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恋愛相談部で活動していたら何故か周囲に美少女が集まってきた  作者:


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第4話 ナイスアシスト

 そして翌日、休み時間の事である。


「前田は何の本読んでるんだ?」


「ん?『瓶詰地獄』を読んでる」


「何か聞いたことあるな……」


「夢野久作の作品だ。彼の作品は著作権切れてるからネットで読めるから気になるなら読んでみると良い」


 話の内容はまあ正直何でもいいや。俺はチラッと鬼塚さんを横目で見てアイコンタクトを取る。


「ふ〜ん、前田って本読むの好きなんだ」


 鬼塚さんが俺達の元へやってくる。この流れは前日メッセージを送りあって決めた事だ。


「鬼塚……」


 前田は何故俺達に話しかけてきたんだと不思議そうな顔をしている。まあそりゃそうだな。


「いや、最近俺が鬼塚さんに相談しててそれで仲良くなったんだ」


「……、二人が話している所など見たこと無いが……」


 前田は何故か警戒している。まあ鬼塚さんが苦手なんだと思うが。


「鬼塚に相談している事ってなんだ?」


「ちょ、ちょっと恋愛相談しててな」


 実際は立場が逆なのだがこれでいいだろう。嘘をつくにしても本当の事と近い事をしているとボロが出にくいと何かで見たことがある。


「いや、人前でそんなベラベラ話さんよ。恥ずかしいしな」


「まあそうか……」


 完全に納得はしていないようだ。そりゃそうだ、恋愛相談するにしても他の人にすれば良いのによりによってカーストに差がある鬼塚さんと仲良くなるなんて変だろう。


「わ、私から声かけたの。何か悩んでる感じだったから」


「なるほどな。鬼塚って優しいんだな」


 お、鬼塚さんが機転利かせて良い感じの雰囲気になったな。これは俺の出番が無くなるのも早いかもな。


「それで前田ってどんな本読んでたの?」


「金子には言ったんだが、『瓶詰地獄』って本だ」


「びんづめじごく?」


「まあ興味ない人からしたら馴染みない話だろう」


「そ、そんな事ないし!!ちょっと本読んでみようって想ってるから!!」


 鬼塚さんはフンと鼻息荒く大きな声が出ている。


「そ、そうか」


「だ、だからオススメとか教えてもらえればな〜って思って」


 鬼塚さんはぎこちない笑顔でお願いしている。頑張れ!!いい流れで来ているぞ。


「おおそうなのか。東野圭吾の作品なんかは読みやすいぞ」


「あっ、知ってる。ドラマとかやってるやつだよね?」


「おう、そうだ。馴染みがあるやつから読むのも良いと思う」


 その後は俺が想定していた以上に話が弾んでいるようなので俺は休み時間の終わりまでほぼほぼ話さずに過ごした。このまま自分はお役御免かと思っていたが問題は昼休みに起きた。


「おい、さっきのは何だ?」


「何だとは?」


 二人机を向かい合わせて弁当を食べている時、前田が嫌そうな顔をしながら喋る。


「鬼塚の事だ。急に俺と話したかと思えばお前は急に黙るし」


「いや、二人で話盛り上がってるから邪魔しない方が良いかと思って」


「いや俺が必死に話をしたんだよ。つまんないやつだと思われてクラスの立場が悪くなると困るからだ」


 なるほど、さっきの盛り上がりは少し無理をしていたということか。まあ確かにいつものようなテンションではなかったからな。


「鬼塚さんは虐めるような人じゃないと思うけど」


「いや、まあそうなのかもしれんが……」


 前田はう〜んと腕を組んで考えている。前言撤回。この二人すんなり仲良くなる訳ではなさそうだ。


 そして更に時は進み放課後、俺と鬼塚さんは部室で今日の反省とこれからのことを相談することになっていた。


「ねえねえ、今日で大分仲良くなったんじゃない?」


 鬼塚さんはキャッキャとはしゃいでいる。確かに傍目から見たら二人で楽しそうに話していたからそう思うのは仕方ない。


「いや、鬼塚さん、大変伝え辛い事が……」


「え」


 楽しそうにしていた鬼塚さんはスンと落ち着いて俺に対して正面に座り直した。


「アイツ、いつもよりテンション高いなと思ったら鬼塚さんに合わせるためにちょっと無理をしていたみたいで」


「ええ……」


「俺の友達が面倒で申し訳ない……」


 何故か俺のほうが罪悪感を感じる。別に誰が悪いという訳ではないのだが。


「そんなに私嫌われてるの?」


「いや、そうじゃない。アイツって俺と同じで陰キャ寄りの人間だから鬼塚さん達のような明るい女子に慣れてないんだ」


「む〜、どうすれば良いの?」


「難しいな……、でもアイツだって女子から話しかけられて多分嬉しいと思うはずなんだ。だから話し続けていれば慣れて心を開くとは思う」


 俺の一言に鬼塚さんは目を丸くしている。え、俺って何か変な事言ったか?


「金子も女子に話しかけれると嬉しいの?」


「え?まあそりゃそうだね」


 俺のような普段女子と関わりの無い人間からすれば女子と話しているだけで何か嬉しくなっちゃうものなのだ。


「へ〜、じゃあ私と部屋で二人きりなのどう思ってるの?」


「え?そ、そりゃあ……」


 あんまり考えないようにしていたが言われてみれば今、狭い部室で男女二人きりという状況なのだ。意識しだすと何かドキドキした。


「ふふっ、顔赤くなってるよ」


「……、そんな事言ってると相談受けないよ」


「ちょ、ちょっと〜」


 放課後、俺と鬼塚さんは部室で笑い合っていた。

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