第11-1話:2体同時出現
その夜、市街地に不気味な魔力反応が二つ同時に現れた。麗子はいつも通り、ロイヤルブルーのレオタードに肢体をねじ込み、現場へと急行した。
しかし、今日の彼女の身体は、すでに「戦士の器」としては致命的な欠陥を抱えていた。
第9章の相談室で、ヒュノプスに仕込まれた『揺らぎ』が色濃く残っていたのだ。
催眠下でニップレスを忘れさせられたまま、生地越しに直接撫で上げられた胸部の異常なまでの過敏さ。日中、スーツのブラウスが擦れるだけでも呼吸が乱れていたその敏感な肌は、超高密度の強弾性繊維を持つ戦闘スーツを纏うことで、さらに凶悪な「自己刺激の檻」へと変貌していた。
(……っ、苦しい……。生地が、胸を……っ)
走るたびに、強固な着圧が突起を内側へ押し潰し、微細な摩擦を生む。戦う前からすでに、彼女の呼吸は熱を帯び、パンストの奥の神聖な空間は不安と羞恥で湿り気を帯びていた。
現場で待ち受けていたのは、彼女を最も深く知る二つの悪意だった。
精神と魔力を操り「翻訳快感」を刻み込んだゾディアック、そして肉体拘束と解析を司るネクサス・バインドの二体。
後年になってこの記録をまとめている俺には、すべてが一本の線に繋がって見える。
第10章でネクサスが単独で行った執拗な拘束と解析テストは、この夜、ゾディアックと共に完璧な連携攻撃を成立させるための、文字通りの『準備段階』だったのだ。
逃げ場のない二重支配――地獄の幕が、静かに上がった。




