387話_sideout_討伐者ギルド外郭_昼過ぎ
討伐者ギルドのブラッドフォード支部は元々巨大な砦であった場所を改築したものであり、本丸を囲む外郭の上部からはロイエンタールの街を一望出来る。この街はそもそも起伏の大きい土地柄に、発展した建築技術による背の高い構造物が乱立するような場所であるが、日本の高層ビル街に馴染んだスレイにとってはなんのことはない。街の中心地に対してギルド支部は標高が高い場所に位置しているので、ただでさえ背の高い外郭の上部は、おそらく近辺で最も標高の高い人工物であると言えるだろう。本来の砦としての役割を考えれば物見のために見通しが良いことは必須条件であり、たまたま見晴らしがいいというよりは、そうなるように外郭を建造したという経緯なのだろうが。
というわけで、スレイはそんな外郭上部の端に仁王立ちして、ロイエンタールの街並みを俯瞰していた。
この場所は特に立ち入りが禁じられているわけではなく、誰でも入れる。それなりに良い景色以外のなにがあるわけでもないので、わざわざ登る物好きなどそうは居ないし、実際スレイの周囲には誰も居ない。
「……こういう場所に立ってると、大物になった気分になれるな」
「キミは緊張感があるのかないのかよくわからないね」
スレイの呟きは独り言でしかないはずだったが、ないはずの返答があった。
声の主はスレイの足元をてくてくと通過すると、彼女の傍らの石塀に飛び乗った。現在は落下防止用の柵としてしか機能していない石塀は元は矢避けの防護壁だったものであり、その高さはスレイの腹の辺りにくる。しゃがめば全身を隠せる程度だということだ。
その上に飛び乗ってスレイを見上げてくるのは、艶やかな毛並みを有する黒猫であった。
スレイは黒猫の接近には気付いていたので、特に驚くこともなく平然と応じた。
「私は常に真面目だよ。緊張することは少ないが」
「真面目にトチ狂うからタチが悪いってことだね」
皮肉気に返す黒猫の名はドロシー。スレイことプリムローズが学院で雇った傭兵である。今はスレイの妹であるリスティ・ハイゼンを演じて活動しているが、この黒猫の姿は変身魔法を使ったものだ。
ドロシーは石塀の上にちんまい体躯でちょこんと座って、気怠そうに尻尾を揺らす。
「で? 今度はなにを思い付いたのかなキミは」
「んん?」
「なんでいきなり教会の司祭を捕捉しろって話になるのさ。別にいいけどもさ、説明は欲しいよね」
ドロシーが雇い主であるスレイから唐突な方針変更を告げられたのはつい先程のことだ。そもそも今日この街についたばかりではあるのだが、子飼いの連中と合流すると言ったスレイと別れ、ドロシーは昔の伝手などを掘り起こしながらここで活動する基盤構築に勤しんでいたのだが、その途中で呼び出されて『それはさておき』とばかりに告げられたのが上述の方針転換である。
「元々、教会が保有している情報を知りたいとは思っていたんだ」
「まあ、普通に考えて『宵の霊薬』なんてものが噂になるレベルで囁かれてるのに、黎明機関が動いてないわけがないからね」
「そう。だが言うまでもなく、奴等と敵対したくはない。私個人の話ならばまだしも、今回の件は王政府からの秘密裏の依頼でもあるからな」
「かといって表のルートで正式に情報提供を請うことなんてできるわけないしね」
スレイが今回の調査に乗り出したきっかけが、自身の兄を経由した王政府からの協力要請であった。ことを公に出来ないのは、まさにその教会からの圧力を警戒しているからに他ならない。『宵の霊薬』は教会に対抗する札になりえる可能性がある。だから王政府は教会に知られることなくそれを手中に収めたいし、教会に気取られれば権威にモノを言わせて妨害してくるだろう。
逆に、だからこそこれは教会にとっても無視出来るものではないはずだ。もし件の薬品が王政府が期待するようなものであったとすれば、おそらく教会はその存在を闇に葬りたいはずだ。最初からなかったことにするか、あるいは自分達で確保して制御下に置こうとするだろう。
そういう事情で王政府側と教会側は互いになんにも気付いていない顔をしながら、水面下ではどちらが先に目標を確保するかというレースを繰り広げている――――というのはスレイの想像でしかないが、王政府が察知しているものを教会が察知していないと考えるのはあまりにも楽観が過ぎる。
「なので、基本的には教会の人間は無視する方向で進めようと思っていたのだが……」
「だが?」
「なんかお誂え向きに略取してくださいって輩が出てきちゃった! のでな」
「出てきちゃった! じゃねえよ」
つまり、たまたまこの街で目撃されたらしい教会の人間が、色々な意味で都合のいい相手だったので捕まえて情報を抜こうというわけだ。
「件の武装司祭、クロスという名の修道士とのことだが貴様知っているか?」
ドロシーは現在の傭兵家業を始める前は、元々黎明機関で暗殺者をしていた過去がある。その頃か、あるいはその後の活動中に聞いたことがある名前かどうかをスレイは問うていた。
クロスねぇ……、とドロシーは呟く。
「オールドクロスなら知ってるよ」
「うん? ジュニアが居るのか? 今回のクロスは若い男性らしいが」
「じゃあたぶんジュニアだね。ボクが機関に居た頃、『オーダーXI』にクロスっていう修道士が居た。ボクよりだいぶ年上だから、今は立派なジジイか、もうくたばってるかもね」
「ジュニアはいつの時点の息子なんだ」
「ちょうどボクが組織を抜けるくらいかな? クロスが養子を取ったっていう話があったような気がする。だからジュニアは今のキミと同年代くらいだろうね」
成程な、とスレイは頷く。黎明機関というのは教会の実働部隊であり、つまりは単なる一部門だ。役割の性質上の事情もあって、その内部情報を外から知ることは難しい。実際の規模すら定かではないくらいだ。
その点、ドロシーは元黎明機関ということで、実際の内部を知っている人間だ。彼女が属していたのはン十年も前のことなので、勿論現在の実情とは異なっているだろうが、組織体系そのものは大きく変わってはいないだろう。スレイが思うに、黎明機関とは閉塞した組織運営の極みだ。外部からの刺激も脅威もないのだから、形態が大きく変わる理由がない。
「クロスジュニアは裏の界隈では有名人なのだそうだ」
「へぇ。ボク聞いたことないけど」
「時期的に、ちょうど貴様が学院に隠居した頃に名が知られ始めたのだろう」
「誰が隠居か」
ちなみにドロシーという女性は特殊な出生故に不老の肉体を持っているが、実年齢はわりといい歳である。実はスレイとは親子ほどに年齢が離れている。スレイには前世を生きた記憶が残っているのだが、前世の年齢を足してもまだドロシーのほうが年上だろう。
「裏界隈で名が知れた修道士ってことは、ボクと同じような仕事をしてるのかな」
黎明機関所属の暗殺者であったドロシーの当時の主な職務といえば、つまり教会にとって不都合な人物を秘密裏に葬り去ることであった。それは宗教的な理由であったり、政治的な理由であったり様々であろうが、暗殺者として優秀であればあるほどに、裏の界隈では名前だけが独り歩きし始める。ドロシー自身も現役時代は『月光』という二つ名で知られ、界隈で恐れられていた事実がある。
自身の経験から判断してドロシーはクロスが同類であると考えたようだが、スレイはそれを否定した。
「生憎と、奴が知らしめたのは勇名ではなく悪名だよ」
「どういう意味だい?」
「簡単だ。裏社会に生きるクソどもですらも一目置くレベルのクソ野郎だということだ」
スレイが吐き捨てるように言うと、ドロシーは興味深そうに、気怠そうだった瞳をきらりと輝かせた。
教会の修道士というのが聖人ばかりでないというのは、他でもない当事者であったドロシーは良く知っていることだ。だから今更修道士がクソゲス野郎だと知らされたところで『ふーん』としか思わないわけだが、彼女はむしろスレイの態度に興味をそそられた。
「キミがそんな風に言うってことは、どういう輩かだいたい想像がつくね」
ドロシーに揶揄気味に言われ、スレイは小さく息を吐いた。
一応、スレイ自身も半分は裏社会に身を置く者として、内心を表に出しているようでは宜しくないという自覚がある。だが今回、クロスという修道士に対する嫌悪感を隠し切れないのは、その所業がスレイにとって断じて認め難いものであるからだ。
これを嫌悪しないことは、スレイという人間の魂に悖る行為であるとすら言えるだろう。
「私がクロスという男の性質を表現するならば、異常性癖のサイコ野郎としか言えんな」
「どんな?」
「奴は若い女を拐かして、その肉体を人形化して悦に浸るフェチズムがあるらしい」
「人形化……魔法かな?」
「いいや。物理的な意味だ。生身の肉体――四肢、臓器、乳房、そして頭部、顔面。そういったパーツを手製の義体に交換するのだ」
スレイの説明に、流石のドロシーも「うわぁ」と引き気味だ。
義体そのものは至極真っ当な技術である。欠損した肉体を補うために医療的な意味合いで普通に実用化されている。昨今ではゴーレム技術を応用した魔法具の義体も普及し始めており、現状では着用者に魔法的な素養を求めてしまうものの、生身の肉体と同じ感覚で使える義体も登場している。
ただし、言うまでもないがそれはあくまでも肉体の代替手段でしかない。
「そういえば、オールドクロスは修道士になる前は義肢職人だったはずだよ。息子に技術を継承したのかな」
「遺した技術がイカれた自慰行為に悪用されているようでは、オールドも報われんな」
「というか、それって本当に性癖なのかな?」
ドロシーがそこに疑問を抱いた理由はスレイにもわかっている。
クロスという男が黎明機関の修道士であるからだ。
「違うだろうな。奴はその行為を『救済』と称しているのだそうだ。つまり、女を攫って人形化するのが、奴にとっての信仰を表現する手段であるわけだ。対象が若い異性に限定されているのも、性欲故ではなく、教義に関連する理解不能な理由があるのだろう」
「成程ね。確かに福音書の一説にそれっぽい記述があるよ。聞きたい?」
「クソほど結構だ」
教義を曲解して行き過ぎるのは黎明機関のお家芸みたいなものである。
ドロシーがそうではないように、全員が全員そうではないのだが、一部の異常者が異常過ぎて悪目立ちしている感はある。
「クロスの場合は信仰を拗らせた結果なのだろうが、反吐が出ることにこの手の性癖を持つ輩は少なくないらしくてな。奴が裏社会で有名なのは、そういった異常性癖者の需要を満たせる実質唯一の職人であるからだ」
「ええ……てことはなに、身体を交換して人形にしちゃった女を、裏社会で売りさばいてるわけ?」
「実際に売っているのはクロスではなくブローカーだ。おそらくクロスはそれを関知していないし、そもそも興味もないのだろう」
『救済』をすることが目的なので、救済された対象には最早興味もないのだ。
「クロスを狙う理由は三つある。一つは奴が教会内でそれなりの立場にあるということ」
「立場相応の情報を持っているはずだということだね」
「二つ目は、それでいて基本的にスタンドアロンで行動していて本部と密接な連繋を取っていないということ」
「ぶちのめしてもそれが即座に黎明機関本部に伝わらないということだね」
「そして三つ目は、奴がどこで死んでも恥ずかしくない立派なクソ野郎であるということだ」
スレイ本人の個人的な嫌悪も多分に絡んでいるが、私情のみではなく戦略としてもクロスは狙いどころであると言える。何故ならば黎明機関はともかくとして、教会本部は決してクロスの『救済』を容認し得ないはずだからだ。黎明機関の上層部はおそらくクロスの所業を把握している。その上で黙認、というより知らぬ存ぜぬを突き通すのがかの組織の体質である。
クロスという男が戦力として有用である以上、裏で何をしていても構わないということだ。しかしそれは間違ってもクロスの行動を容認し擁護するという意味ではなく、もし露見すれば即座に切り捨てるだけの備えと筋書きが出来ているということだ。
即ち、クロスが唐突に消息を絶ったり、遺体で見つかったとしても、黎明機関は粛粛と理由をでっち上げて事実を葬るだろう。多少の調査はするだろうが、本腰を入れることはあるまい。なにせ裏社会を通してみれば、クロスを害する動機を有する者が多過ぎる。
「侮ってはいないよね? それって裏を返せばクロスはそんな綱渡りで立ち回れるだけの実力を備えているってことだよ」
「侮りはしない。信仰の怪物という意味では、どこぞのRIPという前例を知っているからな」
スレイが言うと、ドロシーは「ならいいけど」と応じた。
「で? 悠長に構えているけど、クロスの居場所は掴めたのかい?」
スレイは首を横に振った。
そもそもスレイが何故こんな場所に一人で居たのかというと、このロイエンタールの街で修道士クロスの行方を捜索している子飼いの連中を統括しているからだ。見晴らしの良いところに司令塔として待機しているのである。
そしてドロシーはこの件に関しては実働戦力ではなく、アドバイザーという立ち位置だ。経歴上、黎明機関の有する技術や論理に理解があるはずなので、クロス本人の情報を含めて有益な話が聞けるだろうと考えてスレイが召喚したに過ぎない。
「クロスが今回ターゲットにしている相手は、東方からの旅人の女性らしい。タイミングとしては偶然だろうが、まさに今日、クロスは対象確保のために行動を起こしたと見られる」
「それは紙一重だったね」
「奴が対象を確保して人形化のために本拠地に戻る前に察知できたのは僥倖だ。だが問題は対象の東方人が陸刀会の寺院に滞在しているということだ」
ドロシーはその名に聞き覚えがなかったようで、猫の姿で小首を傾げた。
「リクトーカイ?」
「東方起源の宗教組織のようなものだ。陸刀会の寺院には『陸芒封衣』と呼ばれる論理結界がつきものでな。これは簡単に言えば『招かれざる客』を遠ざけるものだ」
「つまり?」
「寺院を利用する者達の共通認識――通念上、厭われる対象は寺院に入ることができないし、そもそも見付けられない。具体的には反社会的存在、犯罪者、あとは異教徒だな」
「わぁお。てことは裏家業のボクも、キミの子飼いもキミ自身も、勿論クロス達も寺院には入れないってことか」
そうなるな、とスレイは頷き、「だが、」と言葉を続ける。
「この結界は精緻で強力だが、抜け道は無数に存在する。あくまでもセキュリティ的な意味合いが強いものであって、直接的な防衛力を有するものではない。最も簡単に思い付く手段で、尚且つ極めて有効なのは内応させることだ」
つまりは既に寺院に出入りしている人間に取り入って、招かせるということだ。招かれたのならば、招かれざる客ではない。子供だましのような論法であるが論理結界にはそれが極めて有効なのである。
仮に犯罪者であっても、招かれれば入ることが出来る。それは通念による曖昧な拒絶よりも、個人による明確な招待のほうが結界に作用する効力が強いからだ。
「言うほど簡単じゃないよね、それ。つまり内部の人間をフェアな方法で篭絡して信頼を勝ち取れっていうことでしょ?」
「ああ。洗脳や詐術を用いれば、結界はそれを用いた側の自己認識を見逃さないからな」
ただ、言うほど簡単ではないが、難しいことでもない。
時間を掛けて信頼感を培えば、誰にでも出来ることであるとすら言える。
問題は、時間を掛けられない場合だ。
「もう一つ、おそらくクロスが用いたのはこちらの手段だと思うが、自覚のない刺客を使う手がある」
「自覚のない……部外者か、子供とか?」
「そうだ。例えばその辺を歩いている無宗教の平民に小銭を握らせて、寺院の僧に荷物を届けてほしいと頼む。その平民は報酬に対する義務感と少しの善意でもって容易に結界を通過するだろう。……その荷物の中身が爆弾であると知る由もないからな」
「そんなんで通用しちゃうんだ?」
「ああ。ただし、これは基本的に一回しか通用しない手段だ。バレて警戒された瞬間、しばらくは部外者も通行不能になるだろう。部外者を徴用して確実性などあるわけもないから、無差別テロでもない限りは少々コストが嵩もうとも手勢を使ったほうが賢明だろうな」
「ていうかちょっと待って、キミ今クロスが用いた云々って言ったけど、つまりクロスは既に寺院の結界を突破してるってこと?」
「そうだ。だから奴を捕捉できない。私の子飼い連中は寺院を見付けられないからな」
スレイの子飼いの諜報員が伝えるところによると、修道士クロスには二人の同行者が居たらしく、クロスと同年代の修道女と、ティーンよりも幼そうな修道女であるという。となればクロスが用いた手管にも予想がつき、ほぼ間違いなく幼い修道女を自覚なき刺客として寺院に送り込んだのであろう。だからとてクロス本人が結界に拒まれるのは変わりないわけだが、もしクロスが結界魔法に対する深い造詣を有していれば、送り込んだ手駒を起点に内部から結界を打破することは不可能ではないだろう。
少なくとも、スレイは自分であればそれが出来ると踏んでいた。
「となると、クロスが対象を確保して寺院から出てきたところを狙うしかないってことか」
ドロシーは尻尾をくるりと回して、猫なりに難しい顔をしてみせる。
「でもそれ難しくないか? キミの子飼いは寺院の場所すらわからないんだろ?」
「陸刀会の寺院は地図に乗っていないが、実在している以上ある程度の所在は絞り込める」
「正確な位置がわからなければ網を大きく張るしかなくなる。キミの手勢はそれだけの数が用意できるのかい?」
それが泣き所だな、とスレイは肩を竦めた。
というかそもそも、クロスの戦力評価をRIPことレイチェル・イリサ・パラディースを基準に考えた場合、スレイが持っている戦力で彼を捕縛出来るのはハイメロートという男だけだ。あるいはスレイ本人が出るしかない。
流石にレイチェルほどのバケモノがそうそう何人も居て堪るかという話なので、クロスが彼女より手強いとは考え難いが。
「なので少しでも寺院の位置を絞り込めないかと考えて、先程から私も端末を飛ばして捜索を試みているのだが……」
そこでスレイが言い淀むと、ドロシーは焦れたように「だが、なにさ」と先を促す。
「うむ。それが奇妙なことに、あっさり寺院が見つかってしまったのだ」
「は?」
「私も貴様とまったく同じ反応をしたぞ。さっきな」
「てことは、クロスが侵入した影響かなにかで寺院の結界が消えた?」
ドロシーの予測は妥当なもので、実際スレイも最初はそれを疑った。
「しかしな、子飼いの連中は未だに寺院を発見できないのだ。私が正確な座標を伝えても『そこに寺院などない』と言うばかりか、地図を見ながら歩いているのに何故か寺院の前を素通りする始末でな」
「奇妙だね。まるでキミだけが『招かれた客』であるみたいだ」
「というかそれしか考えられんのだが、生憎と私は私を招く存在にまったく心当たりがない」
そして、更に奇妙なことも起こっていた。
「原因究明はさておいて、そのまま院内に端末を飛ばしてクロスを捕捉しようとしたんだが…………どこにも居ないんだな。これが」




