479話_sideout_奮戦-7
・明日も更新します。そしたら元の更新ペース(毎週火木土)に戻ります。
――右翼戦域『パンツァー・ドラグーン』司令部
ほんの半刻前まで司令部に漂っていた余裕感は夢幻の如く消え去り、各所からひっきりなしに届けられる悲痛な報告にアストレアは顔面を引き攣らせていた。
冷静さなどかなぐり捨てて通信機器に向けて怒鳴り声をあげる。
「E区画まで抜かれた!? 一体なにをして――――はぁ!? 同士討ちとはどういうことですかッ!?」
本来であれば司令部を統括するアストレアが取り乱すことなどあってはならないし、そうならないための指揮系統と階層構造であるはずだった。しかしそれが機能していない。
指揮を担うはずの上位層の構成員すらも暴走し同士討ちに走っているなどという、耳を疑うような情報まで入ってくる。当然だが指揮官が指揮を放棄すれば集団としての統制は死ぬ。こうなると最上位であるアストレアが直接手綱を握って立て直すしかないのだが、そのために必要な情報を得ることすら、状況が錯綜していて容易ではない。
「味方を撃っている場合ではないでしょう!! 魔物が見えていないのですか――――なんですって!? 敵前逃亡!?」
能力は優秀だが未だ若いアストレアが混乱に呑まれているのを察して、その細い肩に大きな手が置かれた。
押し黙ったままアストレアと各部の遣り取りに耳を傾けていた黒竜卿である。
『私が前線を支えます』
「あ――は、はい。わかりました」
『貴女はまず状況の把握に努めてください。これは極めて不自然です。間違いなく、何らかの攻撃を受けています』
整然と語る黒竜卿の様子に、アストレアの表情も落ち着きを取り戻していく。
『前線を見るに、全ての者がおかしくなっているわけではありません。必死に耐え忍んでいる者達が居ます。彼等を繋ぎ、統制を取り戻すのです。通信の処理は下の者に任せなさい』
暴走して味方を攻撃している者や、恐怖に駆られて戦線を放棄する者が居る一方で、それらの穴を埋めるために今も必死に戦い抜いている者達が居る。アストレアが拾い上げるべきは、混乱のままに通信内でがなり立てる声ではなく、通信する余裕もない程に追い詰められている者達の声だ。
アストレアが冷静さを取り戻したのを見届けて、黒竜卿は歩みを進める。漆黒のフルプレートが踏み締める前方の地面が黒く染まり、得体のしれない黒い液体で満たされた水面となる。黒い水を介して遠距離を移動する転移魔法の一種である。
「――担当区域の残存戦力を把握して報告させなさい。被害の程度と離反者を明らかにする必要があります。あ? バーストで通信が通らないなら口頭でやれやボケェ! なんのための足やねん走らせろや!!」
先程までとは質の違う、頼りになる怒鳴り声を背中に聞きながら、黒い水の中に身を沈めていく黒竜卿は。
誰にも聞こえない程度の声量で、ぽつりと呟いた。
『これは、無理かなぁ……』
◇◇◇
――左翼戦域『赤原同盟』司令部
こちらの混沌振りは、『パンドラ』のそれと比較してなお酷いものであった。
「…………ごふっ」
口から血の塊を吐き出したのは、頂点に君臨していた女帝アウグスタその人であった。
自らに起きたことが信じられない、という驚愕の表情で彼女がゆっくりと見下ろすと、その腹部のあたりから刀剣の切っ先が飛び出していた。
背後から、刺されたのだ。
「…………ああ?」
女帝が肩越しに背後を見遣ると、そこには憤怒の形相で剣を繰り出している若年の男が居た。女帝にとっては見覚えすらない人物である。あまりの事態に、誰も動かなかった。時が止まったような静寂の中で、最初に我を取り戻したのはアウグスタだ。
彼女は、ことを察し、不思議なことに自嘲めいた笑みを小さく浮かべたのであった。
「やってくれたね」
アウグスタが自身の腹部から飛び出した切っ先を片手で握ると、そこから霜が走って瞬く間に刀剣を凍り付かせる。氷の結晶と化した刀剣は脆く砕け散り、同時に傷口までを凍結させて雑に塞いだアウグスタは、口元の血を乱暴に拭いながら振り返った。
その頃には女帝の側近達も我に返っていて、下手人の男は四方から取り押さえられて地面に引き倒されていた。
アウグスタはそれを冷めた目で見下ろすと、興味を失ったように視線を外す。
「ふん縛ってその辺に転がしときな」
魔物に処分させよという意味である。この場に居る女帝の側近で、その言外の命令を読み取れない者は居ない。命令を実行に移そうとする女達に引っ立てられ、愕然としたように顔色を変えたのは下手人の男だ。
「何故刺されたのか、聞かないのか……!」
アウグスタは鼻で嗤った。
微塵も興味が無いからだ。それに刺した時の憎悪に染まった表情を見れば、聞くまでもない。
「どうせ復讐だとか言うんだろう」
「っ! そうさ! 俺はな――」
一応、アウグスタが相手をする気配を見せたので側近達は男の身柄を拘束したままその場に留まる。男は堰を切ったように喋り始めたのは、いかにも悲劇的な話であった。
曰く、男には恋人が居た。その恋人は『赤原同盟』の所属で、将来を誓い合った仲だったらしい。しかし昨今の男女間対立のせいで真面に会うことも難しくなった。そして加速度的に悪化していく情勢の中で決定的な事件が起きる。男の恋人だった女性は、複数の男性討伐者から暴行され、そのトラウマで心を病んで自殺してしまったのだ。
「お前が元凶だ! すべてお前のせいだ!! お前さえ居なければ……ッ!!」
男の目的は恋人のための復讐。諸悪の根源である女帝アウグスタを亡き者にすること。
そうして繰り出した心臓狙いの切っ先は、しかしアウグスタが間一髪で察知して僅かに身を躱したせいで、翻った毛皮のマントに狙いを逸らされ腹部を貫くにとどまった。アウグスタを殺すことが出来れば万々歳だが、失敗した以上はせめて怨嗟の主張だけでも残してやろうという魂胆だ。
男は、端から生きて帰るつもりはなかったのだろう。
事情を聞き、アウグスタは内心で『時間の無駄だった』と思い、小さく嘆息した。
非常にどうでもいいし、そもそも逆恨みである。アウグスタにしてみれば、恋人を守れなかった自らを恥じて死ねという話だ。恋人が乱暴される時に助けられなかったのはこの男の落ち度だし、事後に恋人の心を守れずに自死を止められなかったのもまた然りだ。更に言えば復讐するならばまずは恋人を手籠めにした下手人達にであろう。もしかするとそちらは既に済ませた上でここに至っているのかもしれないが、それこそ知ったことではない。
それよりも気になるのは、どうやってこの男がここまで入り込んで、アウグスタを攻撃することが出来たのか、である。
とはいえ、それも想像は付く。
というより、一つしかあり得ないのだ。
手引きした者が居る。
内通者が。
「…………話が違うじゃない」
探すまでもなかった。
連れていかれる男を愕然と見ながら、震える声で呟いた女が居たからだ。
男の凶行にも、自身が刺されたことにも何ら心が動かなかったアウグスタだが、ここで初めて少しだけ思うところがあった。
その感情は、寂しさであろうか。
「恋人ってどういうことよ!? 私と一緒になるために、女帝が邪魔だって言ったじゃないのよお!!?」
半狂乱で叫ぶ女は、クラン内でもそれなりの立場に居る中堅どころのメンバーであった。戦闘の混乱に乗じて司令部に秘密裏に男の手引するくらいのことは、成程可能だろうという立場と実力を持った人物だ。
そして、アウグスタが信用を置いていた人物でもあった。
女の絶叫に、男は小馬鹿にしたような笑みを見せていた。
そこからは聞くにも堪えない醜い言い争いである。なんのことはない。復讐のためになんとか女帝に近付きたい男は、『赤原同盟』でそれなりのポジションについている女に近付き、騙し、懐柔し、今日の協力を取り付けたのだ。女のほうは大方、昨今の男女間対立がある限りは大手を振って交際することも出来ないので、元凶の女帝を排除する必要があるとかなんとか口車に乗せられたというところだろう。
「くだらないねぇ」
寂しい話だ。
女を今のポジションに取り立てたのはアウグスタであった。優秀で、聡明な女であったはずだ。間違っても、馬鹿な男に騙されてホイホイと破滅の引き金を引くような人物ではなかった。
何故、彼女がそんなことになってしまったのか。
アウグスタには、痛いくらいに心当たりがあったのだ。
「これも因果ってやつかね……」
結局、アウグスタ自身が蒔いた種が、巡り巡って毒の華を咲かせ、アウグスタ自身を殺しに来ただけのことだった。
乱暴な止血はしたとはいえ、そもそもの傷が深く、また血を流し過ぎたためかアウグスタの視界が暗くなっていく。崩れ落ちる彼女を側近達が慌てて支え、応急処置を施そうとする。
戦況を伝える通信からは、大挙して押し寄せる『サラマンデル種』に対する指示を求める声が響いていた。
これまでかの魔物種の侵攻を押しとどめていた女帝は倒れた。配下の者達には実力こそあれど、女帝からの指示に従うことに慣れてしまっている者が多過ぎる。更に悪いことに、指示を出さなければならない司令部内で意思統一が図れてすらいない。男を連行する者、裏切者を糾弾する者、魔物への対処を訴える者、そして女帝を治療する者。
アウグスタというカリスマに導かれて集った者達は、その頭上の星が落ちた途端にここまで弱くなる。
烏合の衆と化してしまった仲間達の声を聞き、アウグスタは落ちる思考で最後にこう思った。
――終わった。
◇◇◇
――中央戦域『剣の誓い』
荒れ果てた戦場にただ一人、蹲っている少女が居た。
「レーナは強い子。やればできる子、負けない子……」
ぶつぶつと自己暗示っぽい呪文を垂れ流しているのはマクダレーナである。中央戦域の一部を単身で支えていた彼女であるが、そろそろ限界が訪れていた。
後輩に送る自撮りをするような余裕があったのは本当に最初だけで、今となっては髪はほつれ、顏はやつれ、非常にげっそりしている。明らかに、魔力の使い過ぎであった。
「うっぷ、おろろろろろろ!」
世にも珍しい『躊躇なく吐く貴族令嬢』であるマクダレーナは岩陰に盛大にリバースし、しかしもう胃液以外に出すものもない。ここに血が混ざり始めたらいよいよヤバいだろうなと彼女は他人事のように思っていた。
次なる魔物勢力が近付いてくる地響きを感じ取り、マクダレーナは口を拭って立ち上がる。その足は、というか全身は生まれたての小鹿のようにプルプルしている。
彼女は外套のポケットから弾丸型の魔力カートリッジを取り出すと、震える手で篭手型の魔法具に装填しようとする。ロイド謹製のスピードローダーは度重なる戦闘の負荷で故障してしまったので、手作業でカートリッジを入れ替えなくてはならない。マクダレーナがたった一人で戦うために用意されたドーピング装備である魔力カートリッジだが、これの存在もまたマクダレーナの肉体を蝕む不調の一因であった。
単純に、肉体への負荷が大き過ぎるのだ。
そもそも体外の魔力を取り込んで利用するというのは簡単ではないし、効率の良いものでもない。マクダレーナの場合は自身が『振動』を操る特殊な素養を有しているために、外からの魔力の振動数を無理矢理自分の魔力に同調させることで高効率の吸収を可能としている。それを利用して考案されたのが魔力カートリッジによる増魔機構であり、現状では殆どマクダレーナ専用の装備であった。
ただし、出来るからといって負荷がないわけではなく、無理矢理は無理矢理なのだ。開発者のロイドからは注意事項として『一回の戦闘につき撃発は三回まで』と言い含められているわけだが、マクダレーナがこの戦闘で消費したカートリッジ数は既に二十を超えている。なお左右の篭手それぞれ撃発するので、一回でカートリッジは二個消費される。
ぶるぷる震えて言うことを聞かない手でカートリッジを装填しようと四苦八苦していたマクダレーナであるが、握力に限界が来たのか遂にぽろっとカートリッジを取り落としてしまう。
落ちたそれはからんころんと地面を跳ねるように転がって、
「あっ、あっあっ、あぁ……」
岩場の溝に落ちて見えなくなった。
慌てて拾おうと這いつくばったマクダレーナは、虚しく伸ばした手を引っ込めて、項垂れる。ポケットにはまだ代わりのカートリッジが残っている。しかし彼女がそれを取り出そうと動くことはない。
「ひぅ……ぐすっ、……うぇぇ」
この些細な失敗で、マクダレーナのメンタルが遂に折れた。
長年の恋に破れた失恋経験に端を発し、様々なストレスに晒され続けながらも、全て持ち前の前向きさで乗り切ってきたマクダレーナであるが、それはつまり気合だけで乗り切ってきたということに等しい。
それがマクダレーナの矜持だったし、強靭なメンタルこそが彼女の強さだった。周囲の誰もそれを疑わないように振る舞って、立ち回ってきた。プライドの高い彼女は、誰かが見ていればいくらでも頑張れてしまう。それは一概に良いことだとは言えないかもしれないが、少なくともマクダレーナはそれを強さに変えられる少女であったのだ。
でも、ここには誰も居ない。
どれだけ強かろうが、弱冠十七歳の少女でしかない彼女に、この状況は少しばかり過酷過ぎた。
地響きが大きくなる。
魔物の軍勢はすぐそこまで迫ってきていた。
「わたくしは……わだぐじはぁ……」
そこに強力な魔法使いの姿はなく、ただ蹲って泣く、小さな少女の姿だけがあった。
◇◇◇
「――――今です! シリウス!!」
クレメンスが生み出した幻影魔法を隠れ蓑に、シリウスは『サラマンデルロード』へと切り掛かる。ロードは幻影に多少視界を乱されたようだが、死角を突いたシリウスに対して、わかっていたように待ち構えていた。
シリウスは炎雷の大剣を渾身の力で振り下ろし、そこに罠を張る。
幾度かの交錯と同じように、魔力を纏わせた爪で剣を受け止めようとしたロードは、
「おろ?」
その直前でシリウスの剣が消失して目を丸くした。
シリウスが現在振るっている大剣は彼本来の得物ではなく、整備中の愛剣の代わりに使っているものでしかない。これは純粋魔力製の剣であり、魔力製武器の長所といえば、形態や性質の変化がある程度可能である点と、実体がないので持ち運ぶ必要がないという点だ。
つまり、シリウスは大剣で斬りつけると見せかけて、その構成魔力を霧散させたのである。
そしてシリウスは、自由になった腕を伸ばして無造作に、ロードが上半身に羽織っている『どてら』の襟首を鷲掴みにする。
「あ、ちょ、ま――」
狙いに気付いたロードが慌てた表情を見せるも、もう遅い。
シリウスは空中機動用の炎魔法で推力を得て離脱しつつ、その勢いで一息にロードからどてらを奪い去ったのである。シリウスの大剣を受けようとして構えていたところを肩透かしされ、ロードの腕からちょうど力が抜けていたせいか、碌な抵抗もなく頭からすぽーん!と抜き取ることが出来た。
そもそも、何故どてらなのかはわからないが、わかるのはこのどてらが高度な魔法具であり、ロードの弱点である温度低下に対抗するための耐寒用装備であるということだった。
即ち、それを奪い取った今、ロードに対して温度低下のデバフはこれまで以上に、覿面の効果を発揮するはずだ。
「これで――」
シリウスがやってのけることを疑っていなかったクレメンスは、既に氷魔法を唱えて発動させられる状態になっていた。サラマンデルロードの体温を低下させることが出来れば、その防御力は減衰し、また機動力は目に見えて鈍るだろう。
そこまでやってようやく、勝ちの目が見えてくる。
そうして魔法を発動しようとしたクレメンスは、次の瞬間目の前が肌色で埋め尽くされて瞠目した。
「は?」
肌色はサラマンデルロードの膝だった。
シリウスからはその動きが見えていた。言葉で表現すれば簡単で、クレメンスに肉薄したロードが、その顔面に向けて膝蹴りを叩き込まんとしただけであった。
ただし、その速度が尋常ではなかった。ここまでそれなりに長い時間を戦ってきたシリウス達をして、初めて見る加速だった。そのせいで、常に冷静沈着なクレメンスですら虚を突かれて思考を止めた。
「ぐっ!?」
身体に染み付いた経験の賜物か、クレメンスは間一髪で顏を逸らして膝蹴りを躱す。食らえば間違いなく頭が砕けて絶命していた一撃である。完全に躱し切ることは出来なくて、掠ったクレメンスの愛用の眼鏡が砕け割れながらひしゃげて飛んでいく。
クレメンスが身を躱すという一動作に使った時間で、蹴りを放ったロードは更に次の動作を終えていた。その場でぐるりと一回転し、勢いを乗せた尻尾の一撃でクレメンスを真上から打ち据えたのである。
今度は躱すことも出来ず、真面に食らった。かなりヤバいあたり方だったとシリウスは焦る。
「クレメ――」
地表に墜落したクレメンスのフォローに入る猶予すらなかった。
気付けば、またしても尋常ではない速度で加速したサラマンデルロードが、既にシリウスの間合いの内側に入っていたのだ。
そのままロードが繰り出した貫手の一撃を、シリウスは咄嗟に再構築した大剣でなんとか受け流すが、やはりロードはその間に次の動作までを完了している。
あまりにも速過ぎる。速度の次元が違った。
ロードはもう片方の手で、シリウスがどてらを持っている方の腕を打ち据え、凄まじい衝撃にシリウスの腕から骨が折れる異音が響く。堪らず取り落としたどてらをロードは空中で悠々と掴み取り、至近距離のシリウスににっこりと笑顔を見せた。
「あかんえ? ひとのもん盗ったら」
その笑みに、シリウスはどうしようもなく悟った。
違ったのだ。彼女のどてらは確かに防寒用の装備ではあったが、同時に枷でもあった。単に、サラマンデルロードが本気の戦闘機動をするとどてらのほうが耐えられないので、彼女は敢えて実力をセーブしていたのだ。
そして、ロードの笑顔は魔物らしからぬ可憐さであるというのに、凍えるような迫力があった。
何故彼女がどてら以外に何も着ていないのかもわかった。同じく、その動作と高温環境に耐えられないからだろう。高度な魔法具のどてらですらそうなのだから、普通の衣服など着れたものではないはずだ。
そもそもを言えば、ロードはおそらくどてらを着ていないほうが強いし、着る必要がない。何故なら彼女が最初から本気の戦闘機動をしていれば、温度低下のデバフなど考慮するまでもなく一瞬かつ一方的に蹂躙出来ていたであろうから。
だというのに、彼女がこの戦闘時にも後生大事にどてらを羽織っている理由など一つしか考えられない。
好きで着ているだけなのだ。
要するに、それだけ大切なものなのだ。
「ほな、さいなら」




