食料を確保
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まあ、そんな事はどうでもいい。……地球が崩壊してしまったのか。転生者っていうアドバンテージが無かったのも、他に転生者が沢山居たからなんだろうなって。もうちょっと加減をしてくれないかね? 色々と変わり過ぎなんだが。
「まあ、そんな事はどうでもいいのさ。とにかく、地球を救うのさ。そのためにあたしがあんたに付いたんだしさ」
「貧乏神に憑かれて嬉しいと思うか?」
「そりゃあ嬉しいさ。そもそも世界が崩壊したのさ。金なんて紙切れなのさ」
「あー……。そう言えばそうか。一文無しかあ。折角あんなに働いたのに……」
「そもそも生きているだけで儲けものさ。日本の人口なんて1億人を下回っているのさ。大体世界全体で見れば、9割くらいの人間が魂から消滅したのさ。地球のエネルギー補給に使われたのさ」
「……マジで? 日本の人口って5億人くらい居たよな? 8割減なんだが……。まあ、いいや。漸く主人公が活躍する時が来たんだな。これまでは雌伏の時。これからは世界を救うために主人公してやるって感じになるのか。良いねえ。これでこそ異世界転生って奴だよな」
「やる気があることは良い事さ。それじゃあ地球を救うために行動をするのさ」
「……その前に腹減ったんだよな。何か食いに行かねえ? そもそも貧乏神って食う必要があるのか?」
「あたしたちカードは特に食事は必要ないのさ。食べるのは食べられるのさ。けど、それは全部エネルギーに回されるのさ」
「ふーん。じゃあ何でもいいか。適当に食べに行こうぜ」
「そもそも世界は崩壊しているのさ。何処に何を食べに行くのさ?」
「……そうだった。そうでした。え? これから自給自足? マジで言ってんの?」
「その辺のコンビニから持っていくさ。食べ物もまだ腐ってはいないのさ。それより早くした方が良いのさ。そろそろ地上に色々と出てくるのさ」
「ん? 出てくるって何が?」
「魔物や妖怪、鬼に神にその他色々さ。地球が作った戦力も、多くは恐怖の大王の眷属に洗脳されたさ。そいつらが地上を荒らし回るのさ」
「……なあ、それってマジでやばくね? どうやって戦うんだ?」
「あたしが居るから問題なしさ。……と、言いたい所だけど、流石に主神クラスが相手に居るときついのさ。そもそも戦闘力が違うのさ」
「あー。貧乏神って戦闘力1700だっけか。……それって高いのか?」
「低くはないのさ。これでも神さ。その辺の木っ端の妖怪と比べて貰ったら困るのさ」
「まあ、それはそうか。一応神だもんなあ。……念のために色々と詰めておくか。ここを拠点にってのもなんだし」
「服なんかは持っていくと良いのさ。あたしがある程度は持ってやるさ」
「いや、お前には戦ってもらわないといけないだろ? 荷物は俺が持つよ」
「あたしのカードをよく見るのさ。後天スキルに中等収納があるのさ。異空間にある程度のものは保管できるのさ」
「おー。マジックバッグみたいなものか。そりゃあ良い。じゃあちょっと色々と物色していくか。……マジで何が起きているのか、よく解ってないし、色々と持っていくか」
そんな感じで、色々と荷物を持っていくことに。まあ、メインは着替えなんだけど。電気製品は使えないからなあ。電気が無いと何も出来ない。それは本当に辛い。どうしたものかな。何かしら便利なものがあると良いんだけど。
「で、そんなものが出てきたと。まあ、無いよりはマシさ。素人が持っても意味無いとは思うけどさ」
「ほっとけ。漸く実感が湧いてきたからな。ポストアポカリプス作品なんて、割とありふれてるし。お土産に貰った木刀が役に立つときが来たんなら、良い事じゃないか」
「あんたに死なれても困るのさ。あたしとあんたは一蓮托生さ。あたしが死んでも、あんたが死ぬわけではないけど、あんたが死んだらあたしも死ぬのさ。出来る限り守ってやるのさ」
「頼んだ。……んじゃ、出ていくか。何かしら食べ物を食わないと」
そんな訳で外に出る。……外は真っ暗。何というか、世界が終わってしまったなんて思いたくはない。けど、漸くと異世界転生してきた甲斐があったってものだ。……個人的には、既に異世界気分である。日本って言っても、余りにも違い過ぎるからな。同じ場所だとは思えないんだよ。
外に出ると、普通の街並み。……世界が終わっただなんて思わないけどな。まあ、電気は付かないし、何が何だか解らないんだけど。
そんな訳で、最寄りのコンビニにやってきた。……無人化されて久しいけど、盗みを働くみたいでなんか嫌だな。まあ、生き残るためには仕方がないと割り切るしかないが。実感なんてその内やってくるだろう。今は、貧乏神という少女に流されていれば良いんじゃないかな。
「そういや、まだ魔物は見ないよな。何処に居るのか解らないのか?」
「索敵系のスキルは持っていないのさ。ただ、不吉な予感がする場所は大体わかるのさ」
「あー。そういやある程度の事は把握しておかないといけないよな。スキルってどんな感じなのか教えてくれるか?」
「生存率に関わってくるのさ。そういう事は素直に聞いておく方が良いのさ」
そんな訳で、これが貧乏神のスキルな訳なんだが。
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種族:貧乏神
戦闘力:1700
種族スキル
・貧乏暇なし
・破れた財布
・汚れた硬貨
後天スキル
・中等攻撃魔法
・初等家事魔法
・気配遮断
・中等収納
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「まあ、1つずつ潰していくか。貧乏暇なしってのはどんなスキルなんだ?」
「それはマスターの労働を対価に、運気を上げることが出来るスキルさ」
「うん? 運気を? それは福神とかのスキルなんじゃないのか? 普通は運気を下げるんじゃないのか?」
「あんた貧乏神を勘違いしてないさ? 貧乏神も運気を上げたり出来るのさ。ただ、上げた運気で稼いだ金を、それ以上に使わせるから貧乏になるだけなのさ。覚えがないさ? 給料はいいのに、金が出ていくばかりで貯まらないって経験がさ。貧乏神がそういった魂を好むから、貧乏神に付かれるのさ。稼ぎはどうでもいいのさ。それ以上に使うから貧乏になるのさ」
「あー。思い当たる節しかない。企業的には儲かっているし、給料もブラック企業にしてみたら、良い方ではあったんだよな。……金が右から左へと流れて消えていくだけで」
「そういう奴が大好物さ。寧ろお金を稼げる奴が、どんどんと貧乏になっていく方が望ましいのさ。そっちの方が魂的には良いのさ。初めから貧乏な奴には、貧乏神は付かないのさ」
なるほどなあ。上げた運気をどんどんと金を使わせる方に持っていくのが、そのスキルって事か。……まあ、金に価値なんて無くなったんだろうけどな。こうやって泥棒をしていても、何も反応が無いんだし。
「それじゃあ2つ目だ。破れた財布ってのは?」
「それは高等妨害魔法、高等状態異常魔法、思考誘導を内包しているスキルなのさ。貧乏神は本来デバフ特化のカードなのさ」
「……思考誘導? こっちの考えを誘導しているって事は無いんだよな?」
「マスターの思考は誘導出来ないのさ。まあ、他人や魔物に関しては出来るけどさ」
「ふーん。まあいいか。それじゃあ3つ目だ。汚れた硬貨はどんなスキルなんだ?」
「それは魔石を消費して、魔法耐性無視を付与する事が出来るのさ。まあ、大体200%が上限って所さ」
「うん? 魔石?」
「そうさ。その内魔物とも戦うのさ。倒したら確定で魔石が落ちるのさ。後は確率でアイテムなんかは落ちるさ。低確率でカードも落とす。まあ、洗脳が解けたって事になるのさ」
「あー。なるほどなるほど。貧乏神だけで戦う訳ではないって事か。デバッファーが居るなら、アタッカーも居るし、タンクもヒーラーも居るってか。それで仲間を集めて、どんどんと格上を落としていけばいいと。そういう事ね。なるほど。ゲームじみてるな」
「ゲームと思って差異ないさ。ゲーム感覚で言えば、恐怖の大王はラスボスさ」
……ゲームと思って良いのかよ。まあ、あれだな。そう思わないと精神的に辛いってのもあるんだけど。……こういうのってパーティーで戦ったりするものなんじゃないのか? ソロで戦わないといけない理由はなんなんだろうか。
「なあ、他の人には頼れないのか? 1人よりも2人。2人よりも3人の方が良いんじゃないか?」
「それはそうさ。そもそも1人で恐怖の大王と戦おうなんて危険すぎるのさ。仲間は遅かれ早かれ作る必要があるのさ」
「まあ、そうなるよな。でも今じゃないってか?」
「今ではないさ。まずは生き残ることが第一さ。生き残れない様なお荷物をパーティーに組み込みたければ勝手さ。でもそれは、あんたの負担が増えるだけなのさ」
「……それもそうか。出来る事と出来ない事は区別しないといけないか。まずは出来ることをしないといけないよな。それはそうと、スキルだ。中等攻撃魔法はどうなんだ?」
「そのままの意味さ。攻撃系の魔法が使えるようになるのさ。ランクは初等、中等、高等とあるのさ。そこそこの威力の魔法なら使えるのさ」
「……これさ、中等攻撃魔法が無ければどうしてたんだ?」
「その時は物理で殴るだけさ。こう見えても戦闘力はそこそこあるのさ。木っ端の妖怪とかなら一撃さ」
「攻撃手段が無くなるとかはない訳か。それならいいか。じゃあ初等家事魔法だな。名前の通りだとは思うが」
「ある程度の家事は出来るってだけなのさ。初等クラスさ。そこまで求めるんじゃないのさ」
「それでも俺よりは生活スキルがありそうだな……。俺なんてルンバ君が居なければ、掃除も出来ないってのに」
「それはある意味で凄いのさ。一種の才能さ。身綺麗にしていると貧乏神が寄り付かなくなるのさ」
「……暗に汚いと言われているのか?」
「そのままでいてくれた方が良いのさ。そもそも風呂にも入れないだろうからさー」
「あー……。まあ、確かに。電気が無いから水道も碌に使えないんだよな」
「そういうのはカードに頼るのさ。カードを増やしていけば、そういうスキルを持っている奴も居るのさ」
「……カード無しで生活するのが困難になりそうだな。マジで」
「そういうのは世界が崩壊した時点でその通りさ。まあ、恐怖の大王を討伐できれば、また文明が戻ってくるかもしれないのさ」
「……俺が寿命で死なないと良いけどな。それで、気配遮断は? まあ、まんまだろうが」
「そのまんまさ。マスターを含むくらいが関の山さ。他のカードを巻き込むことは無理さ。それに、索敵持ちには普通に引っかかるのさ」
「なるほどな。それで中等収納と。どのくらい入るんだ?」
「大体このコンビニ1つ分くらいさ。高等収納になれば、もっと仕舞う事が出来るとは思うけどさ」
「あれ? スキルって成長するのか?」
「後天スキルは成長する可能性があるのさ。行動によっては増える可能性もあるのさ」
「そういうものなのか。まあ、解った。とりあえずは生き残ることを重点に置けば良いんだよな?」
「そういう事さ。生き残れない奴に人権は無いのさ」
厳しい世界だ。まあ、漸く俺の物語が始まったって感じだけどな。異世界転生はこうじゃないと。これで無双が出来たら良いんだけどな。貧乏神で無双か……。出来なくもないんだろうけど、どうなんだろうか。女の子に戦わせて、俺は何もしないってパターンかもしれないし。どうしたものかねえ。何とかなるか。とりあえずは色々と物色していかないとな。




