第45戦記 和平の使者
追い討ちをかけるように現れた、宇宙連邦政府軍の増援。
圧倒的な物量作戦の前に、最終自衛隊の面々も限界を見せ始めていた。
【ネオ新宿区 都心近郊】
悠理「見たことのない戦艦ばかりだ…‼︎」
明日美「特に真ん中はミカサ・グレートほどじゃないけど、大きいわね」
萌「また徳川とか言う人がよこしたのかな?」
福山「あの戦艦…、あれには見覚えがある」
レーチェル「そうなの?」
福山「あれは「オーラリオン級」…‼︎」
直虎「オーラリオン級って、第18独立艦隊「アル・スフィア」の旗艦じゃない‼︎」
麻里奈「アル・スフィア?」
杏花「直虎、アル・スフィアって一体何なの?」
直虎「宇宙連邦政府軍の特殊艦隊よ。一応軍に所属しているんだけど、独立部隊として独自の権限を持って行動ができるの。
艦隊の規模は他の宇宙連邦政府軍の艦隊よりも小さいけど、その分精鋭揃いで、アーマード・ギアなどの兵器も最新鋭のものが支給されているわ。
その強さは銀河規模の艦隊に匹敵すると言われている。正直、今の私たちじゃ厳しい」
杏花「だけど、相手がやる気ならとことんやってやるわ‼︎」
最終自衛隊へ徐々に迫り来るアル・スフィア。白色を基調としたカラーリングのオーラリオン級の周囲には、宇宙護衛艦「ガーディアン級」が複数、アル・スフィアの主力量産機「エル・ホーク」が多数展開していた。
オズマ「おお、アル・スフィアが来たか‼︎ アル・スフィアが来たからには、貴様らに勝ち目はない‼︎ 覚悟しろ‼︎」
オーラリオン級の艦橋には、二人の人物が立っていた。一人はオーラリオン級の艦長で、アル・スフィアの司令官を務めるイタリア人の男性「ミケル・ダヴィデ」大佐。
もう一人は紺色のパーマがかかった長髪をした、「紺青の弾丸」の二つ名を持つクールでハンサムな「ベガ星人」の男性「ブラウベレッタ・シャピーロ」特務少佐であった。
オズマ「ミケル大佐、助かりましたぞ‼︎ どうぞ、この反逆者どもに正義の鉄槌を‼︎」
※ミケル・ダヴィデ=以下、ミケルと略。
ミケル「いや、我々は戦いに来たのではない…」
オズマ「えっ…⁉︎」
ミケル「この場にいる宇宙連邦政府軍の全ての将校と兵士に次ぐ‼︎ 今すぐ交戦を中止し、撤退せよ‼︎」
オズマ「しかし、我々にはまだこやつらを拘束すると言う任務が‼︎」
ミケル「聞こえなかったのか⁉︎ 今すぐ交戦を中止し、撤退しろ‼︎ これは「宇宙連邦政府最高評議会《うちゅうれんぽうせいふさいこうひょうぎかい》」の議長、「ヨハンナ・アディヤ=ヴィルスマイアー」氏の命令でもある‼︎」
福山・レーチェル「…⁉︎」
直虎「最高評議会の議長が…⁉︎」
悠理「議長ってすごいの?」
萌「さぁ…」
杏花「二人とも世間のことには疎いのね」
麻里奈「宇宙連邦政府の中で二番目に偉いのでござるよ」
十兵衛「上手クマトメタナ、麻里奈‼︎」
明日美「ちなみに一番は、星帝陛下って言う皇帝なのよ」
ミケル「オズマ中佐、今すぐ停戦し撤退されよ‼︎ これ以上交戦を継続する意志があるのなら、鎮圧せよとの指令も我々は受けている‼︎」
オズマ「ぐぬぬ…、全軍撤退だ‼︎」
オズマ(フン…、議長を盾にいい気になりおって…‼︎)
オズマは渋々、自軍を撤退させた。
杏花「どうするの、直虎? 向こうは戦う気はないみたいだけど…」
直虎「とりあえず、取り合ってみるわ。
宇宙連邦政府軍、第18独立艦隊、アル・スフィアへ‼︎ こちら、新日本政府地球防衛省所属、最終自衛隊‼︎ 応答を願います‼︎」
ミケル「こちら、宇宙連邦政府軍、第18独立艦隊、アル・スフィア‼︎ 私はアル・スフィア司令、ミケル・ダヴィデ少将です‼︎」
※ブラウベレッタ・シャピーロ=以下、ベレッタと略。
ベレッタ「同じく、宇宙連邦政府軍、第18独立艦隊、アル・スフィア司令補佐、ブラウベレッタ・シャピーロ特務少佐です」
直虎「私は最終自衛隊司令、立花直虎少佐です‼︎ ご用件をお伺いいたします‼︎」
ミケル「今回私たちがお伺いしたのは、武力行使に対するお詫びと会談の申し出のためです。新日本政府の徳川一派と宇宙連邦政府の一部の者たちの独断だったとは言え、まずは此度の武力行使を深くお詫びいたします」
ベレッタ「私からもお詫びを申し上げます」
杏花「福山さんもいいけど、ブラウベレッタ特務少佐もなかなかいい男じゃん…♡」
明日美「ええ、ハンサムで大人な男性ね…♡」
悠理「へえ〜、二人ともああいう人が好きなんですね」
明日美「うふっ♡ 冗談よ、悠理くん♡ 私はかわいい男の子がタイプよ…♡」
麻里奈「だが、杏花姫は本気で見惚れておるようでござる…」
萌「確かに」
十兵衛「杏花ハ、惚レッポイト判明‼︎」
直虎「ご丁寧にありがとうございます。それで、私たちに会談とは?」
ミケル「議長があなたたちと直接、宇宙連邦政府の現状や今後のことなどについて、一度お話をしたいとおっしゃっています」
全員「ええっ⁉︎」
直虎「議長が私たちと…⁉︎」
ミケル「会談は一週間後、旧世界よりの日本の古都、京都で行われる予定です。いかがでしょう、立花司令?」
福山「ここは素直に会談に応じる方がよさそうだな」
レーチェル「そうね。下手に断って、これ以上敵を作るのも面倒だからね」
直虎「かしこまりました。会談の申し出に応じると、議長にもお伝え下さい」
ミケル「ご協力いただき、感謝いたします。議長にもそのようにお伝えいたします。なお、徳川一派とその周囲の者たちは議長の停戦命令により、しばらくの間は大人しくなると思いますのでご安心下さい」
ベレッタ「それともう一つ、今回の会談にはGトルーパーズの方々にもご出席いただきたい」
G・T「ええっ⁉︎」
悠理「僕たちがですか?」
ベレッタ「ええ、Gトルーパーズの活躍ぶりは議長の耳にも及んでおります。ですので是非一度、Gトルーパーズの面々にお会いしたいと議長はおっしゃっておりました」
麻里奈「拙者たちの勇名は、宇宙連邦政府の上層部にまで届いておったか」
ミケル「以上です。では一週間後、京都でお待ちしております」
直虎「こちらこそ。双方にとってよき場となることを願っております」
京都での会談の件を告げると、アル・スフィアは去って行った。
萌「京都かぁ〜。楽しみ」
麻里奈「かけぬけ隊の勇士たちにも、お土産を買って行こうぞ」
十兵衛「京都ト言エバ、和菓子ト、オ茶ダナ‼︎」
杏花「アンタたち、遊びに行くんじゃないのよ‼︎」
明日美「まだ、あの人たちが味方と決まった訳ではないからね」
悠理「京都か…、京都ってどんなところ何だろう?」
直虎「大丈夫かな? 今までこういうことは長官に任せっきりだったから、ちょっと不安だな…」
福山(議長がついに動き出したか…。俺もそろそろ《《潮時》》かな?)
アル・スフィアが去って行ったのを確認すると、最終自衛隊も帰還した。
【国会議事堂 本館】
一方、徳川たちはオズマのジェネバスター奪取失敗を聞きつけ、焦りを感じていた。
脇坂「徳川総理、オズマ中佐がジェネバスター奪取に失敗したそうです。何でもアル・スフィアの介入により阻止されたとか…」
徳川「フン、使えない駒め…‼︎ しかし、アル・スフィアが動いたとなると少々厄介だな。計画を練り直さなければ」
朽木「徳川総理、大変です‼︎」
徳川「何事だ⁉︎」
赤座「とにかく外をご覧下さい‼︎」
徳川たちが急いで外へ出てみると、国会前に10万人規模の反政府デモ隊が集結し、「徳川辞めろ!」、「軍閥解体反対!」、「真実を語れ!」と言った横断幕を掲げていた。
小川「徳川総理‼︎ 阿蘇部、富士山の辞任に不満を持った民衆たちが、反政府デモを起こしています‼︎」
デモ隊メンバーA「徳川ーーー‼︎ 俺たちはお前が総理大臣だなんて認めないぞーーー‼︎」
デモ隊メンバーB「何が完全平和主義国家だーーー‼︎ 宇宙連邦政府の犬に成り下がるのかーーー‼︎」
デモ隊メンバーC「徳川辞めろーーー‼︎」
デモ隊メンバーたち「辞めろ、辞めろ、辞めろ、辞めろ、辞めろ………‼︎」
小早川「徳川総理‼︎ このような事態になるなんて、秀憲は聞いていませんよ‼︎」
徳川「ええいっ、うろたえるな‼︎ まだ引き下がるのは早いわっ‼︎」
ハリーマン「全くですな…」
全員「おおっ、あなたは…⁉︎」
小早川「トルーパー特将ですね‼︎」
ハリーマン「《《その名前》》で私を呼ぶのはやめて頂こう…‼︎」
小早川「ひぃっ…‼︎」
小早川がハリーマンを《《トルーパー》》と呼ぶと、小早川は横目で睨まれ、一瞬すくみ上がった。
小早川「す、すみません…、ハリーマン特将…」
徳川「ハリーマン特将、ご覧の通り新日本政府では政権交代により反政府デモが発生し、ジェネバスター奪取もアル・スフィアの介入により滞っております。いかがなさいましょう?」
ハリーマン「議長が動いたとなると、少しやり辛い…。しばらくは手を引いて様子を見よう。私たちも一度、七賢星と会談をする必要があるな」
【ミカサ・グレート艦内】
ミカサ・グレート内に帰還したGトルーパーズと隊員たちは、艦内の様子を堪能しながら艦橋へ向かって歩いていた。
ミカサ・グレートは戦闘艦でありながらも長期的な航行も考慮した造りになっており、隊員たちの居住スペース以外にも様々な娯楽施設が設置されていた。
杏花「すごいじゃない、ミカサ・グレート。プールやジムがついてるのね」
麻里奈「カラオケやシアタールームもあるでござるよ」
萌「あそこの大きな部屋、図書館並みに本が揃えられてるね」
明日美「射撃場、ビリヤード、ダーツ、バーにレストラン…、多目的ホールまで」
十兵衛「マルデ、豪華宇宙客船ダナ‼︎」
悠理「この中にいるだけでも楽しめそうだね」
直虎「みんなー、お疲れー‼︎」
杏花「あっ、直虎‼︎」
艦橋にたどり着き、Gトルーパーズと隊員たちは直虎たちの元へ駆け寄った。
麻里奈「直虎殿、会談までの一週間の間はどうするでござるか?」
直虎「最初の緊急出動からドタバタ続きで忙しかったもんね。だからそれまでは休暇にするわ。その間、魔光牙が出て来たり、機甲十字軍が攻めて来たりイレギュラーなことがない限りわね」
十兵衛「休ミダ、休ミ‼︎」
悠理「ゆっくり休めるね‼︎」
杏花「明日からは土日で学校も休みだもんね。渚たちと思いっきり、遊んでこようっと‼︎」
麻里奈「拙者はミニライブの本番でござる。明日は「新横浜アリーナ」、明後日は「新代々木公園」で開催するでござるぞ‼︎」
萌「あたしは明日、生まれ変わったら超イケメンだった件について…。の新著イベントの打ち合わせ。明後日はフリーだから麻里奈ちゃんのミニライブでも観に行こうかな」
麻里奈「本当でござるか⁉︎」
杏花「私もよ。明後日のミニライブには渚たちと行く予定よ‼︎」
直虎「それじゃ、私たちも仕事を早く片付けて日曜日に観に行こうかしら⁉︎」
麻里奈「嬉しいでござる‼︎」
十兵衛「ヤッタナ、麻里奈‼︎」
悠理「みんなが行くなら、僕も行こうかな?」
レーチェル「華園さん、あなたは行かないの?」
明日美「いえ…、そうじゃないんですけれど…。主任…、ちょっと《《ご相談》》したいことがあるのですけれど、このあとお時間大丈夫ですか?」
レーチェル「ええ、いいわよ」
明日美「主任、ありがとうございます‼︎」
福山「さてと…、俺もボチボチ《《便乗》》させてもらおうかな…?」
一週間後に会談を控え、久しぶりの余暇を満喫しようと歓喜する隊員たちとGトルーパーズ。
そんな一同をよそ目に、愛用のサングラスをかけ直す仕草を見せる福山。
彼には何か、隠している《《秘密》》でもあるのか?
【次回予告】
ナレーション:花山院小百合
みなさま、ご機嫌麗しゅうて? わたくし、花山院小百合でございます‼︎
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは…、とそれはさておき、春と言えば恋の季節。
恋する乙女のみなさまのハートが、熱く華やかに燃え上がりますわよ‼︎ わたくしもそんな風に、恋をしてみたいですわ‼︎
ねぇ…、萌様…。
次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎
【第46戦記 恋せよ乙女たち‼︎】
と言うお話でございますわ。わたくしも楽しみにしてますわよ。




