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閑話


よく晴れている日だった。

昼寝にはちょうどいい。



遠くで鐘の音が鳴ったのはどれくらい前だったろうか。

いつもなら、そろそろ来る頃だった。

仕事だろう。



そう結論づけて、目を閉じる。

――またしばらくして、目を開けた。




まだ彼女は来ていなかった。

仰向けのまま、魔法塔へ視線を向ける。

二階だとあの辺りの窓か、などと見当をつけ始めたところで我に返った。


……何をしているんだ。


別に、彼女が来ると言っていたわけではない。

言っていたわけではないが、おれは彼女を待っていた。



待っていた。


その言葉に、ふと先日のやり取りが頭をよぎる。


『待ったか?』

『……待ってませんけど』


約束もしていないのに、なぜあんな言葉が出たのか。


あの時は、ただ口をついて出ただけだと思っていた。

だが、それなら。


『……待ってなかったんだろ』


なぜ、わざわざもう一度聞いた。

――待っていてほしかったからか。




視線を魔法塔へ戻す。

今日も、来ると思っていた。

来ないと分かれば、理由が気になる。



第三へ行けば分かるか。

――何の用件でだ。



約束すらしていないおれには、理由を聞くことすらできない。





それがひどく気に入らなかった。












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