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幕間. 〜真理〜

安齋優斗(あんざいゆうと)(17)は人気者だ。

アイドルの様な容姿で非常にモテて、成績は学年で1番、スポーツも万能で部活の助っ人として引っ張りだこだ。


そんな優斗は人気の無い公園に居た。


「ゆうとくん!好きです!付き合ってください!」


「ごめん、付き合えない」


優斗はこれで25回目の告白を断った。

告白した女の子は目に涙を浮かべながら去って行く、この女の子は学校でマドンナ的な存在だ、まさか自分がフラれるとは思わなかったのだろう。


「……俺には恋愛なんてしている暇がないんだ」


優斗はそう呟く。


優斗の家はめちゃくちゃ貧乏だった、父親は蒸発し母親は病気で倒れがち、歳の離れた弟の学費を優斗がバイトして払っている。

そしてバイトが終わったら猛勉強を始める、奨学金で少しでも良い大学に入り卒業して大企業に入り家族を楽にさせるのが優斗の夢だった。


「……バイトの時間だ、行かなきゃ」


リュックを背負い公園を出ようとする、その時異変が起きた。


ー**********ー


頭の中で何か人の声がする、その違和感に気づいた時世界は一変した。


「……何だここ?」


辺り一面が岩壁に囲まれ、水晶の様な鉱石が発光していた。


ー*********ー


そしてまた何かが頭の中で囁く、その後……。


◆ ◆ ◆ ◆


[職業【覇王】を獲得しました]


【ジョブスキル】


絶対王者(ゼウス)


・森羅万象


◆ ◆ ◆ ◆


「何だよこれ!?どうなってるんだ!?」


余りの出来事に優斗は取り乱してしまう。

だがそんな優斗に最悪の出来事がまた起こる。


ーグゥルルルルルー


巨大な獣が涎を垂らしながら優斗に近づいて来る。

それはベヒーモスだ、ベヒーモスはSランクの魔物であり出会ったら最後殆どの者の命は潰える。


「…………」


思わずたたらを踏んでしまうしまう優斗、ベヒーモスは獲物に飛びつく。


(来るな……嫌だ、誰か助けて!)


目を瞑り助けを乞う優斗の前に本当に助けが来た、それは光輝く騎士だった。

騎士は剣を振るう、たちまちベヒーモスは細切れになり絶命する、そして光の騎士は消えた。


少しして細切れになったベヒーモスは溶けて1つになり優斗の中へと消えて行く。


[森羅万象の効果により、ベヒーモスのスキルを獲得しました]


・【威圧】【獄雷魔法】【硬化】【獣王の一撃】


「…………」


突然の事に優斗は絶句する。

暫くして我に帰ると安全な場所を確保する為移動した。

いくら歩いても景色はまるで変わらない、不安が募る優斗の耳に水の音が聞こえて来る。


「……水がある!」


優斗は無我夢中で走る、そして広い所に出ると泉を発見した。

喉がカラカラな優斗は泉に近づく、すると泉から巨大なトカゲが現れた。

それはアクアドラゴン、これもまたベヒーモスと同じ様にSランク相当の魔物だ。


慌てて引き返す優斗にアクアドラゴンは迫る。


ーガァァァァ!!ー


「来るなぁぁぁあ!!」


危機迫る優斗の叫び声を聞いたアクアドラゴンは途端に動けなくなる。

ベヒーモスから吸収したスキル【威圧】が発動していた為だ。

それを悟った優斗はダメ元で【獄雷魔法】を試してみた、するとアクアドラゴンの頭上から落雷が落ちる。


ーガァァァァー


水との相性が抜群に良い事もあり落雷を受けたアクアドラゴンは絶命した、そしてまた先程と同じ様にアクアドラゴンは溶け優斗の中に吸収される。


[森羅万象の効果により、アクアドラゴンのスキルを獲得しました]


・【激水魔法】【飛翔】【アクアブレス】

【火属性耐性・大】


暫く呆けていた優斗は水を飲み落ち着いた後、泉の周りを散策した。


「ん?ここ何か変だぞ」


偶然にも壁に備え付けられたボタンの様な物を見つける。

それをポチっと押してみる。


ーゴゴゴゴゴー


泉から巨大な石板が浮き上がる。


「……何なんだよ」


もはや自分は悪夢でも見ているのか錯覚する優斗、だがどの出来事も現実だと受け止めるしかなかった。

そして石板から一筋の光が伸び、それは優斗の元へとやって来た。

優斗は思わず身構えるがその光は人の形を作る、まるでホログラムの様だった。


『やぁやぁ、やっと繋がったね』


優斗に話し掛けたのは男か女かもわからない、のっぺらぼうのマネキンの様であった。


「だ、誰なんだ!?」


当然の疑問を優斗は投げ掛ける。


「ん?私は地球の神様さ」


「え?」


何を言っているのかわからない優斗は唖然としている。

だがそんな事はお構いなしに光のマネキンは話を続ける。


「いいかい、よく聞いて、このままでは地球は崩壊する、この世界のせいで」


光のマネキンの声色が真剣なものとなる、そして優斗は今何が起こっているのかの全てを知り絶望する事になる。



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