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目的
チーちゃんは、もう花畑にはいなかった。草原の外れの墓地にいた。
「誰のお墓なの?」
「わたしのおはかだよ」
振り向いたチーちゃんは、こちらを真顔で見据える。
「わたしはね、ママにしあわせになってほしいの。ビョウキだとたいへんでしょ?だから、わたしはいないほうがいい」
「本気で言ってるのね」
コクリとうなずく。
「ツカサ君は、目が覚めたわよ」
「ほんと?」
「ええ、自分の人生生きるって言ってるわ」
「ほんとうに、ツカサくんがそんなことをいったの?だって、ツカサくんは……」
「そう、ツカサ君の役割は私が育つのを見届けること。それが終われば、元々私に統合されるはずだった。違う?」
チーちゃんの長い髪が風になびく。
「あなた、最初から生きていくつもりなんてないんでしょう?」
目を逸らしたチーちゃんの視線の先には、何も、何もなかった。
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