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「25歳のサン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑤)  作者: サナダムシオ


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⑱ 情報の整理

 二人は再び螺旋階段を上り、地上に戻って来た。

「じゃあ、ボクはそろそろ帰りますね。色々と見せていただいて、ありがとうございました」


「うん、帰りの道中も気をつけて。最近じゃあ、亜空間海賊なんてのも、出るらしいからね?」

「……御冗談でしょ?」

「さあ……どうかな?」

 その黒い柴犬は、片方の口角を上げてニヒルに笑った。


 サン・ジェルマンが、その場で小型トランクを開いて、帰りの時空ジャンプシークエンスに入ると、最後にアヌビスはこう言った。


「今後また、私やバステトが、貴方に会う事もあるでしょう。ただその時には、初めて会うような顔をしてくれると、助かります」

「……何故です?」


「時空を何度も行き来して、同一人物に会っている事が、高次元の存在にバレると、色々と面倒な事になるんですよ。貴方もその内に分かる」

「それは……」


 伯爵が何か言いかけた時、時空ジャンプが始まってしまった。

 彼はまた、南スペインの屋敷の自室に帰って来た。

 そろそろ、夕食を摂らなければ。


 夕食を終え、シャワーを浴びた後、バスローブに着替えた伯爵は、ワイングラスを揺らしながら、今日の体験を、脳内で反芻してみる。


 まずアカシックレコードの名付け親とされる、シュタイナーに会いに行った。しかし実のところ、アカシックレコードという呼び名は、遥か古代から使用されていた。


 彼は人類の敵についても言及していた。アレは実体のある者の事なのか、それとも象徴的なイメージの話なのか……判然としなかった。


 次に彼の勧めで、紀元前3万年のエジプトに行ってみた。

 ピラミッドもスフィンクスも、様子が現在とまるで違っていた。

 スフィンクスの原型は、二体のアヌビス神像だった。


 そしてそれを壊そうとする爬虫類族に出会った。

 彼等はアラハバキと名乗った。

 恐ろしい連中だったが、ソレを上回るチカラを持った、自称正義の味方が現れた。


 黒猫の戦士、バステトだ。

 更にその後、犬王子アヌビスが現れた。

 おそらくアヌビスの名称は、代々王族が受け継いでいるのだろう。


 そして彼に案内され、アカシックレコードの間に行った。

 そこで貴重な体験をする事が出来た。

 多分、ここまでの事の成り行きを、シュタイナーは全て知っていたのだと思われる。

 今更ながら、恐るべき人だ。


 しかし、おかげで様々な事が判明した。

 知り得た事実については、今後暫くの間、自分の胸に仕舞っておく事にしよう。

 サン・ジェルマンは、そう心に決めたのである。


挿絵(By みてみん)

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