4.1話_side_Uso_討伐者ギルド_バッヘル支部
・エイプリルフール企画令嬢トリオ第二弾。
・『予防線』
「――まずはカチェ、これを読んでみて」
レムナントが手渡してきた小さなカンペを受け取ったエカテリーナは、訝し気に思いながらもとりあえず言う通りにしてみる。
「ええと?『このお話に登場するキャラクターは全てフィクションであり、実在の本編登場人物とは一切関係がありません』……なんですの、これ」
「予防線だ」
エカテリーナの半眼に、レムナントは尤もらしく頷いて見せた。
傍らのプリムローズがこてんと首を傾げる。
「よぼうせん?」
「そう。折角本編の私がミステリアスな強キャラムーブをかましているのに、こっちの私のせいで台無しになってしまう恐れがあるから」
「おお~!なるほどぉ。流石はレム、抜かりなしだね!」
「ふふふ、任せておけ」
キャッキャと賑やかな友人二人の姿を眺めていたエカテリーナは、もう一度手元のカンペに視線を落とす。
「…………」
果てしなく手遅れだろうな、と思ったけれど、友達想いのエカテリーナは何も言わずに微笑んでおいた。
・『日常風景』
学院前期の期末試験も終えたある日のこと。
「休みどうする?」
窓際の椅子に腰かけてチマチマとネイルの形を整えつつ徐にそう問い掛けたのは、暗紫色の長髪で片目を隠した特徴的なヘアスタイルの少女、侯爵令嬢レムナント・クロム・クルワッハである。彼女は質問の体を取りながらも、自身の視線は変わらずネイルに注がれていた。
誰にともない問い掛けに答える声が一つ。
「折角だから、旅行でもする?」
その可憐な声は、少し離れたベッドから聞こえた。天蓋付きの豪奢なベッドに俯せに寝そべって、ゆらゆらと脚を揺らしながら小説を読んでいる少女であった。レムナントに比べてだいぶ幼く見える容姿は、淡雪色の長髪と瑠璃色の瞳が特徴的な、これまた侯爵令嬢のプリムローズ・フラム・アシュタルテに相違ない。
更に、そんな二人を同時に視界に収める位置に立ち尽くす人影が一つ。
「あら、いいですわね。でもその前に言わせてもらっても宜しいかしら?」
感情を押し殺したような声音に、レムナントとプリムローズが同時に「「ん?」」と視線を向けた。
視線を受けて苛立たし気に脚を踏む少女は、蜂蜜色の巻き髪を揺らす非常に鮮烈な容姿の人物であった。傲慢なまでに自信満々な、プライドという言葉が服を着て歩いているような雰囲気を有する彼女の名は、エカテリーナ・ロビン・クレインワース侯爵令嬢。
この部屋の主であるところのエカテリーナは、我が物顔で寛ぐ友人二人をびしりと指差した。
「何故貴女達は、他人の私室で当然のように寛いでいるのかしら!?」
「何故って……」
当然と言えば当然のエカテリーナの疑問に、プリムローズとレムナントはむしろ困惑したような表情で顏を見合わせた。
とりあえず、といった雰囲気でプリムローズが応じる。
「だって、カチェの部屋に来ればマシュマロが食べ放題だから」
「貴女のために用意させている物ですし、いくらでも貪ってくださって構いませんけど、普通はちょっとくらい遠慮するものですからね?」
「え?だって折角カチェが用意してくれたから、全部食べないと悪いかと思って」
プリムローズの類稀に小さな体躯と、相応に細っこいお腹の一体どこにそれだけの菓子が入っていくのか、エカテリーナには疑問で仕方がなかったのだが、長い付き合いなので考えるだけ無駄だと察している。彼女は溜息を吐いてプリムローズから視線を外し、もう一人の問題児へと向き直った。
レムナントはいつも通りの茫洋とした無表情でぼそぼそと言葉を並べ始めた。
「私はあれだよ、ほらなんていうか、あれあれ。カチェならわかるでしょ。わかれ」
「もう面倒くさくなってる!せめて言い訳くらいしようという気概はないんですか貴女!?」
「気概(笑)それ今品切れ中なんだよねー」
なお未だかつて一度も入荷したことがない模様。
この場の三人は普段から四六時中一緒に行動しているような大の仲良しなので、別にエカテリーナとて彼女等が部屋を訪ねてくることを歓迎こそすれ厭うたりはしないし、自分の部屋が彼女等にとって心安らげる空間であるというのであれば、こんなに嬉しいことはないと思っている。
ただ、同時に、親しい仲にも礼儀は必要だと思っている。
少なくとも、部屋主が不在に間に勝手に上がり込んで寛ぎ始めて、家主が帰ってきたのに「おかえり」の一言もない有様が、礼儀に悖る行為でないと判断する者は居るまい。
憤りを言葉にしようとしたエカテリーナに、機先を制してプリムローズがにっこりと笑い掛けた。
「私達がここに来たがるのなんて、カチェのことが大好きだからに決まってるじゃない」
「え?」
エカテリーナは吊り上がっていた瞳を丸くして、瞬く。
レムナントは「そーだそーだ」と適当極まる相槌を打った。
「でもごめんね。カチェが嫌な思いするんだったら、もうやめるね」
プリムローズが悲し気にそう言うと、エカテリーナの顔色が変わる。
レムナントは「そーだそーだ」と言いながらネイルにふっと息を吹き掛けた。
「いえっ、そういうことでしたら、一向に構いませんわよ!」
「いいの?」
「いいですとも!私の部屋で良ければ好きなだけ使ってくださいまし!貴女方がそれほどまでに私のことを想ってくださるのであれば、それに応えるのは吝かではありませんからぁ!」
鼻高々なポーズを決めて一瞬で懐柔されたチョロインエカテリーナに、プリムローズが無邪気に「流石カチェ好き!」と煽て続けるいつもの風景であった。
レムナントはネイルの形に満足しつつ「そーだそーだ」と言っておいた。
・『相談』
「で、休みどうする?」
最初の質問に戻ってきたレムナントの言葉に、エカテリーナが思案する。ちなみに先程とは場所を移して、エカテリーナの寮室のテラスで丸テーブルを囲んでお茶会である。
「プリムさんは旅行に行きたいと仰いましたね」
「うん。といってもなんとなくくらいのあれだけど」
「私は構いませんけど、出不精のレムさんは嫌がるのでは?」
「人のことデブって言うのやめてくれる?」
「言ってませんっ!」
レムナントは決して出不精ではない、ちょっとインドア派なだけである。ついでに言っておくとデブでもない。
今更だが三人がなんの相談をしているのかというと、目前に迫った学院の長期休暇中の予定をどうするのかである。多くの貴族学生は実家の領地に帰省したりするものだが、三人は仲良しなので、休暇中も当然のように一緒に過ごすつもりだったのだ。
「まあ実際、実家帰ってもブドウ畑の労働に駆り出されるだけだから、カチェ達と高飛びしたほうがマシまである」
「高飛びて、犯罪者じゃないんですから……」
レムナントの実家であるクルワッハ侯爵家は『ワイン造りしか能がない』と揶揄される田舎貴族である。ちなみにその風評はまるっと十全に真実である。無論領地の特産品という意味合いであるが、領主が率先してワイン造りに精を出す気風でも知られる。
とはいえ家族に顔も見せないのは不義理が過ぎるので、協議の結果、休暇になったら一度家族の元に戻り、それから三人で合流して旅行に赴くことにした。
「プリムさんは、どこか行きたい場所があるのですか?」
言い出しっぺのプリムローズに希望があるのならまずはそれを優先に考えてあげようと思ったエカテリーナが水を向けると、プリムローズが唇に指を当てて「ん~」と可愛らしく悩んだ。
そしてすぐに、パッと表情を明るくする。
「どうせなら、ファンタジーっぽいことがしたいなっ!」
「ふぁんたじー」「っぽいこと?」
エカテリーナとレムナントが揃ってきょとんとする前で、プリムローズは嬉しそうに頷いた。
・『登録』
休暇になって三人がやってきたのは、王国各地に点在する討伐者ギルドの、バッヘル男爵領支部であった。
何故ここにしたのかというと、ダーツが刺さった場所がここだったからだ。他の理由などない。
「まさかプリムさんが討伐者志望だったとは、知りませんでした」
「黒い森に旅行とは、流石プリムは考えることが違う」
「私達に出来ないことを平然とやってのけますわね。そこに痺れも憧れもしませんけど」
「アイツぜったい精神状態おかしいよ」
雑談に興じるエカテリーナとレムナントが好き放題に言っているのは、偏に話題のプリムローズがこの場に居ないからである。
正確には居るけれども、それどころじゃないと評するべきか。
エカテリーナ達の視線の先では、支部の受付の前に立って、職員のお姉さんと押し問答を繰り広げる小さな姿があった。
「だからね?ライセンス登録は、貴女にはちょっと早いから、もう少し大きくなってからまた来てね?」
受付嬢のミレイユさんの善意百パーセントの言葉に、プリムローズは頬を膨らませて地団太を踏む。
「う~!ちがうもん!ちがうもぉん!!プリム十五歳だもん子供じゃないもんっ!!」
「立派なお姉さんなのね。だったらお利口さんだから、私の言ってることわかってくれるかな?せめてもう少し、背が大きくなってからにしようね?」
ミレイユさんはなにも意地悪をしているわけではないのだ。彼女はとても善良で子供好きの優しい女性なので、無謀な挑戦をしようとしている小さな女の子を思い止まらせようと説得せずには居られなかったのだ。
早い話が、討伐者活動の最初の最初として、ライセンス登録をしようとしたら躓いたのである。主にプリムローズの外見のせいで。
順調に登録を終えた二人の友人は、そんなプリムローズの奮闘をくっそ良い笑顔で見守っていた。
「あ、あしらわれとる……やばい、だっさ、うける、くっふふ」
「わ、笑っては悪いですわ、レムさん……うふ、ふふふっ」
「おいこらぁ!笑ってないで援護してくれないかな!?ていうかその前の会話も全部聞こえてたからなぁ!!」
・『装備』
紆余曲折あったライセンス登録もなんとか無事に終わり、晴れて討伐者となった三人は支部の近くの職人街で装備を見繕うことにした。
リヒティナリア貴族は圧倒的に形から入る性質なので、なにはともあれ格好がつかないと落ち着かないのである。
「じゃあレムは後衛担当だから『魔女のローブ』ね。はいこれ」
プリムローズが見繕った暗色のローブをレムナントは無感動に受け取る。布の多いダボついたローブは森での活動に向いているとは言い難いが、そのぶん防御力や耐久性は高いので、あまり体捌きに自信のないレムナントにはぴったりだ。ついでに言えば彼女の特徴的なヘアースタイルがいかにも魔女っぽいので外見的にも嵌り役である。
「で、私は斥候担当だからこれ。『盗賊のマント』」
プリムローズはショートパンツにノースリーブのシャツを合わせて、その上にマントを羽織った。身を隠すのに効果的な迷彩のマントと、素早さを追求するための軽装の組み合わせは斥候にお誂え向きである。彼女は見た目のとおりに軽やかですばしっこく、そして見た目にそぐわぬ底なしの体力を有するスタミナおばけなので、走り回る役割が得意中の得意なのだ。
ちなみに何故あえて罪人である『盗賊』の名を冠するのかはわからないが、きっとそういうものなのだろう。
「それから、カチェは剣が上手いから前衛担当で、装備はこの『女戦士の鎧』ね」
にっこり笑ってプリムローズが差し出した装備をエカテリーナは笑顔で受け取り、すぐに硬直する。
然もあらん、受け取った装備が鎧と言いつつどう見てもビキニでしかないからだ。
「…………」
勿論、これが鎧などではないことはエカテリーナにもわかる。だから彼女は一生懸命考えて、そして簡単な答えに辿り着く。
そう。優れた装備は内面から作り上げるものなのだ。だから戦士の鎧を着るならば、下着から相応のものを身に着けてこそ最大の効果を得られるに違いない。考えてみれば尤もな話ではないか。うんうんと納得したエカテリーナは、続けて渡されるであろうアウターを待ってみたが、おかしなことにプリムローズはもう何も持っていない。
「あの、プリムさん?」
「なに?」
「私の装備は?」
「え?渡したじゃん」
あまりにも当然の顔でビキニ(仮)を指し示すプリムローズ。
「いやいやいや、これは下着ではありませんか。防具ではありませんことよ?」
「?……レム、どういう意味かわかる?」
「わからん。何を言ってるんだカチェは」
エカテリーナは至って真っ当な抗議をしたつもりだったのだが、何故か友人達は揃ってこちらがおかしいような顔をしているではないか。
プリムローズはまるで先程のミレイユさんのように、幼子を諭すような面持ちで告げる。
「女戦士の鎧なんだから『ビキニアーマー』に決まってるじゃん」
「いやアーマー成分が皆無とか以前に、ビキニアーマー!?なにそれ怖い!!」
「防御力が不安なのはわかるぞカチェ。だったら兜もつけよう」
「何故あえて兜なんですの!?他にまず隠すべき場所があるでしょう!!」
きぃー!と気炎を上げるエカテリーナの様子に、プリムローズとレムナントは顔を見合わせた。
自然体で困惑している二人の顔を見ていると、エカテリーナはまるで自身のほうが間違っているような気分に別に全然ならなかった。おかしいのも悪いのもコイツ等である。もっと言えばこの『ビキニアーマー』なる狂気の装備の発案者であるイカれたどこかの誰かである。
「こんな布面積の少ない衣装で外を歩けと仰るの!?まるきり痴女ではありませんか!」
「だいじょーぶだよカチェなら。だってスタイル抜群だし、おっぱい大きいから!」
「因果関係がまったくわからないのですが!?」
サムズアップするプリムローズに反論しながらも、スタイルを褒められたのがとっても嬉しくなってしまうあたりがチョロインエカテリーナである所以なのだ。
すると思案気に俯いていたレムナントがハッとした顔で口を開く。
「私はわかってしまった。カチェが何故そこまで頑なに拒むのか」
「「え?」」
「さてはカチェ、処理してないからハm「言わせねえぇですわ!!」
神速で反応したエカテリーナがレムナントの口にビキニ(仮)を突っ込んだので、間一髪で名誉は守られた。
なお唾液まみれのビキニ(仮)は当然お買い上げとなったのは言うまでもない。
・『依頼』
まだ討伐者としてなんの活動もしていないというのに、エカテリーナは既に疲労困憊であった。
というか友人二人が何故こんなに元気なのか。それがわからない。
どう考えてもボケ二人に対してツッコミ一人という戦力の偏りが原因なのだが、この場にそれを教えてくれる人は居ないのである。
「よし、早速依頼を受けよう!」
満面の笑みで宣言するプリムローズには悪いが、エカテリーナの心境的には『さっそく』ではなく『ようやく』である。
ちなみに一応説明しておくと、エカテリーナはビキニ姿ではない。ちゃんとあの後購入した普通の装備を身に着けている。しかし戦士らしい装いの下には破廉恥極まりないビキニ(仮)を身に着けているのは三人だけの秘密である。
なんだかんだでプリムローズとレムナントが選んでくれたものなので、ちゃんと身に着けてあげたいと思ってしまうエカテリーナは友達想いの鑑のような少女なのである。そんなエカテリーナに対して『百パーセント悪ノリでした』とは今更言い出せない二人であった。
というわけでギルド支部に戻ってきた三人は窓口に突撃した。
「――――うーん。皆さんのレベルですと受注出来る依頼が今あんまりなくて……」
三人を迎えた受付嬢のミレイユさんが、少しだけ困ったように言う。
討伐者個人にも等級があって、ぴかぴかの一年生である三人のレベルは勿論1である。雑魚は雑魚なりの依頼しか受けられないのだ。世知辛い話だが、実績のない輩に高難度の依頼を受けさせるわけがないのは当然のことだ。
「別になんでもいいよね?」
プリムローズの確認にレムナントが頷く。別に彼女達だって自身が素人であることなんて百も承知なので、そもそも難しい依頼を受けるつもりなど全然ないのだ。だからといってなんでもいいのかというと、そこは選り好みしたくなってしまうのが貴族の性であるわけだが、生憎と三人の内で貴族らしい貴族というのはエカテリーナしか居ないのである。
「では薬草採取などいかがでしょうか」
とミレイユさんが提案してくれたのだが、貴族らしい貴族であるエカテリーナはあまり気が乗らなかった。
だって薬草採取でしょう?優等生故に予習を欠かさないエカテリーナは知っているのだ。薬草採取系の依頼が一部の討伐者からは『草むしり』と揶揄される上に、割に合わない仕事であることを。
だから、そんな依頼を勧められて喜ぶヤツなんて――
「とんでもねぇ!待ってたんだ!くぅ!腕がなるぜぃ!」
「薬草採取キタコレ!!やっぱこれを経験しとかないとねっ!」
居たわ。主に自分の友人に二人くらい。
というかレムナントのそれは何キャラなのか。まあ、レムナントがおかしいのはいつものことだし、やる気に水を差すこともないとエカテリーナは大人の対応として黙っておいた。
すんなりと受ける依頼も決まり、手続きをしていると、ミレイユさんがこんなことを言い始める。
「そう言えば、依頼の薬草が群生しているあたりで、普段見られない強力な魔物が確認されたらしいですよ」
「「「え?」」」
大丈夫なのそれ。というか何故それを知っていてこの依頼を勧めたの?と流石のレムナントも真顔で受付嬢の正気を疑ってしまうくらいに不穏な話題提起であった。三人の少女から突き刺さる視線に気付いたのか、ミレイユさんは慌てて補足の言葉を足した。
「あっ大丈夫です大丈夫です。高ランクのパーティーが討伐依頼を受けてくれましたので。たまたまこの支部にBランクのパーティーが立ち寄ってくれてて助かりました」
「ああそうなんですか。ならよかった」
「はい。今頃は討伐されているはずですね!」
「って完了確認してないんですのっ!?」
思わず声を荒げるエカテリーナに、ミレイユさんは不思議そうな顔だ。
「はい。でも時間の問題だと思いますよ。本当はもっと早く戻ってくると思ってましたし、なんか妙に時間が掛かってる気もしますし、様子を見に行くと言って追い掛けた他のパーティーも音沙汰無しですけど、きっと大丈夫ですよ」
「大丈夫な要素が一個もない!」
「それもう死んでる定期」
プリムローズとレムナントも流石にふざけている場合じゃないと悟ったのか、深刻な表情だ。このイカレポンチ二人にこんな顔させるのは相当にヤバいことであるとエカテリーナは知っている。
「まさかぁ、だって聞いてくださいよ。Bランクパーティーの皆さんがなんでこんな田舎支部に居たのかって、どうやらリーダーさんの故郷らしいんですよ。し、か、も!メンバーの女性と結婚式を挙げるために戻ってきたってことみたいなんですよ。御目出度い話じゃあないですか」
「この話の流れでなければ、素直に祝福できたのですが」
「リーダーさん言ってましたよ『俺、この依頼が終わったら結婚するんだ……!』って。だから絶対無事ですよっ」
「絶対死んでるやつじゃありませんか!?」
もはや狙っているとしか思えない有様に、三人は尊い犠牲者の冥福を祈って項垂れた。
だがしかし、ミレイユさんは頑なに討伐パーティーの無事を疑わないのだ。
何故ならば、
「なんといっても、Bランクパーティーの皆さんは、あの有名クラン『フラグクラッシャー』の方々なんですよ!」
「「「なんだ無事じゃねえか」」」
心配して損した、と三人はここまでの会話を一切なかったことにして薬草採取に向かうのであった。
→To Be Continued...?
登場人物紹介
・プリムさん
身体が糖分で出来ている系女子。好きなロボットは『グレイターキン』
・レムさん
ネイルの形状維持に余念がない系女子。好きな魔法の呪文は『トカレフのやつ』
・カッチェさん
友達を大切にする者を貴族と呼ぶ系女子。好きな飲料は『食物繊維が入ってる人参色の炭酸』
・ミレイユさん
とあるギルドの受付嬢。疑うことを知らない。
・フラグクラッシャー
Bランククラン。あらゆるフラグを自分達で建築して、解体することを生き甲斐とする傍迷惑なやつ等。




