マウント
〇 何戦か交えた後でも尚、陽星にキスの雨を降らせ舐め回す華子はまるで母猫の様だ。
陽星は華子のなすがままにされながら天井を見つめている。
陽星「不思議なんです」
まだ少年の面影が残る体に顔を埋めながら華子は返す。
華子「何が?……」
陽星「僕の事、上司さんに言ったんですよね」
華子「ええ、『ネコを預かって』って
陽星「そんなセリフが言えるのは上司さんと『只ならぬ関係』だからでしょ?」
華子「否定はしないわ」
華子は少しだけ身を起こし、“ふくらみ”を陽星のお腹から胸へ滑らせながら陽星の顔を覗き込む。
華子「顔がコワイ」
陽星「コワクない!」
華子「傷付いた?」
華子がキスをしようとすると陽星は顔を逸らす。
陽星「悔しいです! とても!」
華子「そう、悔しいんだ……」と陽星の頬に唇で判を捺す。
陽星「(キスの雨を降らせる華子に)止めて下さい!」
華子「どうして?! こんなにも愛しいのに?」
陽星「凄く惨めです」
華子「それは私が悪いのね……大倉にはマウントを取られて続けていたから。仕事でもプライベートでも」
陽星「大倉から見れば僕は……外飼いのネコが咥えているネズミですか?」
華子「ネズミですら無いわ。どこかで拾って来たボロボロの玩具」
陽星「アイツは歯牙にもかけないって事ですか?!」
華子「『大倉さん』と言いなさい! 彼には礼儀正しくしなさいね。あなたは我が身を守らなければいけないのだから」
陽星「僕は男娼だけど! この扱いはそれより酷い!」
華子「(陽星の両頬に手を添えて)違うわ! あなたは私が愛する人。この世で唯一無二の可愛い人!」
陽星「そんな事を言われても僕は情けなさしか感じない」
華子「(頭を振って)可愛いは最強なの!」
陽星「それが何のカードになる?!」
華子「あらっ? さっきの勢いはどうしたの? ミカンを腐らせるのでしょう?」
陽星「でもアイツが華子さんの!……」
華子、陽星のくちびるに人差し指を押し当てる。
華子「これ以上『大倉さん』にマウントを取らせない為に私はNYで頑張るの! 『大倉さん』の家庭を腐らせるのはあなたにしかできない事よ。今のその悔しさを思う存分ぶつけてやりなさい」
尚も歯噛みする陽星の両手を取って、華子はその手を自身の両胸に置く。
華子「私の体に触れて幸せを感じるのは“この手”しかあり得ないけど……」
陽星は両手で華子の胸を揉みしだく。
華子「そうよぉ……そうやって泣かせなさい。“アイツ”の女達を……」
陽星の唇が華子の胸を舐り華子は歓喜に仰け反る。
華子「さあ! しっかり男を立ててね」
そう言って華子は再び、陽星の下腹部へ顔を埋めた。




