第10-6話:押し込み未遂と8章の再現
Vライン真正面からの完璧な拘束を維持したまま、ネクサスはセイントレディの下腹部へと、あの内視鏡を備えた極細の触手をスルスルと伸ばした。
第8章の時と同じだ。
触手の先端に仕込まれた冷たいレンズが、パンストの薄い膜と純白のパンティ越しに、彼女の正義の核であるブルークリスタルへと到達する。
「カチ、カチ……」
無機質で硬質な音が、静寂の戦場に響いた。
それは、クリスタルの表面を叩き、素材の硬度と魔力の反発係数を確かめ、恥丘に対して『最も陥没しやすい最適な角度』を再計算しているかのような、極めて解析的な打撃音だった。
「あっ……んんっ……!」
自分の最も神聖な空間の構造が、機械的に暴かれ、データ化されていく屈辱。麗子は固定されたまま、荒い呼吸を繰り返すことしかできない。
だが、今回もネクサス自身による『押し込み』は起きなかった。
ネクサスの無機質な力だけでは、クリスタルが持つ神聖な魔力の反発を超えて、肉体の奥底へ陥没させることはできないからだ。
(やはり、ネクサス単独では無理だ。……だが、この執拗なまでの角度計算と固定は、明らかに『魔力を打ち込める誰か』が、ここに介入してくることを前提としている……っ!)
ただ拘束するためではない。これは「誰か」が最高の一撃を叩き込むための、完璧なセッティングなのだ。
俺の脳内で、点と点が最悪の形で結びついていく。その推論が導き出す絶望的な未来図に、俺は声にならない呻きを漏らした。




