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宇宙創戦記《うちゅうそうせんき》XTENTION《エクステンション》 本編  作者: ヒイロ・ユウ


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52/64

第51戦記 燃える世界

 創世兵士と戦っていたのは、最終自衛隊だけではなかった。


 燃え盛る炎で焼かれる街、鳴り止まないサイレン、EDEN'S GATEから現れる魔光牙の大群。


 世界規模の災いに絶望する者、救世主の出現を祈る者、希望を捨てず戦う者、様々な人々の思惑が世界中で交錯していた。




【七賢星の間】


 創世兵士の出現により、七賢星は緊急で会合を行っていた。


ドルフ「世界中で創世兵士と言う、謎の巨人が現れているそうだが、状況はどうなっている?」


星衛隊兵「現在、日本で最初に確認されたのを皮切りに、アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、オーストラリア、エジプト…、など世界各国の主要都市で確認されています」


マルコフ「化け物め、人類を滅ぼす気か‼︎」


武光「落ち着くのだ、マルコフ。焦っていては何もはじまらん」


ラングランド「そうだ、今は創世兵士をどうするかだ」


ハリーマン「ならば私も出ましょう」


バート「ハリーマンか⁉︎」


 七賢星の間に、ハリーマンが現れた。隣にはレムルとシャルルもいた。


チャールストン「シャルル陛下‼︎」


ブラント「レムル皇妃も‼︎」


ドルフ「ハリーマン、勝算はあるのか?」


ハリーマン「ご心配なく。完成したばかりの「エンペリオン」の力をとくとご覧にいれましょう」


バート「シャルル陛下、貴方様も出撃されるおつもりで?」


シャルル「無論…」


武光「しかし、御身に万が一のことがあれば…」


シャルル「心配無用。守るべきは皇帝の玉座ではなく、世界の平和と民の命‼︎ そのためならば、某とて一介の兵士にもなる‼︎」


ラングランド「左様でございますか。陛下、くれぐれもお気をつけて。ハリーマン、頼んだぞ‼︎」


ハリーマン「お任せを。お前たち、すぐにアーセナル・スワン級で出るぞ‼︎」


政府軍兵A「はっ‼︎」




【フランス ネオ・パリ】


 花の都、ネオ・パリではリチャードやガイアソード隊所属の艦隊が戦っていた。


リチャード「化け物めっ‼︎ 俺様の故郷をこんなにしやがって‼︎ 許さねーぞ‼︎」


創世兵士A「ムウゥゥゥン‼」


リチャード「うわあぁぁぁ‼」


 リチャードはライトニング・プレインⅡを改修し、重装備化した「ライトニング・プレインⅢ《スリー》」で創世兵士に立ち向かっているが、一向にダメージを与えられていないようだった。


リチャード「何て硬い鎧だ‼ ライトニング・プレインⅢの武器が効かないとは‼」


タニア「大尉、あたしらもやりますよ。いくよ、お前たち‼」


ダン「新しい合体技ですね‼」


ロックト「やりましょう、隊長‼」


ガイアソード隊「おおおっ‼ ガイアスラッシュ・トリプルハリケーン‼」


 ガイアソード隊の三人はそれぞれガイアスラッシャーを投げ高速回転させて竜巻を起こし、その竜巻を創世兵士にぶつけた。



創世兵士A「オオオッ…‼」


リチャード「お前たち、いつの間に…⁉」


タニア「Gトルーパーズにやられたあとにですよ。ガイアスラッシャーを切り払うことはできても、竜巻は切り払うことができんでしょうからね」


リチャード「よーし、俺様も部下に手本をみせなきゃな‼ 食らえ、全弾発射だ‼ オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラオラ、オラ、オラ‼」


 リチャードは早とちりし、プラズマバルカン、プラズマレールキャノン、プラズマガトリングガン、プラズマホーミングミサイル、4連装プラズマランチャーを乱射した。


リチャード「ハハハハハ、どうだーー-‼」


創世兵士A「オオオッ…‼」


タニア「ん………? もしや? そうか、胸の発射口が弱点だね‼ お前たち、胸の発射口にプラズマライフルを撃ち込むんだよ‼」


ダン・ロックト「はい、隊長‼」


 創世兵士の弱点に気づいたガイアソード隊もリチャードに続いて攻撃を仕掛けた。



リチャード「こいつでトドメだ、ライトニング・スラッシュボンバー‼」


タニア「大尉、無茶は…‼」


リチャード「つ…、掴まれたか…‼」


創世兵士A「握リ潰シテクレルッ…‼」


リチャード「そうは…、させるかぁっ…‼ あれ…?」


創世兵士A「光ガッ…⁉︎」



「ドオォォォォォン‼︎」



 リチャードは誤って非常用自爆スイッチを押してしまい、機体は創世兵士ごと爆発したが、リチャードは間一髪、脱出に成功した。


リチャード「見たか、これが一撃離脱戦法の極意だ‼」



政府軍兵B「さすがはリチャードソン大尉‼」


政府軍艦長「ライトニング・ボルトの名は伊達ではないな‼」



ロックト「本当にあれが一撃離脱戦法なのか…?」


ダン「さぁな…」


タニア「いいじゃないのさ。勝ったんだからさ」


 将兵たちはリチャードを大いに褒め称えた。




【アメリカ合衆国 ネオ・ニューヨーク州】


 地球の最重要都市の一つで、ハイテク技術を結集したメガロポリス、ネオ・ニューヨークではアーサー率いる艦隊が戦っていた。だが、創世兵士の強さに業を煮やしたアーサーは核兵器の使用も辞さない態度であった。


コブロフ「ダグラス大将、もう一度お考え直しを‼」


オズマ「ネオ・ニューヨークは地球の最重要都市‼ 核の炎で燃やしてしまっては、世論の我々に対する見方が…‼」


アーサー「黙れ黙れ‼ 通常兵器が効かぬ相手に、これ以上どうしろと言うのだ‼

 メガロポリスの一つや二つ、再建など容易い‼」


政府軍兵C「しかし、創世兵士と戦っている友軍機は…⁉」


アーサー「この際、多少の犠牲もやむを得ん‼ SRBMと戦術核爆弾を用意だ‼ 創世兵士を殲滅しろ‼」 


政府軍兵C「はっ‼」


 アーサーが指揮を取る大型宇宙巡洋艦「クラウド・ギア級《きゅう》」では、部下たちがアーサーに核兵器を使わせまいと必死に諫めていたがそれも叶わず、SRBMの発射準備と爆撃ファイター・ギア「フライング・カーペット」による戦術核爆弾の投下が準備されようとしていた。


 その時、全身が金色に輝く巨大なアーマード・ギアがアーサーたちの前に現れた。



アーサー「あれは…、ハリーマンか⁉︎」


ハリーマン「ダグラス大将、核を使用するにはまだ早いのでは⁉」


 金色のアーマード・ギア、エンペリオンに乗っているのは、ハリーマンだった。皇帝のような王冠と装飾が施された華美なアーマード・ギアで、バイオフィードバックシステムやクアンタムエンジンを搭載し、コクピットの中も金色で操縦席は《《皇帝》》の玉座のようになっている。


アーサー「ハリーマン、貴様‼ 護衛任務はどうした⁉」


ハリーマン「少し心配になり援軍に駆けつけました。護衛でしたら、配下の者たちがついているのでご安心を」


アーサー「何が援軍だ‼ 護衛任務を放棄するなど、貴様それでもラングランド閣下の懐刀か⁉」


ハリーマン「放棄した訳ではありません。これは陛下の勅命でもあります」


アーサー「何…⁉」


ハリーマン「陛下は、あなたが強硬手段に出るのではないかと、懸念をされている。だから私に援軍を命じたのです。

 宇宙連邦政府の最高位である星帝陛下の命に従うのは道理ではありませんか?」


アーサー「くうぅぅぅ…‼」


ハリーマン「では、新型アーマード・ギア、エンペリオンの力をお見せしましょう‼」


 ハリーマンは創世兵士たちに向かっていった。



創世兵士B「アノ、金色ニ輝ク《《依代》》ハ…⁉」


創世兵士C「《《光ノ子》》…⁉」


創世兵士D「違ウ…‼ 《《神ノ力》》ハ感ジラレナイ…‼」



政府軍兵D「あれはエンペリオン‼」


政府軍兵E「ハリーマン特将だ‼ これなら勝てる‼」


 創世兵士たちはエンペリオンの金色に輝く姿を、一瞬ジェネバスターと見間違えてしまった。一方の宇宙連邦政府軍の兵士たちはハリーマンが来たことで士気が上がり、劣勢を巻き返し始めた。



ハリーマン「エンペリオンソード‼ はぁっ‼ たあぁっ‼」


創世兵士B「グオォォォ…‼」


 ハリーマンはロングソード状の「エンペリオンソード」で創世兵士を十文字に切り裂き倒した。その太刀筋にはバイオフィードバックシステムを通して、西洋剣術が反映されている。


創世兵士C「小癪ナ…‼ 消エ去レ‼」


 創世兵士は胸からビームを放ったが、エンペリオンはスピリットフィールドでそれを無効化した。


ハリーマン「その程度のビームは通用しない。ミサイル発射‼」


創世兵士C「オォォォォ…‼」


ハリーマン「弱点なら知っている、そこだっ‼」


創世兵士C「オ…、オォォォォ…‼」


 ハリーマンはエンペリオンの胸の部分から大型プラズマ巡航ミサイルを発射し、創世兵士の胸に当てたあと、エンペリオンソードで胸を一突きにして倒した。


創世兵士D「《《偽リノ光》》ヲ放ツ、愚カ者メ…‼ 死ネエェェェ‼」


「ガキィィィィン‼」


創世兵士D「何ダト…⁉」


ハリーマン「見よ、《《皇帝》》の威光を‼ プラズマジェノサイドキャノン、発射‼」


創世兵士D「ウオォォォォ、バカナ…‼」


 ハリーマンは巨大な盾「エンペリオンシールド」で創世兵士の槍を防いだあと、至近距離から二枚に重なった肩当てに内蔵された、シップ・ギアの主砲を上回る強力なビーム砲「プラズマジェノサイドキャノン」を計4門発射し、創世兵士を倒した。



オズマ「強い…‼」


コブロフ「これが、《《湯川》》の科学技術…‼」


ハリーマン「どうです? ダグラス大将…」


政府軍兵たち「やった、さすがはハリーマン特将だ‼」


アーサー(生意気な考古学者め…、いつか《《化けの皮》》を剥いでやる…‼)


 将兵たちはハリーマンを褒め称えたが、アーサーだけは腑に落ちない様子で、歯を食いしばり拳を握りしめていた。




【ソロモン諸島 ガダルカナル島】


 新太平洋の南側に位置するソロモン諸島のガダルカナル島では、レムルとシャルルが戦っていた。アーセナル・スワン級はハリーマンの腹心で、S.I.Aの長官も務める初老のアメリカ人の男性「コーディー・スプリングマン」中佐が指揮を取っている。


シャルル「レムル、よいのだぞ‼」


レムル「わたくしは、シャルル様の許嫁。生きるも死ぬも、ともにする覚悟でございます‼」


シャルル「レムル…。必ず生きて帰るぞ」


レムル「ええ…」


 レムルは女神をモチーフにした「イオーラ」、シャルルは全身クリスタルの可変機「クリティアス」で、創世兵士に立ち向かった。二機ともバイオフィードバックシステムが搭載されており、特殊な材質や構造でできている。



創世兵士たち「オォォォォォ…‼」


シャルル「ゆくぞ、レムル‼」


レムル「はい‼」


※コーディー・スプリングマン=以下、コーディーと略。


コーディー「我らも援護するぞ、メガプラズマキャノンを撃てー‼」



シャルル「クリティアス・ラピエル‼」


創世兵士E「ウオォォォォ…‼」


シャルル「輝き散れ‼︎ ダイヤモンド・クリスティア‼」


創世兵士E「コノ、《《依代》》ハ…⁉」


 シャルルはレイピア状の「クリティアス・ラピエル」で斬りつけたあと、翼の部分を広げて無数のダイヤモンドを放出し創世兵士を倒した。



レムル「撃ちます、火水女神二重奏《ツイン・レイ》‼」


創世兵士F「ウオォォォォ…‼」


レムル「星女神舞踊《アイオーラ・ビット》、お願いいたします‼」


創世兵士F「マサカ…⁉」


レムル「これで決めますわ‼ 日月女神波動《アマラ・マレーナ》‼」


創世兵士F「遠イ昔ニ…、見タ《《記憶》》ガ…‼」


 レムルは二重構造になったビーム銃で攻撃したあと、背部から追尾式ビームポッドを大量に射出し、断続的に攻撃した。

 最後は肩当てを開き胸の部分の光球にエネルギーを収束し、強力なエネルギー波を放出して創世兵士を倒した。


 創世兵士たちは何故か、イオーラとクリティアスに《《見覚えがある》》様子だった。


シャルル「終わったな、レムル…」


レムル「シャルル様…」


 戦闘を終え、見つめ合う二人のところにコーディーも駆けつけてきた。



コーディー「陛下、皇妃、お見事でございます」


シャルル「コーディー、他の状況はどうだ?」


コーディー「各地域で、創世兵士を撃退したとの知らせが出ております」


シャルル「分かった。戻ろう、レムル」


レムル「はい」



政府軍兵F「仲睦まじいお二方だ」


政府軍兵G「このまま幸せであればいいが、先はどうなるやら…」


コーディー(素晴らしい力だ‼ 特に皇妃には目を見張るものがある…‼)



 急激に戦力を増した宇宙連邦政府。


 政府との関係が今後どうなるかは、京都での会談が鍵を握ることになる。




【次回予告】


ナレーション:甲斐山田恭吾《かいやまだきょうご》


 よう、俺は甲斐山田だ‼ てめぇら、俺のバックには誰がついてると思ってやがる⁉


 宇宙連邦政府の方は上手くやったみたいだが、機甲十字軍とか言うのも上手くやったみたいだぜ‼


 え…⁉ そう言うお前は上手くやったのかって⁉


 バカ野郎‼ 逃げたに決まってんだろ‼


 次回、宇宙創戦記XTENTION‼


 【第52戦記 夜鬼羅刹《やきらせつ》】


 と言う話だぜ。楽しみにしねぇといじめるぞ‼

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