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「晴支と壮吾の鞄に忍び込んで一緒に宿泊訓練に行くなんて・・・何を考えているんだ、お前達は!!白虎も面白がっていないでハク達を止めるべきだろう!!どれだけ周りに心配と迷惑をかけたと思っているんだ、全く!!」
ゴゴゴゴ・・・と怒りの籠った威圧感を放ちながら、六合が仁王立ちでハク達に説教をする。正座をさせられ、もうかれこれ3時間は説教を聞かされているハク達は、六合から視線を逸らしながらうんざりとした表情を見せる。
「まぁまぁ。ハク達のお蔭で神崎さん達を妖から助ける事が出来たんだし・・・そのくらいで許してあげてくれないかな、六合。」
「そうだよ。ハク達が居てくれたから、山嵐や野衾を倒す事が出来たんだぜ。お手柄だったよ。」
僕と壮吾が5人を庇おうと六合に声を掛けるが、六合は彼等を睨んだまま怒りのオーラを放ち続ける。
「2人が何と言おうと、まだまだお説教は続けます!!彼等にはしっっかりと反省してもらいます!!」
暫くは説教から解放されない事を知らされた5人は、「うわぁ・・・。」と嫌そうに顔を顰める。六合はそんな彼等の様子を微塵も気にすることなく、この後も3時間程たっぷりと説教を続けたのだった。
「ハァ~ッ。やっと解放されましタ。六合の説教は本当に長くて、参ってしまいますヨ。」
説教が終わってほっとした白虎は、げんなりとした表情で足を崩しながらぺたんと両手を自分の背後の床に付ける。3匹の家鳴達も疲れ切った様子で白虎の膝の上にへたぁ~っと倒れ込む。その横で、ハクは「う~ん。」と真剣な面持ちで腕を組んで考え込んでいた。
「どうしたの、ハク?」
僕が問い掛けると、ハクは「実は・・・」と話を切り出した。
「山で野衾達と闘ってた時・・・水の刃がおいらに飛び掛かって来た野衾をやっつけてくれたんだ。最初は狸のおじさんが助けてくれたのかなって思ったんだけど、確認したら違うって言ってた。あの水の刃・・・誰の術だったんだろう?」
不思議そうに首を傾げるハクの言葉に、白虎は清水寺で会った黒いフードの男を思い出し、親指を唇に当てて思案する。
水の刃・・・あの黒いフードの男の仕業でしょうカ?もしそうだとしたら、晴支達を殺す為に山嵐に襲わせたのは、彼なのですかネ?でもそれなら、何故ハクを助けたのでショウ・・・。分かりませんネ・・・。
ハクを助けた謎の水の刃・・・その使い手が敵か味方か分からず、僕達は緊張した面持ちで顔を見合わせ沈黙する。不気味な不安感が、僕達を包み込む。
「でも、晴支達と一緒に山で遊んで楽しかった!今度は葛の葉庵の皆や楓達も一緒に山登りしたいな!!」
明るく元気に笑うハクに、緊張が緩み僕達はふっと笑みを浮かべる。僕は「そうだね。」と返事をしてそっとハクの頭を撫でる。
「山・・・良いですネ!大きな落とし穴を掘って、六合を落としてみたいデス!!彼なら、きっと良いリアクションを見せてくれる筈ですヨ!!」
キラリと目を光らせ悪戯っぽい笑みを浮かべる白虎に、僕と壮吾は「懲りないね、白虎。」と眉尻を下げて笑う。
優しくて温かい・・・この大切な居場所を護り抜く為に、もっと強くならないといけないな。
僕はそっと目を伏せ、心の中で呟く。
・・・もう二度と、あんな悲劇を繰り返させはしない!!
僕は、そっと胸の中で静かな闘志を燃え上がらせたのだった。




