暴かれるのは王女たちの秘密? ちょっとエッチな心理テスト
「お前は新生活が始まり、見知らぬ土地で一人で生活することになりました。最初に連絡を入れるのは誰ですか?」
居間でくつろぐ俺とアイリスに、フィアがいきなりよくわからない質問をしてきた。
「何よ急に」
「良いから次から選ぶです。1、父親。2、母親。3、恋人。4、友達」
「なんだこれ、心理テストか?」
「何よそれ」
「答えによって自分の心理が当たるってやつだな。でもフィアが言ってるのは本格的なものじゃなくて、遊びみたいなもんだ」
雑談のネタみたいなものだから、深く考える必要はない。
付き合ってやるとするか。
「じゃあ、友達で」
「あたしはお母様かしら」
俺とアイリスはそれぞれ違う答えをする。
「これは、どれだけ人に甘えるのが上手かを表しているのです。母親を選んだお前は、やや甘えん坊。相手を自分の思い通りにしたいタイプなのですぅ」
「あたしが甘えん坊? あたしほど自立したレディはいないわよ。デタラメ言わないで」
「でも、相手を思い通りにしたいっていうのは合ってる気がするぞ」
こいつ、相手をコントロールしようとするところがあるからな。
「友達を選んだお前は甘え下手です。相手から尽くされるより、尽くすタイプなのですぅ」
「蓮が甘え下手? あたしには結構な甘えん坊に見えるけれども」
「俺ってそんな風に見えるのか?」
甘え上手か、甘え下手か、自分ではよくわからない。
でも、尽くされるより尽くす方が気が楽だ、とは思う。
「次です。お前は道を歩いている途中である物を見つけました。それは何ですか? 1、財布。2、鍵。3、四葉のクローバー。4、ハンカチ」
「あたしは財布よ」
「じゃあ、俺はハンカチで」
またも俺たちの答えはばらけた。
「これはお前の運命の人を表しているのです。財布を選んだお前の相手はリッチな人です。資産家や会社経営者などが相手の可能性があるのですぅ」
「ふーん、まああたしの相手ならそれくらいは当然ね」
アイリスは王女なのだから、相手が大物になるのは必然的だろう。
特に意外だとは思わなかった。
「ハンカチを選んだお前の相手は、優しく包容力のあるタイプです。身近に心安らげる相手がいたら、そいつが運命の相手かもしれないのですぅ」
「安らげる相手か……」
それを求めていると言われれば否定できない。
ここまでのテストは、なかなか的を射ているような気がする。
「じゃあ次です。お前は荒れ狂う飛行機の操縦桿を握っています。今にも墜落しそうですが、どれくらい保たせられますか?」
「俺は……一分かな。素人だし」
「あたしなら一時間以上は保たせてみせるわ」
俺たちが答えたのを確認すると、フィアは何かに満足したように目に笑みを浮かべた。
「これは、一人エッチにかける時間を表してるのです。お前、一分は流石に早すぎるのですぅ!」
「なっ!」
フィアはしてやったりといった顔だ。
こいつ、最初からこれを聞くのが目的だったのか?
「それにお前は一時間以上ですか。そうですか。じっくりやるタイプなんですねぇ」
「何よこれ! デタラメよ!」
今までとは違う流れに、アイリスは憤慨する。
こいつもそういうことをするのか? しかも一時間以上って……。
「あんたも! 変な想像するんじゃないわよ! あたしはそんなことしないわよ!」
アイリスが両手で俺の体をバシバシ叩いてくる。
これは心理テストだから間に受けるもんじゃない。
わかってるからそんなに強く叩かないでくれ!
「盛り上がってますね。何の話ですか?」
台所で家事をしていたリヴが戻ってきた。
俺たちの会話に興味深そうにしている。
「リヴは飛行機の操縦桿を握ってます。飛行機は荒れ狂い、今にも墜落しそうです。どれくらい保たせられますか?」
おいおい、リヴにも同じ質問をするのかよ?
「うーん、頑張って数時間は保たせてみるよ。墜落しちゃったら大変だからね」
「!?」
その場にいるリヴ以外の三人は、思わず固まった。
「それで、これは何の話?」
「……今のは心理テストです。どれだけ集中して勉強できるかを表してます。リヴは勉強ができる女ですね」
流石にフィアも、本当のことをそのまま伝えるのははばかられたらしい。
「数時間かぁ。頑張ればそれくらいできるかな? 蓮さんはどうだったんですか?」
「……一分だ」
「それは早すぎますね。流石にそんなわけないですよね」
「……ああ、そうだな」
流石に、そんなわけない。
その後もしばらくフィアによる心理テストが行われた。
事故を避けるためか過激な内容のものはなく、無難に盛り上がれる内容が続いた。
「なかなか面白いですね。結構合ってるような気がしましたよ」
「そうだな」
まあ占いみたいなもんで、何となく当たってるかも、くらいのもんだ。
真剣に考えるものではないが、話の種としては悪くない。
「もうネタが尽きたです。これで心理テストは終わりですぅ」
「待ちなさい。今度はあんたがテストを受ける番よ」
話を切り上げようとするフィアを、アイリスは逃すまいとする。
「でももうネタは無いのですぅ」
「探せばあるでしょ。蓮、何か無いの?」
「それじゃ、こういうのはどうだ?」
俺は思い浮かべたテストをスマホで確認し、出してやることにした。




