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宇宙創戦記《うちゅうそうせんき》XTENTION《エクステンション》 本編  作者: ヒイロ・ユウ


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53/64

第52戦記 夜鬼羅刹《やきらせつ》

 創世兵士を相手に戦ったのはGトルーパーズや宇宙連邦政府軍だけではなく、ミアたち機甲十字軍も創世兵士と戦っていた。




【イスラエル エルサレム】


 エルサレムには、ネオ新宿区やネオ・ニューヨーク以上の数の創世兵士が現われていた。礼拝堂で人々が静かに祈る中、Dr.エビルとブラドスは、地響きを立てながら足並みを揃えて迫り来る創世兵士たちを見つめていた。二人の側にはガーンもいた。


神父「神よ…、我らに奇跡を…‼」



ガーン「世界の終焉のような光景だな」


Dr.エビル「普通の人間にとってはな…」


ブラドス「だが、我らにとっては《《序章の中の序章》》にすぎん…」


ガーン「ブラドス、Dr.エビル…、俺はそろそろ《《闇の子》》の様子を見てくる」


Dr.エビル「ああ…。まあ、13人衆が二人もいれば片付いている頃かもしれんがな…」


 会話を終えるとガーンは雷をまとって宙に浮き、飛び去って行った。


ブラドス「さて…、そろそろ片付けて帰るぞ…‼」


Dr.エビル「そうだな…‼」


 Dr.エビルとブラドスはオーラをまとって空中を浮遊し、迫りくる創世兵士たちに向かっていった。



創世兵士A「消エ去レ‼」


ブラドス「はあぁぁぁ‼」


創世兵士B「何ッ…⁉ 生身の人間ガ、《《魂ノ障壁》》ヲ‼」


ブラドス「波ぁぁぁー--‼」


創世兵士たち「グオォォォ‼」


 ブラドスは右手に持っていた杖でスピリットフィールドを身体全体に張りビームを無効化すると、杖から波動を放ち創世兵士たちを倒した。



創世兵士C「串刺シニシテヤル‼」


Dr.エビル「フッ…‼」


「バチバチィッ…‼」


 Dr.エビルは創世兵士の槍を左手で受け止めた。槍と掌の間には僅かに隙間ができており、プラズマが放出していた。


創世兵士C「何ダトッ…⁉」


Dr.エビル「ぬうぅぅぅんっ…‼」


創世兵士C「カ…、身体ガ…、グアァァァ‼」


 Dr.エビルは創世兵士の身体に念を送り、右手をグッと握りしめて内部から爆発させた。



男性住民A「何だあれは…⁉」


男性住民B「我らの祈りが届いたのか…⁉」


 住民たちはDr.エビルとブラドスが創世兵士たちを次々と倒していく様を、救世主の出現かと錯覚していた。



ブラドス「消え去るがいい…‼」


Dr.エビル「大宇宙の因果から…‼」


Dr.エビル・ブラドス「波ぁぁぁー----‼」


創世兵士たち「グオォォォォォ…‼ 人間ドモォォォ…‼


「ドオォォォォン‼」


ブラドス「片付いたな…」


Dr.エビル「ああ…、戻るぞ…」


 Dr.エビルは両掌から、ブラドスは杖から波動を放ち創世兵士たちを全て撃退した。遠くで創世兵士たちが爆発し何本も光の柱が立っているのを確認すると、二人は飛び去って行った。



女性住民A「あの光の柱は…‼」


神父「奇跡が起こったのですね…‼」


女性住民B「神様…‼ 我らをお救いいただきありがとうございます…‼」


 住民たちは光の柱と、EDEN'S GATEが閉じて魔光牙の大群が去っていく様子を見ると、両手を合わせて天に感謝した。




【ネパール 国境付近】


 ここはネパールとインドの国境付近。ここでは、ミアと雛菊が創世兵士たちと戦っていた。ミアはデア・シャッテン・ローゼに、雛菊は紫色を基調としたカラーリングの忍者をかたどった専用アーマード・ギア「藤影《ふじかげ》」に搭乗している。


雛菊「敵の数が多すぎる‼」


ミア「神聖な場所や歴史的建造物のある地域には多く出現していると聞くが、本当のようだな‼」


雛菊「この藤影もとい…、「藤《ふじ》」の力を見せてくれる‼」


ミア「いくぞ‼」



ガーン「第22機甲師団師団長《コマンデュール》、百地雛菊。隣は黒い凶星こと《《闇の子》》…。その実力、試させてもらうぞ…‼」


 ミアと雛菊が戦う様子を、ガーンは遠くから眺めていた。



雛菊「雛が先祖、百地丹波より受け継がれし伊賀流忍術と、科学技術を合わせた機甲忍術、ご覧あれ‼ 素粒子《そりゅうし》の舞《まい》‼︎」


創世兵士A「何ダ、コノ妙ナモノハ…⁉︎」


雛菊「機甲忍法、「熱遁《ねっとん》の術《じゅつ》」‼︎」


創世兵士B「凄マジイ業火ダ‼︎」


 雛菊は藤影の機体から素粒子を放出させると熱エネルギーを加え、燃え盛る炎を起こした。


雛菊「続いて‼︎ 機甲忍法、「電磁縛《でんじしば》り」‼︎」


創世兵士C「ウオォォォ…、ウ、動ケン…‼︎」


雛菊「まだまだ終わらぬぞ‼︎ プラズマ四方剣、散っ‼︎」


創世兵士D「クウゥ…、チョコマカト…‼︎」


雛菊「百地丹波よ…、雛に力を‼︎ 機忍刀「喰代《ほおじろ》」‼︎ 受けよ、「重粒子斬《じゅうりゅうしざん》」‼︎」


創世兵士たち「ウオォォォォォ…‼︎」


 雛菊は放出した粒子に磁気を加えて電磁パルスを発生させ、創世兵士たちの身動きを取れなくしたあと、多数のプラズマ手裏剣を投げつけた。

 そして忍刀、喰代を藤影の背部から取り出し重粒子を込め、重い斬撃で創世兵士たちの弱点を素早く斬りつけて倒していった。



ガーン「あれが機甲忍術…」



ミア「ムラマサブレード‼︎」


創世兵士E「アレハ…⁉︎」


創世兵士F「《《闇ノ子》》…‼︎」


ミア「十方明王陣《じっぽうみょうおうじん》‼︎」


創世兵士G「クソッ、円陣カラ抜ケラレンッ…‼︎」


ミア「斬り刻む‼︎ 「ヴァルツァー・グラオザーム」‼︎」


創世兵士たち「ナ…、何トイウ速サダ…‼︎」


 ミアは左手をかざしサンスクリット文字が描かれた円陣を出現させ、円陣の中に入った創世兵士たちの動きを封じた。

 そしてムラマサブレードに氣を込めて、目にも止まらぬ速さで円陣の中の創世兵士たちを何度も斬りつけて倒した。



ガーン「素晴らしい…」



「カッコいいじゃーん‼︎ 武士と忍者のコラボレーション♡」


雛菊「そなたは…⁉︎」


 ミアと雛菊の元へ一人の少女が現れた。この少女は十血将の一人で氷と雪を自在に操る「凍氷将《とうひょうしょう》アイ・スーノ」。

 マリンブルーの髪色と瞳をした小柄な少女で言動や容姿は幼いが、戦闘になれば冷血になる一面を持つ。



「スーノ、俺たちは遊びに来た訳じゃないぞ」


 続いて赤い髪色と瞳をした浅黒い肌のボーイッシュな少女が現れた。この少女は十血将の一人で炎とマグマを自在に操る「獄炎将《ごくえんしょう》エン・ドーラ」。

 長身でしっかりとした生真面目な少女ではあるが、好戦的でプライドが高い一面がある。


※以下二名、凍氷将アイ・スーノ=スーノ、獄炎将エン・ドーラ=ドーラと略。


スーノ「あ〜ん、ドラた〜~~ん♡」


ドーラ「こら…、くっつくな‼︎」


 ドーラは空中で飛んで抱きついてきたスーノを引き離した。



雛菊「十血将が二人…⁉︎」


ミア「助けを頼んだ覚えはないぞ」


スーノ「ぶーーーっ‼︎ つれないな〜、せっかく来てあげたのに…‼︎」


ドーラ「俺たちも好きで来ている訳じゃない。これはブラドス様の命だ」


ミア(私たちの監視役か、ブラドス…‼︎)


ドーラ「見ろ…‼︎」


 ドーラが指を指した方向には、地響きをたてながら足並みを揃えて歩いて来る創世兵士たちがいた。


雛菊「これではキリがない‼︎」


スーノ「じゃあ、手伝ってあげる‼︎ あたちがアイツらごと、この星ぜ〜〜〜んぶ永久凍土の星に変えてさ…♡」


ドーラ「はしゃぎすぎるな、スーノ‼︎ まあ俺が本気を出せば、この星をマグマが煮えたぎる灼熱の星に変え、奴らを全て焼き尽くすことも容易いがな…‼︎」


ミア「いいだろう…、頭数は多い方が有利だ」


 ミアたちはそれぞれ4つに分かれて創世兵士たちを迎え撃った。



創世兵士たち「小賢シイ小娘ドモガッ…‼︎」


スーノ「そんなこと言ってると…、後悔しちゃうよっ‼︎ えー--い、「大氷河期《グレイシャル・ピリオド」‼︎」


創世兵士「足ガ動カン…‼︎」


スーノ「み~んな氷像にしてあげるね‼ 「永久氷像《エターナル・スカルプチャー》」‼︎」


「カチコチ…‼」


スーノ「「氷砕剣《アイス・ブレイカー》」‼︎ いっくよーーー‼︎ 砕破《ブレイク》‼︎」


「パキィィィッン‼︎」


 スーノは両手で地面に冷気を送り込み大地を凍りつかせて創世兵士の動きを止めると、凍らせて氷像にした。そして氷の剣を出し、創世兵士たちを粉々に砕いた。



ドーラ「ここを焦熱地獄に変えてやる‼ 「炎熱獄地《えんねつごくち》‼︎」


創世兵士J「ウオォ…、大地カラ炎ガ‼︎」


ドーラ「火砕龍撃《かさいりゅうげき》‼︎」


創世兵士たち「ヨ…、鎧ガ溶ケル…‼︎」


ドーラ「燃え尽きろ‼︎ 「大炎突《だいえんとつ》」‼︎」


創世兵士たち「ウオォォォォォォ‼︎」


 ドーラは地面に手を当てて大地から火柱を何本も発生させると、龍の形をしたマグマで創世兵士たちを攻撃して溶かした。そして、両手で地面に熱エネルギーを送り込み巨大な火柱を起こし、創世兵士たちをまとめて焼き尽くした。



スーノ「ぶいっ♡ 見てくれた⁉︎」


ドーラ「これが十血将の力だ‼︎」


 創世兵士たちが爆発した光の柱を背に空中で、スーノは笑顔でVサインをし、ドーラは腕組みをして決めポーズを取った。


ミア「十血将…、得体の知れん力だ。だが、こちらも負けてはいられん‼」


雛菊「13人衆の力を思い知らせてくれる‼︎」



創世兵士たち「オォォォォォォ‼︎」


雛菊「機甲忍法、「光学分身《こうがくぶんしん》の術《じゅつ》」‼︎」


創世兵士H「ヨ…、《《依代》》ガイクツモ現レタ‼︎」


創世兵士I「ドレガ本物ダ…⁉︎」


雛菊「分身殺法、「胡蝶乱破斬《こちょうらっぱざん》」‼︎」


創世兵士たち「ミ…、見切レン…‼︎」


 雛菊は光学迷彩で藤影の分身をいくつも作り出し創世兵士たちを惑わせると、分身一つ一つから四方八方へ次々と喰代で斬撃を放ち、創世兵士たちを倒した。



創世兵士たち「人間ドモハ…、根絶ヤシダ‼」


ミア「まだ来るか…。仕方ない、少し《《死に花》》を咲かせようか…‼」


雛菊「ミア、そなた…⁉」



ドーラ「何をする気だ…?」


スーノ「どきどき…、わくわく…」



ガーン「この《《氣の高まり》》は…⁉」



ミア「リミッター解除、コード入力‼ システム「UNKNOWN《アンノウン》」、起動‼」


 ミアがリミッター解除のコードを入力すると、全モニターに「Z」、「E」、「N」と謎の文字が現れた。


ミア「アームパーツ、レッグパーツ、アーマーパーツ、脱着《パージ》‼ フルフェイス、オープン‼ ブリューテン・ブラット、満開‼」


 そして腕・足・全身のパーツが取り外されて軽装化され、顔の部分のマスクが外れた。さらには、背部のバーニアもパーツが取り外され紅い花びらのようになった。


ミア「デア・シャッテン・ローゼ…、フォラブリューテ‼‼‼」



雛菊「真紅の薔薇…‼」



スーノ「ちょっと恐いけど…」


ドーラ「強く美しい…‼」



ガーン「まさに夜叉を喰らう、夜鬼羅刹《やきらせつ》…‼」


 周囲の者たちは「デア・シャッテン・ローゼ・フォラブリューテ」に見惚れていた。紅く光るバーニアは満開の薔薇のようであり、軽装化されたシルエットは禍々しくも美しい羅刹女を彷彿させ、赤く光る月を背にして立っている姿はより一層、威圧感と強さを引き立てた。



ミア「この姿になった以上、殲滅するまで止まらんぞ‼ はあぁぁぁぁ‼」


創世兵士K「アレガ…、《《闇ノ子》》ノ《《真ノ姿》》カ…⁉」


ミア「曼荼羅両界斬《まんだらりょうかいざん》‼」


創世兵士たち「グオォォォ…‼」


 ミアはムラマサブレードに氣を込め横一文字に天を裂くような斬撃を放ち、多数の創世兵士たちを一刀両断した。


ミア「死に咲け‼ ローゼ・エッシェルング‼」


創世兵士たち「ウオォォォ…‼」


ミア「これで最後だ‼ 魔剣、「十方羅刹斬《じっぽうらせつざん》‼」


創世兵士たち「グアァァァ…‼ コレガ…、《《闇ノ子》》ノ力…‼」


 ミアはローゼ・エッシェルングで創世兵士たちの大部分を倒したあと、残りをまとめて十方羅刹斬で切り裂いて倒した。創世兵士たちが爆発した光の柱を背にし、モノアイを妖しく光らせたあと、デア・シャッテン・ローゼ・フォラブリューテはエネルギーを低下させた。



ミア「はぁ…、終わったか…‼」


雛菊「ああ…‼」


ミア・雛菊「13人衆の力、舐めるな‼」


 ミアと雛菊の二人は横に並び、ムラマサブレード・喰代を構えて立った。



スーノ「ヒューーー‼ やるじゃ~~~ん♡」


ドーラ「油断ならん奴だな」



ガーン「阿修羅の力に羅刹の殺気…‼ 見せてもらったぞ‼ 次は《《光の子》》か…」


 戦闘を終えたミアたち4人は帰還し、ガーンは新東京都へ向かった。



 互いに腹を探り合いながらも、一時的な同盟を組む機甲十字軍とブラディスト教団。


 この最強・最悪の軍団に立ち向かえる者たちはいるのか?


 そして、デア・シャッテン・ローゼに隠されていた《《力》》の正体は?




【次回予告】


ナレーション:ミケル・ダヴィデ


 ミケル・ダヴィデ少将です。以後、お見知りおきを。


 創世兵士の一件で、一時は世界が大パニックになったが何とか落ち着き、火曜日には学校も再開するそうだ。


 そして同時期に生徒会の会長も戻って来たらしい。


 あの美少年は一体何者なんだ…?


 次回、宇宙創戦記XTENTION‼


 【第53戦記 BOY MEETS BOY《ボーイミーツボーイ》】


 と言う話だそうだ。私も楽しみだ。

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