11/23
ツカサ
目を閉じると、何もない荒野に一人の男の子が佇んでいた。中学生くらい、やや痩せ型。こちらを鋭利な視線で刺してくる。
「キミがツカサくん?」
「こうして会うのは初めてなのに、随分馴れ馴れしいな」
はっとした。見てもいないのに、見た目で人を判断するなんて。
「……一応合格だ、やっとまともに話ができる」
「私も話ができて嬉しいわ」
「脳内お花畑かよ。分かってんのか、俺たちの状況?」
「分かってるわ、多重人格で大変だってことは」
「何もわかっちゃいない。逆だよ、多重人格でなくなることが困るんだ」
ツカサの言葉は私には届かなかった。だが、刺したままの彼の視線は私に何かを伝えようとしている。
「取り敢えず、チーちゃんに会ってこい。話はそれからだ。あいつも会いたがってる」
チーちゃん。私をママと呼んでくれた女の子。少し楽しみ。妙に浮かれている自分に気づきもしなかった。
読んでいただきありがとうございます。
よろしければ、☆☆☆☆☆を★★★★★にして応援頂けると嬉しいです。
何卒よろしくお願いします。




