第6話 ワンダーランドへようこそ前編
登場人物紹介
青島 麗子 天然お嬢様
柿沼 誠二 お嬢様の執事
チロ子 しゃべる犬、不思議世界の案内人
たんとむ カラクリ屋敷の主人
ツェペラ マシンの発明家
とんちゃん バーのママ
ティルナー 不思議世界の副管理人
マスター 不思議世界の総支配人
*登場する名称は全てフィクションです。
「チロ子さん、ここまで案内、ありがとうございました。」
『柿沼さん、それに麗子さん、マスターによろしくね。』
「チロ子...行かないの?」
『アタシの案内はここまでよ。マスターに会うなら、これ以上アタシにすることは無いわ。』
「チロ子~、一緒に行こうよぅ~。」
『麗子...ここにはここのルールが...。』
「チロ子さん、そのルールなのですが。」
『ルールがどうかした?マニュアルもあるけど。』
「そのマニュアルやルールは誰がどう制定したのですか。」
『そんなの知らないわよ。何か昔からあるとか何とか...そういや...なんでだろ...。』
「恐らくこの不思議世界の住人には知られたくない何かをマスターが持っているのではないでしょうか。」
『アタシ達への秘密かぁ...、だとしてもそれがどうしたって言うの。』
「私は最初からこの世界自体に違和感を感じていました。特に最後のティルナーさんは何か言いたげでした。」
『だとしても、アタシ一人では何ともならないわよ。』
「いえいえ、チロ子さん。あなた一人ではありませんよ。」
「そうだよ、オイラたちもいるんだぜ。」
「チロ子~、みんなで来ちゃったわよ♥️」
「そう言う...事だ...チロ子...。」
『何よ、たんとむ...ツェペラ...とんちゃん...ティルナーまで...。』
「はいはい、柿沼様より連絡を頂きましたからね。」
「オイラももらったよ。」
「あらやだ、アタシだけの恋文じゃなかったのかしら♥️」
「流石に...フラグで...分かったようだね...。」
「皆様には、この世界の本当の姿をお見せする必要があると考え、お伝えしました。」
『ホントの姿...?この不思議世界が?』
「それです。皆さんはここを不思議世界と信じていますが、それは本当でしょうか。」
『いや...だって...マスターが...。』
「そのマスターですが、何者でしょうね。皆様はマスターの何をご存知なんでしょうか。」
「えっとえっと...この世界の...偉い人。」
「オイラ頼まれて設計したケド、よく分からんシステム...作らされたよ。」
「そうねぇ...ん?そういや...マスターって...男性だか女性だかも分からないわよねぇ...。」
「マスターは徹底した秘密主義者よ...。簡単には素性は出さないわね...。」
『柿沼さんは...知っているの?』
「私も詳しくは知りませんが...何となく分かります。」
「とりあえず、ここにみんないてもしゃーないから、行こ。」
マスタールームの扉を開ける。
中に誰かいる。
「あなたがこの世界のマシタね!」
『いや...下じゃなくて...マスターだから...。』
『誰ニャア...うるさいニャア...。』
「マスター様はネコ様でしたか。」
『ん?へっ...何でみんないるニャア?』
『何でこんなトコにいんのよ...マルタン...。』
『おおっ...チロ子じゃない。どしたん、みんなして...。』
「あの、マルタン様。我々はマスター様に会いに来たのです。マスター様はどこにいるのでしょうか。」
『ん?マスター...?マスターって誰ニャ?』
「ちょっと、マスターはいないの。ネコしかいないんだけど。」
『どしたん?チロ子...みんな騒いでるニャ...。』
「やはりそうでしたか。」
「どういうことよ柿沼。」
「この世界のマスター、それはチロ子さん、あなたですね。一見案内人を装い、あなたを直接見ていない住人に、さも別にマスターがいるよう見せかけた。」
『流石だわ、柿沼さん。私がマスターといつ気が付いたのよ。』
「ここの住人は移動しないんですよね。副管理人ですら出来ない。でも、同じ住人のチロ子さんだけ全てのエリアに行けるのはマスターである証拠です。」
「でもよぅ、オイラ...マスターから頼まれて設計したぜ。」
「ツェペラさん、あなたはマスターの確かな姿を見ましたか。」
「う~ん、言われてみれば...見てない...。」
「チロ子さん、何故このようなことをするのでしょうか。我々や住人に何をさせたいのでしょうか。」
『やるじゃない、柿沼さん。アタシはあなたのような人が現れるのを待っていたのよ。』
「チロ子...待っていたって?」
『この世界...不思議でも何でもない...異次元世界なのよ。ツェペラの設計はスゴかったけど、些細な事からシステムが不具合を起こしているのよ。』
「オイラのマシンは壊れないぞ。」
『ええ、マシンでは無く、周囲の環境に歪みが出たのよ。それがあのドアよ。』
「チロ子さん、我々で修理か対処出来るのでしょうか。」
『分からないわ。でも...麗子と柿沼さんなら...出来るかも...しれないわね...。』
「ん?なんで私なら出来るのかな、チロ子。」
『何となくよ...何となく...。さあ、みんなでメインルームに行くわよ。』
「チロ子さん、我々は何をすればよろしいんでしょうか。」
『そうねぇ...、分かり易く言えば...この世界をリセット...してもらう...感じかな。』
第7話(最終話) 予告
遂に不思議世界の核心が判明する。
皆の目の前で起こる最後のワンダーとは?
次回 「ワンダーランドへようこそ後編」
おおっ...遂に来たよ最終話。
麗子と柿沼さんはいったい...。
ではまた。




