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第7章 強運になって逆転

7年前盲目になって、光を失った時、それまで無理だと諦めていた、エステティシャンの道が開かれた。一緒にエステの資格を取りに行ってくれる友人がいて、先生や多くのスタッフのおかげで資格を次々に取得できた。ダイエットは、このリンパエステの売りでもあり、実際5か所で35センチ以上のサイズダウンを求められる(実際は60センチ以上でなければ予選通過はできない)。2018年もコンテストに800人ものノミネートがあった。私も6人のモデルにチャレンジ。自分もモデルになってスキルを学びながらであったが、モデルと施術者の両方でダブル受賞という奇跡が。何百人もの観客の前で、今までしたことのないポージングもして笑いを取り、会場の声援を受けての受賞。ティアラと両手いっぱいの花束、そしてクリスタルのトロフィー。その次の年のカレンダーやDVDに紹介され、エステサロン経営は、順風満帆だと信じていた。しかし、目の不自由な私に、わざわざエステを頼む者はいなかった。いや、目が不自由というのは言い訳に過ぎないと、スキルを積んで、実績をあげて無料や格安なら施術を受けてくれるので損をしても経験だと思って、やり続けていた。けれどエステサロン経営は、それほど甘くはなかった。

2019年、私は娘に施術してもらいモデルとして出演した。前年度ダブル受賞したので、2年続けての受賞は無いとわかっていた。だから、サイズダウンの数字だけで競う部門での受賞を狙ったのだった。ギリギリまでねばり139センチダウンという数字を叩き出した。トップは予選段階で140センチ以上の数字を叩き出していたので届かない。コンテスト中に皆の数字を聞きながら、3位には届くと思っていたのに・・・。数センチ差で4位だった。それでも、ウエスト60センチという独身時代と同じボディラインを手に入れることができた。視覚障害者のカラオケ大会の予選には赤いドレスで中森明菜「飾りじゃあないのよ涙は」を歌って予選通過。優勝候補と騒がれ主催者のホームページの一面を飾った。本選では7号の真っ赤なロングドレスで【栄光の架け橋】を歌った。目が見えないので何百人もの前で歌っても上がらないので助かった。そして、その年に、盲目になって諦めていた舞台のプロデューサーも引き受けた。ブラインドタッチで文章を書けるようになっていたから、これからのインバウンドを狙って日本舞踊や和洋バンドや忍者などの【ジャパンエンターテインメント】というイベントを若者が集う梅田のヘップにある会場で開催。ここから、来日する観光客に日本の素晴らしさを知ってもらうべく奔走する予定だった。まさか、その年の年末からコロナというウイルスが世界に蔓延してパンデミックを引き起こすなんて思いもよらなかった。エステもプロデューサーの道も閉ざされた。コロナで、ただでさえ濃厚接触するエステに来る人もいない。仕方ないので、家族のケアをして技術を磨いていた。このコロナの時期に今【小説を読もう】に投稿している小説を書きまくっていた。世間との接触を断たれたことをいいことに、寝ずに書きまくり、1、2か月に1作というペースで様々な募集に応募していた。その雑誌が、どんな小説を掲載しているのかも知らずに、締切日だけ見て応募していた。締め切り日とか目標が明確でなければ集中できない性質なので、執筆する動機が欲しかっただけで。おかげで、コロナが終息して、またエステや音楽活動が動き始めて書けなくなっても、合間合間に沢山の作品を残すことができた。

そして、やっと2023年、横浜の大きな会場でボディメイクアーティストの大会が再開された。日本中の大ベテランの先生たちと競い、まさかの受賞。さすがにチャレンジするごとに腕が磨かれているのを実感。そして、徐々にエステの依頼が。私はエステが好きだ。相手の体の詰まりを解きほぐし、肌を若々しく蘇らせる。心に滞っているわだかまりを解放し、体を元に戻す。「元気って病を元に戻すことなんだって」と聞いたことがあるが、施術していると私も元気になるから不思議。痛みや、ちょっとした疾患や悩みが解消して喜ばれると、嬉しくなる。お荷物でししかかった私が、やっと他人の役に立てているという実感が持てるようになってきて充実している。

これもあれも就労支援で出会った仲間たちと【カラフルな天使たち】というユニットを組み、次々と【幸運を呼ぶ魔法の歌シリーズ】をクリエイトし、皆で歌っているからだと思う。エステもカラフルな天使たちも受賞続きで、ラッキーだった。そんなこと運がいいとしか思えない快挙。毎日のように皆と歌っていたおかげだと信じている。その証拠に、数年前、ダブル受賞してもエステの依頼は、ほとんど無かったのに、最近急に施術の依頼も増えてきた。認められ、値切られず正当なギャラをもらえるようになった。これからも、就労支援で出会った仲間たちと次々に運を呼び込む歌を作って、人生を楽しみながら好きな仕事で自立を目指したいと思っている。



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