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宇宙創戦記《うちゅうそうせんき》XTENTION《エクステンション》 本編  作者: ヒイロ・ユウ


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43/64

第42戦記 邂逅

 ニコルを止めようと声を上げる悠理。


 その意外な行動力に、全員が思わず彼に注目した。




【天越学園】


ニコル「悠理、俺を止める気か…?」


悠理「ニコル、何があったのかはよく分からないけど、暴力はダメだっ‼︎」


亜里沙「悠理…⁉︎」


ニコル「甘いな、悠理…。コイツらは暴力しか知らない、弱い者イジメだけが取り柄のゴミだ。お前や他の連中だって、コイツらの弱い者イジメにはウンザリしているんだろう⁉︎」


「ドコッ、ドコッ…‼︎」


3K・不良たち「うあぁっ…‼︎」


拓哉「お前、いい加減に‼︎」


ニコル「どいてろっ‼︎」


拓哉「うわっ‼︎」


浩樹・陸翔・玲「拓哉‼︎」


 ニコルは拓哉を振り払い、なおも3Kと上級生の不良たちを殴り蹴り続ける。



ニコル「それに、力を行使する資格があるのは、力を行使される覚悟がある者だけ…。ならばその力を行使しているコイツらも、行使される覚悟があってやっているんじゃないのか⁉︎」


悠理「ニコルの言うことにも一理ある。だけど…、どんなに強い力があっても、行き過ぎてしまえばそれは正義も信念もない、ただの暴力だ‼︎

 今の君は、そこにいる人たちと同じ暴力で弱い者イジメをしているだけじゃないか‼︎」


ニコル「………」


悠理「もし、まだ続けるつもりだと言うのなら…、僕が相手になってやる…‼︎」


全員「…⁉︎」


 普段は大人しい悠理の強気な一面に、周囲の者たちは驚きを隠せないでいた。



ニコル「ほう…、俺の相手をしてくれるのか…、面白い。だが…、お前が俺に勝てると思っているのか‼︎‼︎‼︎」


麻衣子「ニコルくん‼︎」


悠理「………⁉︎」


 ニコルは悠理のみぞおちに思い切りパンチを入れようとしたが、寸止めした。そして、互いに顔がすれ違った状態でニコルは囁いた。


ニコル「見ろ…、お前は何も抵抗できない…。抵抗しようとする気すら起きない…。そうやって敵になされるがまま…、お前は滅びる…‼︎

 が…、今回はお前に譲ってやる…、悠理…」


3K・不良たち「お…、覚えてやがれ‼︎」


 3Kと上級生の不良たちは逃げ出し、ニコルもどこかへ去って行った。



悠理「………⁉︎」


麻衣子「大和くん、頑張りましたね‼︎」


亜里沙「さすがはみんなのヒーロー、素敵よ‼︎」


悠理「あ…、ありがとう…。」


拓哉「おい、どう言う意味だよ⁉︎ コイツがヒーローって…⁉︎」


亜里沙「何でもないわ‼︎ さあ悠理、行きましょう‼︎」


悠理「ああ…、ちょっと‼︎」



拓哉「ん…?」


陸翔「どうしたんだ、亜里沙の奴…?」


浩樹「さあな…」


玲「二人の間に何かあったのかな…?」


 悠理と亜里沙の間柄に疑問を抱きながら、拓哉たちは二人を見つめていた。



「《《プロトY》》…、間違いない…。あとは…」




【新東京大学】


 昼食を終えた明日美たちがキャンパスへ戻って来ると、キャンパス内に人だかりができ、ざわついていた。


絵梨香「あの店、また行きたいね」


明日美「そうね、今度は………? あら…?」


ユリ「何か騒がしいよね、何があったんだろう?」



男子大学生A「今、ここにミア・沙羅・シュナイダーが来ているらしいぞ‼︎」


男子大学生B「あんな大物が何しに来るんだよ‼︎」


男子大学生C「映画の撮影か何かじゃないのか?」


女子大学生C「あっ⁉︎ ミアが来たわよ‼︎」


男子大学生たち「おおっ…、本物だ‼︎ すげぇ‼︎」



ミア「………」



 黒色のスパイスーツの衣装に身を包み、颯爽とモデル歩きで現れたミア。スペースハリウッドの映画のロケで新東大まで来ていたようだ。


 ピッタリと身体にフィットした衣装が、ミアのスタイルのよさをより引き立てている。



絵梨香「へぇ〜、WiWiで見るよりずっと綺麗…‼︎」


ユリ「私も本物を見るの初めて…‼︎ 背も高くてすごいスタイルね、特にくびれ…‼︎」」


明日美「ミアさん、私も直接会うのは初めてよ。ん………?」



女子大学生C「鼻筋の通った面長の綺麗な顔…‼︎」


女子大学生D「金髪でサラサラのストレートロングヘアー…‼︎」


女子大学生E「おまけにドイツ人と日本人のハーフ何だってね…‼︎」


女子大学生F「どれをとっても完璧と言うか何と言うか…、羨ましい…‼︎」


 女子大学生や男子大学生たちの視線がミアに一極集中し、そのクールな眼差しと、聡明さと強さが合わさった美貌とオーラに周囲の者は圧倒されていた。


 ただ、明日美だけは何故か不思議そうに見つめていた。



ミア「マネージャー、少し話をしたい相手がいる」


マネージャー「話したい相手?」


ミア「………‼︎」



ミア(見つけた…、明日美…‼︎)



マネージャー「ああ、ちょっと…、ミア‼︎」


絵梨香・ユリ「ええっ⁉︎ こっちまで来た‼︎」


 ミアはゆっくりと歩いて明日美の方へ近づいた。



ミア「「華《はな》のようなる若艶美《じゃくえんび》」がキャッチコピーの大人気グラビアアイドル、華園明日美だな…」


明日美「は…、はい、そうですけど…?」


ミア「《《ここで》》会うのは初めてだな…」


明日美「ええ、そうですね」


ミア「「ミス・オールユニヴァース」は知っているだろう?」


明日美「ええ、宇宙中から一流の美女が集まる、美の頂点を目指す祭典ですね。それが、何か…?」


ミア「私はそれに出る。だからお前も出ろ」


明日美「えっ…⁉︎ でも…、急に言われても…」


ミア「私はお前をグラビア雑誌で一目見た時から、運命を感じていた。そう、《《イイ女同士》》の宿命のライバルのようなな…」


明日美「………」


ミア「それに、今年のコンテストもあの「宇宙のセックスシンボル」と呼ばれる「マリリン・オブ・ジョイトイ」が出るそうだ。彼女はお前の憧れでもあるのだろう?」


明日美「マリリンさんが…⁉︎」


ミア「まあ、すぐに返答をくれとは言わん…。《《女の勝負》》ができるのを楽しみにしているぞ…、明日美…」


明日美「ええ………、…⁉︎」


 ミアがミス・オールユニヴァースのことを伝えて後ろを振り向き、映画スタッフたちの元へ戻ろうとした時だった。



明日美(後ろを振り向いた時の…、風になびく髪…。それに、強さと美しさと哀愁を感じさせる目…、後ろ姿………)



 明日美は、黒い凶星と初めて戦った時のことを思い出していた。


 黒い凶星のヘルメットを切り裂いた時にほんの一瞬だけ見えた、風に美しくなびく金髪のロングヘアー。

 戦場でも女であることを忘れない、しっかりとメイクもケアもされた美しい顔。

 そして、強さと美しさの中に哀愁を感じさせる眼差しと後ろ姿。


 もしや黒い凶星の正体は彼女では? と、そんな疑念が明日美の中を駆け巡った。



絵梨香「明日美、すごいじゃない‼︎ 尊敬しちゃう‼︎」


ユリ「大人気ファッションモデルで、今やスペースハリウッドのスターでもある、ミア・沙羅・シュナイダーに挑戦状を叩きつけられるなんて、これからがますます楽しみよね‼︎」


明日美「そうね、私もミス・オールユニヴァースに出てみようかしら…⁉︎」


明日美(まさか、ミアさんが黒い凶星…? 考えすぎかな…?)



マネージャー「師団長《コマンデュール》、新東大のサーバーのデータの入手は済ませたぜ…」


スタッフ「師団長《コマンデュール》、こっちも工作はOKだ…。新東大をロケ地に推薦した甲斐があったな…」


ミア「ああ、ご苦労…」


 なんと、スペースハリウッドのスタッフの中に、ハーケンローゼスの隊員がスパイで紛れ込んでいた。


マネージャー「しかし、よかったのかよ? 華園明日美をここで逃して…」


スタッフ「そうだぜ、バスターシリーズとジェネバスターも、ついでに手に入れるチャンスだってのに…」


ミア「私たちの任務は情報の入手と接触だ…。それ以外は指令を受けていない。余計な口出しはするな…」


マネージャー・スタッフ「ああ、すまねぇ…」


映画監督「おーい‼︎ そろそろ次のロケ地へ行くぞー‼︎」


ミア「すぐ行く‼︎」


ミア(待っているぞ…、明日美‼︎)


 ミアは再度、振り向いて明日美の方を見ると新東京大学をあとにした。




【天越学園】


 ニコルの騒動の一件も終わり、学園内は再びいつも通りに戻った。


小宮「いてて…」


甲斐山田「許さねぇぞ、銀髪…‼︎」


加藤「ああ、俠星高校の先輩方に頼んで…、おわっと…‼︎」


昇太「ああ…、ゴメン加藤くん‼︎」


加藤「気ぃつけろ、オタクども‼︎」


昇太・松山・竹原・梅澤「ヒィィィッ‼︎」


 虫の居処が悪い3Kは昇太たちに当たり散らした。



拓哉「フンフ〜ン♪」


玲「拓哉、何聴いてるの?」


拓哉「「Bad Prisoner《バッドプリズナー》」だよ‼︎」


陸翔「拓哉がバンド始めるきっかけになったバンドだよな」


拓哉「このアルバム、レア物なんだぜ‼︎」


浩樹「今聴いているのは、代表曲の「Prison Blood《プリズンブラッド》か…」


亜里沙「私も昔は好きだったわ、でも…」


拓哉「そうだな…、俺はギタリストの「テッド・プリズマン」に憧れてバンドを始めたのに、テッドは過激派の反宇宙連邦政府デモ隊に加わって逮捕。今じゃこのアルバムも販売中止で、オークションで高値で取引される有様さ…」


 拓哉たちは大人気ヘヴィメタルロックバンド、Bad Prisonerの話で盛り上がっていたが、ギタリストの逮捕でバンドが解散し楽曲が販売中止となったことを思い出し、少し意気消沈していた。



渚「ねぇねぇ、これ知ってる?」


麻里奈「ほう、「DEEP KISS《ディープキス》」でござるか」


杏花「DEEP KISS? 私、クラシック以外は聴かないからよく分からないわ」


朱音「今、流行りの宇宙的大人気のヴィジュアル系バンドなのよ‼︎」


恵美子「ボーカルの「デヴィッド・ヴェイン・ヴィシャス」の、うっとりするような甘く妖しい歌声がたまらないんだから…‼︎」


十兵衛「杏花、コノ「DEEP BLACK《ディープブラック》」ト言ウ曲ハ、今朝ノオリコンデ、1位ダッタンダゾ‼︎」


杏花「へぇ〜、そうなの? ちょっと聴かせて」



「……………♪」



杏花「いい曲じゃない‼︎」


麻里奈「いつ聴いても魅惑的でござる」


十兵衛「イイ曲、イイ曲‼︎」


渚・朱音・恵美子「でしょ、でしょ⁉︎」


 杏花はDEEP KISSと言うヴィジュアル系バンドの曲を友人に勧められて聴いた。とても気に入ったようだ。



 一方の萌は、小百合と図書室で本を読んでいた。


萌「死海文書《しかいもんじょ》、創世記《そうせいき》、竹内文書《たけうちもんじょ》?」


小百合「こういった本は、普段お読みになられません?」


萌「そうだね、三島由紀夫《みしまゆきお》や太宰治《だざいおさむ》、芥川龍之介《あくたがわりゅうのすけ》とかの小説がメインで、歴史や伝説の本はあまり…」


小百合「そうなのですね。萌様、最近ライトノベルも執筆されていらっしゃいますよね?」


萌「うん」


小百合「でしたら、こういう本も読まれると、素晴らしいアイデアや発想が閃かれると思いますよ」


萌「じゃあちょっと読んでみようかな。オススメはどれ?」


小百合「そうですね、まずは死海文書なんてどうでしょう?」


萌「え〜と、なになに………」


 萌が死海文書について書かれた本を読もうとした時、緊急回線が入った。


萌「え〜、こんな時に?」


直虎「みんな、徳川の手の者が現れたわ‼︎ きっと次こそはバスターシリーズとジェネバスターに王手をかけるつもりよ‼︎」


G・T「了解《ラジャ》‼︎」


萌「ちょっと、用事ができちゃった。先に行くね〜」


小百合「ええ、お気をつけて…。うふふ…」



悠理「あ…、ごめん。ちょっと…」


ニコル「どうした、悠理?」


悠理「その…」


ニコル「用事があるのだろう?」


悠理「どうして分かるの…⁉︎」


ニコル「今は忙しいと顔に書いてある。お前がどこへ行って何をするのかは知らんがな…」


悠理「……。」


ニコル「早く行ったらどうだ」


悠理「うん、じゃあまた‼︎」


ニコル「………。フン…」



 Gトルーパーズと隊員たちは出動した。


G・T「最終決戦部隊、Gトルーパーズ‼︎ ここに見参‼︎」



 バスターシリーズとジェネバスターの奪取のため、再び現れた宇宙連邦政府軍。


 徳川は、一体どんな罠を用意して待ち伏せているのか?




【次回予告】


ナレーション:ゴルド・シャンドラー


 ……………………。……………………。


 ……………………。……………………。


 ………………………………………………………………。


 ……………………⁉︎


 次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎


 【第43戦記 出航‼︎ 最終防衛戦艦ミカサ・グレート‼︎】


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