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宇宙創戦記《うちゅうそうせんき》XTENTION《エクステンション》 本編  作者: ヒイロ・ユウ


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第56戦記 ターニング・ポイント


 悠理たちは亜里沙を無事に救出した。


 だがこの件で深い恨みを持った竜二は、執拗に天越学園を狙おうとするのだった。




【狭星高校】


 悠理たちが去ったあとの体育館で、竜二は拳を握り締め、歯を食い縛り怒りに震えていた。


竜二「許せねぇ…、絶対に許せねぇ…‼︎」


不良A「竜二さん…」


竜二「おい、あの華奢で童顔なガキと銀髪のガキの名前は何だった⁉︎」


不良B「たしか、華奢で童顔な方は大和悠理、銀髪はニコルソン・リューゲンでした」


竜二「覚えたぜ、大和にニコルソン…‼︎ 必ずブッ殺してやる…‼︎ 特に俺の顔に傷をつけたニコルソンはな‼︎」




【新中野区 天越学園近辺】


 悠理たちは拓哉たちと途中まで一緒に帰ることになり、普段あまり話すことがないメンバー同士で盛り上がっていた。


浩樹「杏花さん…、ご趣味は…?」


杏花「最近、音楽にハマってるの。DEEP KISSの曲をよく聴いてるわ」



拓哉「萌ちゃん。活字が苦手な俺でも読めそうなオススメの本あるかな?」


萌「じゃあ、これ」


拓哉「え、絵本⁉︎」



陸翔「麻里奈先輩。荷物をお持ちしますよ」


麻里奈「おお、すまぬのう」


十兵衛「気ガ利ク、奴ダナ」



亜里沙「悠理、美術部に入ったんだ」


悠理「そう、明日から行くんだ」


亜里沙「素敵‼︎ いつかみんなで美術館行ってみたいね‼︎」


ニコル「悠理」


悠理「ニコル」


ニコル「何故、俺を助けようとした? ボス猿を潰せば雑魚を相手にする必要がなくなると思い、俺はわざと捕まったんだ。俺一人で十分だったのに何故…」


悠理「君を放っておけなくて、何故か足が自然と進んだんだ」



悠理(それだけじゃない…。戦いたくてウズウズするような《《感覚》》がした…‼︎ 創世兵士と戦った時みたいに…‼︎

 あの《《声》》が言ってた《《来る》》っていう《《意味》》は、このことだったのか…⁉︎)



ニコル「まあいい。《《不思議な奴》》だなお前は」


悠理「………」


ニコル「ここは、《《ありがとう》》…、と言っておこう」


悠理「うん。あっ、直虎さん⁉︎」


 突然、悠理・杏花・麻里奈・萌に複数同時回線で直虎から電話がかかった。



悠理・杏花・麻里奈・萌「もしもし」


直虎「あなたたち、こんな時間まで何やってるの⁉︎ 帰りが遅すぎるから心配しちゃったわ‼︎」



悠理「今、クラスメイトたちと………⁉︎」


杏花「あっ…⁉︎」


麻里奈「あちらに座すお方は⁉︎」


萌「直虎さん‼︎」


直虎「えっ…、ああっ…⁉︎」


 悠理たちは、帰りが遅いのを心配して天越学園近辺に様子を見に来た直虎とバッタリ出会った。




【ロイヤルガスト】


 悠理たちはファミリーレストラン「ロイヤルガスト」で夕食を食べることにした。集団行動が苦手なニコルは乗り気でなかったのか、先に帰宅した。席に着くと悠理は、直虎に今日あった出来事の経緯を話した。


直虎「ええっ⁉︎ そんなことがあったの⁉︎」


悠理「はい、それでちょっとケガをして…」


直虎「そういう時は一人で無理をしないで、すぐ誰かに言うのよ‼ けど、悠理くんって友達想いで女の子に優しいのね。また一つ男をあげたわね‼︎」



亜里沙(この人が悠理の上官で保護者なのね。美人で面倒見がよくていい人じゃない‼ 悠理の芯の強さは直虎さんの影響もあるのね)



拓哉「ところで、直虎さんは悠理たちとどんな関係で?」


悠理「実は、最…⁉︎」


 悠理がうっかり最終自衛隊の名前を出そうとした瞬間、杏花は悠理の口を塞ぎ、麻里奈たちは上手く誤魔化そうと説明した。


麻里奈「た…、ただの居候でござる‼︎ のう、萌お嬢‼︎」


萌「え、まあ…」


直虎「ああ、そうね‼︎ 《《家庭の事情》》でこの子たち親が今いなくてね、それで家で預かってもらうように頼まれてるの‼︎」


浩樹「そうなんですね」



杏花(バカ‼︎ 正直に話して混乱したらどうするのよ‼︎)


悠理(ゴメン‼︎ だけど、バレてないから大丈夫だよ)



亜里沙(まあ、私は事情を知ってるんだけどね。でも、それは悠理との秘密♡)


 拓哉たちは少し怪しがっていたが、何とか上手く誤魔化せたようだ。



直虎「さぁ、拓哉くんたちも好きなもの注文していいわよ。夕食くらいなら私が奢ってあげるわ‼︎」


浩樹「本当ですか⁉︎」


亜里沙「ありがとうございます‼︎」


陸翔「では、お言葉に甘えて…」


拓哉「食うぞー‼︎」


 悠理たちは料理やドリンクバーを注文した。



陸翔「女性の皆さん、男連中でドリンク取ってきますよ」


直虎「ありがとう、私はビールで」


麻里奈「拙者は100%果汁のオレンジジュース」


萌「あたしは昆布茶」


浩樹「杏花さんは、何に…⁉︎」


杏花「私はオーガニック野菜のグリーンスムージー。浩樹、緊張してる? そんなに、固くならなくていいのよ」


浩樹「はい‼︎」



拓哉・陸翔(ププッ…‼︎ 浩樹の奴、顔真っ赤…‼︎)



悠理「亜里沙は何にする?」


亜里沙「私は悠理と同じでいいわよ」


悠理「じゃあ、野菜ジュースにするね。十兵衛は?」


十兵衛「小生ハAIダ。人間ノ飲食物ハ、摂取デキナイ。ガ、ソノ心遣イハ嬉シイゾ」


 女性陣の飲み物を聞いた男性陣がドリンクバーへ向かい、女性陣が女子トークを始めた様子を明日美が窓の外から見ていた。



明日美「あら? みんな…」



杏花「でね、私この前…、あ、明日美‼︎」



亜里沙「ええっ⁉︎」



麻里奈「明日美殿‼︎」


十兵衛「明日美‼」


萌「明日美ちゃん、どうしたの?」


明日美「さっきまで近くで撮影があってね、帰りに偶然ここを通りかかったの」


直虎「明日美もどう? 今日は私が出すわよ」


明日美「いいんですか? ではお言葉に甘えて、ご一緒させていただきますね」



亜里沙(これはビックリ‼︎ こんな大物女性芸能人まで最終自衛隊の一員だったのね‼︎)


 その直後、ドリンクを取って戻って来た悠理以外の男性陣は、明日美の姿を見て仰天した。



拓哉・陸翔・浩樹「え⁉︎」


女性陣・十兵衛「…?」



拓哉・陸翔・浩樹「は、は、は、は………⁉︎ 華園明日美が何でここにいるんだーーー⁉︎」



直虎「まあ、ちょっとした知り合いよね。明日美‼︎」


明日美「ええ、立花しれ…⁉ いえ、立花さん‼︎」


悠理「明日美さんも来てたんですね」


明日美「悠理くん‼」



拓哉・陸翔・浩樹「ゆ、悠理くんー--⁉︎」



拓哉「おい、今の聞いたか⁉」


陸翔「ああ、悠理くんと呼んだ‼ 悠理とも知り合いか⁉」


浩樹「それも気になるが、杏花さんと悠理はどういう関係なんだ⁉」



明日美「………⁉︎ 悠理くん、酷いケガ‼︎ どうしたの⁉︎」


悠理「違う学校の生徒とケンカに巻き込まれてしまって…」


明日美「悠理くん、ちょっと見せて‼︎」


悠理(綺麗でしなやかな手…)


 明日美は悠理のケガを見ると、持っていた応急処置用の器具で簡単な治療を施した。


明日美「これで大丈夫よ」


悠理「ありがとうございます」


明日美「それにしても酷いことするわね。悠理くんの綺麗なジェイズ系のイケメンな顔に傷をつけるなんて」


悠理「は、はい」



拓哉・陸翔・浩樹「華園明日美の手ほどきを受けたーーー⁉︎」



拓哉「羨ましい、羨ましすぎる‼︎」


陸翔「悠理と一体どういう関係なんだ⁉︎」


浩樹「夢のようだ‼ だが、杏花さんの手ほどきを受けられたら、もっと夢のようだ‼︎」



亜里沙(明日美さん、「ヤングブックス」のグラビア写真で見るよりずっと綺麗ね。スタイルも抜群だし、芸能人オーラと大人の色気が半端ないわ。悠理と明日美さん…、どんな関係なんだろう…)


 悠理と明日美のやり取りを見て、拓哉たちは悠理を羨望の眼差しで見ていたが、亜里沙は下唇の先を上唇で少し噛みながらじっと見つめていた。



明日美「悠理くん、この子たちと知り合いなの?」


悠理「はい、僕のクラスメイトです」



拓哉「1年B組、北村拓哉‼」


陸翔「1年B組、浪川陸翔‼」


浩樹「1年B組、真田浩樹‼」



明日美「そう、みんなよろしくね‼」



拓哉・陸翔・浩樹「は、はい‼‼‼」



拓哉・陸翔(よしっ、華園明日美とお近づきに‼)


浩樹(何て清純でかつ妖艶なんだ…‼ だがこの機に杏花さんとも、もっともっとお近づきになれたら…‼)


 明日美に微笑みながら見つめられると、拓哉たちは思わず舞い上がって顔を赤くした。



杏花「みんな、舞い上がりすぎよ」


十兵衛「ダガ相手ハ、明日美ダゾ」


萌「世の男の夢なんだから仕方ないよ」


麻里奈「拙者たちといるだけでも奇跡に近いでござるからな」



明日美「あなたのお名前は?」


亜里沙「海堂亜里沙です」


明日美「海堂? もしかして地球環境省、「海堂功《かいどういさお》」大臣の娘さんかしら?」


亜里沙「はい、そうです」


明日美「海堂大臣とも一度、お会いしたことがあるわよ。とても素敵な方だったわ‼ よろしくね、亜里沙ちゃん‼」


亜里沙「はい、明日美さん‼」


亜里沙(素敵だな、明日美さん。セレブ度も好感度もランキング上位で、世の女性の憧れの超一流女性芸能人はやっぱり違うなぁ…。でも私も《《負けません》》から、明日美さん‼)


 亜里沙は明日美の美しさだけではない、人柄のよさに触れて感服した。だが、同時に悠理をめぐる恋のライバル?としての意識も芽生えたようだった。



ウェイター「ご注文の品をお持ちしました」



全員「いただきます‼」



拓哉「しかし、すげぇメンツだな」


陸翔「麻里奈先輩と一緒だったなんて、昇太たちが聞いたら悔しがるだろうぜ」


浩樹「杏花さんにサインをもらって、しかも夕食をご一緒できるなんて…、今日は人生最良の日だ‼」


亜里沙「昇太や玲も誘ってまた行けたらいいよね」


直虎「みんな今日はもう遅いから、食べ終わったら真っ直ぐ帰るのよ」


拓哉・陸翔・浩樹・亜里沙「はーい‼」


 楽しそうに会話をしながら食事をする一同。この出来事は拓哉たちの運命を変える《《きっかけ》》となるが、それはまだ少し先の話になりそうだ。


 そんな様子を離れた席で眺める複数の人影があった。



雛菊「あれがGトルーパーズ…、随分賑やかな連中だな」


ドーラ「そしてあの女が、ミアが一目置くという華園明日美。隣は例の《《プロトY》》とか言う奴か?」


スーノ「あすみんって、オッパイボインボインでスタイル抜群だね。美人さんだし、背も高いし羨ましいな~」


ミア「お前もあと5、6年すればイイ女になるぞ、スーノ」


 ミアたちは組織間を越えての女子会中であった。



男性客A「おい、あそこにいるのはミア・沙羅・シュナイダーじゃないか?」


男性客B「それだけじゃねぇ、向こうには杏花・E・ティアー、皇麻里奈、雪月萌、華園明日美らしき人影が…‼」


男性客C「バカ、そんな大物が揃いも揃ってこんな庶民的な店に来る訳ねぇだろ‼」



ミア「たまにはこういう店も悪くないな」


雛菊「雛もだ。高級レストランは少し気が引ける」


スーノ「あたちは甘くて冷たいものがあればどこでもいいよ」


ドーラ「俺は熱くて辛いものがあれば…、来たぞ」



ウェイター「ご注文の品をお持ちしました」



ミア「さぁ、女子会を始めよう。今日は私の奢りだから他に注文があれば頼んでいいぞ」


雛菊「かたじけないな、ミア」


スーノ「わーい、ミアたん太っ腹♡ じゃあ、あたちはアイスバイキング‼」


ドーラ「俺は鉄板焼きの辛味噌風味にするか」


 ミアたちもひとときの女子会を楽しんだ。そして《《誰か》》が、《《謎のメッセージ》》を何者かの元へ送りつけていた。



「定時連絡…。《《プロトY》》…、《《覚醒》》の兆候………、《《アリ》》……………………‼」




【新中野倉庫 跡地】


 ここは新中野区の外れにある「新中野倉庫《しんなかのそうこ》」の跡地。狭星高校の不良たちやマッドエンペラー連合のアジトであり、竜二はマッドエンペラー連合のメンバーを集めて集会を行っていた。


竜二「お前ら、よく集まってくれた‼ 礼を言うぞ‼」


※マッドエンペラー連合メンバー=以下、M・E・Uメンバーと略。


M・E・Uメンバーたち「ウオォォォアァァァ‼」


竜二「今日お前らを呼んだのは他でもねぇ、幹部連中招集の件だ‼」


M・E・Uメンバー「竜二さん、幹部を全員招集だなんて世界制覇の時でも来たんスか⁉」


竜二「天越学園へ乗り込むんだ‼」


M・E・Uメンバー「ええええええっ⁉」



 悠理たちへの復讐に燃える竜二から、悠理たちは無事に天越学園を守れるのか?




【次回予告】


ナレーション:斬風将《ざんぷうしょう》ハリ・ケーン


 斬風将ハリ・ケーンでございます。以後、お見知りおきを。


 大和くんとニコルくんのお二人に恨みを持つならず者たちが、学園まで乗り込んで機動兵器まで持ち出し、大暴れしているみたいですね。


 つまらないプライドで争いを起こすのはよくありませんな。


 次回、宇宙創戦記XTENTION‼


 【第57戦記 機甲暴走族‼︎ マッドエンペラー連合‼︎】


 と言うお話でございます。実に楽しみですな。

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