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大人の匂い  作者: 黒楓
2/5

マウント

〇 何戦か交えた後でも尚、陽星ようせいにキスの雨を降らせ舐め回す華子かこはまるで母猫の様だ。

 陽星は華子のなすがままにされながら天井を見つめている。


 陽星「不思議なんです」


 まだ少年の面影が残る体に顔を埋めながら華子は返す。

 華子「何が?……」


 陽星「僕の事、上司さんに言ったんですよね」


 華子「ええ、『ネコを預かって』って


 陽星「そんなセリフが言えるのは上司さんと『只ならぬ関係』だからでしょ?」


 華子「否定はしないわ」


 華子は少しだけ身を起こし、“ふくらみ”を陽星のお腹から胸へ滑らせながら陽星の顔を覗き込む。


 華子「顔がコワイ」


 陽星「コワクない!」


 華子「傷付いた?」


 華子がキスをしようとすると陽星は顔を逸らす。


 陽星「悔しいです! とても!」


 華子「そう、悔しいんだ……」と陽星の頬に唇で判を捺す。


 陽星「(キスの雨を降らせる華子に)止めて下さい!」


 華子「どうして?! こんなにも愛しいのに?」


 陽星「凄く惨めです」


 華子「それは私が悪いのね……大倉カレにはマウントを取られて続けていたから。仕事でもプライベートでも」


 陽星「大倉ソイツから見れば僕は……外飼いのネコが咥えているネズミですか?」


 華子「ネズミですら無いわ。どこかで拾って来たボロボロの玩具」


 陽星「アイツは歯牙にもかけないって事ですか?!」


 華子「『大倉さん』と言いなさい! 彼には礼儀正しくしなさいね。あなたは我が身を守らなければいけないのだから」


 陽星「僕は男娼だけど! ()()()()はそれより酷い!」


 華子「(陽星の両頬に手を添えて)違うわ! あなたは私が愛する人。この世で唯一無二の可愛い人!」


 陽星「そんな事を言われても僕は情けなさしか感じない」


 華子「(かぶりを振って)可愛いは最強なの!」


 陽星「それが何のカードになる?!」


 華子「あらっ? さっきの勢いはどうしたの? ミカンを腐らせるのでしょう?」


 陽星「でもアイツが華子さんの!……」

 華子、陽星のくちびるに人差し指を押し当てる。


 華子「これ以上『大倉さん』にマウントを取らせない為に私はNYで頑張るの! 『大倉さん』の家庭を腐らせるのはあなたにしかできない事よ。今のその悔しさを思う存分ぶつけてやりなさい」


 尚も歯噛みする陽星の両手を取って、華子はその手を自身の両胸に置く。


 華子「私の体に触れて幸せを感じるのは“この手”しかあり得ないけど……」


 陽星は両手で華子の胸を揉みしだく。


 華子「そうよぉ……そうやって泣かせなさい。“アイツ”の女達を……」


 陽星の唇が華子の胸を舐り華子は歓喜に仰け反る。


 華子「さあ! しっかり男を立ててね」


 そう言って華子は再び、陽星の下腹部へ顔を埋めた。





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― 新着の感想 ―
新作第2話お疲れ様です(^▽^)/ 脚本形式ですよね! 斬新! 高校のとき文化祭の劇で、脚本と演出係をしたことがあって懐かしいです。 私が演出を手掛けた劇は成功して、その年の卒業文集に掲載して欲しいと…
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