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宇宙創戦記《うちゅうそうせんき》XTENTION《エクステンション》 本編  作者: ヒイロ・ユウ


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第54戦記 ドロップ・アウターズ

 悠理が美術室にたどり着くと、そこには優しく大人びたロングヘアーの美少女の部長がいた。




【天越学園】


美術部長「入部希望ですね。ここにサインアップして下さい」


悠理「ここにタッチするんですか?」


美術部長「そうですよ」


 悠理が電子名簿にサインアップすると、悠理の個人データが学園のサーバーに転送された。


美術部長「これで入部申請は完了です。明日から一緒に頑張りましょうね」


悠理「はい、よろしくお願いします‼︎」


 入部申請を済ませた悠理は帰宅の準備をして校舎を出た。


悠理「明日から楽しみだな。あれ…、ニコル…?」



不良A「銀髪、この前はコイツら可愛がってくれたそうだな⁉︎」


不良B「俠星なめんなよ、コラァ‼︎」


 校門の前でニコルは不良たちに絡まれていた。相手は入学初日に倒した不良たちの報復にやって来た、狭星高校だ。近くには3Kもいる。


ニコル「話があるなら、さっさと終わらせろ。俺は暇人に構っている余裕は無いんだ」


不良C「上等だコラァ‼︎ 来い‼︎」



悠理「ニコル…、行っちゃダメだ‼︎ あの人たち、俠星高校って言ってたな‼︎ どこだろう⁉︎」



動地「ん…? 悠理くん…?」


 ニコルが狭星高校の不良たちに連れて行かれるところを見た悠理は、あとをつけていった。



 その頃、杏花は女子水泳部で50m自由形の練習をしていた。ショートヘアーでスタイルのいい活発な部長がタイムを計っている。


杏花「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ………、ぷはぁっ………‼」


女子水泳部長「23秒‼ 記録更新ね‼」


杏花「ウソッ⁉ この前24秒を出したばかりなのに…⁉」


女子水泳部員A「すごい、杏花ちゃん‼」


女子水泳部員B「さすが地球代表‼」


女子水泳部長「杏花は期待の星だからね。GATE事変で強化合宿は延期になっちゃったけど、私も来年のオリンピックに期待してるわよ‼」


杏花(こんなにタイムが上がるなんて…。まさかこれも、バイオフィードバックシステムの影響…?)



 一方、萌は小百合と会話を、麻里奈は部活の勧誘を受けていた。


萌「小百合ちゃんは何か部活やってるの?」


小百合「わたくしは茶道部ですわ」


萌「茶道部?」


小百合「ええ。着物を着てお茶と和菓子をいただきながら、礼儀作法と和の心を学ぶのでございますよ」


萌「へぇ~、そうなんだ~」


 小百合の話に耳を傾けるも、萌の頭の中にはお茶と和菓子しかなかった。


小百合「萌様…、もしやお茶と和菓子が目当てで…」



野球部員「まり~な、野球部のマネージャーになってくれよ‼」


サッカー部員「いや、男臭い野球部よりも爽やかなサッカー部に‼」


バスケ部員「いやいや、長身イケメン率の高いバスケ部に‼」


昇太「ちょっと、待ったーー-‼」


 運動部員たちの前にオタクグループが割り込んだ。



松山「我がコンピューター部を差し置き、まり~なを勧誘するとは笑止千万なり‼」


竹原「まり~なは我らが姫になられるお方でござる‼」


梅澤「そのまり~なに雑用をさせるなど、女神を愚弄するも同然でごわす‼」


野球部員「出た、オタク軍団‼」


サッカー部員「雑用とは失礼だな‼」


バスケ部員「よーし、じゃんけんで決めようか⁉」


昇太「受けて立つとも‼」


 麻里奈をめぐって言い争いを始めた男子たちに、麻里奈は困り果ててしまった。



麻里奈「どうしようかの、十兵衛?」


十兵衛「麻里奈ノ、好キニスレバイインダゾ‼」



杏花「麻里奈、十兵衛ーー-‼」


運動部員たち「き、杏花ちゃん‼」



萌「みんなーー-‼」


昇太・松山・竹原・梅澤「も、萌ちゃん‼」


 麻里奈と十兵衛は、杏花と萌と合流した。



杏花「今部活が終わったの。みんなで一緒に帰る?」


昇太・松山・竹原・梅澤・運動部員たち「あの~みなさん…、このあと用事がなければ食事でも…」


杏花「そうね」


萌「いつかね」


昇太・松山・竹原・梅澤・運動部員たち「ありゃあ…⁉」



麻里奈「では皆の衆、また‼」


十兵衛「マタ明日、マタ明日‼」


 杏花たちは男子たちと解散し、帰宅を始めた。



杏花「そう言えば、悠理はもう帰ったのかな?」


麻里奈「たしか、美術部に入ると申しておったぞ」



男子生徒D「おい、さっきニコルソンが狭星高校の奴らに連れて行かれた‼ 大和もあとをつけていったぞ‼」



萌「ん…?」



男子生徒E「俺も見た、校舎に入っていくのを‼ 3Kも一緒だった‼」


男子生徒F「何でお前ら引き止めなかったんだよ‼」


男子生徒D「俺らに何ができるんだよ‼ 狭星高校の生徒は全員不良で、そのほとんどが日本全国に30万人の構成員を抱える暴走族「マッドエンペラー連合《れんごう》」のメンバーなんだぞ‼」


男子生徒E「それにニコルソンが手を出したから、奴らがその報復に来たらしいじゃないか‼ アイツだって悪いさ‼」



萌「ねぇ、悠理くんが何か巻き込まれてるみたいだよ」


杏花「また⁉ しょうがないわね‼」


麻里奈「十兵衛、狭星高校までナビを頼むでござる‼」


十兵衛「承知‼」



亜里沙「えっ、悠理が狭星高校に…⁉」


 男子たちの会話を聞いた杏花たちは狭星高校に向かった。だがその会話を、バレー部の練習が終わり帰宅途中であった亜里沙も聞いていた。



【狭星高校】


 ここは狭星高校。日本一の不良校の名に相応しく、毎年入学する生徒も全員不良で、不良の頂点を極めようと腕試しに来る者があとを絶たない。


 壁は落書きだらけで校内はゴミが散らかっており、所々窓ガラスが割れていたりと酷く荒んでいる。


 また、近くにはスラム街があり監督が行き届いておらず、学校でありながら半ば無法地帯と化している。


ニコル「さっきから言っているだろう、このブタ‼ 先に手を出したのはそいつらだ‼」


 ニコルは体育館で椅子に座りロープで手を縛り付けられ、不良たちに尋問を受けていた。3Kはそんなニコルを隅で見ながら煽っていた。



不良A「でもよ、コイツらはお前が先にやったと言ってんだぜ‼」


不良B「どうする気なんだ、コラァ‼」



加藤「ざまぁ見ろ」


小宮「オイラたちを殴った罰だ」


甲斐山田「ボコボコにやられて不細工な面にでもなりやがれ」



不良C「おい、竜二さんが来たぞ‼」


不良たち・3K「ええっ⁉」


 体育館に金髪のリーゼントの不良が入り、手をボキボキと鳴らしながらニコルに近づいた。この男の名前は「星川竜二《ほしかわりゅうじ》」。星龍會会長の星川辰夫の息子であり、狭星高校のNO.2にしてマッドエンペラー連合の副総長でもある。



不良たち・3K「ちわっス‼」


※星川竜二=以下、竜二と略。


竜二「そいつか…? 俺の舎弟をやった銀髪野郎は…⁉」


不良A「そうなんスよ‼」


不良B「ここは一発、竜二さんからガツーンとやっちゃって下さい‼」


竜二「ああ…。だがその前にテメェら、何で天越のガキになめられてんだぁ‼」


不良たち「あがはぁっ‼」


竜二「俺たちはなぁ、ケンカだけが取り柄のはみ出しモンなんだ‼ それがケンカでなめられたら、何もかもしめぇだろがコラァ‼」


不良たち「う、うあ、がはあぁぁぁ‼」


ニコル「フッ…、仲間割れか」


 竜二は失態をした狭星高校の不良たちを殴って床に倒すと、何度も足蹴にして制裁を加えた。その様子をニコルは冷めた目で見ていた。


竜二「3Kもそうだ‼ 何で俺がテメェらの尻拭いなんかしなきゃなんねぇんだ‼」


加藤「か、勘弁して下さい‼ 竜二さん‼」


小宮「お、オイラたちはただ………⁉ あっ、恭吾‼」


 甲斐山田は一人で体育館から逃げ出した。


加藤「恭吾の奴‼ また一人で逃げやがったな‼」


竜二「オラ、二人とも覚悟しろ‼」


加藤・小宮「うぐっ‼」



甲斐山田「俺は知らねぇ、知らねぇぞ‼」


悠理「ニコルはどこだ⁉」


甲斐山田「大和‼ そこをどきやがっ………、がはぁ…‼」


悠理「ん…?」


 悠理が振り向いた瞬間、カバンが甲斐山田の下半身に当たり、甲斐山田は気絶した。


悠理「体育館が騒がしいな、急ごう‼」



不良たち・3K「い…、いてぇ…‼」


竜二「狭星の面汚しどもがっ‼ さて銀髪、次はお前だ…‼ 狭星の看板に傷をつけた代償は高くつくぜ…‼」


 竜二はポケットに手を突っ込みながらニコルに顔を近づけた。


ニコル「近づけるな…」


竜二「何か言ったか?」


ニコル「それ以上、薄汚い顔を近づけるな‼ 般若‼」


竜二「この野郎、俺が気にしてる顔のことを‼ 二度と涼しい面ができなくしてやるぜ‼」


悠理「ニコル‼」


竜二「誰だ⁉」


 般若のような強面顔を気に留めている竜二は逆上し、ニコルを殴ろうとしたがその瞬間、体育館に悠理が現れた。




【モグバーガー】


 ここは「モグバーガー」。宇宙規模で展開している大人気ハンバーガーショップでつい最近日本に上陸し、新中野区にも新しく店舗ができた。拓哉たちは今そこに集まっている。


拓哉「うめぇな、モグビッグ‼」


陸翔「前から一度食ってみたかったんだよな‼」


浩樹「炭水化物は普段摂らないが、たまにはいいな」


玲「昇太とも久しぶりに集まったね」


昇太「最近はいつもオタク仲間と付き合ってたからね。今日は仲間も連れて来たよ」



松山「うむ、美味なり‼︎」


竹原「美味でござる‼︎」


梅澤「美味でごわす‼」



拓哉「そう言えば亜里沙はバレー部の…、あ…⁉ 亜里沙から電話だ‼」


亜里沙「もしもし、拓哉‼」


拓哉「亜里沙、俺たちは今モグバーガーに…」


亜里沙「悠理が狭星高校へ乗り込んだの‼」


拓哉たち「ええっ⁉」



亜里沙「ニコルが入学初日に狭星高校の不良と揉めて、その報復のためにニコルが連れて行かれたのよ‼ 悠理はニコルを助けようとしてるんだわ‼ お願い、助け………、はっ…⁉」


不良D「そこで何してんのかな~、お嬢ちゃん…‼」


不良E「へっへっへ…、俺たちと遊ぼうぜ‼」


亜里沙「拓哉…‼」


 狭星高校の校門前でひっそりと様子を伺っていた亜里沙は、不良たちに見つかりv Phoneを落とし、連れ去られてしまった。



拓哉「亜里沙‼ 亜里沙‼ 悪い、ちょっと行って来る‼」


 亜里沙の様子が心配になった拓哉は一人で狭星高校に向かった。



不良F「さすが芸能人御用達の天越、上玉が揃ってるぜ‼」


不良E「このまま犯っちまうか⁉」


亜里沙「離しなさいよ、この変人‼」


不良E「いってぇー--‼」


不良D「やりやがったな‼」


亜里沙「うっ…‼ い、嫌‼ 誰か、誰かぁー--‼」


 亜里沙は不良たちから逃げようと不良の一人の足を思い切り踏みつけたが、他の不良にビンタをされて倒され、両腕を抱えて連れて行かれた。



昇太「拓哉くん、大丈夫かな?」


玲「ちょっと心配ね。そう言えば私、中二まで違う中学だったからあまり知らないけど、拓哉って昔は不良だったの?」


浩樹「ああ。随分、真面目になったが、アイツは相当なワルだった」


陸翔「毎日のように不良や機甲ヤクザ、アウトロー集団とケンカに明け暮れて、機甲警察に補導されること100回の超問題児だったからな。俺も入学早々アイツとケンカになったぜ」


昇太「だけど、弱い者イジメが嫌いで友情を大切にするところは、昔と変わらないね。僕も最初は恐かったけど、3Kにいじめられていたところを助けてもらって仲良くなったしさ」


浩樹「それに拓哉と亜里沙は幼稚園からの幼馴染。拓哉が放っておくはずはないさ」


玲「そうなんだ…」


陸翔「さて、アイツ一人じゃ大変だろう。俺たちも行くか」


浩樹「ああ、玲と昇太たちは先に帰っててくれ」


玲「うん、気をつけてね‼」


 会話を終えると陸翔と浩樹は狭星高校に向かった。




【狭星高校】


ニコル「悠理…‼ 何故ここが分かった⁉」


悠理「君が連れて行かれるところを見ていたんだ‼」


竜二「何だ、あのガキ…⁉」


加藤「俺らとタメの大和悠理っス‼ そいつとつるんでやがるんス‼」


竜二「だったら、アイツも俺の敵だな…‼」


不良D「竜二さん‼」


 竜二が悠理に近づいた時、不良たちが亜里沙を連れて体育館に現れた。



悠理「亜里沙…⁉」


亜里沙「悠理、ニコル‼」


竜二「その女は誰だ⁉」


不良E「海堂亜里沙って言うらしいです」


不良F「コイツのv Phone調べてみたんスけど、北村拓哉の女みたいっスよ‼」


竜二「そいつは面白れぇ、その女を中に入れろ‼ 《《奴》》を引きずり出すんだ‼」


不良たち「へいっ‼」



 亜里沙を人質に取られてしまった悠理たち。


 一般人相手に不用意に《《力》》を使えない悠理は、どうやって亜里沙を取り戻すのか?


 拓哉と狭星高校の間には、どんな《《因縁》》があるのだろうか?




【次回予告】


ナレーション:総統《そうとう》X


  ……………………。……………………。


 ……………………。……………………。


 ………………………………………………………………。


 ……………………⁉︎


 次回、宇宙創戦記XTENTION‼


 【第55戦記 男の友情】


 ……………………。……………………。

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