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最愛の人を傷つけられたので、最も残酷方法で復讐したいと思います。  作者: 大大大大大確定!!!


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 修はぼんやり時計を眺めていた。後どれだけ葵と一緒にいられるかと、名残惜しい気持ちになった。


「時間大丈夫?」修の視線を辿り時計を見て尋ねた。


「今日は外出許可とったから大丈夫。室井さんは?」


「私も遅くなっても大丈夫だよ」


「じゃあもうちょっと一緒にいてもいいかな?」


「うん、いいよ」


「……あ、あのさ」


「ん、どうしたの?」


「抱きしめてもいい?」


「もう、しょうがないなぁ」


 修は起き上がりあぐらを組み、葵をあぐらの中に収めて抱きしめた。葵の身体は肉欲に支配されていた時とは全く違って見えた。小さく、か弱く壊れてしまいそうだと思った。こんな小さな身体で耐えてた戦ってきたんだと思った。絶対に助けて守ってあげなければならないと。


「ちゅーもする?」子供を相手にするようだった。


 修が頷くと葵は顔を近づけ葵は優しく癒すように修の唇を喰んだ。その優しい刺激は心地よく、ありがたい思いで享受した。


「また硬くなってるよ?」


「そうだけど、ただ動物的な本能が刺激されているだけで全然苦しくないんだよ。室生さんのおかげだよ」


「そうなんだ、でも苦しくなったらいつでも言ってね。してあげるから」


「え、いいの?」


「うん、いいよ。抱え込んでる感じが見てられなかったから」


「そうかなぁ」


「自分自身じゃ気が付かないものだよ」


 修は葵を優しく抱きしめた。この幸福が一生続いてゆくように、自身の神に祈った。時間が許す限り、葵を腕の中で堪能した。

 修は葵を駅まで送って行った。


「わざわざありがとね」


「いや、お礼を言うのは俺の方だよ。本当にありがとう」


「……えっと、私も興味があったし、したくてしたことだから」俯きながら言った。


「あ、え……そうなんだ」驚きの表情を浮かべた。


 修は葵の行為を全て慈悲から生まれ出るものだと思っていた。興味、それが一体どのような感情を指すのかは修には分からなかったが、それでも嬉しかった。


「じゃあ、またね」葵は恥ずかしさを覆い隠すように言い放った。


「あぁ、また」片手をあげた。


 葵は小走りで改札へ入って行った。修は照れ隠しだろうと嬉しく思った。修は夢のような思い出して微笑み、歩いて帰った。修は別人に生まれ変わったかのような心持ちだった。異性に認められて受け入れられるということことには、それだけの力があった。




「あーあ、面白かった。ホント笑えたんだけど。明日からもあれの性処理はミッションに組み込むから、文句言うなよ。やっぱりめっちゃお似合いだったし、葵もノリノリだったじゃん」結衣の下品に笑う声が葵の耳のワイヤレスイヤホンから響いていた。「葵、返事は?」


「……はい」


「じゃ」そして通話は切られた。


 葵は右耳につけたイヤホンを取り外し、地面に叩きつけようよしてすんでのところで止まった。それから女子トイレへ駆け込み、何度も何度も何度も口を濯いだ。葵の修に対する媚態と性的な接触の全ては、結衣からリアルタイムで指示されていた。

 どれだけ口を濯いでも意味はなかった。葵はポロポロと落涙しながら歩いた。修に好き勝手に弄ばれた肉体の言葉にできない悲しみと、それでもなお修を本当に傷つけているのは自分だと自覚していた。修は自分にも優しく助けてくれ、困っている人がいれば手を差し伸べられずにはいられない優しい性格だということがわかっていながらも、どうしても修を愛せなかった。彼女の心の芯の部分は修を否定して拒絶し続けていた。修の身体が、言葉が、熱が、匂いが、鼓動が、呼吸が、行為が、全てが醜怪な悪意を孕んで向けられ、穢されいるようだった。


 電車に揺られていても涙は止まらず、ハンカチで目元を拭っていた。電車は止まり、一人の美しい男が入ってきて頬を巫鳥に濡らす少女の存在に気がついた。美しい男は精神に於いて修の影響を強く受けていたため、泣いている少女を放って置けなかった。それは美しい男が修に手を差し伸べられて救われていたからだった。


「え、室生さん!?」美しい男はゆっくり近づくと、それがクラスメイトであることがわかり驚きの声をあげた。


「……鈴木くん?」葵はすぐに顔を隠して背けた。


「どうしたの、大丈夫?」鈴木は葵の隣に座り寄り添った。


「……大丈夫、なんでもないから」声は震えて上擦っていた。


「……ごめん、大丈夫なわけないよね」


 鈴木はただ黙ってそばに寄り添った。葵もその優しさをありがたく思いながら、ボロボロ泣いた。

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