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2品目の料理は、大きな深いボウルに山盛りに入ったサラダだった。海老やチキンも入っているガッツリ系のサラダだ。
こんなに沢山のサラダを一気に食べるのは初めてだな。
そんな風な事を考えながら、僕は出されたサラダを食べ始める。僕が食べ始めた少し後に、他の選手達も食べ始める。二口女はサラダを目にした瞬間、少し渋い表情をした。
・・・サラダ、余り好きじゃないのかな?
首を傾げながらも、僕はもぐもぐと食べていく。サラダは柑橘系の香りがするさっぱりとしたドレッシングがかかっていて美味しい。僕の分のサラダはどんどん減っていくのだった。
そんな風に美味しく味わってサラダを食べていた僕は、千切りキャベツを口に入れた時、ふとキャベツにくっ付いて齧っている青虫の姿を思い浮かべてしまった。暫くそのまま食べ続けていた僕だったが、頭の中から青虫の姿が離れなくなってしまった。
「このサラダも美味しいね。・・・でもこんなに大盛りのサラダを食べていると、何だか段々自分が青虫になった気分になってくるよ。」
僕はサラダを食べながら、思わずぽつりと呟いてしまう。
「・・・アッ・・・青虫って・・・ぷっ・・・ふふ・・・アッハハハハハハハハハ!!確かに・・・青虫はキャベツ等の葉物野菜が好きですもんネェ!!」
ツボに入ったらしく、白虎が口許を押さえて大きな声で笑い始める。彼は「晴支が青虫ですカァ。」と楽しそうに呟きながら笑い続ける。
「青虫って・・・止めてくれよ、晴支・・・。」
虫嫌いな太裳は“青虫”という単語に顔を強張らせている。眉間に皺を寄せ、青虫に対する嫌悪感をその表情にはっきり表している。
「・・・晴支が自分の事を青虫って言うから、晴支が青虫から蛹になって、そして蝶に成長して飛び立っていく姿を想像しちゃったよ。」
天空が無表情でぽつりと呟く。天空がイメージした蛹の僕や蝶になって飛び立った僕って・・・一体どんなのだろう?食べ続けながら、僕はちょっと気になってしまう。白虎は天空の言葉を受け更に大笑いしている。御腹を押さえ小刻みに震えながら「アッハハハハ!!」と涙を浮かべ大爆笑している。余程青虫ネタが気に入った様だ。
「青虫、青虫言うから晴支が青虫にしか見えなくなってきたじゃねぇか・・・。」
少し困った様な表情で勾陳が小さく呟く。勾陳は溜め息を吐きながら、笑い続ける白虎に「大丈夫か?」と問い掛ける。白虎は「だ・・・大丈夫デス。」と一言声を絞り出すが、笑いを止められずにいた。
葛の葉庵の皆がワイワイ盛り上がっている様子を眺めながら、僕はサラダを黙々と食べ続けていく。一方で二口女や大食い選手の幽霊は少し苦しそうな表情で箸を動かすペースが落ちていっている。大食い選手の応援と思われる幽霊や妖怪の集団が彼に向かって「箸を止めるなぁ!早く食え!!」と迫力の籠った声で叫んでいる。応援団の圧力に、幽霊は力を振り絞りサラダを食べ進めていく。
・・・あの威圧の籠った応援を受けるのは、大変だろうな。
プレッシャーに耐えながら食べる幽霊が少し可哀想だなぁと思い、僕は心の中で彼に「ドンマイ!頑張れ!」と言葉を掛ける。
そうこうしている内に、僕のサラダは空になってしまい、3つ目の料理がその姿を現したのだった。




