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最後に出て来たのは、まるで大木の幹の様な巨大なバウムクーヘンだった。
わぁっ!!立派なバウムクーヘンだな。葛の葉庵でも、何か巨大スイーツを作ってみたいなぁ。
僕は目の前のバウムクーヘンに感動しながら嬉しい気持ち一杯でバウムクーヘンを口に入れていく。横の狐者異は、「でかっ!?」と一言叫んでから、おずおずとバウムクーヘンにフォークを入れるのだった。
「見た目は正しく・・・バウム(木)だな。」
六合が巨大なバウムクーヘンをまじまじと見つめながら、一言呟いた。「あれだけ大きなバウムクーヘンを作るのは、相当な手間と材料が掛かっただろうな・・・。」としみじみ考える六合であった。
このバウムクーヘンは甘さ控えめで素朴な味の優しい美味しさを感じる1品だ。それにとてもしっとりとしていて口がパサパサしないのも良い。僕は幸せそうににこにこ微笑みながらバウムクーヘンを凄い速さで食べ進めていく。巨大なバウムクーヘンが目にも留まらぬ速さで小さくなっていく事に、一同は驚き呆然としてしまう。
「あはは・・・流石晴支。あんだけ食べた後でも、「デザートは別腹だ。」って言いながらあの巨大なバウムクーヘンを嬉しそうに完食するんだろうな。」
壮吾がバウムクーヘンを頬張る僕の姿を見つめながら苦笑する。その直ぐ後、司会の蝶化身が「土御門選手、最後のバウムクーヘンでも全然ペースが落ちませんね。」と語るのに対し、僕が「デザートは別腹ですから!!」と力強く答えるのを見て、壮吾は温かい眼差しで唯静かに僕を見守るのだった。
2人の選手は優勝を目指しバウムクーヘンを口に運び続けていく。そして遂に、決着の時が来る。先に最後の一口を食べ終えこの早食い大会を制した者の名を、蝶化身が大きな声で発表する。
「早食い大会の優勝者は・・・土御門晴支さんです!おめでとう御座います!!」
空になったお皿を掲げ「えっへん!」と胸を張る僕。そんな僕を祝って、集まっていた皆がパチパチと拍手をする。
「土御門選手、コメントをお願いできますか?」
蝶化身が僕の横に立ちマイクを向けてくる。僕がどんな言葉を述べるのか、一同が息を呑んで見守る。
「あの・・・まだ物足りないから、決勝の5品全部おかわりしても良いかな?」
僕の口から放たれた言葉に、蝶化身や観戦客達が口を大きくあんぐりと開けて驚く。(白虎と玄武は楽しそうに「アッハッハッハ!!」と笑っていた。)
「お前、凄いな。・・・完敗だよ。」
声の方に振り向くと、狐者異が笑いながら手を差し出していた。
「君も凄いガッツだったよ。お疲れ様!!」
僕はそう言葉を返すと、彼と力強く握手を交わした。友情を築きお互いを労う僕と狐者異を、葛の葉庵の皆は冷めた目で見つめている。
こうして、今回の大盛り料理早食い大会は僕の優勝で幕を閉じたのだった。




