第55戦記 男の友情
狭星高校No.2の竜二と対峙する悠理とニコル。
二人は亜里沙を救出し、窮地を脱することができるのか?
【俠星高校】
竜二「お前、亜里沙とか言ったな?」
亜里沙「気安く名前を呼ばないで‼︎」
竜二「いいぜ、俺は気が強くてイイ女が大好きだ…‼︎」
亜里沙「嫌っ…‼︎ 触らないでっ‼︎」
竜二「うおぉ…⁉︎」
亜里沙は靴の先で竜二の下半身を蹴り上げた。
加藤「竜二さんを…」
小宮「蹴りやがった…⁉︎」
竜二「このクソアマァ‼︎」
亜里沙「あっ‼︎」
竜二にビンタされて亜里沙は床に倒れた。
悠理「亜里沙‼︎」
竜二「おい、この女を取り押さえろ‼︎」
不良A「へい‼︎」
亜里沙は布で口を塞がれたあとロープで手足を縛られた。
亜里沙(く、苦しい…‼︎)
竜二「俺に逆らった罰だ、少し反省してろ‼︎ ガキ二人を始末したら、俺の女にしてやるからな‼」
悠理「亜里沙を返せー‼︎」
竜二「オラァ‼︎」
悠理「うっ…‼︎」
竜二「俺に勝てると思ってんのか、クソガキ‼︎」
亜里沙(悠理ー‼︎)
悠理は竜二に殴りかかったが軽々と避けられた上、腹にパンチを入れられ、ダブルスレッジハンマーを背中に当てられ床に倒された。
竜二「雑魚が…。お前ら、このガキをやれ‼︎ 俠星の恐ろしさを身体で教えてやるんだ‼︎」
不良B「へい‼︎ ほら立て、オラァ‼︎」
悠理「がっ…‼︎」
不良たち「へっへっへ、天越ごときが粋がってんじゃねぇぞ‼︎」
亜里沙(やめてー‼︎)
悠理は不良たちに袋叩きにされた。その様子を見た亜里沙はもがきながら叫んでいた。
竜二「銀髪…。お前、俺の舎弟と3Kを一瞬で倒したそうだな? 少しは楽しめそうだぜ‼︎」
ニコル「お前の醜い顔は直視できん。早く終わらせるぞ」
竜二「スカしてんじゃねぇぞー‼︎」
竜二は椅子ごとニコルを蹴り飛ばしたあと、息を荒くしながらニコルの胸ぐらを掴んだ。
竜二「いいか…‼︎ 俠星高校は日本一の不良校‼ 生徒のほとんどは、誰もが恐れるマッドエンペラー連合のメンバーで、俺はその総勢30万人を誇るマッドエンペラー連合の副総長‼︎ だが今は《《実質的》》なトップだ‼︎」
ニコル「つまりお前が30万のサル山のボス猿ということか」
竜二「調子こくのもいい加減にしろー‼︎」
竜二はニコルの顔を殴りつけた。
竜二「俺はな、お前のような生意気な奴を何人も処刑して再起不能にしてきたんだ‼︎ 《《一人》》を除いてな‼︎」
竜二はナイフを取り出しニコルに向けた。
竜二「お前も処刑が必要だな。俺に楯突いた愚かさを一生後悔しろ‼︎」
一方、俠星高校にたどり着いた拓哉は不良たちと戦っていた。
拓哉「オラァ‼︎」
不良C「ぐあぁ…‼︎」
拓哉「亜里沙はどこだ⁉︎」
不良C「体育館さ…」
不良たち「北村拓哉ー‼︎」
陸翔・浩樹「どりゃあー‼︎」
不良たち「ぐおぉぉぉ‼︎」
拓哉の背後から二人の不良がバットを持って襲い掛かったが、陸翔と浩樹が介入し蹴り倒した。
拓哉「お前ら⁉︎」
陸翔「一人じゃ心配でな」
浩樹「無理をするな」
拓哉「まあいい、助かった‼︎ 体育館へ急ごう‼︎」
甲斐山田「いてて…。大和の奴、覚えてやが…⁉︎」
拓哉・陸翔・浩樹「甲斐山田、お前は邪魔だ‼︎」
甲斐山田「うあっ………‼︎」
拓哉たちは甲斐山田を瞬殺し体育館へ向かった。甲斐山田は再び気絶した。
竜二「クソガキの癖に男前の面してんじゃねぇか、余計にムカつくぜ。そのスカした面を剥いでやろうか?」
竜二はナイフの腹でペチペチとニコルの顔を叩いている。悠理の方は一方的に袋叩きに合っていた。
不良たち「もう終わりか⁉︎ 根性のねぇガキだな‼︎」
悠理「うっ…、亜里沙…‼︎」
亜里沙(悠理…‼︎)
悠理(待てよ…。今思えばコイツらの攻撃は大して痛くない…‼︎ ただ、自分で痛いと思い込んでいるだけ…‼︎)
「バシッ‼︎」
不良たち「何だ⁉」
悠理は《《何か》》に気づき、不良たちの攻撃を振り払って立ち上がり睨み付けた。
悠理「………」
不良A「何だその目は⁉︎」
悠理「触るな…」
不良B「な…⁉︎」
悠理「汚ない手で亜里沙とニコルに触るな、ゲス野郎‼︎」
竜二・不良たち「…⁉︎」
ニコル・亜里沙(悠理⁉︎)
悠理(…⁉ 何だ、今の《《感覚》》…⁉)
一瞬、悠理の目つきと表情が変わり、いつもの弱気と優柔不断さが消えた。
竜二「何ビビってやがる、さっさとやれ‼︎」
不良D「竜二…、さん…‼︎」
体育館のドアが開き、見張りの不良が倒れるとともに、拓哉たちが入ってきた。
不良たち「北村拓哉‼︎」
亜里沙(拓哉‼︎)
竜二「来やがったな、北村‼︎」
拓哉「久しぶりだな、竜二‼︎」
竜二「疼くぜ‼︎ テメェにつけられた《《傷》》がよ‼︎」
竜二が上着を脱ぐと腹に刺し傷があった。それは拓哉が中学時代に竜二とケンカをし、竜二がナイフを取り出した際に取っ組み合いとなり誤ってついた傷であった。
陸翔「あれは⁉︎」
浩樹「拓哉が停学になった事件の傷‼︎」
竜二「ケンカで負けたことが無い俺に、テメェは敗北の屈辱を味合わせたんだ‼︎ その恨みを晴らしてやるぜ‼︎」
拓哉「再生治療もせず、そんな恨みのために残したのかよ‼︎」
竜二「そうだ‼︎ その屈辱を胸に俺はマッドエンペラー連合の《《実質的》》トップに成り上がったんだ‼︎」
拓哉「ごたくはいいからかかって来いよ‼︎ 亜里沙に手を上げた礼をさせてもらうぜ‼︎」
竜二「上等だ‼︎ お前らもいつまでものびてねぇで、アイツらをやれ‼︎」
不良たち・3K「へ…、へい‼︎」
浩樹「不良相手に功夫は使わん‼︎ はぁっ‼︎」
不良A「うおぁっ‼︎」
陸翔「バスケ部の脚力なめんな‼︎ そらよっ‼︎」
不良B「どあぁっ‼︎」
悠理「亜里沙、大丈夫…⁉︎」
亜里沙「ゆ…、悠理‼︎」
隙を見て悠理がロープと布をほどき亜里沙を救出すると、亜里沙は泣きながら抱きついた。
加藤「拓哉‼︎」
小宮「積年の恨み晴らしてやる‼︎」
拓哉「3Kは寝てろ‼︎」
加藤・小宮「うわぁっ‼︎」
拓哉は加藤と小宮をまとめて瞬殺した。
ニコル「さてと…」
不良たち「一斉にかかるぞ‼︎ 銀髪野郎、覚悟ー‼︎ う、うわあぁぁぁ‼︎」
ニコル「学習能力のない奴らだな」
ニコルは関節を外してロープをほどくと、四方八方から襲い掛かった不良たちを一気に倒した。
拓哉「竜二、タイマンで勝負だ‼︎」
竜二「昔の俺と同じだと思うな‼︎ 2度とタメ口きけねぇようにしてやる‼︎」
拓哉「そらっ‼︎」
竜二「ぐふっ‼︎」
拓哉「たぁりゃあ‼︎」
拓哉はパンチを避けて竜二の腹にパンチを当てると、すかさずアッパーをくり出した。
拓哉「弱ぇな。お山の大将なんかやってるからだ‼︎」
竜二「ヘヘッ、まだ勝負はこれからだぁー‼︎」
拓哉「たぁっ‼︎」
竜二「ぐあっ‼︎」
拓哉「相変わらず卑怯な野郎だぜ‼︎」
拓哉はナイフを避け、竜二の腕に蹴りを当てた。
陸翔「よし、雑魚は片付いたな」
浩樹「亜里沙、大丈夫か?」
亜里沙「うん。でも、まだ拓哉が…」
竜二「はっ………⁉︎ ハハハ…‼︎」
拓哉「し、しまった‼︎」
竜二「来いっ‼︎」
亜里沙「きゃあっ‼︎」
竜二は拓哉が少し目を離した隙を突いて再び亜里沙を人質に取り、ナイフを亜里沙に向けた。
竜二「動くんじゃねぇ‼︎ 少しでも動いたら、この女がどうなっても知らねぇぞ‼︎」
悠理・陸翔・浩樹「亜里沙⁉︎」
拓哉「落ちぶれたな、竜二‼︎」
竜二「言ったはずだ、昔と違うとな‼︎ 俺は勝つためなら何でもするんだ‼︎」
ニコル「外道め…‼」
竜二「全員土下座して詫びを入れろ‼︎ すみませんでした、何でもしますから女だけは見逃して下さいってな‼︎」
亜里沙「ダメ‼︎」
竜二「人質は黙ってろ‼︎ 北村、まずはお前だ‼︎ さぁ、早くやれよ‼︎ 惜しくねぇのか、女が⁉︎」
拓哉「………‼︎」
竜二「ハッハッハ‼︎ いい気分だぜ‼︎」
陸翔・浩樹「本気か、拓哉⁉︎」
悠理「どうすればいいんだ⁉︎」
拓哉が悔しさを堪え震えながら土下座をしようとした時、ニコルが突然、竜二の背後へ跳び回り、ナイフを取り上げて突きつけた。
拓哉・陸翔・浩樹「ああっ⁉︎」
ニコル「ハンデはこのくらいでいいか、般若男⁉︎」
竜二「いつの間に…⁉︎」
ニコル「悠理、早く安全なところへ」
悠理「亜里沙」
亜里沙「悠理」
亜里沙は再び解放され、悠理の元へ駆けつけた。
ニコル「少しばかり遊ばせてやったが、楽しかったか? だが、そろそろゲームオーバーだ‼︎」
拓哉「ニコル‼」
陸翔「何をする気だ⁉︎」
ニコル「コイツにトドメを差す‼︎ ボス猿さえいなくなれば、他も大人しくなる‼︎」
浩樹「やめろ‼︎」
ニコル「この手の輩は蛇のように執念深いぞ‼︎ ここで逃せばまた必ず牙を剥く‼︎」
竜二「いっ…‼」
拓哉たちはニコルを止めようとしたがニコルは説得に応じず、ナイフで竜二の顔に軽く傷をつけた。そんな時、悠理が以前ケンカを止めに入った時のように口を切り出した。
悠理「やめるんだ、ニコル‼︎ そんなことをしたら終わりだ‼︎」
ニコル「悠理、また俺を止めるか⁉︎」
悠理「そう、君に過ちを犯させないためにも‼」
亜里沙「ニコル、ケンカなんかで命のやり取りをしちゃダメ‼」
ニコル「過ち? コイツがいなくなったところでどうなる⁉ むしろ善良な市民にとっては好都合というもの‼ 俺の行為が過ちだとしたら、コイツの存在も過ちだ‼」
ニコルがナイフを竜二の喉元に突き刺そうとした瞬間、悠理はナイフの刃ごと掴んで阻止した。ナイフからは血が滴り落ちている。
ニコル(ナイフが動かん…⁉)
悠理「僕は君を友達だと思っている、だから君を止めるんだ…‼ 友達が過ちを止めるのは友達の役目…、そうだろう…⁉」
悠理がニコルからナイフを取り上げると、ニコルは鼻で笑い立ち上がった。
ニコル「やれやれ、お前のお人好しには誰も敵わんな。後悔しても知らんぞ」
悠理「相手がまた牙を向いて来たら、折れるまで戦ってやればいいさ」
亜里沙「悠理、すぐ手当てするね‼」
亜里沙は悠理の手に布を巻き応急処置を施した。
その頃、杏花たちも遅れて狭星高校に到着した。
十兵衛「体育館ニ悠理ノv Phoneノ、反応ガアルゾ‼」
杏花「急ぎましょう‼」
甲斐山田「…って~、拓哉に陸翔に浩樹、覚えてやがっ…⁉」
杏花「邪魔‼」
甲斐山田「ぐおっ‼」
麻里奈「ごめん遊ばせ‼」
甲斐山田「いでぇ‼」
萌「どいて、どいて~‼」
甲斐山田「だはぁ‼」
十兵衛「救急車両ガ、通リマス‼」
甲斐山田「うわあぁぁぁ‼」
GPSで悠理のv Phoneの位置を特定した杏花たちは、甲斐山田を次々と足蹴にし体育館に向かった。甲斐山田はまたまた気絶した。
杏花「悠理‼」
麻里奈「今助けに…、あれ?」
萌「もう、終わってるね」
悠理「みんな‼」
拓哉「杏花さんたちも来たんすね‼」
陸翔「先輩方がいれば百人力でしたのに‼」
十兵衛「100人ドコロジャ、ナイゾ‼」
浩樹「あの…、杏花さん…‼」
浩樹は顔を赤くしながら杏花に話しかけた。
杏花「アンタは悠理のクラスメイトの…」
浩樹「さ…、真田浩樹です…‼」
杏花「何の用…?」
浩樹「リボン、お似合いですね…。可愛いです…‼」
杏花「それだけ⁉ 言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ‼」
浩樹「ずっと、ファンでした…‼ サイン下さい…‼」
杏花「いいわよ…」
浩樹「あ、ありがとうございます‼」
浩樹は嬉々としながら杏花にサインをもらった。
亜里沙「悠理」
悠理「何?」
亜里沙「また男らしいとこ見せたわね。やっぱり悠理はヒーローね」
悠理「いやぁ、そんな」
ニコル「悠理」
悠理「ニコル」
ニコル「俺は友情だなんて信じていない。だが、今回もお前に譲ってやる」
悠理「ニコル…」
拓哉「大和」
悠理「…?」
拓哉「亜里沙を助けてくれてありがとう。借りができちまったな」
悠理「………」
拓哉「俺もお前の友情を信じてみたくなったぜ。これからよろしくな、悠理」
悠理「ああ、拓哉‼」
亜里沙を無事に救出し、傷を負いながらもニコルの説得に成功した悠理。
男同士の友情が初めて芽生えた悠理は、怪我の功名という言葉を覚えたのだった。
【次回予告】
ナレーション:コーディー・スプリングマン
はじめまして、コーディー・スプリングマンです。コーディーとお呼び下さい。
不良グループとの一件を終えた大和悠理のクラスメイトたちは、立花直虎、そして何と、あの華園明日美嬢ともバッタリ出会うそうですぞ。
全く、世間は広いようで狭いものですな。
次回、宇宙創戦記XTENTION‼
【第56戦記 ターニング・ポイント】
と言うお話でございます。楽しみですな。




