第11戦記 戦いの理由、決意
夢から覚めた杏花。起きると、そこは最終自衛隊総司令部の寝室だった。
【最終自衛隊総司令部】
杏花の目には涙が溢れ出ていた。
杏花がしばらくの間黙り込んで辺りを見回していると、直虎が様子を見に現れた。
直虎「おっはよー‼︎ よく眠れた、杏花? 随分長い間眠ってたから、心配しちゃったわ」
杏花「あっ…、アンタはっ⁉︎ よくもさっきは‼︎」
杏花は直虎に殴りかかろうとしたが、直虎は腕を掴んで杏花を静止した。
直虎「まあまあ、一旦落ち着いて‼︎ 私の話をよく聞きなさい‼︎」
直虎に静止され、杏花は一旦冷静になりベッドの上に座った。
直虎「ゴメンね、さっきは手荒なマネして」
杏花「ところで、ここどこ?」
直虎「最終自衛隊の秘密基地、最終自衛隊総司令部よ」
杏花「やっぱり私、ジェネバスターとかいうロボットに乗るの?」
直虎「そうだと言いたいんだけど、本当は私も無理強いするのは好きじゃないし、本音は自分で決めてと言いたい」
杏花「……………」
直虎「あなたの両親は、マイケル・ティアーと杏子・ティアー。二人はジャーナリストだったのよね?」
杏花「そうだけど…」
直虎「二人はジャーナリスト仲間であったことが縁で結ばれ、杏花を出産。
のちに宇宙連邦政府の闇を知り、反宇宙連邦政府レジスタンス組織であるREVARSEに参加。マイケルはREVARSEのリーダーになる」
杏花「……………」
その後、直虎はさっきまでとは打って変わって重苦しそうに話し始めた。
直虎「それから先は…、ああゴメン、辛いことを思い出させちゃったかしら…?」
杏花「私のパパとママは…、宇宙連邦政府の《《エージェント》》に殺されたわ…。私の目の前で…」
杏花は涙ぐみながら話を続けた。
杏花「だから私は…、宇宙連邦政府への仇打ちを誓った…。パパとママを殺した宇宙連邦政府軍とその《《エージェント》》に…‼︎
そのために私は一人で毎日身体を鍛えて、銃や格闘技の特訓もして、アーマード・ギアの戦闘シュミレーションもやってきた‼︎
だけど…、人が死ぬ所を見たり想像したりすると…、あの日のトラウマが蘇ってきて………‼︎ 私…、どうしていいか…‼︎」
直虎「……………」
泣き崩れてしまった杏花を直虎はそっと見つめながら口を切り出した。
直虎「私も同じよ…」
杏花「えっ…⁉︎」
泣き崩れていた杏花は、直虎の顔をそっと見つめた。
直虎の顔には、物悲しげな表情が浮かび上がっていた。
直虎「私も両親を目の前で殺されたの…、ギャラクシア・ヴァース帝国に…。第二次宇宙大戦の末期だったわ。その時はまだ私も幼い少女だった。
当時は父の仕事の関係で木星に住んでいたんだけれど、ギャラクシア・ヴァース帝国の侵攻で都市が激しい戦闘に巻き込まれて、避難を余儀なくされたの。
戦火から逃れている最中、両親は私を庇って…、私の目の前で死んだ…。
残された私は地球行きの避難用シャトルに乗せられて、地球に避難した後は父の実家に引き取られた。
そのあとは、あの日のトラウマに何度も苦しみながら、ギャラクシア・ヴァース帝国への仇打ちをしたい思いで強くなるために、小学校を卒業後、最終自衛隊に入隊して毎日必死に特訓した。
正直、今でも時々あの日のトラウマが襲って来ては、私を苦しめる…」
杏花「私と同じ…?」
直虎「みんなそれぞれ違いはあるけど、戦いを始める理由っていうのはそういうものよ…。死ぬのは怖いし傷つけるのも怖い…、だけど戦わなければ自分が死ぬ。守りたいものも守れない…。
綺麗事は言わないわ、杏花…。宇宙連邦政府への仇打ちのために戦ってみない?」
杏花「えっ…、突然何よ…⁉︎」
直虎「実はね…、まだ確証はないんだけれど、新日本政府の内部に宇宙連邦政府に内通していて、私利私欲のためにジェネバスターを引き渡そうとしている者がいるとの情報を、諜報班が掴んでいるの。
それに最終自衛隊は非常事態でもない限り、宇宙連邦政府議会で3分の2以上の承認を得なければ出動できない。でも、議会は宇宙連邦政府軍との会談で手が一杯。
かと言って承認を待ち続けていたら、また第二次宇宙大戦の二の舞になってしまう。だから、私たちは最終自衛隊の出動準備をしているの。
新日本政府内に内通者がいる以上、宇宙連邦政府軍と戦う機会がないとも限らないわ。
どうする、杏花…? あなた自身で決めなさい。」
杏花「いいでしょ…、やってやろうじゃない…‼︎」
直虎「その意気よ‼︎ 今、5人の内の2人がブリーフィングルームに集まってるわ‼︎ 行きましょう‼︎」
直虎は杏花の肩を景気良く叩くと、杏花をブリーフィングルームへと案内した。
直虎「ここよ。じゃ、私はちょっと用事があるから」
直虎はブリーフィングルームを離れ、杏花はブリーフィングルームの中へと入った。
杏花「はっ………⁉︎ な、何よ⁉︎このアクの強い連中は⁉︎」
そこには、麻里奈と萌の二人がいた。
杏花「メンバー数総勢369人を誇る大規模宇宙アイドルグループ、SGL369の最前列を飾るエースの中のエース、神メン13の一人、皇麻里奈‼︎
小説「銀閣寺」で若干12歳にして「直江賞」を受賞し、その可愛らしさからアイドル的人気を誇る大人気若手小説家、雪月萌‼︎
有名人だらけじゃない‼︎」
麻里奈「ほうほう…、だが拙者と萌お嬢もお主の名は存じておるぞ」
萌「萌お嬢って…」
麻里奈「お主は、火星帰りの帰星子女にして、水泳の地球代表選手‼︎
素っ気ない態度とは裏腹にふいに見せる笑顔が可愛いと話題の、ツンデレで可愛いすぎる水泳選手こと、杏花・E・ティアーでござるな⁉︎」
杏花「そ、そうだけど…、そのござるとか、拙者とか何とかならないの?」
麻里奈「フフン…、拙者はこう見えて大の時代劇好きで、将来は時代劇の登竜門「銀河ドラマ」に出るのが夢だからこれでいいのでござる‼︎」
杏花「ま…、別にどうでもいいけど…」
萌「あたし的には、個性的な人がたくさんいてくれる方が小説のネタが思い浮かぶんだけどね」
杏花「あら、そう………、って…、アンタもそのボソッとツッコミ入れてくるスタイルは………。はぁ…、いちいち指摘してると気疲れしそうだからやめとこ…」
直虎「みんな、上手くやってる?」
直虎が戻って来てブリーフィングルームの中へ入って来た。
杏花「ええ、まあ一応…。それより、あとの二人は?」
直虎「《《5人目》》はちょっと諸事情で遅れそうなのよねー。《《4人目》》は、上手くいけばもうすぐ来るはずよ」
明日美「すみません、遅れました‼︎」
招集に応じた明日美がブリーフィングルームまでやって来た。
直虎「明日美、待っていたわ‼︎ きっと来ると信じてたわよ‼︎ 《《覚悟》》は、できたのね…?」
明日美「はい、私も共に戦います‼︎」
杏花「へえ…、あの華園明日美が…‼︎」
麻里奈「これはまた大物よの…‼︎ もちろんバストとヒップの方も…、ムフフ…」
萌「世の女性の憧れ…、世の男の注目の的…」
杏花、麻里奈、萌の3人は明日美に注目して一言ずつ呟いた。
直虎「さて、私も改めて自己紹介するわ‼︎ 私は新日本政府地球防衛省所属、最終自衛隊司令、立花直虎‼︎ 階級は少佐よ、よろしくね‼︎」
杏花「よろしくね、直虎‼︎」
麻里奈「直虎殿、よろしく頼みまする‼︎」
萌「よろしく、直虎さん」
明日美「立花司令、よろしくお願いします‼︎」
直虎「はい、これあなたたちのパイロットスーツよ‼︎ いつでも出動できるように渡しておくわ‼︎」
4人は直虎から専用のパイロットスーツを手渡され、パイロットスーツを試着した。カラーはそれぞれ、杏花は赤色、麻里奈は黄色、萌は緑色、明日美は青色だった。
杏花「いいサイズ感ね」
麻里奈「SF映画の登場人物みたいでござるなぁ」
萌「ちょっとだけサイズが大きいような気がする…」
明日美「私は胸とお尻の辺りがちょっときついような気がするわ…」
直虎「あとは、《《5人目》》を待つだけね…」
こうして、杏花、麻里奈、萌、明日美の4人が無事に最終自衛隊総司令部へと招集された。
湯川の元にいる《《5人目》》は一体何者なのか?
【次回予告】
ナレーション:浪川陸翔
よう、そこの可愛い子ちゃんたち‼︎ 陸翔だぜ‼︎ 俺の目の前にいる可愛い子ちゃんたちなら当然、俺の名前はもう知ってるよな⁉︎
機甲暴力団の奴らが街で暴れ出しやがった‼︎ それで最終自衛隊が緊急出動になったって訳‼︎ 全く何がしたいんだ、あのチンピラども‼︎
Gトルーパーズのみなさん、あんな奴らさっさと片付けてくださいよ‼︎
次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎
【第12戦記 出動‼︎ 最終決戦部隊、Gトルーパーズ‼︎】
って言う話らしいぜ‼︎ 可愛い子ちゃんたち、楽しみに待っててくれよ‼︎




