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宇宙創戦記《うちゅうそうせんき》XTENTION《エクステンション》 本編  作者: ヒイロ・ユウ


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42/64

第41戦記 謎の新入生たち

 富士山が辞任した翌日、悠理たちがいつも通り天越学園へ登校している頃、通学路には不良たちがたむろしていた。




【新中野区 天越学園近辺】


不良たち「ヘッヘッヘ…」



男子生徒A「見ろよ…。「俠星高校《きょうせいこうこう》」の奴らだ…‼︎」


男子生徒B「日本でもトップクラスの不良校だ…。早く行こうぜ…‼︎」



女子生徒A「やだ…、俠星高校の不良よ…‼︎」


女子生徒B「こわ〜い…‼︎」


女子生徒C「朝からたむろしないで欲しいわね…‼︎」



 天越学園の生徒たちが恐れて避ける中、一人の小柄な《《男子生徒》》が近くを通った。


男子生徒「………」


「ドンッ…」


不良A「おい…‼︎ 今、わざとぶつかったな…⁉︎」


不良B「その制服…、天越学園だな? ついてないなぁ、チビ。ここは天下の俠星高校の領土なんだよ‼︎」


不良C「俺たちの領土に足を踏み入れたからには、通行料を払ってもらうぜ‼︎」


男子生徒「………」


 《《男子生徒》》は無視して通り過ぎて行った。


不良B「おい、無視すんのかよ⁉︎」


男子生徒「目障りなクズめ…」


不良C「ああっ⁉︎ 何だと…⁉︎」


男子生徒「聞こえなかったのか…? クズだと言ったんだ」


不良A「野郎っ‼︎ みんな、やっちまえ‼︎」


男子生徒「………」


「バキィィィッ…‼︎」


不良たち「ぐあぁぁぁ…、う…、腕が…‼︎ 足がぁ…‼︎」


男子生徒「命があるだけでも、ありがたいと思え…」


 《《男子生徒》》は不良たちを一瞬で倒すと、そのまま天越学園へ登校した。




【天越学園】


 天越学園にまた新入生が二人入った。入学式を終えると二人はそれぞれ、悠理のクラス、萌のクラスに編入された。


麻衣子「今日から1年B組のクラスメイトになる「ニコルソン・リューゲン」くんです‼︎」


※ニコルソン・リューゲン=以下、ニコルと略。


ニコル「よろしく…」


「パチ、パチ、パチ、パチ…‼︎」


 ニコルは無愛想に挨拶をした。体格は小柄で、銀色の長めのショートヘアで切れ長の鋭い目をした彼はミステリアスな雰囲気を醸し出し、近寄り難いイメージはあるが端正な顔立ちをしており、女子生徒たちの視線を密かに集めていた。


 席は悠理の真後ろだった。


拓哉「何だアイツ…?」


陸翔「ちょっと感じ悪いよな」


浩樹「得体の知れん奴だ」


亜里沙「ちょっと近寄り難いわね」


玲「へぇ〜、イケメンじゃない」


昇太「彼もオタクだといいなぁ」


 ニコルが席に着くと、悠理は後ろを向いて挨拶をした。


悠理「あ…、あの」


ニコル「何だ?」


悠理「僕は大和悠理。よろしく、ニコルソンくん」


ニコル「ニコルでいい…、悠理」


悠理「よろしく、ニコル」


ニコル「………」



 一方1年D組では、一人の女子生徒が新たに編入した。


田中「え〜、彼女が新入生の「花山院小百合《かざんいんさゆり》」さんです」


※花山院小百合=以下、小百合と略。


小百合「みなさま、はじめまして。わたくし、名を花山院小百合と申します。以後、お見知りおきを」


「パチ、パチ、パチ、パチ…‼︎」


 小百合は上品な言葉遣いで挨拶をした。艶やかな黒色の髪をし、前髪を綺麗に切り揃えたロングヘアーの彼女は、大和撫子とでも呼ぶべき上品な佇まいをした、思わず二度見するほどの日本人の美少女であった。


 さらに華園財閥にも引けを取らぬ大財閥「花山院《かざんいん》コンツェルン」の令嬢ということもあり、クラスの視線は一気に彼女に集まった。


 身長は萌より二回り高く、席は萌の左隣だった。



小百合「あら…、あの有名な大人気若手小説家の雪月萌様ですわね? テレビで見るよりずっと可憐‼︎ お会いできて光栄ですわ‼︎」


萌「そう…?」


小百合「ええ…、わたくし、萌様の著書を全て読破するほどの大ファンですもの‼︎ これからよろしくお願いしますね‼︎」


萌「よろしく」


 小百合は萌に親しげに声をかけてニッコリと微笑んだ。



 休み時間、いつものように杏花・麻里奈・萌の三人に群がる生徒たちもいたが、一部の生徒たちはニコルと小百合の話題で持ちきりだった。


男子生徒C「まさか、花山院コンツェルンのお嬢様までこの学園に来るなんてよ‼︎」


男子生徒D「前の三人にも引けを取らない大物で上玉だぜ」


男子生徒E「どうなってんだ、この学校は…?」


男子生徒たち「小百合様ーーー‼︎」


小百合「あら、みなさま。ご機嫌麗しゅうて?」


男子生徒たち「はい。麗しゅうございます‼︎」


小百合「そう…、それはよかったですわね。ではわたくし、これから用事がありますので」


男子生徒たち「えええっ…⁉︎」



女子生徒D「ねぇ、ニコルくんってちょっと近寄り難い感じだけど、クールでハンサムでカッコよくない⁉︎」


女子生徒E「分かる〜。女子と目線が同じぐらい小柄だけど、何かミステリアスで素敵よね。彼ってどこから来た人なのかな?」


女子生徒F「私、ちょっと彼に話しかけてみようっと。ねぇねぇ、ニコルくん‼︎」


ニコル「何だ…?」


女子生徒F「ニコルくんって、出身はどこなの? 趣味とか特技は?」


ニコル「それを聞いてどうする…?」


女子生徒F「いや…、別にどうって訳じゃ…」


ニコル「大した用事がないなら、俺に話しかけるな…」


女子生徒F「ちぇっ…、冷た〜い…」



杏花「あの二人のおかげで、少しは休み時間が取れそうね」


麻里奈「そうでござるな」



昇太・オタクたち「まり〜〜〜な〜〜〜‼︎」



十兵衛「麻里奈、誰カ来ルゾ‼︎」


麻里奈「何者‼︎」


昇太「やっと来れたよ…。まり〜な、秋葉昇太だよ‼︎」


麻里奈「秋葉昇太⁉︎」


杏花「アンタ、知り合いなの?」


昇太「や、やだなぁ…、僕たちライブやイベントで何度も会ってるじゃないか…」


麻里奈「う〜〜〜ん………、すまぬ…。何故ファンの者たちが多すぎるため、覚えておらぬ…」


昇太・松山・竹原・梅澤「えええっ…⁉︎ そんなぁ…」



「ミス・杏花に、ミス・麻里奈…、フィーリングはいかがかな…?」



杏花・麻里奈「…?」



 杏花と麻里奈のところへ三年生の男子生徒が現れた。この男の名前は「大河内輝彦《おおこうちてるひこ》」。華園財閥や花山院コンツェルンほどではないが、有名な財閥の一つ「大河内《おおこうち》グループ」の御曹司だ。


 彼は生徒会の副会長で《《諸事情で不在》》の会長の代理も務めており、キザでナルシストなイケメンの彼は学園内にファンクラブができるほど女子生徒から人気がある。周囲には取り巻きの男子生徒と女子生徒がいた。


※大河内輝彦=以下、大河内と略。


大河内「僕は大河内輝彦。この天越アカデミー生徒会の副会長兼、会長代理さ」


親衛隊男子たち「おお〜〜〜、我らが大河内様‼︎」


親衛隊女子たち「キャーーー♡ 大河内様ーーー♡ 素敵ーーー♡」



杏花「誰?」


渚「3年A組の大河内輝彦さん。それと「大河内親衛隊《おおこうちしんえいたい》」よ‼︎」


麻里奈「あの大河内グループとはのう…」


十兵衛「コノ前、撮影シタドラマノ、スポンサーダッタナ‼︎」


杏花「何よ、アンタ? 馴れ馴れしい」


 杏花が大河内を突き放そうとすると、大河内親衛隊の女子生徒たちが近づいて来た。


親衛隊女子A「馴れ馴れしいとは何よ⁉︎」


親衛隊女子B「大河内様に失礼よ‼︎」


親衛隊女子C「それともアンタ、有名人のくせに大河内グループも知らない訳⁉︎」


杏花「知ってるわよ。で、私たちに何の用?」


十兵衛「何用カ、何用カ‼︎」


大河内「ユーたち、それから1年D組のミス・萌のことが、入学してきた時から気になっていてね。是非一度、大河内グループが所有する宇宙ステーションでエレガントなモーメントをどうかなと思ったんだ。


 超一流のアーティストたちのミュージックに合わせて流れるスターダストを眺めながらの、大河内グループ専属の超一流のシェフたちが作る料理は最高さ‼︎」


麻里奈「ふむ…、楽しそうでござるな」


十兵衛「小生タチモ、宇宙ニハ何度モ、行ッテハイルガ」



杏花「お断りよ‼︎」



大河内・大河内親衛隊「ええっ…⁉︎」


杏花「私、アンタみたいな男、タイプじゃないわ‼︎ それに私は今、好きな人がいるの‼︎ じゃあね…」


大河内「な…、な…、何と〜〜〜っ…‼︎」


大河内親衛隊「大河内様〜〜〜‼︎」


 大河内はショックで床に両手をついた。



朱音「杏花ちゃん…、はっきり言うね…」


杏花「ああいうのはハッキリ断らなきゃ。勘違いさせるのも悪いじゃん?」


十兵衛「ヨクナイ、ヨクナイ‼︎」


麻里奈「学校でも杏花姫の杏花節が炸裂しておるのぉ」


恵美子「で、杏花ちゃんの好きな人ってどんな人なの⁉︎」


杏花「聞いてくれる? それがさ、イケメン俳優みたいでね♡………」



大河内「こ…、この僕のラヴ・キャプティヴにならないレディーがいるなんて…、初めてだ…‼︎ 僕はあきらめないぞ…‼︎」



 一方の悠理は、クラスで初めてできた友人の亜里沙と会話をしていた。


亜里沙「悠理、最終自衛隊は順調?」


悠理「まあね」


亜里沙「そう。私はね、中学校から引き続きでバレー部に入ってるの。悠理は何か部活やらないの?」


悠理「部活かぁ…、部活って何をすればいいのかな」


亜里沙「好きなことをすればいいのよ。趣味とかね」


悠理「趣味…、ん…? 何か向こうの方が騒がしいね」


亜里沙「行ってみようか」



男子生徒F「おい、新入生のニコルソンが‼︎」


男子生徒G「大和に続いてまた入学早々かよ‼︎」


男子生徒H「でも先に仕掛けたのは「3K《さんケー》」だぜ‼︎」



 悠理と亜里沙は騒ぎのするところへ向かった。どうやら誰かケンカをしている様子だった。


亜里沙「みんな、何があったの?」


玲「ニコルくんが、不良たちとケンカしてるの‼︎」


亜里沙「ええっ⁉︎」



陸翔「止めろ、ニコル‼︎」


浩樹「それ以上やったら退学だぞ‼︎」


ニコル「………」


 ニコルは天越学園の不良たちとケンカをし、一方的に痛めつけていた。不良たちの中には、1年C組の通称3Kと呼ばれる三人組の不良もいた。


 3Kのメンバーはそれぞれ、


 刈り上げた金髪をして目つきが悪く、3Kのリーダーでケンカは弱いが弱者相手に虚勢を張りたがる「加藤晃平《かとうこうへい》」


 小柄なスキンヘッドで、身長が低いことをコンプレックスにしている小心者な「小宮圭佑《こみやけいすけ》」


 長身で陰湿な弱い者イジメを行なっており、顔がコンプレックスで自分よりも弱そうで顔がいい男子生徒に嫉妬して、執拗なイジメのターゲットにする「甲斐山田恭吾《かいやまだきょうご》」


 以上の三人である。


 彼らは中学時代から拓哉たち6人とも同じ中学の顔見知りで、3Kは彼らの名前のイニシャルとともに「KIMOI=キモイし、KITANAI=汚いから、KOTTIKURUNA=こっち来るな」と皮肉を込めて付けられたあだ名である。


※以下三名、加藤晃平=加藤、小宮圭佑=小宮、甲斐山田恭吾=甲斐山田と略。


不良D「い、いてぇ…‼︎ チビ野郎…‼︎」


加藤「せ、先輩‼︎ 大丈夫っすか⁉︎」


小宮「し…、新入生…‼︎ オイラたちをこんな目に遭わせてただで済むと思うな‼︎」


甲斐山田「そうだ‼︎ 俺たちのバックには俠星高校がついてるんだぞ‼︎」


ニコル「お前たちが妙な言いがかりをつけるからだろう? 俺が一人でゆっくりと寛いでいるところになっ…‼︎」


「ドコッ、ドコッ…‼︎」


3K・不良たち「ぐああぁっ…‼︎」


 一人の時間を邪魔された怒りでニコルは不良たちをさらに蹴り続けた。


亜里沙「ちょっと、やりすぎよ‼︎ ニコルくん‼︎」


拓哉「そうだぞ‼︎ 3K、お前らも下がれ‼︎」


 そこへ麻衣子や他の教師も駆けつけてニコルを止めに入った。


麻衣子「ニコルくん、止めて下さい‼︎」


三村「止めるんだ、リューゲン‼︎」


田中「リューゲン、早くやめなさ…‼︎」


ニコル「どけっ‼︎ 邪魔だっ‼︎」


「ドンッ‼︎」


男性教師たち「うおあっ‼︎」


三村「く…、何て力だ…‼︎」


 ニコルは屈強な体格の三村や他の男性教師たちを突き飛ばした。一向に収拾がつかず、周囲の者たちが困り果てていたその時。



悠理「ニコル‼︎」



ニコル「…⁉︎」



全員「………⁉︎」



 悠理の一声でニコルはピタッと止まった。



「あれはもしや…、《《実験体》》…?」



 はたして悠理は、ニコルを止められるのか?


 そして集団を影から覗く一人の人物。この人物は一体何者なのか?




【次回予告】


ナレーション:張豪飛《ちょうごうひ》


 私の名は張豪飛‼︎ そこの強者よ、この私がお相手をいたそう‼︎


 次はミアが新東京大学へ潜入し、ついに華園明日美と接触を試みるそうだ。ミア、上手くやるのだぞ‼︎


 そして、波動氣神ジェネバスター、一度手合わせ願いたいものよ‼︎


 次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎


 【第42戦記 邂逅】


 と言う話らしい。どれほどのものか楽しみだ‼︎

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