信じ合う心が呼ぶ 第三と第四の覚醒
僕の名前はリヴ。クリュスタ国の王女です。
──初めて会った時、何事かと思ったよ。本当に異世界の王女様だったなんて。
「僕を……ここに泊めていただくことはできませんか?」
──ひとりぼっちだった俺のそばにいてくれて、嬉しかった。
「信じていました。あなたが勝つって……」
──お前が見ていてくれるから、俺は戦えるんだ。
「蓮さん、しばらくこうさせてください」
──俺を気遣って、膝枕してくれたな。恥ずかしかったけど、本当に嬉しかった。
「この世界は、こんなに綺麗なんですね……」
──夕陽に照らされるお前の横顔の方が、綺麗だった。
「蓮さん、次は僕と一緒に乗りましょう?」
──無防備に近づいてきて、何度お前にドキッとさせられたか。
俺は、お前を守りたい。
お前が俺を必要としてくれるから。
まだお前に、そばにいて欲しいから。
……だけど、俺は弱い。
こんな俺じゃ、お前のそばにいる資格なんてないんじゃないかって、ずっと怖かった。
でも、1人じゃあ勝てないよ。
だから、一緒に戦って欲しい。
弱い俺でも、信じさせて欲しい。
お前は、そばにいてくれるって。
──リヴ、お前の力が必要なんだ!
「おおっ!?」
煌夜が青い光に照らされる。
蓮の背後で、リヴの杖が力強く輝く!
「第3の呪文、リアフィズラ!」
その詠唱により、煌夜の周囲一帯の地面が、バリバリと音を立てて凍りついた。
「これは……?」
これが、リヴの新しい呪文の力なのか。
「おっ……とっ、とっ、と!」
相手が動きづらそうにしている。
踏ん張りが効かないんだ。
(俺は……?)
大丈夫だ。踏ん張れる。
この呪文は、敵の動きだけを制限する術。
リヴが俺に与えてくれた、俺のための戦場。
この機を逃すな!
キィンッ!
「このっ……!」
煌夜は腰を落として盾を構え、俺の剣に耐えようとする。
疲れ切った体では、押し切れない。
(……まだ、足りないのか? リヴが、力を貸してくれたのに)
──大丈夫です、蓮さん。
「あなたの想いは、僕に届いています!」
リヴの杖は、まだ輝きを失っていない!
「おいおい、マジか」
「第4の呪文、フィズラグ!」
リヴの杖から、氷の一本槍が放たれた!
それはフィズラスの三つの氷柱を束ねても敵わない、丸太のような強大さ。
それが真っ直ぐに、煌夜へと向かっていく!
(あっ……俺死んだわ)
バキィンッ!
リヴの新呪文は、煌夜に直撃した。
……かに、見えた。
煌夜の前に立っているのは、今まで動かなかった四人目の男。
日に焼けた黒い肌。その眼差しは誰よりも力強く、彼もまたサークレットを身につけている。
彼が剣で氷を切り裂き、すんでのところを救ったのだ。
(そんな……ここまでしても、ダメなのか)
みんなが死力を尽くした。
限界を超えて見せた。
それでも届かない。
(いや、違う……足りないなら、今もっと強くなるんだ!)
俺は心を強く立て直す。
信じるんだ、自分を。そしてリヴの力を。
まだ戦いは終わってない。
その気持ちが、俺たちをここまで導いて来たのだから。
「……ここまでです。これ以上は、本当にどちらかが退場するまで収まりがつかないでしょう」
「……えっ?」
突如行われたシルエナの宣言。
彼女の騎士たちは、その言葉に合わせて皆が剣を収めた。
何が起きたのか理解できない。
俺だけじゃなく、みんながあっけに取られている。
「ふいー、死ぬかと思ったぜ」
煌夜がその場にへたり込む。
もはや完全に戦意は失われている。




