛛の足は8本さ。それは蜘蛛という種はそうなっているのさ」


「……まあ、それが蜘蛛ってカテゴライズされたんだから、そうだろうな」


「この虫は、近似種がいないのさ。本気で見た事が無いのさ。こいつに近い虫を知っているさ? 多分誰も知らないのさ」


「……知らない虫が、ここまでの戦闘力を得ていることは、あり得ないよな?」


「そうさ。一番解りやすい例でいうと、シルバーエッグさ。そんな存在はいないのさ。銀色をした、走る卵なんてあり得ないのさ。そいつらの戦闘力は1さ。当然さ。いなかった存在を作ったからさ」


「じゃあ、こいつらも、本来であれば、そうあるべきって事か?」


「そういう事さ。……本気でやばくなってきたのさ。引き返すさ?」


「……いや、進む。ここまで来たというか、この状況で帰るって選択肢はない。取れない。何が起きているのかの情報も掴めないようでは不味い」


「解ったさ。あたしも覚悟を決めるのさ」


 何が起きているのか。それが解らない。その状態で放置して良いとは思わない。何かがおかしい。ダンジョンとして、あり得ないことが起きている。今までのルールから逸脱したダンジョン。こんなものを放置しておける訳がない。何かがあるんだろう。俺が知らないだけで、何かしらがあるんだろう。


 貧乏神も知らない様な何か。それがあるんだろう。……今までのルールから逸脱した理由が、多分だけど、最下層にあるはずだ。それを突き止めないといけない。そんな気がする。


 俺は主人公だと自認している。転生して、こんな事態に巻き込まれて。これで主人公じゃなかったら、なんだって言うんだ。……俺の他にも転生者が多くいて、そっちが主人公って可能性もある。けど、そんな何もイベントがないままで、終わる主人公もいた。平凡な毎日を送っているだけの主人公も居たさ。それだけの数の作品があるんだからな。


 だが、俺はどうだ? こんなにイベントに恵まれて。これで主人公じゃない? 冗談は止せ。こんなおいしいイベントが起きて、主人公じゃない? その作者を連れて来い。こっちを主人公にした方が面白いだろうが。


 ……まあ、冗談はさておいて、何が起きているのかは調査をしないといけない。何かが起きていることは間違いない。それは良い。何が起きているのか。解らない。それも仕方がない。行ってみない事には始まらない訳だ。


 主人公ってのは、問題を見つけて、解決するのが基本だ。問題は見つけた。後は解決するだけだ。だって、それが主人公だから。


 転生して、滅びが起きて、助けを求められた。この時点で主人公だろう。これで主人公じゃなくて、ただのモブだったら? モブだったら死にイベントだな。俺くらい属性を盛られて、モブって事があり得るのか?


 あり得ない。それならもっと主人公してそうな奴が近くにいないとおかしい。だから俺は主人公である。そう自認している。だから、このイベントも解決してみせるんだよ。


「……なあ、貧乏神」


「何さ?」


「主人公だったら、こんな所で死ねないよな?」


「当たり前なのさ。こんな所で死ぬのはモブの役目さ」


「だよな」


「何さ? また主人公と英雄の狭間で揺れ動いているのさ?」


「いや。俺は主人公だ。それは決まっている。それなら、こんなイベント、さっさと蹴散らすまで。そうだろ?」


「……まあ、イベントで死んで、何故か生き返る主人公もいるにはいるのさ」


「……貧乏神お前。解っていってるだろ?」


「仕方がないのさ。転生者なのさ? 2度目があったら3度目もあるのさ」


「いや、マジで洒落にならねえからな?」


「冗談さ。なんか死亡フラグを勝手に立てた奴がいたのさ。それを見たら、折るのが礼儀さ」


「……まあ、それっぽいとは思ってしまったから、何とも言えないんだけど」


「冗談は顔だけにしておくのさ」


「おいちょっと待て。顔は、イケメンじゃないとは思うけど、そこまでAPPは低くないだろ?」


「主人公はAPPが高いか、極端に低いのかのどちらかさ。お前はモブ顔さ」


「モブ顔の主人公だって普通にいるだろ!?」


「少数派じゃないのさ?」


「……っく。確かに少数派だ」


「そもそも何さ? 怖くなってきたのさ?」


「……まあ、冗談を言いたくなるくらいにはな」


「お? 案外素直さ。まあ、何とかしてやるのさ」


「頼んだぞ。マジで」


「こんな所で死ぬのは御免なのさ」


 それは俺も一緒だよ。……怖くなってきたけどな。今まで負けてないんだ。でも、今回は流石に怖い。負ける可能性だってある。大いにあり得る。何が起きているのかが解らないんだ。訳も解らずゲームオーバーなんてこともあり得るからな。そんな事にはさせないって思っていても、強制的に終わらせて来るような敵もいるんだ。その可能性を考えると、ちょっとな。怖くなってきたんだよ。

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