第6章 カラフル大阪に入所して
就労支援に行くようになって、こうやって自由に文章も書けるようになった。携帯電話も見えてる時より、ずっと使いこなしている。ズーム会議もできるし、誰の助けも無くてもラインや電話もできる。コンピューターで本を読んだり、見逃したドラマやラジオを聞くこともできる。「ユーチューバーになりたい」と言えば、優秀なスタッフが調べて夢を叶えてくれる。おかげで【さかさまよ笑タイム】というチャンネルで食や旅行、そしてオリジナル歌などを発信している。スタンドFMのラジオ収録も手伝ってくれてもう何百回もアップしている。フェイスブックもインスタも続けている。見えてた時よりもSNSを自由に使いこなしている。
サリバンとか、Siriやボイスオーバーなどの機能を使えば、耳で操作できるのも、ここで教えてもらった。まだまだ習得していないことも多いけれど、必要なものは聞けば、すぐに教えてもらえて、練習して、使えるようになる。どんどん発達するAIやスマートフォンの機能にも、プロとして前線で活躍していた天才が応えてくれるから鬼に金棒。やりたいことを言うと、わかるように解答してくれるので助かっている。彼らのように目の障害が無ければ絶対に会うことなど無かった個性溢れる人との出会い。みんな歌好きで、声を合わせて歌ってバカ話をして笑い飛ばしていたら年齢も性別も関係なく親しくなれた。みんな良い声をしているだけでなく、たぐいまれな才能に気づき、無茶ぶりしたらオリジナル曲が完成。生まれつきの盲目なのに聞いた音を弾くことができる女性が作曲。若い頃、バンド活動していた男性が作詞。愛に溢れた歌は、皆の心を癒し、ひとつになれた気がする。その上、聞いた人が感動して大阪府の芸術祭にノミネートしてくれた。予選を通過して、準グランプリを受賞。「歌で日本を、世界中の人々を元気にしたい」などと人が笑うほどの大きな夢を語っていたのが、実現に向けスタートした感じ。次々と【幸運を呼ぶ魔法の歌】ができて、楽しくて仕方ない。いくら才能があっても、一人なら耐えれないことも、仲間がいたら笑いに変え、チョンボも失敗もギャグにしてくれる。だいたいのことは、笑い飛ばしてどうにかなると、この活動を通して学ぶことができた。
今一番好きな言葉は【食べた物が体を作り、聞いたことが心を作る。そして、言ったことが未来を作る】という言葉で、それを信じて未来の夢を歌に託している。だから、どうにもならない不幸や障害をどうにかしようとなど考えない。今と未来を【人が笑うくらいの大きな夢】を語って、クリエイトしていく。一人なら、すぐに挫折してしまうけれど、仲間が、それぞれ違うキャラなので助けてくれる。
最後に【一万人の第九】の向こうを張って【一万人のカラフルな天使】を目指して「みんなで歌って笑い飛ばせば、心も晴れるよ喜びの歌」と声高らかに歌っている。これこそが、【カラフルな天使たち】が結成し、活動しているコンセプトでもあるのだから。音楽とは、音を楽しむと書くように、うまいとか下手とか関係なく、それぞれの個性的な声が重なり合って何とも言えないハーモニーを創りだす。それが、一万人になったら、地球の、たぶん日本の波動は良くなると信じている。それが確信できるのは、聞いてくれているヘルパーさんたちも感動して、いつも大きな拍手をくれる。「よかった」という声が高揚して元気になっているのがわかる。帰り道、思わず口ずさんでくれて「ヤバイ、頭から歌が離れない。」と言ってくれるから。「元気になる」とか、「楽しそう」とメッセージがもらえる。ユーチューブの再生回数も増え続けている。いつか、【老人と子供のポルカ】みたいな、孫と一緒に歌って踊れたらいいなあって夢想している。自分らしく、好きなことを思いっきり楽しんでやりたい。スティーヴィー・ワンダーのように。歌でみんなを感動させたい。喜びで細胞を活性化して、コロナとか陰謀説など笑い飛ばして別世界で愛と夢が膨む未来を信じたい。
何より、ヘコミがちの自分のために。どんな障害も自分を磨いてくれる、あるいは守ってくれるチャンスだと思えるようになったから。運命も障害も、苛酷な出来事も、自分の人生を味わい尽くすために必要だったのだと感じている。目を治すことより、盲目であるからこそ生み出せる、感じ取られる事を大切にしたい。




