167.主従の絆
戦争が近い。
ミスラウェル聖皇国が見捨てられた地、今は神樹国アクティースとなった土地を自国の領土だと発表したからだ。
アキラには更々アクティースを明け渡す気など無い、ルクレリアと子供達が戻って来た日から、大切なものを守ると誓った事を忘れる日は無かった。
そんなアキラは先ずジェイドの元へと向かった。
軍事局に行くとミスラウェル聖皇国との戦争が近いと知らされたジェイドがシルヴィアに訓練を任せ、兵士達の育成計画を見直していた。
「ジェイド、ちょっといいか?」
アキラの声にジェイドは振り向く。
「あぁ、アキラか、何か用か?」
今は公式な場でも無い為ジェイドはフランクに話しかける、流石に一般兵士がこんな言葉遣いをしたら不敬になるが。
「主従の絆を結びに来た」
「主従の絆?」
首を傾げるジェイドにアキラは【光導者】の能力を説明した。
「ほう、それは凄いな」
ジェイドの声は鋭くなる、更に強くなれるなら願ってもない事だった。
「それでどうする?」
「もちろん契約する」
ジェイドはアキラの問いかけに即答した。
「わかった」
アキラは能力を発動する。
[ジョブスキル【光導者】を発動しますか?YES/NO]
アキラはYESを心の中で唱えた。
[ジェイドの回路接続を確認、、、、成功しました]
ジェイドの体が光、徐々に光は消えて行く。
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個体名 ジェイド
レベル.63
種族 ヒューマン
職業 大剣士
ジョブスキル
【黎明の大剣】
・大剣を神器に変える。
【屍の上に立つ者】
・想いの力で敵へのダメージを増加できる。
筋力.7032
魔力.2899
知力.3756
技力.6211
防御.7006
俊敏.5757
アナザースキル
・ディスグレア ・ブレイクダウン ・竜跳虎臥
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無事にジェイドとの契約も終わり次に向かう、ジェイドの次はヴェッジだ。
ヴェッジは城のメイドをナンパしていた、その光景にアキラは呆れている。
「ヴェッジいいか?」
「……ん?どうしたアキラ?」
タイミングを見計らいメイドは一礼してそそくさと去って行く。
主従の絆の話をしたアキラにヴェッジは「まあ良いんじゃない?」といいながら軽く答えた。
アキラは同じ様に【光導者】を発動した、だが………。
[ヴェッジとの回路接続を確認、、、、失敗しました]
「え?」
思わぬ回答にアキラは戸惑った。
何回か同じ事をするが失敗に終わった。
そして【光導者】の意味を理解した。
「そうか……忠意を誓う者……」
ヴェッジはアキラに真に忠意を誓ってる訳では無い。
それはアキラの為なら命を捨てられる者だ、そうなると話が変わってしまう。
「悪いヴェッジ」
「いいって事よ、まぁ忠意を誓うってそんな簡単な事じゃないだろ」
気まずくならない様にヴェッジはおちゃらけながらそう言った。
「そうなるとハヤテとかもダメだな」
「そうだな……」
アキラはガックリ項垂れる、一般兵士の中にはアキラに忠意を誓う者がいるだろうが今は緊急事態だ、ある程度強い者と主従の絆を結び更なる強化をしたかった。
「んー、カムとアレイは?模擬戦したけど結構強かったぞ」
「あ!」
狐獣人の双子のカムとアレイはシルヴィアの弟子だ、ヴェッジの思わぬ提案にアキラは声を思わず上げた。
アキラにひしひしと伝わる程2人はアキラを信奉している。
「早速行ってくる!」
そう言うとアキラは駆け出す、ヴェッジは頷くとアキラを見送った。
再び軍事局に戻り訓練場へと向かう。
多くの兵士達が陣形の練習や、弓当て、剣の素振りなどをしていた。
アキラはシルヴィアを見つけ声を掛ける。
「シルヴィアちょっといいか?」
「どうなさいましたマスター?」
アキラはカムとアレイを呼んできて欲しいと伝えた。
シルヴィアは頷くとすぐさま2人を呼びに行く、少ししてシルヴィアに連れたらたカムとアレイが緊張しながらアキラの元へとやって来た。
「「どうなさいましたかアキラ王?」」
2人は片膝をつく、2人を立ち上がらせて主従の絆を結びたい事を話した。
「「そんな私達ごときご畏れ多い」」
見事に2人の声がハモる、だが尻尾はぶんぶん揺れ嬉しそうな動きを見せた。
「おまえ達の頑張りは知っている、そう謙虚になるな」
アキラの言葉に2人は深々と頭を下げた、感極まって体がプルプルと震えている。
「わかりました!」
そう言いながら頭を上げた2人にアキラは【光導者】を発動した。
[カムとアレイの回路接続を確認、、、、成功しました]
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個体名 カム
レベル.20
種族 狐獣人
腕力.1812
魔力.985
知力.952
技力.1888
防御.1523
俊敏.2015
スキル
・以心伝心
個体名 アレイ
レベル.19
種族 狐獣人
腕力.1799
魔力.957
知力.940
技力.1689
防御.1411
俊敏.1902
スキル
・以心伝心
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「「ありがとうございます!!」」
2人は深々と頭を下げる、俯いた顔は嬉しすぎて口元が綻んでいた。
「シルヴィア、2人にはダンジョンでレベル上げに参加してもらうから、それとダンジョンで強い魔物を片っ端から倒すからそれにはシルヴィアも参加な」
そんな2人を微笑ましく見た後アキラは今後の予定をシルヴィアに伝えた。
「わかりました」
シルヴィアも深々と頭を下げた。
細かい日程はジェイドに決めてもらい訓練もある為交代交代でレベル上げに勤しむ事にした。
同時刻にはヴィクセンが同盟国に戦争準備を始める手紙も出し、慌ただしく状況は更に加速して行く。




