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「25歳のサン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑤)  作者: サナダムシオ


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⑮ バステト神

「キミは一体……?」

 サン・ジェルマンは、その黒い猫に問いかけた。

「アタシ?アタシは趣味で正義の味方をやっている、戦士バステトよ。貴方の心のSOSをキャッチして、時空を超えてやって来たの」


「……はあ?」

「で、どうする?助けて欲しいの?欲しく無いの?トラブルに介入する時には、必ず当事者の許可を頂く。ソレがアタシの流儀なのよ」

「……じゃあ、お願いします。是非!」

「了解、喜んで!」


「貴様ら、何をそこで、ごちゃごちゃ言っているのだ?ええい、まとめてやってしまえ!」


 隊長の命令を受けて、その場にいた30名程のトカゲ男たちが、武器を手に、一斉に跳びかかって来た。それをたった一人で迎え撃つ黒猫は、まるで竜巻のような動きを見せ、あっという間に、敵を全員、戦闘不能にしてしまった。双方のチカラの差は、歴然であった。


「残るは、アンタだけね?」

 ニヤニヤ笑いながら、トカゲの隊長に歩み寄る黒猫。

 焦りを見せるトカゲ男。

「鬼神のように動き回る、金の鎧の黒猫……さては、貴様、バステトだな!?」


「今ごろ気づいても遅いのよ、アラハバキの隊長さん。どうする?その辺に転がっている仲間を連れて、大人しく退散するなら、命までは取らずに、このまま見逃してあげてもイイわよ?」

「……是非も無い。ええい、皆の者、引けい!引けい!」


 隊長の掛け声を受けて、倒れていた者たちも皆、左のスフィンクスの前足の間に消えて行った。まるで右のスフィンクスが、この世界への入り口、左のソレが出口のようだった。


「まあざっと、こんなところかしらね?アタシ、とある友人との約束で、無駄な殺生は、出来るだけしないように心がけているのよ……って、アレ?貴方よく見たら、サン・ジェルマンじゃないの……でも、ちょっと若いか?」

 事が済んだとたん、その黒猫は、色々と語り掛けて来た。


「如何にも。ボクはサン・ジェルマン伯爵ですけど……どこかで以前、お会いしましたっけ?」

「以前じゃないわ。これから会う事になっているのよ」

「……それは、一体どういう?」


「貴方もタイムトラベラーなら、物事を四次元的に捉えなさい。時空を旅する者にとって、同じ時間軸の、過去・現在・未来は、並列に俯瞰出来るモノでしょ?」

「はあ……そんなモノでしょうか?」


「……まあ、いいわ。次のSOSをキャッチしたから、アタシはもう行くわね。また逢いましょう!」

 バステトはそう言うなり、目の前から一瞬で居なくなってしまった。

 彼女はまさに、疾風のような存在だった。

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