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葛の葉奇譚  作者: 椿
第3章:笑い声
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 挿絵(By みてみん)


 塾からの帰り道、私は友達とおしゃべりをした後、いつもの十字路で皆と別れたのだった。

 「じゃ、ゆっきーまた明日ね!」

 「うん、また明日。」

 通い慣れた道を歩きながら腕と腰をぐぐっと伸ばしてみる。目に入るのは、代わり映えの無い風景。代わり映えの無い帰り道。代わり映えの無い1日。

 今日もいつもと同じ様に終わって、そしてまたいつもと同じ様に何の変哲も無い1日が始まるのだろう。

 そんな事を考えながら歩いていた時だった。

 「ヒヒヒヒヒヒ・・・」

 「!?」

 突然不気味な笑い声が響いてきた。辺りを見廻してみるが、周囲には誰も居ない様だ。

 「はっ・・・早く帰ろう!」

 恐怖を振り払う様にフルフルと首を振ると、私は急いで帰ろうと走り出した。この不気味な笑い声から逃れたい一心で、力一杯走った。すると、いきなり前方の見えない何かと衝突し、尻餅をついてしまう。何が起こっているのか分からず混乱状態に陥った私は、身動きが取れなくなってしまう。そんな私の背後を、見えない何かが、思いきり強く殴る。強い一撃を受けた私は、意識が朦朧となってその場に倒れてしまう。何とかその場を離れようと試みるが、体に力が入らない。


 挿絵(By みてみん)


 「人間とは真に弱い生き物だな・・・ヒヒヒヒッ!」

 それが、私が気を失う直前に聞いた一言だった。


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