第40戦記 結集‼︎ ハーケンローゼス13人衆‼︎
徳川の奸計によって阿蘇部に続き、富士山までが辞任に追い込まれ、最終自衛隊は宇宙連邦政府と今後戦っていくことを余儀なくされた。
だが、脅威はそれだけではない。
機甲十字軍もまた《《目的》》のために戦力を結集させつつあった。
【監獄惑星バシリア】
ここは「監獄惑星バシリア」。岩石だらけの殺風景な無人惑星に広大な刑務所や留置所が建てられた惑星で、宇宙連邦政府の管理下にあり、独房には宇宙を震撼させた名だたる凶悪な犯罪者たちが収監されている。
警備艦隊が常時駐留しており、惑星周辺には星間雲や暗礁宙域が広範囲に渡って広がり、非常に視界が悪く危険な位置にあることから、脱出不可能で鉄壁の防御力を誇る、「宇宙の大監獄要塞」と呼ばれている。
2年前の新西暦2087年、そこである《《事件》》が発生した。
看守A「緊急事態発生‼︎ 緊急事態発生‼︎ 囚人番号666666が脱走‼︎ 至急、追跡し捕縛せよ‼︎」
看守B「追えーーー‼︎ 絶対に逃すなーーー‼︎ あんな《《凶悪犯》》を逃してしまっては、宇宙は大混乱に陥る‼︎」
惑星中に非常用サイレンが鳴り響き、看守たちが《《脱走者の男》》を捜索している。同時に《《何者》》かの破壊工作でシステムが故障し、独房から囚人たちが次々と脱走する騒ぎとなった。
囚人たち「ヘッーヘッヘ‼︎ 久しぶりのシャバだぜぇ‼︎」
看守C「隔壁を作動しろ‼︎ 一人たりとも外へ逃すな‼︎」
囚人A「ま…、待てよ…、俺たちゃ同じ釜の飯を食ったワルじゃねえか…⁉︎ だから…」
「……………」
囚人A「ぎゃあぁぁぁぁっ‼︎」
《《脱走者の男》》は囚人の男を持っていた刃物で殺害した。
囚人B「な…、何なんだテメェ⁉︎」
囚人C「ぶっ殺してやる‼︎」
Dr.エビル「フン…、貴様らのようなゴミに、実験体の資格はない…。死ね…‼︎」
囚人B「うわぁ…‼︎」
囚人C「や…、やめてくれえぇっ…‼︎」
囚人たち「ぎゃあぁぁぁぁっ‼︎」
Dr.エビルは掌から波動を放ち、囚人の男たちを消滅させた。
十字軍兵A「ん…? ぐあぁっ‼︎」
「……………」
機甲十字軍の兵士は《《脱走者の男》》の気配に気づいたが、その直後に背後から刃物で斬りつけられた。
十字軍兵B「Dr.エビル…‼︎ 奴は⁉︎」
Dr.エビル「フフ…、探したぞ…」
「……………」
看守長「見つけたぞ‼︎ 囚人番号666666と侵入者だ‼︎ 撃て撃てーーー‼︎」
看守たちはプラズママシンガンを一斉に発砲したが、Dr.エビルはバリアを張って全て無効化した。
看守長「な…、何だと⁉︎」
Dr.エビル「はっ‼︎」
看守たち「うわあぁぁぁ‼︎」
「……………‼︎」
看守長「があぁぁぁっ…‼︎」
Dr.エビルは波動で看守たちを消滅させ、《《脱走者の男》》は看守長を刃物で素早く斬りつけて殺害した。
Dr.エビル「フフフ…、いくぞ…」
十字軍兵たち「了解‼︎」
「……………」
Dr.エビルと《《脱走者の男》》たちはバシリアをあとにした。この《《脱走者の男》》は何者で、Dr.エビルが《《この男》》を機甲十字軍に引き入れた理由は何だったのか?
時は、ミアとアインが魔光牙と戦った時へ戻る。
【第三ターミナル・コア 深部】
最終自衛隊が宇宙連邦政府軍とS.I.Aと戦っていた頃、魔光牙の大群を無事に撃退したミアとアインは第三ターミナル・コアの深部へたどり着いていた。
そこではDr.エビルと助手の科学者とゼッペラーが、巨大な培養槽の中の《《老人》》を見つめながらモノリスの前に立っていた。
「コツ、コツ、コツ、コツ………」
十字軍兵A「Dr.エビル、総司令‼︎ 第1機甲師団、第13機甲師団…、ただ今、帰還いたしました‼︎」
Dr.エビル「ご苦労…」
ゼッペラー「お前たちか…、相変わらず早いな…」
ミア「それぐらいだからな、私の取り柄は…」
アイン「久しぶりだな、総司令。他の13人衆はまだなのか?」
ゼッペラー「いつもの如く集まりが悪い。もう少しすれば何人かは来ると思うが………、ん…? おお、来たか‼︎」
「コツ、コツ、コツ、コツ………」
十字軍兵B「第8機甲師団、第10機甲師団、第22機甲師団、第32機甲師団、第33機甲師団…、ただ今、帰還いたしました‼︎」
奥の方から、5人のハーケンローゼス13人衆と機甲師団の兵士たちが現れた。
5人のハーケンローゼス13人衆はそれぞれ、以下の名前である。
第8機甲師団、師団長。その勇猛さから「三国志」の「呂布」に例えられ「超飛将」の二つ名を持つ、筋骨隆々・威風堂々とした巨漢の中国人、「張豪飛」。
第10機甲師団、師団長。宇宙総合格闘技「U−1《ユーワン》」の元チャンピオンだったが過去に対戦相手を殺害し格闘技界を追放され、その後は裏格闘技界のチャンピオンとして「キラー・ザ・スナッチャー」の二つ名で恐れられるようになった、「シャプレー星人」の巨漢のパワーファイター、「ガンドーラ・ザ・スナッチャー」。
第22機甲師団、師団長。「百地丹波」を先祖に持つ伊賀流忍者の末裔の日本人の美少女で「紫艶なる胡蝶」の二つ名を持つ、科学と忍術を組み合わせた「機甲忍術」の使い手のくノ一、「百地雛菊」。
第32機甲師団、師団長。黒色のバタフライマスクにボンテージとSMクラブの女王のような出で立ちをしており、かつて「イカロス星」の統治者として、周辺の惑星や銀河で独裁政権を敷いて暴虐の限りを尽くし「残虐皇女」の二つ名で恐れられたが、革命により星を追われた元女王、「ウィップス・ボンテージ」。
第33機甲師団、師団長。地球の内部に存在するとされている伝説の王国「地底王国アガルタ」の最強の戦士で、「アガルタの蒼き恒星」の二つ名を持ち、黄金の鎧とマスクに身を包む謎の男、「ゴルド・シャンドラー」。
以上5名と機甲師団の兵士たちは、Dr.エビルとゼッペラーの元へ近づいた。
※以下5名、張豪飛=豪飛、ガンドーラ・ザ・スナッチャー=ガンドーラ、百地雛菊=雛菊、ウィップス・ボンテージ=ウィップス、ゴルド・シャンドラー=ゴルドと略。
ガンドーラ「ヘッヘッヘ…、Dr.エビルに総司令。俺様たち13人衆を一度に集めるなんて、ついに宇宙をぶっ壊す日でも来たのかよ?」
ウィップス「わらわを、わざわざここまで呼んだのじゃ。それ相応の報酬は用意しておろうな⁉︎」
雛菊「しかし、雛らがこうして集まるのも、久方ぶりだな」
豪飛「それだけの強敵が現れたということであろう」
ゴルド「……………」
ゼッペラー「まあ、そうはやるな。せっかくの機会なんだ、ゆっくり楽しもうじゃないか」
「コツ、コツ、コツ、コツ………」
ミア「…? Dr.エビル、総司令。他の6人も来たみたいだ」
Dr.エビル「ほう…」
十字軍兵C「ただ今、帰還いたしました‼︎」
「……………………」
奥の方から、残る6人のハーケンローゼス13人衆と機甲師団の兵士たちが現れた。これでハーケンローゼス13人衆が全員揃った。
ミア「フ…、アクの強いメンツだな」
アイン「ああ…、俺たちも人のことは言えないが」
ゼッペラー「よくも集まってくれたもんだ…」
Dr.エビル「フフフ…、素晴らしい…」
科学者「信じられん…、この曲者たちが…」
H・R隊員「奇跡だ。全員が集まるなんざ、地球がひっくり返るよりありえねぇぜ」
我が強く仲間同士の連携も悪いハーケンローゼス13人衆が全員揃ったことに、その場にいた者たちは皆驚きを隠せなかった。Dr.エビルは集団の先頭に立ち、培養槽の中の《《老人》》を見上げた。
Dr.エビル「「総統X」…、聖なる十字を授かりし13人の騎士…、ここに‼︎」
「……………………‼︎‼︎‼︎」
Dr.エビルが培養槽の中の《《老人》》に向かって両手を広げると、《《老人》》の右目に取り付けられた装置が作動し、同時に《《老人》》がカッと目を見開いた。すると、モニュメントの目がいつも以上に怪しく赤い、激しい光を放った。
培養槽の中の《《老人》》は機甲十字軍の面々から、総統Xと呼ばれている。
全員「お…、おおっ…」
ミア「な…、何だ?」
Dr.エビル「フハハハハハ………‼︎ 錚々たる面々に、総統も喜んでおられるようだ‼︎」
ブラドス「全くだ…‼︎ 私からも祝辞を述べさせてもらおう‼︎」
Dr.エビル「おお…、その声は…」
ブラドスと数人のブラディスト教団員も奥の方から現れた。機甲十字軍とブラディスト教団は密かに手を結んでいるようだ。
ミア「暗黒大司教ブラドス…‼︎」
アイン「ブラディスト教団の教祖がなぜここに…⁉︎」
豪飛「我らのあとをつけて来たか…⁉︎」
ガンドーラ「ジジイ、何しに来やがった‼︎」
ゼッペラー「待て、お前たち‼︎」
Dr.エビル「そういきり立つな…‼︎ 奴らとは《《今は》》同盟だ…」
Dr.エビルとゼッペラーは、ブラドスに取りかかろうとしたハーケンローゼス13人衆の面々を静止した。
ブラドス「Dr.エビル…、それにミア・沙羅・シュナイダー…、この前はいいものを見させてもらった」
ミア「あの場にお前もいたのか⁉︎」
ブラドス「ああ…、《《光の子》》と《《闇の子》》の戦い…、胸が震えたぞ…‼︎」
Dr.エビル「そうか…。ブラドス…、お主の方も《《連中》》を結集させているようだな」
ブラドス「うむ…。ちょうど全員が集まったところだ。《《光の子》》を手に入れるため、ともに行こうではないか」
ウィップス「フン…、わらわの足を引っ張るでないぞ、ブラドス‼︎」
豪飛「《《光の子》》…、どれほどの腕前の強者なのか、楽しみではあるな」
ゴルド「……………」
雛菊「それはそうと、Dr.エビル。ここへ来る途中、以前から雛らの周囲を嗅ぎ回っていた宇宙連邦政府の間者を捕らえたぞ。お前たちここへ連れて来い」
十字軍兵たち「了解‼︎」
雛菊の指示でS.I.Aのエージェントの男たちが兵士たちに連れてこられた。
エージェントたち「く…、クソ…」
ゼッペラー「ほう、こいつらだったか…、宇宙連邦政府へ情報を流していたのは」
ウィップス「スパイじゃと⁉︎ 死刑じゃ、死刑にするのじゃ‼︎」
Dr.エビルはエージェントたちに手をかざし、尋問を始めた。
Dr.エビル「答えろ…、お前たちの飼い主は誰だ…?」
エージェント「フン…、誰が言うものか…。死んでも吐かんぞ…」
Dr.エビル「嫌でも吐かせてやる…、はっ‼︎」
エージェントたち「お…、うあ…、お…、お…」
Dr.エビル「もう一度聞く…。お前たちの飼い主は誰だ…?」
エージェント「く…口が勝手に…、ハ…、ハリー………」
アイン「ハリー…」
エージェント「ハ…、ハリー………、マン……」
Dr.エビル「フフ…、ご苦労だ…」
Dr.エビルが掌から波動を放つと、エージェントたちは必死に抵抗した。だが、抵抗し切れず雇い主の名を喋ってしまった。
ミア「ハリーマン…、ハリーマン特将か…」
ブラドス「例の超越兵士計画を進めているという男か…」
Dr.エビル「ああ…、湯川から情報を手に入れるため、亡命の手引きをしていたのもそうだろう…」
雛菊「どうする、Dr.エビル?」
エージェント「こ…、殺すなら殺せ…」
Dr.エビル「フフフ…、飼い主のために死んでも忠義を尽くすか。見上げた精神力…、こやつらはいい実験体になりそうだ。連れて行け…‼︎」
十字軍兵たち「了解‼︎」
エージェントたちは兵士たちに何処かへ連れて行かれた。
Dr.エビル「フハハハハ…、お見せしましょう、総統…‼︎」
ブラドス「我らの手で、《《審判の日》》…、「真の最終戦争」を‼︎ フハハハハ…、ハーッハッハッハ…‼︎」
ミア「………」
「……………………‼︎‼︎‼︎」
Dr.エビルとブラドスの不気味な高笑いが響くと、総統Xの右目に取り付けられた装置とモニュメントの目が怪しく赤い、激しい光を放った。
ミアはそれを黙って見つめていた。
機甲十字軍とブラディスト教団。
利害の一致で手を取り合う二つの組織は、これから何を始めるのか?
【次回予告】
ナレーション:百地雛菊
百地雛菊だ。雛と呼んでくれればよい。
雛たちはこれから、実験体や波動氣神ジェネバスターを手にするため行動を開始する訳だが、雛たち意外にも徳川と言う者が執拗につけ狙っているようだな。
そして天越学園と言う学校にまた新入生が現れるそうだ。
お前たち…、油断をしている暇はないぞ…。
次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎
【第41戦記 謎の新入生たち】
と言う話らしい。雛も少し楽しみではある…。




