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幼馴染は世話焼き美少女

 私も手伝う。

 そう言ってお邪魔してみたものの、部屋は片付いているし掃除の必要はなさそうだ。


 何か料理の作り置きでもしようかと思い、鷹見君に断って冷蔵庫を開けると、そこには既にいくつかのおかずがタッパーに詰められて入っていた。


 これ全部、リヴちゃんが?これでは自分の出る幕など無いのではないか。


 たまたま遊びに来たというけれど、本当にそれだけだろうか?

 もしかしてもう、付き合っているとか?

 でもそれなら妹をわざわざ連れてくるだろうか。


 千早はこの状況を不可解に思いながらも、疑問を突きつけることもできず戸惑うしかなかった。


(それにしても……)


 千早はリヴを、そしてフィアの顔を何度も見る。


「ちょっと、何ジロジロ見ていやがるですか」


 この子達、本当に……かわいい~!

 何なのこの子達? 二人ともお人形さんみたい!


 リヴちゃんはお利口さんだけど、フィアちゃんは生意気まっさかりって感じね。

 いいなー鷹見君。私の家にも二人とも遊びに来てほしい……。


「これ、あいつと同じ剣ですね」


 フィアちゃんが、私の荷物を眺めている。


「そうよ、竹刀って言うの」


「お前も剣を習ってるですか?」


「そうだよ。私は小さい頃からやってるんだ」


「ふーん……」


 フィアちゃんは何か考えているような難しい顔をしている。今の会話におかしい所があっただろうか。


「あいつとお前はどっちが強いですか?」


「今はまだ私のほうが強いよ。でもしばらくしたら抜かれちゃうかもね」


「そんな簡単にいくかよ……」


 鷹見君が怠そうに答える。辛いなら寝ていればいいのに。


「鷹見君、無理がたたったんじゃない? 練習熱心なのは感心だけど、やりすぎは良くないよ」


「ああ……そうだな」


 弱々しい鷹見君も……かわいい。


───


「何かしていこうと思ったけれど、特にやらなきゃいけないことは無さそうだね」


「そうだろう……プリントありがとうな。気をつけて帰れよ」


 好意はありがたいが、近藤がいると色々と面倒くさい……ようやく解放される。


 そう思った、その時だった。


「じゃあリヴちゃん達は暗くなる前に帰ろうね。夜は私が看病するから」


「はあ?」


 思わず素っ頓狂な声が出る。


「具合の悪そうな鷹見君を一人にしておけないよ。今夜は私が泊っていくから、安心していいよ」


(大丈夫だ、リヴがいるから)


 とも言えない。


 近藤の立場で、リヴ達が泊っていくなど論外に決まっている。


「いいよ、一人で……心配いらないから帰れよ」


「鷹見君って助けを求めるのが下手なんだもん。弱ってるときくらい人に甘えなよ」


「男の家に泊まっていくって親に言うつもりか?」


「そんなの、友達の家とだけ言っとけばわからないよ」


「いいから、帰れよ……」


「私、着替えとか持ってくるから。晩御飯も一緒に食べよう。じゃあまた後でね」


 近藤は俺の言葉など聞かずに一人で話を進める。

 一度家から離れたが、本当にもう一度来るつもりだろう。


「蓮さん、どうしましょう?」


「……止めても、うちに泊まるつもりだろう。このままじゃお前達がここに住んでることもバレちまう。今日のところは二人ともホテルにでも避難してくれ……」


「駄目です! あいつと二人きりになったらお前はあの女とやらしいことをする気ですぅ!」


「そんな元気あるか!」


「元気があったらするつもりですか? これはますます二人きりになどさせられないですぅ」


「ぐ……」


 言葉選びを間違えた。こいつにつけ入る隙を与えてしまった。


 近藤とリヴ達の板挟み。どうすればいいか答えが出ないでいると、また近藤がやってきてしまった。


「お邪魔しまーす。リヴちゃん交代。あとは私に任せてね」


「近藤さん……それなんですけど……」


 リヴが口を開く。何を言うつもりだ。


「近藤さんが泊っていくなら、僕たちも一緒に泊まらせてもらえませんか。それなら問題ないと思うんですけど」


 複数の女子が一緒に泊るなら不純じゃないってことか?

 そういうもんか? 本当に?


「うーん、リヴちゃん達の親御さんはなんて言ってるの?」


「僕たちも今夜は友達の家に泊まると伝えます」


「……それならいいんじゃない? 鷹見君もそれでいいよね?」


「もう好きにしてくれ……」


 それしか言うことはなかった。

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